.。改]恋愛成就の洞窟で。.
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#62 [桔妁]
 
そのすぐ後に、天弥の姿が声の方から現れた。

「あぁもう、今日は行かな……あ、繭起きたのか。」

手に魚を持っているところを見ると、朝ごはんの準備をしていたようだ。

「あ、天弥さん。おはようございます。」

「…あぁ-、なんかそのお嬢さんみたいな喋り方やめろ。普通でいい。」

⏰:07/12/15 20:47 📱:SH903i 🆔:u/O9biFY


#63 [桔妁]
 
お嬢さん?繭は首を傾げた。そして、すぐに気がついた。

(敬語の事?…あぁ、当時12歳のままで学問が終わってるからか…)

「う、うん分かった……て、いうか……

「おい!わしを忘れとるよな、お前ぇら…」

そう、そう。この人は誰なんだか……。気になりますよね、あれ?私だけ?

⏰:07/12/15 20:58 📱:SH903i 🆔:u/O9biFY


#64 [桔妁]
 
「ん?…あぁ繭、こいつ

「わしは、頼仲(自称)という者じゃ!よろしくな、繭!」

彼の、第一印象はこうだ。

人の話を聞け。


それと同時に、いい人という感覚はある。

「…ははぁ、よろしく。……ていうか何、その目は。」

⏰:07/12/15 22:05 📱:SH903i 🆔:u/O9biFY


#65 [桔妁]
 
「いや-、そらやもこんな女子を見付けるとは。中々のめっけもんだァ!…でも繭よ、絶対わしの方がいい!」

「え?」

ああ、それからこの人、きっと凄く女好きなんだろうな、と繭は感じずには居られなかった。

「……もう俺、ぶっちゃけコイツ嫌だ。」

頼仲の女好きには、天弥もため息モノらしい。

⏰:07/12/15 22:10 📱:SH903i 🆔:u/O9biFY


#66 [桔妁]
 
(頼仲さんの目は、女見ると輝くんだろうな……。っていうか天弥!!

"ぶっちゃけ"
って大分古いからね。…さすが当時12歳だよ……)

「は-あぁ-………」

「何じゃ繭、そのため息は。」

「ううん、なんでもないよ。」


たしかに、こんな人ばっかりじゃあ、現世に帰る希望はなくなるかもしれない。

⏰:07/12/15 22:15 📱:SH903i 🆔:u/O9biFY


#67 [桔妁]
 

それから、幾分か時は経った。

半月、いや一ヶ月は経ったのだろう。

―――

――



「繭-!」

(来た…団子屋小町んとこ行けばいいのに……)

しばらく頼仲は繭を標的にし、誘い続けていた。

⏰:07/12/15 22:18 📱:SH903i 🆔:u/O9biFY


#68 [桔妁]
 
「でもさ、もう怪我治っただろ。一回位付き合ってやれよ。」

なんてことを言うのかこの男!!

「一回位って!!!あんたね-!私には一途に好きな人が………――ァアア!!!!」

繭は、忘れていた。早川先輩を。

「うるさいな-。今のは頼仲よりうるせぇババァ。」

⏰:07/12/15 22:22 📱:SH903i 🆔:u/O9biFY


#69 [桔妁]
 
最近、この小学生のまま途絶えた天弥のコミュニケーションにも、やっと慣れた所だ。

「うるさ…!?あぁ、分かりましたよぅ!いいもんね!美味いモノ、たくさん食べてやるんだからっ!!」

それでこんな返答をする私も、天弥並に下がったのかなと、最近思う。正直泣きたい。


「頼仲くん、町に行きたいな-、私っ♪怪我の快気祝いってことで。」

⏰:07/12/15 22:28 📱:SH903i 🆔:u/O9biFY


#70 [桔妁]
 
「けっ、何が快気だかなァ?横に伸びる病にかかるぞ。」


うるせ-ジジィ。」


こんな感じで、なんとなく過去の生活が成り立ってきた。

―――順応していた。

⏰:07/12/15 22:31 📱:SH903i 🆔:u/O9biFY


#71 [桔妁]
 
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

「おばあちゃん、本当に繭は、あの森を抜けて左へ行ったの?」

「そのはずだけどね…繭ちゃん………。」

「おねぇちゃん、帰ってこないの-?」

【ニュースの時間です。少女が消えてから、今日で一ヶ月です。一説では、三年前にもあった神隠しと関連していると見て、迷宮かと………】

⏰:07/12/15 22:36 📱:SH903i 🆔:u/O9biFY


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