.。改]恋愛成就の洞窟で。.
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#318 [桔妁]
 
「怒ってるだろうけど…ちょっと聞いて?…前に頼仲にされた"恋愛話(コイアイハナシ)"について。」

「は!?」

まさか天弥からそんな恋やら愛やらの話が出るなんて!!

「き、聞いてたの!!!」

「…いいから聞いて。」

⏰:08/04/05 21:49 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#319 [桔妁]
 
――――――――

なぁ、都じゃ最近好きな女子が出来たら[恋した!]と言うらしいんじゃー!

いや、知ってるけど?

でもな、こっちじゃ近くに住んでる夫婦たちが互いに[愛してる]と言うんじゃ。

うん、それで?

……それ、わしは間違っとると思うんじゃ。

うん、何で?

⏰:08/04/05 21:57 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#320 [桔妁]
 
恋と愛は真逆!海に例えれば、恋は浅瀬じゃ。愛は深海。

浅瀬には魚が沢山居て、つまり皆が見ている環境、皆が知っとる中での戯れ事じゃ。

深海には、灯なんてものはなくて、存在するものも手探りで探し合わなくちゃならん。けど逆に"自分達しか知らない世界"になる。

つまり、愛は心の臓が高鳴るそれとは違うんじゃ。

⏰:08/04/05 23:33 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#321 [桔妁]
 
ただし、恋と愛は恋愛となれば繋がるんじゃ。ある星では恋愛という単語が存在するらしいからのう。

浅瀬から深海まで知らんと、愛と恋は別物なんじゃ。


……俺にはさっぱりだな!

―――――――――

「―…っつうのが頼仲の話…。」

天弥は頭をポリポリ掻きながら繭の放をちら見した。

視線は繭がぼんやりと入る程度まで下を向いている。

⏰:08/04/05 23:44 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#322 [桔妁]
 

繭はと言えば、頭の中で記憶の影がちらっと動いていた。

私は、頼仲くんの話を"知っている"――…

「……!」

そうだ、あれは確か恋愛成就の洞窟の、言い伝え!!


「……そっか、そうなんだ…」

「?」

⏰:08/04/07 02:58 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#323 [桔妁]
 
恋愛の神様は、きっと昔から私の側にいた。

私は天弥の方へと、立ち上がり、振り向き、走った。

「……天弥、!」

「は?」


天弥は分からないと言った表情で繭を見た。

「……何?」

「…天弥は、どっち?」

⏰:08/04/07 03:02 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#324 [桔妁]
 
「な?」

「……恋と、愛なら!」


繭は若干顔を赤らめてはいるが、元から気の強い方なので目線は天弥へと向けられるまま、恥ずかしがる事もなく問う。

「どっち、?」

「………じゃあお前は。」


逆に聞かれれば繭はしばし悩み、言った。

⏰:08/04/07 03:06 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#325 [桔妁]
 
「…………―両方!!!」

「―…んだよ、欲張りだな…。さすが繭だな。」


きらきらと笑う繭に吹き出して天弥は言った。

「……でも、ま、俺も両方がいいかな…なんてな。」

「……あはは!天弥だって欲張りじゃん!!……?」



不意に、繭は倒れかかった。……酒の効果だった。

―――――――――
――

⏰:08/04/07 03:09 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#326 [桔妁]
 
――――…。

慶は天井の蜘蛛の巣をぼんやりと眺め、言う。

「寒いですね、部長…」

部長は何にも見えずにぼんやりと答える。

「あ、あぁ…」

柳園は思わずくしゃみが出てしまった。

「………クチョン!」


朝。朝日が綺麗な田舎の駅。

寝袋が三つ並んでいた。

⏰:08/04/07 03:12 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#327 [桔妁]
 
「なんでホテルとかホテルとかホテルとか予約しないんスか!?」

持ってきたおやつのチーカマを慶はかじり、吉原を見た。

慶が問う理由は、慶自身も確信を持ち、わかっている事であった。

「…赤字ですよ、ね、先輩。」

「なるべくね、コスト削減?みたいな………」


の割に自分達は、なんかぬくぬくした服ばかりを着ているのに腹が立つ慶。

⏰:08/04/07 03:16 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


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