.。改]恋愛成就の洞窟で。.
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#258 [桔妁]
しかし、立ち上がった人達は僅かながらに居たのだ。
警察にも見放されてきている二人に目を向けた者達……
――――
―
「ねぇ、今回の議題は?」
髪の長いおかっぱの少女が話し掛ける。その先には少年が。
気付けば丸い机を数人の生徒が囲んでいる。
:08/01/14 09:50 :SH903i :☆☆☆
#259 [桔妁]
「今回は―…"神隠し"にしないかい?」
彼等は小さな町のある学校の生徒たち…
心霊非科学研究部のメンバーだった。
「神隠し…って去年の夏のですか?あれは没になったじゃないですか。」
「いや、それが調べてみたんだけど…。ミステリー…。きっと凄いことになる気がするんだよ。」
:08/01/14 09:56 :SH903i :☆☆☆
#260 [桔妁]
彼等は校内で、色々な意味で噂になっている。余り活動的な部活ではない為に、部員は四人。部費は常に赤字であるのは言うまでもない。
その部員達を詳しく説明するとしよう。
面白そうな事を見つければ"ミステリー"と言う部長。
気の強そうなおかっぱ頭の副部長。自称座敷わらし。
座敷わらしに連れられて、ひょんな事から部員になった二年生。元サッカー部員。
全ての雑務をなんなくこなし、違う波動をキャッチできる一年生の女子。
:08/01/23 15:06 :SH903i :☆☆☆
#261 [桔妁]
それぞれの名前は、
吉原 望(ヨシハラ ノゾム)
七塚 舞子(ナナツカ マイコ)
椎名 慶(シイナ ケイ)
柳園 奈緒(リュウエン ナオ)
雪のしんしん降る中で、彼等が動く事を決定する。
「では、一月以内に資料を調べますね。」
柳園が言えば、三人は真っ直ぐな目で見て頷いた。
:08/01/26 20:58 :SH903i :☆☆☆
#262 [桔妁]
―
―――
寒い――…
この言葉が切実に伝わるかは定かではない。が、実際に繭には辛いものであった。
囲炉裏はあるが隙間風は体の部分を冷やして、それがまた辛いものであった。
春始めになったといつか告げていたが、それはつかの間の晴れ続きだったに過ぎないようだった。
「天弥は旅人と村長の所だしな…うう、寒い…」
:08/01/26 21:13 :SH903i :☆☆☆
#263 [桔妁]
―
――――
「村長――…」
「おっさん…」
旅人と天弥は村長を丸い目で見た。
「…ま、昔の話だがな…」
村長はキセルを吹かしながら七輪を突いている。
「兄さん!!凄い話じゃないですか!!!!」
:08/01/27 22:17 :SH903i :☆☆☆
#264 [桔妁]
天弥は異世界への思いを深く馳せていた。
「そうだな…。村長、ありがとう!!」
二人はお辞儀をして家を出た。外に出ると雪が降ってきそうな風が吹いていた。
「風強い…早く帰って暖まりましょう、兄さん!」
天弥は親しみをこめ、旅人を兄さんと呼んでいた。
旅人は頷くと、天弥の手を引き走った。
:08/01/27 22:22 :SH903i :☆☆☆
#265 [桔妁]
手を握られた天弥は驚いた。旅人の手は冷たく華奢だったからだ。
(兄さん、寒いんだ…)
天弥はそんな風に思い、早く囲炉裏に当たらせてあげたくて、走るスピードをあげた。
「!?ちょ、天弥!!」
その早さに戸惑う旅人。
と、ふいに向かい風が吹いた。
:08/01/31 23:55 :SH903i :☆☆☆
#266 [桔妁]
ばさっ…と取れたのは旅人のかぶっていた笠である。
同時に、旅人の頭に束ねられていた長い黒髪が姿を現した。
切れ長の目も光を浴びていた。
そういえば旅人の頭、さらには表情までもを見た事がない天弥であるが、驚いた。
まさか、まさか。
「え…に、兄さん……!」
どこからどこを見ても、旅人は女でしかなかった。
しかも、美人ではないか!
:08/02/01 11:33 :SH903i :☆☆☆
#267 [桔妁]
「!!!」
驚いた天弥は、何やら聞き取れない事を言い、走りさってしまった。
旅人は、ぽかんと天弥を見ていた。
「…いつ私が、男だと申したろうか…。」
笠を拾いかぶると、とぼとぼと天弥の家へ向かうのであった。
:08/02/01 11:39 :SH903i :☆☆☆
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