.。改]恋愛成就の洞窟で。.
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#343 [桔妁]
「いやいや、おいてけぼりにするのも…あれだから。」
上擦る繭の声に答えれば、急に繭は立ち上がった。
「……洞窟、行こ!!」
「は…?」
天弥はといえば、しばらく恋人同士ーみたいな、そんないちゃいちゃをしてみたかったわけだったが。
繭は急いで用意すると、口が半開きの天弥を引っ張り出した。
:08/04/23 14:56 :SH902iS :☆☆☆
#344 [桔妁]
家の前には、暁が居た。しばらく前から待っていたようで、その手は冷たそうであった。
「あぁ、おはよう二人とも。」
にっ、と微笑む暁は気取るわけでもなく、いつみても綺麗だ。
そして、暁は二人を見比べてニヤニヤと笑う。
「?」
繭と天弥はそんな暁に首を傾げるばかりだった。
:08/04/23 15:01 :SH902iS :☆☆☆
#345 [桔妁]
「いやぁ、お前たちの事を本に書いたらおもしろいだろう、とな!」
そう言い、端の揃っていない紙の束を二人に手渡す。
「……え、どういう事ですか?」
そこには色々と書いてあったが、何しろ昔の文字。二人には読めなかった。
―――――――――
―――
:08/04/23 15:04 :SH902iS :☆☆☆
#346 [桔妁]
「……これ、なんですけど…」
歩きながら、柳園は吉原に一枚の紙を差し出した。
「ん?…昔の雰囲気漂う本が沢山?」
そこには、白黒の書が五冊程並んだ写真がプリントされていた。
「そうなんです。それで、この左から二冊目の本なんですが。…"男女鬼穴物語"って書いてあるんです、多分。」
:08/04/27 22:11 :SH903i :☆☆☆
#347 [食]
:08/09/24 08:44 :SH905i :PrKIzmOA
#348 [桔妁]
しばらく休んでました!;
色々と事情があったもので..
マイペースになっておりますが
これからも&これから見て下さる方々も、
よろしくお願い致します。
:08/11/15 19:26 :SH906i :☆☆☆
#349 [桔妁]
「男女鬼穴…?何だ、それは。」
「もう、資料見てないんですか??…鬼穴…そこ、今は恋愛成就の洞窟とされているんです。」
柳園は本の題名、そして夢を頼りにそれを部長に言った。部長は、それを部長なりに読み取ったらしい。
「成る程、じゃあその本を探そうか。…昔の文章は読めるね?」
その質問に柳園は大きく、はい!と答えた。
:08/11/15 19:34 :SH906i :☆☆☆
#350 [桔妁]
――しばらく歩いていると、資料で見知っている景色が見えてきた。皆、一緒に周辺の家屋を見て回る。
と、柳園がある家屋の、倉の前で立ち止まった。
「あ―…此処よ。」
それだけで部員は分かった。ポイントになるその本がここにあるのだ、と。
そして、繭の祖母の家であることを知るのは少し先のこと。
:08/11/15 19:40 :SH906i :☆☆☆
#351 [桔妁]
一同は繭の祖母に暖かく迎えられた。家の中も暖かく、さらに食事まで分け与えてくれた。
「さぁ、たんと食いさね!こんな山奥までまぁ!」
「うぉぉ!暖かいご飯!ありがとうっス!」
慶なんて泣きながら食べている。そんな中、吉原は本題に入った。
「御祖母様の、蔵についてなのですが。」
にこりと、彼女は笑って、了解してくれた。
:08/11/15 19:47 :SH906i :☆☆☆
#352 [桔妁]
蔵を見た柳園は何故か愕然としていた。
「―違う、」
そしてただ一言、そう言った。
「な、似てる家屋だからか?柳園でも外れるときがあるんだな!」
慶は笑いながらそう言う。柳園は悔しくて泣きたくなった。
「――はぁ…、御祖母様、他に蔵のある家はこの村に幾つありますか?」
:08/11/15 19:52 :SH906i :☆☆☆
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