.。改]恋愛成就の洞窟で。.
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#288 [桔妁]
というわけで、人数がただでさえ少ないオカルト部は一人欠席という事で三人での課外活動となった。
「さぁ、ミステリー開始だね。」
部長の変な掛け声と共に、僕等は田舎から更に田舎へと行く電車に乗り込んだ。
―
―――――
:08/04/03 01:53 :SH903i :☆☆☆
#289 [桔妁]
―――
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ここ三日前から俺は何故か繭に苛々をぶつけられている。
「なぁ繭、おかわり。」
「…それ位自分でやりなよ、」
ご飯のおかわりを頼むだけでもそんな事を言われ(いつもなら笑顔でやってくれていた)ため息をつかれる始末。
「…何故!?」
:08/04/03 01:58 :SH903i :☆☆☆
#290 [桔妁]
「お前達の痴話喧嘩のためにあるのではないぞ、此処は。」
此処は見慣れた頼弦の家だ。
そこでため息をつく頼弦の前に、天弥は胡座をかきそっぽを向いていた。
「違う。喧嘩じゃね-よ。一方的だぞ。」
そう言う天弥に気付かれぬように苦笑いをしてから言う。
「きっかけは多分お前だろう?繭は理由無しには怒るまいからな。」
:08/04/03 02:46 :SH903i :☆☆☆
#291 [桔妁]
「そう、だけどなー…」
頼弦がそう言う事は一理ある。繭は滅多に理不尽な理由で怒ることはない。
「けどさ、なんか俺したか?してないぞ?」
「……馬鹿だな。」
「は?」
頼弦が何らかの理由を察知してか呆れて言った。分からず天弥は声をあげるだけだが。
:08/04/03 02:51 :SH903i :☆☆☆
#292 [桔妁]
「頼仲とは全然違う奴だからなお前は。…少し奴に取り憑かれてみればいいだろうに。」
ため息混じりに頼弦が言えば。そこで扉がカラカラと音を立て、開いた。
「天弥、は居るか?…あぁ、そこに居たか。」
美人な物書き、暁の登場だ。笠によって隠れた白い顔はある意味では男も女もどきりとする。
:08/04/03 02:59 :SH903i :☆☆☆
#293 [桔妁]
「天弥殿、もう行くのか。」
この女の事は頼弦も少し知っていた。…というか天弥から聞かされていた。だからこれから洞窟について調べるのだということも分かった。
そして繭が何故怒っているのかも多少。
「あぁ。うん。」
「…………。それでは…今日の夜は一緒に呑まないか?…終わったらこっちに戻ってくれ。」
それに、繭殿には言っておくと付け加えた。
:08/04/03 03:04 :SH903i :☆☆☆
#294 [桔妁]
頼弦が呑みに誘うとは珍しい。というか初めて。
なので何故か断れず頷いて、天弥は家を出た。
残された頼弦も家を出る準備をした。
「いつから世話焼きになったのだかな…。まぁ家で痴話喧嘩の話をされるのも嫌だしな。」
そう呟けば草履を履き、繭の家へと向かった。
:08/04/03 03:08 :SH903i :☆☆☆
#295 [桔妁]
「くそ。天弥のあほんだら!………ひまだ…」
トントン、
「!」
繭が暇にして過ごしていれば、扉を叩く音が聞こえた。
それはよく知る頼弦であったので繭は快く出迎えてお茶を出した。
頼仲に比べ落ち着いた物腰の頼弦はやはり大人、といった感じで毎回少し緊張する。
:08/04/03 03:13 :SH903i :☆☆☆
#296 [桔妁]
「相変わらず美味い茶を有難う。……時に…天弥殿を阿呆んだら、と言っていたようだが、何かあったか?」
「は、…聞こえてたんですか!」
ニコリ、と微笑む頼弦さんは兄貴分のようで隠し事は出来ない雰囲気にさせた。
「いや、ただ暇だったので…」
けれどもこのモヤモヤっとする気分を悟られたくはなくて苦しいけれど笑顔でそう言った。
:08/04/03 03:18 :SH903i :☆☆☆
#297 [桔妁]
「そうかい?何かあるなら仏にでも愚痴をたらせば良い。…あ!」
「は!!」
ふいに頼弦は繭の後ろを指差した。
繭ははっと後ろをむき、その隙に頼弦は繭のお茶に酒を混ぜた。
いつぞやの正月のときの酒よりも酷いのを少し。
これは、頼弦の作戦であった。……青臭い二人の為の。
:08/04/03 03:22 :SH903i :☆☆☆
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