☆SEX こんぷりーと☆BL
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#1 [H∧Lしおん]
「セックス一回と、ぶん殴られるの、どっちがいい」

…そんな選択肢、おかしくない?

「早くしろ、俺は気が短いんだ」

…言われなくてもわかってるよ。しかたないなぁ…

「………しよ?」

上目遣いに、するっと首に抱きつけば。

…ほら、もうあっと言う間に俺の思いのまま。

男って……………馬鹿。

☆SEX こんぷりーと☆BL

⏰:07/09/18 22:58 📱:W51S 🆔:mJTo58uY


#2 [H∧Lしおん]
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

「いち、にい、さん、よん…四万…ビミョー」


本日のお給料、四万円也。

「何で四万かな…キリのいい感じで五万にしろよ…」

くわえたタバコがゆーらゆら。ついでに煙が目にしみる。
未成年の喫煙は法律で禁止されています、だってさ。

「ははっ。笑えるね福沢諭吉くん」

⏰:07/09/18 23:04 📱:W51S 🆔:mJTo58uY


#3 [H∧Lしおん]
くしゃくしゃって学ランのポケットに入れた四人の諭吉もしわくちゃな顔して笑ってた。

ボロボロスニーカーでタバコを踏みつけて、薄汚い繁華街の路地裏を闊歩した。

野良猫、野良犬、ついでに野良人間。

みーんなげっそりした顔で道路の端っこにゴミになってる。

⏰:07/09/18 23:09 📱:W51S 🆔:mJTo58uY


#4 [H∧Lしおん]
ま、俺も似たようなモンだけど。

けど俺はダンボールの家とか、新聞紙のうすっぺらーい布団なんかで寝るなんてごめんだ。
人から物を恵んでもらうなんてまっぴらだ。

だからある意味、この路地裏の世界では俺は[勝ち組]。

あんたらみたいな低俗な奴等とは違うんだ。

⏰:07/09/18 23:13 📱:W51S 🆔:mJTo58uY


#5 [H∧Lしおん]
身体を売って、誰かれ構わずセックスして。

俺の値段は相手次第


今日みたいに[他の奴とセックスしたからマイナス一万]とか[中出ししたいからプラスニ万]とか。

相手によって値段はまちまち。

そんな俺を、学校の奴等は[カマ野郎]とか[ウリ専]とか[ホモ]とかって呼んでるみたいだ。

うん、あながち間違ってないから、否定はしない。

だって別に悪いことしてないしね。

⏰:07/09/18 23:19 📱:W51S 🆔:mJTo58uY


#6 [H∧Lしおん]
「ねえ、キミはどー思う。俺は悪いことしてないよね」

ゴミ捨て場のゴミ袋から生ゴミを漁っていた食事中の猫さんに突撃インタビュー。

しゃがんでにっこり笑ってやると

[ニャァ]

って鳴いてすりよって来た。

「だよね、最後には勝ち組だけが生き残るんだ」

ごわごわした頭を撫でると猫さんはご機嫌の様子。

「キミ、可愛いね。
きっと勝ち組だ」

⏰:07/09/18 23:25 📱:W51S 🆔:mJTo58uY


#7 [H∧Lしおん]
それからブラブラ汚い道をまっしぐら。

たまに空き缶なんか蹴飛ばして。

空には真っ黒な雲と、三日月の細い月。

チカチカうるさい電灯の、一泊五千円の激安ビジネスホテルが今日の宿。

⏰:07/09/18 23:31 📱:W51S 🆔:mJTo58uY


#8 [H∧Lしおん]
シャワーもあるし、ベッドもある。

くしゃくしゃの一枚をポケットから取り出して

「大人一人、一泊お願いします」

受付に出すと、ちょうど五千円が返ってきた。

安い。

渡された部屋の鍵をくるくる回して、エレベーターに乗る。

…どうもこの浮遊感、慣れないな。

⏰:07/09/18 23:36 📱:W51S 🆔:mJTo58uY


#9 [H∧Lしおん]
201号室が、俺の部屋。

鍵を開けて、思いっきりベッドにダイブ。

安価なスプリングがぼよんと身体を受け止めて、俺はたのしくなった。

「はは…っ、なんか壊れそー」

ベッドもそうだけど、なにより3日3晩寝てない頭はもうバカになりそうだ。

⏰:07/09/18 23:40 📱:W51S 🆔:mJTo58uY


#10 [H∧Lしおん]
とりあえず明日は学校だ。

まだ12時前だけど、寝よう……

「おやすみー…俺」






こんな1日が、俺………[春日ゆめと]の
日常。

⏰:07/09/18 23:43 📱:W51S 🆔:mJTo58uY


#11 [H∧Lしおん]
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

[生き物のSEXしてる時ほど馬鹿な顔はないby春日 ゆめと]


でもって、バカな顔して俺に突っ込んでるハゲが、一名。

だーれもいない体育倉庫。
すぐそこの扉一枚向こう側、放課後の部活に励むサッカー部の掛け声が聞こえてくる。

それよりもっと耳障りな、荒くてタバコのヤニくさい息。

俺の耳元で、はぁはぁ気持ワルイ息づかいに歯をくいしばった。

⏰:07/09/19 00:11 📱:W51S 🆔:Wpi7RUzI


#12 [H∧Lしおん]
「ハァ…ハァ…、声を我慢してるのか…?耐えなくてもいいんだぞ…」

埃っぽい運動マットの上、俺は毎週金曜日の[保健体育]を受けていた。

相手は体育の顧問、兼進路指導のセンコー。

脂ぎったハゲ頭に、ブヨブヨの腹。通称[メタボ]

バックで突かれる度にべちべち太ももの脂肪が当たって不快感極まりないときた。

⏰:07/09/19 00:17 📱:W51S 🆔:Wpi7RUzI


#13 [H∧Lしおん]
「ハァ…ハッ…本当に…春日は最高だ…」

当たり前だっつの。

ほんとはアンタみたいなの願い下げだけど、茶髪もピアスも長めに伸ばした髪も、んでもって遅刻も…規則という規則は見逃してもらうのが条件だから仕方ない。

じゃなきゃこんな相手も場所も汚ない最悪なトコで俺が足開くわけないだろ、ってね。

⏰:07/09/19 00:22 📱:W51S 🆔:Wpi7RUzI


#14 [H∧Lしおん]
早く終わらせたくて、ぎゅっと尻に力を入れる。

年と共にイクのが遅くなる、ってゆーのは本当らしい。

かれこれ一時間、もう十分だろ?

「…イクっ…イク……っ!」

ギュッと締めつけるとガンガン腰を振って、ハゲが口走る。

最後に変な声を上げた途端、俺のナカが、じわーっと熱くなった。

…中だしするな、って言ったのに。

⏰:07/09/19 00:27 📱:W51S 🆔:Wpi7RUzI


#15 [H∧Lしおん]
「ハァ…ハァ…ハァ…」

汗だくの身体が俺の背中にまとわりつく。

重い、早くどいて。

「ハァ…良かったよ…」

ずるっと俺から抜け出すと、汗まみれのスッキリした顔が笑う。

「俺も……先生とするの、気持よかったです…」

ちょっとうつむき加減に微笑んでやれば、ほらもうご機嫌。

「可愛いなあ,春日は……」

そのデレデレ顔、蹴り飛ばしたい。

⏰:07/09/19 00:32 📱:W51S 🆔:Wpi7RUzI


#16 [H∧Lしおん]
「それじゃ……また来週」

――――ばたん。

一人っきりになった倉庫の中。

俺はマットの上で身悶えた。

「きっ…気持わりぃ――――!!!」











「だーれだっ」

⏰:07/09/19 00:37 📱:W51S 🆔:Wpi7RUzI


#17 [H∧Lしおん]
「…ゆめ」

ピンポーン!

「大正解!さぁ何が望みだ」

「…頼むから静かにしてくれ」

「そりゃ無理だ」

サボりの場所はお決まりの屋上。

お決まりの数学の時間。

んでお決まりのサボり仲間、[ハルキ]。

ハルキはコンクリートにねそべって雲なんか眺めてた。

俺もその横にちょこんと腰を下ろす。

⏰:07/09/19 00:41 📱:W51S 🆔:Wpi7RUzI


#18 [H∧Lしおん]
(感想版作ったので見ていらっしゃる方いたら感想お願いしますx)


bbs1.ryne.jp/r.php/novel/2859/

⏰:07/09/19 00:53 📱:W51S 🆔:Wpi7RUzI


#19 [H∧Lしおん]
モクモク。

ワタアメみたいな入道雲が真っ青な空に恋をしていた。

いや、アツイね、もうすぐ夏だ。

「今日はコーヒー牛乳ないの?」

胡座をかいたまま、ぐらぐら身体を揺すってねっころがるハルキを見る。

いつもハルキはサボりのお供に、タバコとコーヒー牛乳を持っていて。

俺はそれを失敬するのが楽しみだったりする。

⏰:07/09/19 12:22 📱:W51S 🆔:Wpi7RUzI


#20 [H∧Lしおん]
「…ない」

俺のことなんかおかまいなしに、空をぼんやり見つめるハルキが言った。

ちぇ、期待してたのに。

俺がペロリと舌を出すと、ハルキはふっと息を吐いた。

「お前…まだウリやってんの?」

「うん」

「あ、そ………」

「うん」

「……………」


あまり興味なさそうな返事をして、ハルキがゴロンと背中を向けた。

⏰:07/09/19 12:27 📱:W51S 🆔:Wpi7RUzI


#21 [H∧Lしおん]
大きな背中は、地面にねっころがったせいで砂が着いてた。

同じ年なのに、俺よりもデカイ背中。
俺よりも長い手足。
俺よりも男らしい節だった指。

ひ弱でなまっちろくて、女顔の俺とは正反対。

こうやってサボったりタバコすったり殴り合いの喧嘩をするくせに、ハルキはそのへんの意気がったヤンチーみたいじゃないから俺は好きだ。

正しいことは正しい。ダメなものはダメ。

⏰:07/09/19 12:33 📱:W51S 🆔:Wpi7RUzI


#22 [H∧Lしおん]
他人に迷惑を掛けないような生きざま。

一匹おおかみ。

うん、そうソレ。

無闇やたらに他人とつるまないし、ついでにコワモテな顔もぴったりくる。

「オオカミ君、寝ちゃうの?」

「…誰だよソレ。」

ふて寝しても、ほらね。ちゃんと答えてくれる。

一匹オオカミでも根は優しいんだ、ってか?

⏰:07/09/19 12:36 📱:W51S 🆔:Wpi7RUzI


#23 [H∧Lしおん]
返事はあるけど背中向けたまま。

ねえコッチ向いてよ。

「……重い」

強行手段に、必殺構ってくれなきゃどかないぞ攻撃。

つまりはハルキの上にどっかりまたがってみた。

三角木馬みたいな恰好。うん、ハルキが尖ってなくてよかった。

「つまんない」

ぶー、って口を尖らせてみた。

「地面としゃべってろ」

「ひどっ」

オオカミさんはなんだかご機嫌斜めな様子。

⏰:07/09/19 20:12 📱:W51S 🆔:Wpi7RUzI


#24 [H∧Lしおん]
身を乗り出して顔を覗き込む。

切れ長の目を閉じた顔はまるで彫刻みたい。

唇はヘの字に曲がってて、俺も負けじと唇を曲げてやった。

「ねえ、なに怒ってんの」

跨がった腰をゆさゆさ揺さぶってみる。
俺の動きに合わせて、ハルキの黒くて短めの髪がぱさぱさ鳴った。

それでもハルキはふて寝を決め込んでるときたもんだ。

「もしかしてオオカミだから人間語通じない?わんわん、犬語ならわかる?」

⏰:07/09/19 21:21 📱:W51S 🆔:Wpi7RUzI


#25 [H∧Lしおん]
かく言う俺も犬語なんてわっかんねーけどさ、オオカミは犬科だからハルキなら分かるかも知れない。

「オオカミさんは口が無くなってしまったのですか〜それとも言葉がわからないんですか〜、よーしよしよし可愛いね〜」

一向にシカト続けるオオカミに、ム●ゴロウよろしくその砂だらけの髪をぐしゃぐしゃ撫でまわした。

感触的に、ちょっと硬め。うーん、湯で上げ三分、アルデンテな感じ。

⏰:07/09/19 21:29 📱:W51S 🆔:Wpi7RUzI


#26 [H∧Lしおん]
しばらくされるがままの頭をグシャグシャ堪能してると、いきなりがしっとその手を捕まれた。

ガシッと…ガシッとね。

そりゃオオカミの握力ですから、あまりの痛みに眉毛も寄ってしまいますよ。

「………いたい」

「るせえんだよ、さっきから人の上でゴチャゴチャ」

⏰:07/09/19 21:35 📱:W51S 🆔:Wpi7RUzI


#27 [H∧Lしおん]
のそっと起きた体に、乗っかってた俺は転がった。

硬い地面、正直痛い。

……あ、ダンゴムシ発見。


「…なぁ、お前さあ、いちいち何なわけ。
たかがサボり場所が一緒だったってだけで俺につきまとうなよ。
ハッキリ言って迷惑。ダチが欲しいなら他あたれ。
もう昔とは違うんだから」

転がったままダンゴムシをつつく俺の背中で、オオカミがイライラとうなる声が聞こえる。

⏰:07/09/19 21:46 📱:W51S 🆔:Wpi7RUzI


#28 [H∧Lしおん]
いきなりよくもまぁ一言も噛まずに喋ったもんだ。

けどね、いくら温厚でお人好しな俺でもそこまで言われちゃあ「春日ゆめと」の名が廃る…ベベン。っつーことで。

ラウンド1、名付けて【オオカミとオオカミを救う少年の、過去の友情を掛けた駆け引き】

…タイトル長!

⏰:07/09/19 21:55 📱:W51S 🆔:Wpi7RUzI


#29 [H∧Lしおん]
とりあえず形から入るタイプなので………


背中をぐっと伸ばして

顎を引いて胸を張って

手は拳、両足の上に揃えて。

ハイこれ基本の正座。

明日テスト出るぞー。

「ハルキくん、準備はよろしいかな?」

⏰:07/09/19 22:36 📱:W51S 🆔:Wpi7RUzI


#30 [H∧Lしおん]
慎ましく、にっこり微笑。

けど正座で構える俺の前、勝負相手はアウトオブ眼中。

仕舞いにゃ学ランの胸ポケットからタバコなんぞを取り出しやがった。


「そこ、タバコ吸わない!
貧乏揺すりしない!
ガン飛ばさない!
正座しなさい!
ダンゴムシ燃やそうとしない!
先生怒るよ!」

⏰:07/09/19 22:47 📱:W51S 🆔:Wpi7RUzI


#31 [H∧Lしおん]
目の前でぷかぷかタバコをふかす顎を、斜め下からビシッとチョップ。

俺のチョップがモロにヒットしたハルキの顎がガチンと鳴って、吸い始めたタバコがぽろっと落ちた。

「ありゃ、舌噛んじゃった?」

「……………」

訪ねてみたけど、返って来たのは無言の睨み。

「……………」

だから俺も、とりあえず睨み返しておいた。

⏰:07/09/19 22:48 📱:W51S 🆔:Wpi7RUzI


#32 [H∧Lしおん]
眉間に皺を寄せて、これでもかっつーくらいガン飛ばした。

キリッとした眉毛、切れ長の目、高い鼻、薄くてちょっとタバコ荒れした口。
屋上でサボってばっかいるからお日様100%天然のこんがり肌。

…どこを取ってもハルキって普通に良い男だな…


なんちゃって。

それどころじゃない!

もうすでに勝負は始まってる。

一見ただのにらみ合い。されどにらみ合い。

瞬きしたら負けなのだ。

⏰:07/09/19 23:04 📱:W51S 🆔:Wpi7RUzI


#33 [H∧Lしおん]
「…………」

ダメだ、目が痛い。
目がいた―――い!


「…で、何か文句でもあんのかよ」

諦めたように息を吐いて、俺の前に胡座をかいた。

おっ?俺の勝ち?

俺はゴホンと咳払いして、しゃんとハルキを真っ直ぐ見た。

「文句じゃないけど、とりあえず確かめておこうかと」

「何を」

「俺たちの関係」

⏰:07/09/19 23:10 📱:W51S 🆔:Wpi7RUzI


#34 [H∧Lしおん]
「は?」

「まぁ簡単だよ。
ハルキは俺の質問に、YESかNOで答えればいいんだ」

「……で?」

「まず第一問。
ハルキは俺と、小・中・高、と同じですが、それは全くの偶然である」

「イエス」

「あ、今の質問じゃないよ」

「…………」

「遊ぶ時はいつも一緒。サボるのも一緒、オマケに中学好きだった女の子も一緒。
こんなにも仲が良いのに友達ではないと思いますか」

⏰:07/09/19 23:19 📱:W51S 🆔:Wpi7RUzI


#35 [H∧Lしおん]
「…………」


「俺たちは友達ですか」

「…………」





「アタァ!」


ビシッ


「ぐ!!」

「良いですか。
質問から五秒以内に答えなければ例外なく斜め下からチョップが発動します。
…もう一度聞きます。俺たちは友達ですか」

⏰:07/09/19 23:24 📱:W51S 🆔:Wpi7RUzI


#36 [H∧Lしおん]
「……………」



「アタ…「イエス!!」

「…………」
「…………」


「……第二問。
俺がウリ…つまり男相手に売春することをどう思いますか」

「…別に」

「YESかNOじゃなかったのでアタァ!」

ビシッ

「っ!!てめ、いい加減……!」

⏰:07/09/19 23:29 📱:W51S 🆔:Wpi7RUzI


#37 [H∧Lしおん]
「そんなことで第三問。
何故俺がウリをしているかわかりますか」

「…NO」

「セックスが好きだからだと思いますか」

「……YES」

「それとも父親から性的虐待を受けて、とうとうおかしくなったからだと思いますか」

「……………。NO」

⏰:07/09/19 23:36 📱:W51S 🆔:Wpi7RUzI


#38 [H∧Lしおん]
「今までの正解率、低すぎます。
先生ガッカリです。

ハルキくんは一見、俺のことなら何でも知ってるようですが、実は知らないことがたくさんたくさーんあるんです。

つまり俺は秘密主義者なんです。
何が正解で何が不正解かも秘密です。

しかし今のハルキくんの回答で、ハルキくんが俺をどんな奴だと思っているかがわかりました。

人間はわかりませんね。
良い勉強になりました。
さて、最後の質問」

⏰:07/09/19 23:40 📱:W51S 🆔:Wpi7RUzI


#39 [H∧Lしおん]
「…………」

「?お腹いたいの?なんか暗いよ?」

「…いいから続けろ」

「えー、それじゃ第四問。
まだウリやってんの?とハルキくんが聞いた時、俺はうんと答えました。
しかしその時からいじけてそっぽ向きましたよね。
俺が構ってほしくて身体に乗っかった時、ワシャワシャ髪の毛で遊んでたら、慌てて身体を起こしましたよね。
誰かに抱かれたあと、ハルキくんに会うと必ず不機嫌になります」

⏰:07/09/19 23:49 📱:W51S 🆔:Wpi7RUzI


#40 [H∧Lしおん]
「………」

「ちなみにココに来る前、トイレで三年生に突っ込まれて来ました。
そして今日。
ハルキくんはコーヒー牛乳を買って来ませんでした。
俺がそれを楽しみにしているのを知っているのに」

「…………」

「わざと買って来なかったのも、いつもよりスキンシップを避けるのも、何となくわかります」

「…………」

「それは男に抱かれた俺の身体が、汚いと思っているからですか」
「違う!!」

⏰:07/09/19 23:53 📱:W51S 🆔:Wpi7RUzI


#41 [H∧Lしおん]
いきなり叫ばれてびっくりした。

鳩が豆鉄砲食らったみたいにマヌケな顔してハルキを見ると、ハッとしたような、んでもって何だかバツが悪そうに、ふいっと視線を反らした。

あーね。わかりやすいと言うか…なんつーか。

「俺が他の奴に抱かれんの、そんなに気に入らない?」

ズバリとトドメを指してニヤニヤ笑ってやる。

⏰:07/09/20 08:19 📱:W51S 🆔:4AuWdJA.


#42 [H∧Lしおん]
俺は知ってるよ。

ふて寝したつまらなそうな横顔、声に出さなくても「もうウリなんてヤメロよ」って言ってた。

髪に触れた時、少しほっぺたがが赤くなったこと。

本当はその左ポケットに、俺の大好きなコーヒー牛乳が入ってること。

ハルキは意地っ張りだね。

本当は照れ屋で優しくて、んでもって口ベタで。

昔と変わってないのは、ハルキ。君の方なのに。

⏰:07/09/20 12:21 📱:W51S 🆔:4AuWdJA.


#43 [H∧Lしおん]
「ほんと素直じゃないなぁ」

立ち上がって、少し顔が赤いハルキを見上げてクスクス笑った。

んで、俺はここぞとばかりに最後の技を仕掛ける。

「俺が好きでヤキモチやいてるって、言えばいいのに」

―――――勝った。









「いてえ…」

⏰:07/09/20 12:27 📱:W51S 🆔:4AuWdJA.


#44 [H∧Lしおん]
屋上で一人になった俺は、大の字に寝転んでモクモクのワタアメ雲を眺めて呟いた。

最後の技を仕掛けた途端、容赦なくハルキの右ストレートが顔に飛んで来た。

そのまま地面に倒れた俺に「自惚れんのもいい加減にしろ!」って叫んで出ていっちゃった。

あーあ、口ん中切れた。
顔を売りにバカな男達を騙してるってのに。こちとら顔は商売道具なんだ。

⏰:07/09/20 12:34 📱:W51S 🆔:4AuWdJA.


#45 [H∧Lしおん]
「リベンジはまた今度、ってか?」

地面に転がった、一本のタバコ。

ニコチン、タール、有害物質。

身体になんの特もないそれは、さっき俺が右斜め下チョップしたときハルキの口から落ちたもの。

噛み跡が残ってる、潰れたフィルター。

⏰:07/09/20 19:37 📱:W51S 🆔:4AuWdJA.


#46 [H∧Lしおん]
それをくわえてまた空を眺める。

「喜べハルキ。
関節ちゅーだぞ、イェイ」

にんまり笑ってVサイン。


相変わらず、モクモクの入道雲は真っ青な空に恋をしていた。





◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

⏰:07/09/20 19:44 📱:W51S 🆔:4AuWdJA.


#47 [H∧Lしおん]
感想などよろしくお願いします(*^□^*)x

bbs1.ryne.jp/r.php/novel/2859/

⏰:07/09/20 19:46 📱:W51S 🆔:4AuWdJA.


#48 [H∧Lしおん]
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

【たまには猫みたいに人肌恋しくなる時もある。by思春期な春日ゆめと】

赤、青、黄色。

ついでにミッキーみたいな尾びれがヒラヒラキラキラ。

熱帯魚って忙しいね。

って言ったら

「何かあったのか?」

って突っ込まれた。

はは、そりゃ赤く腫れたほっぺた見ればわかんじゃん。

⏰:07/09/21 02:16 📱:W51S 🆔:9wUNMPE.


#49 [H∧Lしおん]
ふかふかの枕に顔を埋めて、すっと息を吸い込むと甘ったるい香水の匂いがした。

また女連れ込んだな、コノヤロウ。

「今日はやけに大人しいじゃないか、ゆめと」

ふぅーって煙を吐いて、くしゃくしゃって大きな手のひらで頭を撫でられた。

俺みたいな細い指先じゃなくて

ハルキみたいな喧嘩ばっかしてるゴツゴツした指じゃなくて

すらっとした綺麗な、大人の手。

⏰:07/09/21 02:20 📱:W51S 🆔:9wUNMPE.


#50 [H∧Lしおん]
自称嘘つきな俺でも、この人の前だとまだまだ子供らしい。

実際17の俺と、10歳も年が離れてるんだから、そりゃ人を見る目も経験も豊富な訳で。


「…かなわないなぁ、ヨシキさんには」

観念して枕から顔を上げて、仰向けになる。

さっきまで激しいセックスの後だって言うのに、大人なヨシキさんは俺の隣で何でもない顔してる。

ベッドサイドに寄りかかって、タバコなんか吹かしちゃってさ。

⏰:07/09/21 02:26 📱:W51S 🆔:9wUNMPE.


#51 [H∧Lしおん]
「…なんか、やーな感じ」

「俺が?」

フって笑った顔、嫌味ったらしいけどなんか嫌いじゃない。

無駄な筋肉がない広い胸元。

そこに光る、ブランド物のシルバーネックレス。

ついでに左の薬指にも、もう見慣れた結婚指輪。


モノトーン基調の、デカイソファにデカイベッド。
ブルーのネオン菅に照らされた、熱帯魚やアロワナたち。

⏰:07/09/21 02:34 📱:W51S 🆔:9wUNMPE.


#52 [H∧Lしおん]
それからデカイ窓からはマンション最上階ならではの夜景がはめこまれてて。

【最新モデルルーム】なこのマンションは、俺と逢い引きするため…要は俺とセックスする場所のためだけに、わざわざ買ったんだとか。

ハイどんだけー。

金持ち、紳士、優しくて、ついでに色男、とくりゃ言わずもなが彼は【ホスト】で。

結婚してまだ2ヶ月目だけど、俺が知る限り今回で五回目。

27でスピード離婚&結婚。

⏰:07/09/21 02:39 📱:W51S 🆔:9wUNMPE.


#53 [H∧Lしおん]
まあそんなことはどーでもいいんだけどね。


「で…その顔はどうした。誰かに殴られたのか」

タバコを灰皿に押し付けながら、ヨシキさんが言う。

低くて身体が痺れそうな、生まれ持ったセクシーボイス。これで何人の女が落ちたんだろうか。

そんな声で、こんな色男に耳元で「何か飲もうか…?」なんて囁かれたら、世の中の女はボトル何本空けんのかな。

つか

気付くの遅っ!

⏰:07/09/21 02:46 📱:W51S 🆔:9wUNMPE.


#54 [H∧Lしおん]
「これね、殴られたの」

「誰に」

「一匹オオカミに」

「ああ、例の幼なじみか」

婉曲的に言ったつもりだったのに、サラッと答えを出しちゃうんだもんな。

さすが大人は勘が鋭い。

…うむ、あなどれんな。

⏰:07/09/21 15:39 📱:W51S 🆔:9wUNMPE.


#55 [H∧Lしおん]
「うん、結局【オオカミとオオカミを救う少年の、過去の友情を掛けた駆け引き】勝負は、オオカミが逃走しちゃったからまたリベンジしなきゃならないんだけど」

「なんだそりゃ」

「とにかく俺は素直じゃないオオカミに噛み逃げされたってわけ」

「ふうん」

⏰:07/09/22 09:29 📱:W51S 🆔:ZIcazCVw


#56 [H∧Lしおん]
あまり興味なさそーに、ヨシキさんが二本目のタバコに火をつける。
銀色の高級ライターが“キィン”って小気味良い音を鳴らして。

俺と同じ銘柄のタバコでも、そのライターで火をつけると旨そうに見えるから不思議。

なんでもホストNo.1になった記念に、店長から貰ったんだとか。

いいなぁ、それ。


「そいつ、ぶっ殺したい」

「へ?」

⏰:07/09/23 19:19 📱:W51S 🆔:whg.j1FQ


#57 [H∧Lしおん]
ライターに釘付けだった俺は、物騒な言葉にヨシキさんを見た。

「どーゆー意味」

ベッドサイドに寄りかかってるヨシキさんの膝を枕にして聞いてみると、

「お前を傷付けるなんて気に入らない。
――俺がリベンジしようか?」

「ぶっ!」

思わず吹き出しちゃった。

なに、そんな真顔でそんな言葉。ヨシキさんらしくない。

⏰:07/09/23 19:25 📱:W51S 🆔:whg.j1FQ


#58 [H∧Lしおん]
「お前は他の男のモノでもあるが――同時に俺のモノでもある。
それを易々と傷を付けるなんて、俺に喧嘩を売っているのと同然だ。
例えお前とその友人の私情でも、俺の目に見える痕を残したんだ。黙っているわけにいかない」

そう言って、ヨシキさんは苦々しくふーっと紫煙を吐いた。

視界を覆う、ユラユラ揺れる煙。
その煙の向こうで、今まで見たことないようなヨシキさんの横顔。

⏰:07/09/23 19:32 📱:W51S 🆔:whg.j1FQ


#59 [H∧Lしおん]
まるで子供がお気に入りのオモチャを取り上げられたみたいな顔。
いつも余裕なヨシキさんでも、こんな顔するんだね。

なんか、おかしい。

「今日のヨシキさん、へんなの」

たえきれなくて、枕に顔を埋めて笑ってたら、
気に入らない。

って言って、不機嫌そうな声と一緒に頭を小突かれた。

「なんでヨシキさんがそんなに怒るのさ?
俺とは身体だけの関係じゃん」

⏰:07/09/23 22:50 📱:W51S 🆔:whg.j1FQ


#60 [H∧Lしおん]
俺から言わせてみりゃ、こんなアザ、傷のうちに入らないけど。

むしろSM好きな奴に縛られたり、それこそ髪が抜けるまで頭捕まれたりするセックスのほうが、俺は苦痛なんですけどね。

けど目の前の不機嫌な大人で子供のヨシキさんは、そうじゃないらしい。

「しかし…お前のこんな綺麗な顔に、よくもまあ手が上げられたもんだ。
ある意味関心するな。
俺がお前を殴るなら、俺は絶対顔は避ける」

⏰:07/09/23 23:19 📱:W51S 🆔:whg.j1FQ


#61 [H∧Lしおん]
「そりゃどーも」

どーせなら殴る前に「どこ殴っていい?」って聞かれた方がまだ覚悟出来たんだけどさ。

……とか言って素直に歯を食いしばるワケないけど。

「でもね、ああ見えてオオカミくんは根は優しいんだよ」

ちょっとぶっきらぼうで、恥ずかしがりで、口下手なだけ。

だからみんな勘違いしてオオカミくんから遠ざかる。

⏰:07/09/23 23:28 📱:W51S 🆔:whg.j1FQ


#62 [H∧Lしおん]
ほんとはオオカミだって怖くないんだ。
彼を一匹オオカミにしちゃったのは、素直じゃないオオカミくん自身なんだけど。

「ある意味、損だよね。素直じゃない性格ってさ」

人を寄せ付けないオオカミは、ほんとは一人ぼっちで寂しいんだってわかってる。

甘いもの嫌いなオオカミくんのお供は、決まってコーヒー牛乳。

なんで甘いもの嫌いなのに、って?

⏰:07/09/23 23:33 📱:W51S 🆔:whg.j1FQ


#63 [H∧Lしおん]
そんなの簡単。

俺がコーヒー牛乳すきだから。

それだけ。

大嫌いな数学の時間。

晴れた日には屋上に行く。
雨の日には屋上前の階段。

必ずオオカミは一匹で、飲みもしないコーヒー牛乳片手に俺を待っている。

俺が喜ぶってわかってるから。
俺からコーヒー牛乳餌付けして、離れていかないようにするために。

⏰:07/09/23 23:39 📱:W51S 🆔:whg.j1FQ


#64 [ゆか]
ぉもしろぃ

⏰:07/09/23 23:53 📱:N703imyu 🆔:Br2U0M6I


#65 [H∧Lしおん]
ゆかさんありがとう(*´∇`*)ガンバルヨ-イ

⏰:07/09/24 11:04 📱:W51S 🆔:4lFjZ.UM


#66 [H∧Lしおん]
ああみえて、寂しがり屋なんだ。

―――ひとり言みたいに、ヨシキさんの膝枕でベラベラ喋ってると、益々キレーに整った眉毛が持ち上がった。

「…お前はそいつのことばかりだな」

タバコ片手のヨシキさんは、どうやら【俺の幼なじみのオオカミくん】が気に入らないみたいで。
会ったこともないのに、ガキみたいなライバル心燃やしてる。

「なに?もしかして、妬いてる?」

⏰:07/09/24 11:09 📱:W51S 🆔:4lFjZ.UM


#67 [H∧Lしおん]
ニヤニヤ笑ってやったのに、俺を見つめる顔はマジで。

こんな真面目な顔、初めて見たから不覚にもドキッとしたのは…

…不整脈か??

「ああ、そうだ。
妬いてる」



…………。



「…今日のヨシキさん、なんか…」


変。

⏰:07/09/24 11:16 📱:W51S 🆔:4lFjZ.UM


#68 [H∧Lしおん]
複雑な顔したら、タバコを消したその手で俺をぎゅっと引き上げた。

窒息すんじゃないかってくらいのすごい力。

「…どーしたの」

「俺はお前を側に置きたい」

タバコの苦い香りと一緒に、なんだか少し辛そうな声。

どうしたんだよ、あんたがそんな切迫詰まった声なんて。らしくない。

「…側に?いるじゃん、ほとんど、2日置きくらいに」

結婚しても、ヨシキさんは俺を呼ぶ。長く持たない結婚生活の理由が分かる気がするけど。

⏰:07/09/24 12:21 📱:W51S 🆔:4lFjZ.UM


#69 [H∧Lしおん]
「そうじゃない。
ずっと、毎日一緒にいてほしい」

「……は?」

「愛してるんだ、お前が」

「……………」



………ん?

身体を離して、ヨシキさんの顔をまじまじ見つめた。

つい笑いたくなっちゃうような不安な顔して俺の返事を待っている。

「それは俺の身体だけでしょ?」

中だししても妊娠しないし、多少乱暴に扱っても、女の子みたいに傷を作ることはない。いい性欲処理の身体。

⏰:07/09/24 12:26 📱:W51S 🆔:4lFjZ.UM


#70 [H∧Lしおん]
俺はヨシキさんに金をもらう代わりに身体を差し出す。

お互いそれ以上でもそれ以下でもない関係。

だからヨシキさんが結婚しても俺はなんとも感じなかった。
むしろこれから会えなくなって、金が貰えなくなるんじゃないかって不安のが大きかった。

それなのに、ヨシキさんはなんだか傷付いたみたいに顔を歪めて、しまいにゃ俺の肩に顔を埋めて「お前自身を愛してるんだ」なんて呟いた。

……酔っ払ってんの?

⏰:07/09/24 12:31 📱:W51S 🆔:4lFjZ.UM


#71 [H∧Lしおん]
「お前を一人占めにしたい…」


…………なんなんだよ、もう。

ヨシキさんてこんなに甘ったれでヘタレだったっけ?

「それ、わがままってヤツだってこと分かって言ってる?
俺を困らせてるって、ちゃんと分かって言ってる??」

⏰:07/09/24 12:42 📱:W51S 🆔:4lFjZ.UM


#72 [H∧Lしおん]
子供を叱る母親みたいに言ってやれば、俺の肩からのろのろと顔をを上げた。

「……なんつー顔しちゃってんの、ナンバーワンホストが」

「お前の前じゃ、ただの男だ」

「それ、すごい重い」

「……………」


………あーもう、なんだよさっきから。

イライラしてきた俺に、ヘタレな大人はとんでもない事を言い出した。

「もうウリはやめろ」

⏰:07/09/24 12:46 📱:W51S 🆔:4lFjZ.UM


#73 [H∧Lしおん]
「はあ?」

「金が必要なら、いくらでも出してやる。
だから、俺の側に―――「アタァ!」

言い終わらせる前にビシッとチョップ。


いきなりチョップされて、ポカンと目を丸くするヨシキさん。

「もう悪ふざけは終わり。
口説き文句の練習なんかしなくても、ヨシキさんなら良い客付くから大丈夫だって」

⏰:07/09/24 12:55 📱:W51S 🆔:4lFjZ.UM


#74 [H∧Lしおん]
「何言ってるんだ、俺は本気で―――「あのね、」

ベッドから下りて、床に散らばった制服に袖を通しながら、俺はため息を吐いた。

「俺がウリをする理由に、ヨシキさんのわがままは通用しないよ」

下着、靴下、ワイシャツ。

…あ〜あ、制服シワになっちゃった。
学ランだから目立つんだよなぁ。

「…金が目的じゃないのか」

⏰:07/09/24 13:01 📱:W51S 🆔:4lFjZ.UM


#75 [H∧Lしおん]
「うん」

「セックスか?」

「ちがう」

「出会い探しか」

「それもハズレ」

「じゃあ何だ」


そこまでの会話で、身支度終了。

あとはソファに投げっぱなしのカバンひっ掴めばオシマイ。

俺はくるっと振り返って、ベッドの上のヨシキさんに、にっこり笑った。

⏰:07/09/24 13:05 📱:W51S 🆔:4lFjZ.UM


#76 [H∧Lしおん]
「俺と一匹オオカミくんとの、二人だけの秘密の約束のためにね」


Vサインを付き出すと、ハルキさんは一瞬目を見張って、次には落胆したように苦笑いを浮かべた。

「…そうか」

それ以上何も聞くことなく、それだけ言った。
ふ、って笑った顔、なんか寂しそうだけど、元の大人なヨシキさんに戻ったみたいだ。よかった。

カバンを掴んで部屋を出ようとして、はた、と足を止めた。

⏰:07/09/24 13:11 📱:W51S 🆔:4lFjZ.UM


#77 [H∧Lしおん]
あ。大事なの忘れるトコだった。

「今日は中出し二回もしたから、六万になりまーす」

スマイル0円と共に、目の前に差し出した手のひら。
ヨシキさんは唇の端だけ吊り上げて、六人の諭吉をそこに乗せた。




◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

⏰:07/09/24 13:15 📱:W51S 🆔:4lFjZ.UM


#78 [H∧Lしおん]
感想お待ちしてます(≧ε≦)
bbs1.ryne.jp/r.php/novel/2859/

⏰:07/09/24 13:16 📱:W51S 🆔:4lFjZ.UM


#79 [H∧Lしおん]
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

【あの日の約束は、俺にとって全てが始まりだったby過去を振り返る春日ゆめと】



住宅地の真ん中にある小さな公園。

ブランコと滑り台と、ボロボロの白いベンチしかないソコは、ハルキと遊ぶ定番の場所だった。

「はぁ、疲れた〜」

サビついたベンチにゴロンと寝そべれば、真っ黒な夜空にキラキラ無数の星が輝いて。

「あ、夏の大三角形」

三つの大きな光を指で結んで、ちょっと幸せになった。もうすっかり夏だ。

⏰:07/09/24 20:39 📱:W51S 🆔:4lFjZ.UM


#80 [H∧Lしおん]
今日の宿はココにしよう。

ヨシキさんから貰った六人の諭吉さんは相変わらずポケットの中。ホテルに行くより、何となく今日はこの公園にきたくなった。

「…なんか調子狂うなあ…」

ヨシキさんからの告白にもそうだけど、最近なんか気分が優れない。

殴られたほっぺた。

左ポケットの六枚。

逃走したまんまの、オオカミくんのこと。

よくわかんないけど、変な罪悪感。

悪いことなんて、してないのに。

⏰:07/09/24 20:43 📱:W51S 🆔:4lFjZ.UM


#81 [H∧Lしおん]
「なんかビミョー…」

こんなにため息が出るのはなんでかな。

ついでに言うと、胸の辺りがチクチクいたい。

「なんでかな、なんでかな。うーむ」

ちょっと考えて、あ、ってすぐ理由が分かった。

なるほど。
秘密主義の俺が秘密を言ってしまったからだ。

そう、ヨシキさんに。

⏰:07/09/24 20:49 📱:W51S 🆔:4lFjZ.UM


#82 [H∧Lしおん]
俺がウリをしてる理由。

うん、まさにコレだ。


今まで何人もの相手から「何でウリしてんの?」って聞かれたけど、俺は今まで笑ってごまかして、無理矢理セックス仕掛けてすっとぼけた。

それをつい「オオカミくんとの秘密の約束のために」って真実を打ち明けちゃったからだ。

でも…

「なぜに?」

何で言っちゃった?
しかも、ヨシキさんに。

……………。

「うーむ。わからん…」

⏰:07/09/24 20:53 📱:W51S 🆔:4lFjZ.UM


#83 [H∧Lしおん]
ちょっと呟いて、俺はポケットから六枚を取り出した。

「1、2、3、4、5、6、よし」

一枚一枚数えて、俺は身体を起こした。

それから今じゃもうちっちゃいと感じる錆びた滑り台の下にしゃがみこんで、せっせと穴をほった。

素手だから爪の間に砂が入ってキモチワルイ。

「スコップ、買うべきかぁ?」

⏰:07/09/24 21:45 📱:W51S 🆔:4lFjZ.UM


#84 [H∧Lしおん]
ぼやいていると、指先にカツンと当たったプラスチックの感触。

それを掘り出して、パッパッて砂を払う。

四角くて青い、お菓子の箱。
それは俺とハルキが大好きなクッキーの箱で。

砂が詰まった蓋を開けると、そこにはぎっしり詰まった諭吉くんたち。ぎゅうぎゅう詰めで、なんか苦しそうだ。

⏰:07/09/24 21:52 📱:W51S 🆔:4lFjZ.UM


#85 [H∧Lしおん]
「さ、今日は6人の新入生です。みんな仲良くしてやってね」

ポケットから、その6人の新入生を取り出して、ぎゅうぎゅう詰めな諭吉教室に入れてやる。

これで97人目。
目標達成まであと三人。

「…長かったなぁ」

思い返すと、この箱の一人目の諭吉くんはずいぶん昔のように感じる。 ウリを始めてたった一年半、されど一年半。
集まったのは97人の諭吉くんたち。

⏰:07/09/24 21:56 📱:W51S 🆔:4lFjZ.UM


#86 [H∧Lしおん]
身体を売って稼ぎ集めた金。

ゲイのひと。

ちょっと男に興味があるひと。

結婚してるひと。

サラリーマンのひと。

大学生。

社長。

教師。

いろんな人が俺を抱いて、諭吉くんを手渡した。

そのたびに俺はこうしてこの滑り台の下に隠してる。ハルキとの約束のために。

⏰:07/09/24 22:00 📱:W51S 🆔:4lFjZ.UM


#87 [H∧Lしおん]
小さい頃に、母親を病気で亡くした。

まだ30歳くらいだった。

若くて綺麗で優しくて、自慢だったなぁ。

母親の病気は医者でも原因不明。つまりの不治の病。

それは遺伝らしく、ばあちゃんも同じ病で、やっぱり若いときに死んじゃった。

だから俺には母親の親戚を知らない。

みんな呪われた一族みたいに、ばあちゃんも母さんも従兄弟も。
若いときに死んじゃったからだ。

⏰:07/09/24 23:04 📱:W51S 🆔:4lFjZ.UM


#88 [H∧Lしおん]
つまり、そんな呪われた一族の俺も死んじゃう訳で。

それはいつかなんて分からない。

明日かもしれないし、明後日かも。いや、もしかして30分後かもしれない。

死ぬ前は痛いのかな?血吐いたり、苦しいのかな?

未だ、身体の調子はいつもと変わりはないけど。

母親を亡くして、父親からセックスを強要された時から、俺は人を信じるのが怖かった。

⏰:07/09/24 23:08 📱:W51S 🆔:4lFjZ.UM


#89 [H∧Lしおん]
まだ小学生だった俺は、そんなことちっともオカシイと思わなくて。
みんな父親とセックスするものだと思ってた。

それを学校の友達に言ったら、キモチワルイとかオカシイって言われた。

俺はオカシイの?
俺はキモチワルイの?

それからイジメが始まった。

⏰:07/09/24 23:10 📱:W51S 🆔:4lFjZ.UM


#90 [H∧Lしおん]
切り裂かれた教科書に、砂が入ったランドセル。
給食の時間は、誰も机を付けてくれなかった。

学校ではイジメ。
家に帰れば父親の暴力とセックス。

ひとりぼっちの俺の手を引いてくれたのが、隣近所で幼なじみのやんちゃなハルキだった。

⏰:07/09/24 23:13 📱:W51S 🆔:4lFjZ.UM


#91 [H∧Lしおん]
「おまえ、男なら泣くなよ」

いつも傷だらけの俺に、ハルキは口癖にそう言ってた。

とか言うハルキも喧嘩ばかりで、傷は絶えなかったけれど。

だけどハルキは俺の側に居てくれた。

イジメの原因も聞かないで。
身体中にあるアザの理由も聞かないで。

ただ一緒に居てくれた。

俺は一人じゃない。

初めて、笑えた。

⏰:07/09/24 23:17 📱:W51S 🆔:4lFjZ.UM


#92 [H∧Lしおん]
いつもみたいに公園で遊んでた日。

ハルキがいきなり「タイムカプセルを埋めよう」

って言い出した。

俺は宝物も何もないって言ったら、

「じゃあ未来で宝物になるものを集めよう」

って言った。

「いみわかんない」

って聞くと、ハルキは自慢そうに、

「これからこの箱に100万円貯めて、未来で使うようにしよう」

って笑って、中身が入ってない空っぽのお菓子の箱を、滑り台の下に埋めた。

⏰:07/09/24 23:23 📱:W51S 🆔:4lFjZ.UM


#93 [H∧Lしおん]
「どうして100万円なの?」

「お金がいっぱいあると、金持ちになるじゃん」

「うん」

「金持ちはでっけーお城に住むもんだろ?」

「うん」

「おまえと俺で、お城つくりたくない?」

「作りたい!」

「じゃあ今日から、毎日この箱にお金を入れよう!そんで、二人ででっけーお城作ろう!」

「うん!」

⏰:07/09/24 23:28 📱:W51S 🆔:4lFjZ.UM


#94 [H∧Lしおん]
“ひゃくまんえんたまったら、どっかとおいとこにいってふたりでおしろをつくるんだ”

“そうしたら、ゆめとはえらいおうさまになって、だれもいじめたりしなくなるよ”

“おれはせいぎの「きし」になって、ゆめとをずっとまもってやるから”

「約束、な」

ハルキ、覚えてる?


あのときの約束は、俺にとって全てが始まりだったんだ。

⏰:07/09/24 23:29 📱:W51S 🆔:4lFjZ.UM


#95 [H∧Lしおん]
忘れっぽいハルキは、一度もこの箱にお金は入れなかったけど。





バイトして働いて稼ぐ時間なんて俺にはない。

どうせ死ぬなら、こんなベンチじゃなくて、デカイ城で死にたい。

早く、二人で遠い所に行こう。そんでもって、誰からも敬れる王様になるんだ。

「キミ、5万でヤらせてくれない?」

中学に入って知らない男に声を掛けられた。

時間がない俺にとって、それはまさに天の助けだった。

⏰:07/09/24 23:33 📱:W51S 🆔:4lFjZ.UM


#96 [H∧Lしおん]
――吐き気がした。

父親みたいなヤツが、まだ他にいるなんて。
オカシイいヤツが他にいるなんて。

「いーよ」


俺は笑って、男の手を引いてトイレに誘い込んだ。

その日から、俺はウリを始めたんだ。

二人で約束した“デカイお城を作る”ために。


――――“もう昔とは違うんだよ”――――

「――ははッ、…ハルキ、その言葉結構キタわ」

夜空の下で、苦笑い。ついでに歪んで見える夏の大三角形。

涙を流したのは、いつぶりだったかな。

◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

⏰:07/09/24 23:40 📱:W51S 🆔:4lFjZ.UM


#97 [H∧Lしおん]
今日はここまでです(o・v・o)

bbs1.ryne.jp/r.php/novel/2859/

⏰:07/09/24 23:41 📱:W51S 🆔:4lFjZ.UM


#98 [H∧Lしおん]
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

【想いが伝わらないのは、素直じゃない自分のせいbyセンチメンタルな春日ゆめと】


次の日は猛暑並みの暑さで、まだ梅雨前なのにせっかちなセミたちがミンミン騒ぎまくった。

空は晴天。

海みたいな真っ青な空には、モクモクの雲ひとつない。

そんな直射日光バリバリの屋上でも、逃走中のオオカミくんはなんでもないように寝転がってた。

⏰:07/09/25 12:22 📱:W51S 🆔:eF/eGsK.


#99 [H∧Lしおん]
「熱くない?地面」

「…………」

隣に座った俺が聞いても、相変わらずのタヌキ寝入り。

今日こそは殴られたほっぺたのリベンジを果たそうとしたけど、暑すぎてどうも調子がでない。

半袖のシャツも、汗でべったり張り付くし、地面にあぐらをかいた尻も暑いし。座ってるだけなのに、身体中から汗がじわじわ滲むし。

⏰:07/09/25 12:26 📱:W51S 🆔:eF/eGsK.


#100 [H∧Lしおん]
ゴロンと俺に背を向けたオオカミくんの広い背中も、汗でシャツが張り付いてた。

「…あーあ、海行きたいなあ」

空を見上げておっきなため息。

泳げないけど、見てるだけでもいい。
どこまでも続くでかーい水溜まり。
想像しただけで涼しくなるから不思議だ。

「…お前さ」

⏰:07/09/25 12:31 📱:W51S 🆔:eF/eGsK.


#101 [H∧Lしおん]
「んんー?」

ぐーっと腕を伸ばして返事をすると、となりのオオカミくんは少し間を開けて「……やっぱいいや」って呟いた。

気に入らない。

「あのさ、言いかけてやめるの卑怯だよ。気になるんですけど」

顔を歪めると、のそっと身体が起き上がった。

しかも胡座かいて、俺に背を向けたまま、はぁって盛大なため息。

「なに」

「…お前さ、もうココに来るなよ」

⏰:07/09/27 12:23 📱:W51S 🆔:EZSALwYI


#102 [H∧Lしおん]
「は?何で」

「なんでも」

「理由は?」

「だから、なんでも」

………………。

意味わからん。


というか、元々この屋上も俺が見つけたサボり場所であって、そこにたまたまオオカミくんがいたってのに。

…なんじゃその言いぐさ。

「言っとくけど、ココは俺のサボり場所なの。だから、やだ」

⏰:07/09/27 12:26 📱:W51S 🆔:EZSALwYI


#103 [H∧Lしおん]
「…ガキかお前」

またため息。

つか、いきなり理由もなくそんなこと言われて普通に拒否るだろって。

「なんでか理由教えてくれないのに、素直にわかりましたなんて言うと思う?」

⏰:07/09/27 12:30 📱:W51S 🆔:EZSALwYI


#104 [H∧Lしおん]
「…だよな」

「そうだよ」

「なら仕方ねえな」

「うん」

「俺が消えるわ」

「うん。………は?」

え、今なんつったコイツ。

ハッとして隣を見ると、オオカミくんは立ち上がって地面に座ったままの俺を見下ろした。

意味がわかんなくて、とりあえずポカンとしてると

「やるよ」

そう言って、ポン、と頭にまだ空けられてないコーヒー牛乳パックを乗せられた。

⏰:07/09/27 12:36 📱:W51S 🆔:EZSALwYI


#105 [H∧Lしおん]
「…いらない」

「…………」




ミンミンミンミン。

頭に乗ったコーヒー牛乳。
ハルキが手を離せば、簡単に俺の頭から落ちちゃうソレ。
俺の気分も、そんなふうにたやすく落ちそうな感じ。

なんだよ。
俺が消えるって、なんだよ。

⏰:07/09/27 21:59 📱:W51S 🆔:EZSALwYI


#106 [H∧Lしおん]
「……じゃあな」


―――ボトッ。

地面を見つめた目の前に牛乳パックが落ちる。
四角い角が凹んで、不格好。

モヤモヤする胸の奥。
イライラする頭の中。






「!!ってぇな!」

握りしめたコーヒー牛乳を、背中にめがけて思いきり投げつけた。
一寸の狂いなし。
見事ターゲットに命中した。

⏰:07/09/27 22:04 📱:W51S 🆔:EZSALwYI


#107 [H∧Lしおん]
振り返ったハルキの怒った顔が、どんどん強ばる。

びっくりしたような顔になった時には、ハルキの姿がぼやけて来た。

バカじゃねーの。

そんな顔したってもう遅いんだよ。

うつむいたら、ポタンとまあるい雫が地面に吸い込まれた。

一滴、ニ滴、三滴。

四滴目で、ふっと影が目を覆った。

⏰:07/09/27 22:10 📱:W51S 🆔:EZSALwYI


#108 [H∧Lしおん]
「……何で泣くんだよ」


ため息と一緒にぎゅっと回された腕。
タバコと汗の、ハルキのにおい。

――何で泣くんだよ、って?

「……そんなの知るか」

声を出したら情けないくらい震えてて。ついでに鼻水も出てきた。

⏰:07/09/27 22:13 📱:W51S 🆔:EZSALwYI


#109 [H∧Lしおん]
ミンミンミンミン、

耳障りなセミと、ギラギラする太陽。

そんな中で抱き締められても、その暑さが心地良いなんて俺も相当末期かな。

「……ちゅーしたい」

ハルキの胸に顔を押し付けてメソメソ泣きながら言ってみる。

⏰:07/09/27 22:19 📱:W51S 🆔:EZSALwYI


#110 [ちゃ-[ゾ
>>1-50
>>51-100
>>101-150
>>151-200
>>201-250
>>251-300
>>301-350
>>351-400
>>401-450
>>451-500

⏰:07/09/27 22:22 📱:W52T 🆔:☆☆☆


#111 [H∧Lしおん]
けれど返ってきた返事は案の定。

「…ガキかお前は」

呆れたように笑った気配。

けれども今日は強気に押してみる。いや、押す。リベンジしなきゃ。

だってまだ、ほっぺた痛いし。

だから顔を上げて、襟元思いっきり引っ張って。

「!!」

ほらね、簡単。

⏰:07/09/27 22:23 📱:W51S 🆔:EZSALwYI


#112 [H∧Lしおん]
ちゃーさん(o・v・o)安価ありがとうヽ(´∇`)ノ★

⏰:07/09/27 23:08 📱:W51S 🆔:EZSALwYI


#113 [H∧Lしおん]
「…リベンジかんりょー」

冗談めかして笑ってみたけど、すぐ目の前の幼なじみは混乱したような、驚いた顔のまま。

いつもならこのへんでまた右ストレートが来るか、「何してんだよ!」とかって怒鳴り散らすはず、なのに?

「……?
もしもーし」

ヒラヒラ。

フリーズした顔の前で手を振ってみる。

⏰:07/09/27 23:15 📱:W51S 🆔:EZSALwYI


#114 [∪]
この小説だァぃ好き

応援してます
頑張ってくださぃ

⏰:07/09/27 23:17 📱:SH903iTV 🆔:oKhsfqIA


#115 [H∧Lしおん]
Uさん★彡ありがとうございます(●^o^●)ガンバルヨ-(≧▽≦)ゞ

⏰:07/09/27 23:26 📱:W51S 🆔:EZSALwYI


#116 [H∧Lしおん]
ありゃ?
反応が、な――――
「…!」





「お前、ほんとガキだ」



ちょっと笑った声。
言いながら、ハルキは俺を思いきり抱き寄せた。

正直――――――――
びっくりした。

⏰:07/09/27 23:30 📱:W51S 🆔:EZSALwYI


#117 [H∧Lしおん]
今度は俺がフリーズする番。

おっきな身体に、細身の俺の体はすっぽり包まれてて。
息詰まるくらいギューってなって。

「せっかく、俺から逃してやろうと思ったのに。
――バカだな」




ミンミンミンミン。



足元には角が潰れたコーヒー牛乳。
真っ青な空には雲一つない。
もう夏だってのに、この暑さが続けばいいなんて、

「ほんと、バカだ」

真夏の太陽みたいな笑顔に、俺もつられて笑った。

⏰:07/09/27 23:37 📱:W51S 🆔:EZSALwYI


#118 [H∧Lしおん]
今日はこのへんで★感想お待ちしてます(≧ε≦)

bbs1.ryne.jp/r.php/novel/2859/

⏰:07/09/27 23:38 📱:W51S 🆔:EZSALwYI


#119 [H∧Lしおん]
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

【みんなその暑さに溶けてしまえばいいと思うbyちょっと幸せな春日ゆめと】



「じゃんけんぽん!」

飛び出したのは広げた手のひら。
んで、俺は握ったこぶし。

…負けた

「さあ、約束だ。
今日は騎乗位にしよう」

バスローブを着たヨシキさんがにやりと笑う。

⏰:07/09/28 12:25 📱:W51S 🆔:fLD8pymk


#120 [H∧Lしおん]
「えー」って口を尖らせても、「じゃんけんで勝ったら好きな体位を決めると言ったのはお前だろ」なんて、大人気ないセリフ返されて。

「そりゃ言ったけど、騎乗位はヤだ」

広いベッド。
パンツ一枚でダダこねてみる。

ベッドサイドに背もたれたヨシキさんはそんな俺を見ておかしそうに笑った。

「…だからいいんじゃないか。普段してくれないことをしてほしいと思うから、勝負に勝ったとき嬉しいもんだ」

⏰:07/09/28 12:30 📱:W51S 🆔:fLD8pymk


#121 [H∧Lしおん]
「けど、ヤだ」

「どうして」

「アホみたいな顔、じっと見られんの好きじゃない」

「そんなの今更じゃないか」

「…………」

さらりと痛いトコを付かれて、反論する意欲が飛んでった。

まあ言われてみりゃそうなんだけどさ…

「ほら、もっと近くにおいで」

笑いながらだらんと力が抜けた俺の腕をひっぱる。
いとも簡単に、ヨシキさんの胸の中。

⏰:07/09/28 12:36 📱:W51S 🆔:fLD8pymk


#122 [我輩は匿名である]
すっげーおもしろい

⏰:07/09/29 12:41 📱:SH702iD 🆔:8VTGMbWQ


#123 [我輩は匿名である]
>>1-100
>>101-200

⏰:07/09/29 16:21 📱:911SH 🆔:☆☆☆


#124 [冬嘩]
頑張ってキx

⏰:07/09/30 10:53 📱:W52SA 🆔:1M5tvMgU


#125 [あい]
この小説好きです
頑張って下さい

⏰:07/09/30 11:28 📱:P904i 🆔:gyiYeU5w


#126 [H∧Lしおん]
匿名さん&冬嘩さん&あいさん!ありがとうございます!o(T□T)o
更新が遅れてしまい申し訳ありません(x_x;)ちょっと書きま〜す(o^v^o)

⏰:07/10/01 19:09 📱:W51S 🆔:1SYV.T0.


#127 [H∧Lしおん]
俺を引き寄せたヨシキさんからは、石けんとシャンプーの甘い香り。

なんだか安心〜…

ふわふわのバスローブにほっぺたくっつけて目を閉じたら頭上でクスッて笑う気配がした。

「…甘えるなんて珍しいな」

「そう?」

⏰:07/10/01 19:27 📱:W51S 🆔:1SYV.T0.


#128 [H∧Lしおん]
首をかしげながら見上げたら、おっきな手のひらが俺の前髪を掻き分けた。
そうしながら笑うヨシキさんは相変わらずカッコよくて。

「甘えられんの、きらい?」

「いや」

ついつい聞くと、優しく目を細めてチュッて軽く額にキスされた。

「甘えるお前は、もっと可愛い」

そんなキザなセリフも【ホスト】の職業柄、サラッと出るんだから、このひとはやっぱりナンバーワンだ。

⏰:07/10/01 19:47 📱:W51S 🆔:1SYV.T0.


#129 [H∧Lしおん]
「…ヨシキさん、実はね」

「うん?」

「今日でお別れなんだ」

さらさら頭を撫でる手が、ピタリと止まる。真っ直ぐ見つめた顔から笑顔が消えて、眉間に深いシワが寄った。

「……なんだって?」
ヨシキさんの低い声に、さっきまでの甘い雰囲気は一気に氷河期になった。

⏰:07/10/01 19:52 📱:W51S 🆔:1SYV.T0.


#130 [H∧Lしおん]
「俺、ウリやめるんだ」

こっちも負けじと語尾を強めて言ってみる。目の前のヨシキさんは時間が止まってしまったみたいに動かない。

………………静寂。

一秒、一分、一時間。

静まりかえった空間で、時間の感覚が麻痺したみたい。

いい加減気まずくなった時、先に口を開いたのはヨシキさんだった。

⏰:07/10/01 19:56 📱:W51S 🆔:1SYV.T0.


#131 [H∧Lしおん]
「…それは、例の幼なじみとの約束が果たせるということか」

「果たせる…か、まだわかんないけど」

「わからない?
そんな曖昧な約束のためにお前は身体を売っていたのか」

「曖昧だけど、俺には意味がある」

「どんな」

「どんなって…夢」

⏰:07/10/01 20:01 📱:W51S 🆔:1SYV.T0.


#132 [H∧Lしおん]
「夢?」

「うん、二人でお城を作ろうって、夢」

「城?」

「そこで俺は王様になって、オオカミくんは騎士になって、俺を守るんだよ」

⏰:07/10/01 20:12 📱:W51S 🆔:1SYV.T0.


#133 [H∧Lしおん]
約束、って言うには曖昧すぎるってわかってるよ。

『ウリをする理由知ってますか』

あのときのオオカミくんの答えは

『NO』

やっぱりねって思ったけど、それでいい。

だって、ハルキは俺を抱き締めてくれた。
真夏の太陽みたいな笑顔で、クソ暑い日にギューってしながら、『バカだな』ってさ。

それだけでいいんだ。例えお城が作れなくても、俺にとっては『せいぎのきし』だ。

⏰:07/10/01 21:03 📱:W51S 🆔:1SYV.T0.


#134 [H∧Lしおん]
二人で交わした小さな約束。

一方的に覚えてて、一方的に実現させようとしたバカな俺。

けどハルキが側に居てくれたら、それだけで俺の回りの空間は、どこでもお城になるんだ。

つまり百万円貯まる前に、 夢はかなってしまったわけ。

⏰:07/10/01 21:07 📱:W51S 🆔:1SYV.T0.


#135 [H∧Lしおん]
夢が叶ったから、ウリをする目的がなくなった訳で。

けどせっかく集めた97人の諭吉たちを無駄にもしたくない。

百万円まであと三万。

だからせめて、最後の三人は一番お世話になったヨシキさんから貰おうと思った。

俺の夢も今夜で最後。

これからはハルキと一緒に、新しい二人だけの秘密の約束をたてるんだ。
一方的じゃなくて、ちゃんとお互い覚えていられるよーな、幸せな約束。

⏰:07/10/01 21:53 📱:W51S 🆔:1SYV.T0.


#136 [H∧Lしおん]
「今夜お前を抱いたら…もう俺たちは終わりなのか」

俺が好きな青い色。

マクラカバーもシーツも、俺のために買ったマグカップも青。

俺が好きな夜空。

キラキラ輝くネオンがいつでも見渡せる、最上階の高級マンション。


全部全部、俺のために用意してくれた、ヨシキさんと俺のお城。

けど、ダメなんだ。

「ごめんねヨシキさん」


俺を守る『せいぎのきし』は、ひとりでいい。

⏰:07/10/01 21:59 📱:W51S 🆔:1SYV.T0.


#137 [H∧Lしおん]
小さく笑って、するっと首に腕を回す。

このひとに抱かれるのもこれで最後。

だからせめて『騎乗位がいい』なんていうわがままくらい、聞いてやってもいいかな。

ゆっくりと後ろに押し倒されながら、そんなことをぼんやりと思った。










「じゃぁ、これでほんとにバイバイだね」

⏰:07/10/01 22:16 📱:W51S 🆔:1SYV.T0.


#138 [H∧Lしおん]
見送られた玄関先、靴を履きながらバスローブ姿のヨシキさんに笑う。

だけど目の前のヨシキさんは浮かない顔。
俺を見つめて「…本気か?」なんて呟きだした。

「うん、本気。
もう此処に来ないし、ウリもしない。
もちろん他の奴にも会わないし――――ヨシキさんにも会わない」

「…………」


ほら、またヘタレ顔。



そんな捨てられた子犬みたいに俺を見ないでよ。
なんだか悪いこと言ってる気分だ。

⏰:07/10/01 22:20 📱:W51S 🆔:1SYV.T0.


#139 [H∧Lしおん]
「…もう、帰るから」

気まずい。

なんかわかんないけど、気まずい。

俺が右手を差し出すと、ヨシキさんは黙ったまま握ってた三枚の万札をゆっくり手のひらに乗せた。




―――これで、終わり。

手のひらの諭吉くんをギュッて握り絞めて。

「バイバイ」

⏰:07/10/01 22:24 📱:W51S 🆔:1SYV.T0.


#140 [H∧Lしおん]
じっと見つめるヨシキさんの頬に、背伸びして軽くキスをする。

それからドアノブに手を掛けた瞬間。


―――ガッ!

「!!!」

手首にものすごい痛みが走った。

驚いて振り返ると、ヨシキさんが俺の手首を掴んでいた。

「痛っ…、なにするん…「俺だけだ」

「…え?」

「お前を守るのは、俺だけだ」

⏰:07/10/01 22:29 📱:W51S 🆔:1SYV.T0.


#141 [H∧Lしおん]
―――――そのとき。


強い衝撃にぐらりと身体が傾いて、力が抜けた俺はそのままあっけなく床に倒れた。

何が起こったのか理解したのは、みぞおちがズキンと痛んだ感覚と、そこに埋め込まれたヨシキさんのこぶし。

「お前を愛してるのも…俺だけだ」



ゾクリとした。

俺を見下ろすヨシキさんの冷たい瞳を最後に、俺の意識は遠のいた。




◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

⏰:07/10/01 22:39 📱:W51S 🆔:1SYV.T0.


#142 [H∧Lしおん]
感覚まってます(*´∇`*)

bbs1.ryne.jp/r.php/novel/2859/

⏰:07/10/01 22:40 📱:W51S 🆔:1SYV.T0.


#143 [H∧Lしおん]
↑感覚!?(@д@)ガタブル(笑)感想まってます(@д@)ガタガタ

⏰:07/10/01 22:46 📱:W51S 🆔:1SYV.T0.


#144 [H∧Lしおん]
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

【従順な飼い犬に噛み付かれたなんて、夢の中でも笑い飛ばせないby春日ゆめと】



目が覚めたら、見覚えのある場所だった。

天井から吊るされたプロペラみたいなファンがクルクル回ってて、ああ、そういえばコレも俺が欲しいって言ったヤツだと思い出した。

「気が付いたか」

ぼーっとそれを見ていた俺の隣で、これまた聞き覚えのある声がして。

⏰:07/10/02 10:25 📱:W51S 🆔:IrnbSQ0k


#145 [H∧Lしおん]
「……ヨシキさん」

ベッドから起き上がろうにも殴られた腹が痛い。
とりあえず横になったまま、ソファでタバコを吸うヨシキさんを睨み付けた。

彼は真っ黒なスーツを着ていて。
見たことない指輪に時計に嗅ぎ慣れない香水。
たぶん、客から貰っただろうそれ。
俺と会うときとはまるで別人。

いわゆる【仕事モード】だ。

そんなヨシキさんを見るのは初めてで、つい今の状況も忘れてまじまじ見つめてしまう。

⏰:07/10/02 10:38 📱:W51S 🆔:IrnbSQ0k


#146 [H∧Lしおん]
ヨシキさんはそんな俺を楽しげに見つめながら、長い足を優雅に組み直した。

「腹、痛かっただろ。悪かったな」

言葉とは裏腹に、全然反省の色ナシ。
むしろ楽しそう。

イラッときた。

「何、考えてんの?」

「べつに」

ふう、と吐いた煙がユラユラ漂って、天井のプロペラに吸い込まれていった。

天井近くにある壁かけのシックなモノクロ時計。

時間は午後10時。
俺が気を失ってから、二時間も経っていた。

⏰:07/10/02 10:42 📱:W51S 🆔:IrnbSQ0k


#147 [H∧Lしおん]
「帰りたいんだけど」

「どこへ」

「…………」

聞かれて、咄嗟に都合の良い嘘が思い付かなかった。


ヨシキさんは俺が父親から性的虐待を受けていたのは知っている。
かれこれ一年半近く帰ってないから、今どうしてるかわかんないけど。

とにかく、そんな父親がいる自宅へ、なんて言うには俺自身抵抗があった。

言葉を出すタイミングを逃した俺の前、ヨシキさんはタバコを灰皿に揉み消してソファから立ち上がった。

⏰:07/10/02 10:49 📱:W51S 🆔:IrnbSQ0k


#148 [H∧Lしおん]
「ここで暮らすんだ――――俺とお前だけで」


ぎしり。


ヨシキさんの重心を受けて、ベッドのスプリングが軋む。
すぐ側に座ったまま、うつ伏せの俺の髪をサラサラ指ですいた。

「…どこにもやらない」

低く呟いて、黙ったままの俺のこめかみにキスをひとつ。

身体が離れると同時に、俺の知らない香水の香りが鼻をくすぐった。

⏰:07/10/02 19:00 📱:W51S 🆔:IrnbSQ0k


#149 [H∧Lしおん]
ここで暮らす――?

「はッ…あんた、なに言ってんの」

ごろんと天井を向いて、俺は笑った。

「あんまり馬鹿みたいなこと言ってると、俺怒るよ」

「…馬鹿みたいなことを言ってるのはお前のほうだ。
お前は俺の側にいるべきなんだ」

「…は?
なに、アタマおかしくなっちゃった?」

笑いながら言ってみる。

どうにか身体を起こして、ヨシキさんと視線を合わせて。

⏰:07/10/02 19:07 📱:W51S 🆔:IrnbSQ0k


#150 [なャ]
>>1-100
>>101-200

⏰:07/10/02 19:11 📱:705P 🆔:FTyvAvtc


#151 [H∧Lしおん]
俺を見つめる真剣な、色のない無機質な瞳。

―――――怖かった。


「いい加減、そーゆーワガママやめたほうがいーよ。
あんまりふざけてばっかりで、奥さんに怒られるんじゃないの」

バカにしたように言った声が変に震えた。

――俺は今、笑えてるんだろうか。
嫌な予感がして、その【予感】を認めたくなくて。

⏰:07/10/02 19:11 📱:W51S 🆔:IrnbSQ0k


#152 [H∧Lしおん]
なさん★彡アンカーありがとうございます(o・v・o)ニャン

⏰:07/10/02 19:19 📱:W51S 🆔:IrnbSQ0k


#153 [H∧Lしおん]
「奥さん?
…ああ、コレのことか」

言いながら、薬指にはめた銀のリングを簡単に抜いた。

え?
結婚指輪って抜いちゃダメなんじゃ…

なんかわかんないけどぎょっとした俺に、今度はヨシキさんが笑った。

そしてそのまま、なんでもない顔でその銀色を灰皿にカランと落とした。

「あ」

灰まみれになった指輪。

「俺は結婚なんかしたことない」

「は?」

⏰:07/10/02 19:28 📱:W51S 🆔:IrnbSQ0k


#154 [H∧Lしおん]
…意味がわからん。


「だって、今まで何回も…結婚したって…」

ヨシキさんと出会ってから、知る限り五回は結婚してる。



思ってたのに。


「嘘だよ、嘘。
お前にヤキモチ妬かせるために、な。
結婚したって言えば、少しは妬いてくれるかと思ったが―――――お前は結婚指輪すら興味なさそうだったからな」

⏰:07/10/02 19:37 📱:W51S 🆔:IrnbSQ0k


#155 [H∧Lしおん]
けど、もう関係ない。

二人でずっと一緒にいるんだから―――。






なんて笑ったヨシキさん。

俺はもう笑えなくなった。

身体が固まって【コイツは危険だ】って信号を出す。

ヤバい。
とにかく、
逃げたい。

⏰:07/10/02 19:47 📱:W51S 🆔:IrnbSQ0k


#156 [H∧Lしおん]
腹の痛みなんかどっかにすっ飛んで、俺はベッドから飛び降りた。

ヤバい。
マジで、ヤバい。

「…あっ!」

「おっと」

リビングのドアノブまであと一歩、ってところで、ひょいと身体を抱き上げられた。

「離せよ!」

宙ぶらりんになった両足をジタバタさせてもがいても、力も体格もまるで比がありすぎて。
犬か猫なんか扱うみたいに、ぽいっとベッドに身体を投げられた。

⏰:07/10/02 19:52 📱:W51S 🆔:IrnbSQ0k


#157 [H∧Lしおん]
「っなんなんだよ、も――――」

起き上がろうとした身体を押さえつけられて、息をする前に唇で声を塞がれた。

「っ!んん、やめ…ろ!」

荒々しいキス。

いや、キスなんて綺麗なもんじゃない。

顔を背けても無理矢理顎を捕まれて、殴ろうとした両手を頭の上で縫い止められて。

蹴りかまそうとした足は、のしかかった大きな身体で邪魔をされた。

⏰:07/10/02 20:01 📱:W51S 🆔:IrnbSQ0k


#158 [H∧Lしおん]
自由を奪われた俺が反撃出来るのは、ぬるぬる入り込んだ舌を噛みちぎることくらいだった。

「…っ!」

咄嗟に身を引いた身体。

そのスキに、ありったけの力で突き飛ばしてドアまで猛ダッシュ。


…しようとしたら。

「ぅ、わっ…!」

ガツン。

視界が回転して、額に大きな衝撃。

「痛って…」

「ほら、あまり暴れるんじゃない」

⏰:07/10/02 20:06 📱:W51S 🆔:IrnbSQ0k


#159 [H∧Lしおん]
痛みに顔をしかめて振り返ると、ニヤリと笑うヨシキさんが俺の足首を掴んでいた。

「っ俺を…どうする気?まさか監禁するつもりとか?」

どくどくうるさい心臓を落ち着かせる。

睨みながら言い放つと、

「それもいいな」

って、虎みたいにペロリと唇を舐めた。

⏰:07/10/02 20:09 📱:W51S 🆔:IrnbSQ0k


#160 [H∧Lしおん]
これじゃあまるで蛇に睨まれた蛙だ。

悪いけど、人より有利な立場じゃない状況なんて俺のポリシーに反する。 予って、

「監禁されるなんてお断りだね」

虎に怯まない蛙はにっこり笑って猛反撃。

ありったけの力でヨシキさんの身体を蹴飛ばした。

「!」

不意をつかれたヨシキさんの手が捕んだ足首を解放する。

今だ!

その隙に、ドアまでダッシュして

「………あれ?」

手に掛けたドアノブを動かしても、扉は開かない。

⏰:07/10/03 12:25 📱:W51S 🆔:RBjXyS02


#161 [H∧Lしおん]
何度も上下に動かしても、ただ虚しくガチャガチャと音を鳴らすばかりで。

「開かない…」

「出られると思ったか?」

虚を付かれて呆然とドアを見つめる俺の後ろ、ゆらりと立ち上がる気配がした。

「言っただろ、ずっと一緒に暮らすんだって」

振り向いた視線の先、俺に蹴られた顎を擦りながらヨシキさんが近づく。
綺麗に整った顔が、面白そうに笑っていた。

「…オカシイよ、あんた…まさか本気で俺をここから出さないつもり」

⏰:07/10/03 12:32 📱:W51S 🆔:RBjXyS02


#162 [H∧Lしおん]
「そうだと言ったら?」

くい、と顎を持ち上げられて、無理矢理視線を合わせられる。
俺は挑むようにその瞳を睨みつけた。

「舌噛んで死んでやる」

「…なら舌を噛まれないように口を塞いで、ベッドに縛り付けてやろうか」

「……悪趣味」

俺の言葉に目を細めたヨシキさん。

⏰:07/10/03 20:05 📱:W51S 🆔:RBjXyS02


#163 [H∧Lしおん]
上等だ。

そっちがその気なら俺の全てを奪ってみろ。

セックスしようが殴ろうが、なんでもあんたの自由だ。

だけど俺の心まではくれてやらない。

それでもよければ、さあ。どうぞ。

「あんたには、本物の俺は手に入れられない」


「…望むところだ」

言いながら、ヨシキさんは不敵に笑った俺の唇に口付けた。




扉に押し付けられた背が、冷たい。


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

⏰:07/10/03 21:02 📱:W51S 🆔:RBjXyS02


#164 [H∧Lしおん]
かんそばん(>д<)

bbs1.ryne.jp/r.php/novel/2859/

⏰:07/10/04 08:19 📱:W51S 🆔:Vagsu7LU


#165 [H∧Lしおん]
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

【崩れる夕日落ちた星空、眺める自分の居場所は皆無by監禁少年ゆめと】



「じゅーいち、じゅーに、じゅーさ…ん?
あれ?」

ああダメだ。
またわかんなくなっちゃった。

お前ら似すぎなんだよ!

「あーイライラしてきたっ!」

頭をかきむしりながらボスッとベッドにダイブ。
ぼよんぼよんって身体が弾んだ。

⏰:07/10/04 12:19 📱:W51S 🆔:Vagsu7LU


#166 [H∧Lしおん]
暇つぶしに、ソファの横にある、デカデカと壁にはめ込まれた熱帯魚達を数えてみた。

赤、青、黄色。
綺麗なグラデーションの小さな小魚たちは、ガラス越しの俺を笑うかのようにスイスイ泳ぐもんだから。

十三匹目から、わかんなくなってきた。

⏰:07/10/04 12:23 📱:W51S 🆔:Vagsu7LU


#167 [H∧Lしおん]
クルクル回る天井のファン。

ぼーっと見つめて、ため息ひとつ。

このマンションの主であるヨシキさんはまだ帰って来ない。

外は雨で、薄暗い。

午前七時半。

いつもならプラプラ登校中の時間。

「……ひまだ」

⏰:07/10/04 12:27 📱:W51S 🆔:Vagsu7LU


#168 [H∧Lしおん]
ヨシキさんは本気で俺を監禁するらしく。

リビングの扉はどういう仕組みか開かなかった。
つまり俺はリビングから一歩も外に出られない。

ソファ、TV、テーブル、ベッド。

ベッド脇の小さな温冷庫にはミネラルウォーターにコンビニ弁当。腹がすいたら食えってことらしい。

トイレも風呂もリビングから繋がってる。

つまり、何一つ不便じゃない空間。

⏰:07/10/04 12:32 📱:W51S 🆔:Vagsu7LU


#169 [H∧Lしおん]
「監禁」ってゆーからさ、もっとこう…

首輪〜とか鎖〜とか身動き取れない〜とか…
って思った。

まぁそこまで手を込んで用意してたら、いわゆる【確信犯】だけど。
そんな切迫詰まった状態じゃ、きっと熱帯魚なんか数える暇なく死に物狂いでギャーギャーわめきちらしてた。

ただ外に出られないってだけ。

うん、普通にしてればなにも苦じゃない。

【軟禁】。

そんな感じ。

⏰:07/10/04 21:01 📱:W51S 🆔:Vagsu7LU


#170 [H∧Lしおん]
ただイマイチ理解できないのが、俺を閉じ込めて何がしたいのかっつーポイント。

ただ一緒にいたいからって理由だけで犯罪まがいなことしてるんだとしたら、どうしようもないバカだ。

ヨシキさんはもっと常識のあるヒトだと思うし…

………………。


ううん、人間は分かりません。

⏰:07/10/04 21:05 📱:W51S 🆔:Vagsu7LU


#171 [H∧Lしおん]
「あーあ。今頃なにしてるかなー、オオカミくん」

ベッドの上で大の字になった俺は、ふとハルキのことを思い出した。

まさか俺がこんなめにあってるなんて想像もしないだろーな。

学校嫌いな俺はサボってばっかだったから、毎日顔を合わせるわけじゃなかったけど。

今、むしょーに会いたい。

「声聞きたい、触りたい、ギューってしてもらいたい、コーヒー牛乳飲みたい……」

⏰:07/10/04 21:17 📱:W51S 🆔:Vagsu7LU


#172 [H∧Lしおん]
そばにあった枕をギューって抱いてひとりごちる。

「欲求不満かなぁ…俺」

ハルキ。



ハルキ。



ハルキ。


「……………。ぐすん」

半ベソかいた俺の背中で、玄関のドアがガチャンと開く音がした。

⏰:07/10/04 21:22 📱:W51S 🆔:Vagsu7LU


#173 [H∧Lしおん]
「ただいま、ゆめと」

「………。」

声と一緒にふわっと後ろから抱き締められて、俺は顔をしかめた。

…………酒くせー。


「いい子にしてた?」

「それなりに」

「寂しかった?」

「アホか」

「なあ、こっち向いて」

「い や だ 」

甘えるように後ろからギュッて抱きしめるヨシキさんの腕をふりほどく。俺がギューってしてほしいのは、あんたじゃない。

⏰:07/10/04 21:27 📱:W51S 🆔:Vagsu7LU


#174 [H∧Lしおん]
「…お姫様はご機嫌ナナメ、かな」

「………」

俺の背中越しに小さく笑ったヨシキさんは、ベッドから降りてネクタイを緩めた。

「一緒に風呂に入ろうか」

「……やだ」

「だってお前、制服のままじゃないか。
俺が仕事に行ってる間、シャワーでも浴びればよかったのに」

いけしゃーしゃーとどの口が言ってんだ。
監禁されたこっちは、そんな悠長に風呂なんか入ってられるかっつの。

⏰:07/10/04 21:38 📱:W51S 🆔:Vagsu7LU


#175 [H∧Lしおん]
「ほら、入るぞ」


黙りこくった俺に痺れをきらしたのか、枕を抱いたままの俺の身体を揺さぶる。

「だから、ヤだ。
入りたいなら一人で入れば」

「…………」

きっぱり言うと、揺さぶった手が離れてった。

諦めた?

って思った俺が甘かった。

⏰:07/10/04 21:43 📱:W51S 🆔:Vagsu7LU


#176 [H∧Lしおん]
「う、わっ!下ろせよ!」

「言うこと聞かない子供には少し分からせてやらないとな」

呆気なくひょいっと肩に担がれて、ドンドン背中を叩いても、ヨシキさんは顔色変えずにバスルームへ。

そのまま服をはぎとられて、強引に浴室へ押し込まれてしまった。

⏰:07/10/04 21:48 📱:W51S 🆔:Vagsu7LU


#177 [H∧Lしおん]
「…やだって言ってるんだけど」

素っ裸のまま睨む俺をよそに、ヨシキさんはシャワーのコックをキュッと捻った。
途端にもくもく湯気が立ち込めて、あったかいお湯が足元に広がる。

そして何も言わずいきなりシャワーのノズルを俺の頭に向けた。

「わっ…何す……」

「綺麗にしてからセックスする方がマナーってもんだろ?」

⏰:07/10/04 21:55 📱:W51S 🆔:Vagsu7LU


#178 [H∧Lしおん]
シャンプーを手に、わしゃわしゃ俺の髪を洗う。

「いいよっ自分で洗う!」

「そうか?残念」

頭を泡立てる手を乱暴に振り払って、手早く髪をを洗った。
ヨシキさんも俺の隣で髪と身体を洗う。

結局一緒に風呂に入るハメになってしまった。

「ゆめと」

呼ばれて思わず見上げると、柔らかく微笑んだ唇が落ちてきた。

⏰:07/10/04 22:04 📱:W51S 🆔:Vagsu7LU


#179 [H∧Lしおん]
「ん…」

俺は目を閉じて、大人しく従った。

ここで暴れたり突き放したら、もっとメンドクサイ。
きっと執拗以上にちょっかい出してくると思うし、最悪手をあげられるなんてまっぴらだ。

出しっぱなしのシャワーの下。

素直に愛撫を受ける俺に気を良くしたのか、ヨシキさんは身体のラインを確かめるように手のひらを這わせる。

首、鎖骨、胸、脇腹、腰。

ゆっくりと広げた手のひらが下に下りてって、とうとう俺のアソコに指先が絡み付いた。

⏰:07/10/05 12:30 📱:W51S 🆔:Fcr7fSp2


#180 [H∧Lしおん]
もちろん気持ちよくなんてないから勃ってるわけない。

ぶらんと垂れ下がったままのソレ。

全くやる気のない俺のモノを、ヨシキさんは上下に扱き始めた。

それでも芯を持たない俺のモノに焦れたのか、ヨシキさんは、がむしゃらに俺の唇を貪った。

「…っん、ん…ぅ」

息が出来なくて、苦しい。

⏰:07/10/05 12:39 📱:W51S 🆔:Fcr7fSp2


#181 [冬嘩]
頑張れ〜・x

⏰:07/10/06 15:12 📱:W52SA 🆔:e4SVghb6


#182 [(・ロ・)ノ]
>>100-200

⏰:07/10/06 16:19 📱:SH704i 🆔:Xsz5RGNU


#183 [(・ロ・)ノ]
>>1-100

⏰:07/10/06 16:20 📱:SH704i 🆔:Xsz5RGNU


#184 [ままま(゚∀。)]
あげ
みたいです

⏰:07/10/07 20:05 📱:SH702iD 🆔:SM8.CmDE


#185 [我輩は匿名である]
あげ

⏰:07/10/08 22:08 📱:D903iTV 🆔:8uyjgHj6


#186 [ままま(゚∀。)]
あげ

⏰:07/10/09 18:57 📱:SH702iD 🆔:0VsFpIrE


#187 [ままま(゚∀。)]
あげる

⏰:07/10/11 13:43 📱:SH702iD 🆔:grbs0ek.


#188 [М]
超いいところ

続け気になる

⏰:07/10/11 14:08 📱:N903i 🆔:5gdNbq3s


#189 [まゆ]
この小説好きです(´・ω・`)

頑張って下さい。

⏰:07/10/14 21:44 📱:PC 🆔:nEDDhBKc


#190 [我輩は匿名である]
かいてください

⏰:07/10/15 20:48 📱:SH702iD 🆔:MbyFUpmQ


#191 [SAYAKA]
気になりす

⏰:07/10/17 01:02 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#192 [煌]
主サン fight!!(●'V`*$)b+゚

⏰:07/10/17 21:10 📱:W51P 🆔:☆☆☆


#193 [我輩は匿名である]
見たいな゚+。(*′∇`)。+゚

⏰:07/10/18 20:46 📱:N904i 🆔:/L1yOXAY


#194 [な]
>>01-50
>>51-100
>>101-150
>>151-200
>>201-250
>>251-300
>>301-350
>>351-400
>>401-450
>>451-500

⏰:07/10/20 19:45 📱:W44K 🆔:1KdHUJtQ


#195 [我輩は匿名である]
見たい(≧▼≦)

⏰:07/10/21 12:50 📱:N904i 🆔:ICogg3jU


#196 [せぃラ(∀)|]
めっちゃハマっちゃった印~
続きみたぃy ガムバレケ

⏰:07/10/21 16:41 📱:W53T 🆔:BIXJkm2I


#197 [煌]
頑張って(∞艸'I`*)イ

⏰:07/10/22 23:10 📱:W51P 🆔:☆☆☆


#198 [我輩は匿名である]
あげる

⏰:07/10/27 16:10 📱:W53CA 🆔:☆☆☆


#199 [ままま(゚∀。)]
かかないのかな?

⏰:07/10/27 19:46 📱:SH702iD 🆔:Eg0Qempk


#200 [な]
>>01-50
>>51-100
>>101-150
>>151-200
>>201-250
>>251-300
>>301-350

⏰:07/10/30 02:17 📱:W44K 🆔:eOTtRkUU


#201 [我輩は匿名である]
途中で止めるなら書くな

⏰:07/11/18 16:23 📱:W53CA 🆔:☆☆☆


#202 [我輩は匿名である]
おもしろいから
続き見たいな

⏰:07/12/27 09:19 📱:N904i 🆔:QUqu2zcI


#203 [まい]
書いて書いてo(^-^)o

⏰:07/12/27 09:24 📱:W43H 🆔:iXRol/P2


#204 [美和]
書いて下さいq(・_.)p

⏰:07/12/27 20:12 📱:D903i 🆔:☆☆☆


#205 [我輩は匿名である]
内容とか面白い〜
BLとしてじゃなくても
好きです
消えて欲しくないからアゲ

⏰:08/12/28 23:59 📱:N904i 🆔:syzH6EtU


#206 [我輩は匿名である]
おもしろしぎx
主さん頑張ってLフフ

⏰:08/12/29 01:24 📱:W61P 🆔:2jhWRjbE


#207 [我輩は匿名である]
主さん戻ってきて

⏰:08/12/29 01:54 📱:824SH 🆔:☆☆☆


#208 [我輩は匿名である]
あげLフ

⏰:08/12/29 16:31 📱:W61P 🆔:2jhWRjbE


#209 [我輩は匿名である]
頑張って

⏰:08/12/30 02:05 📱:824SH 🆔:☆☆☆


#210 [にゃん]
>>1-50
>>51-100
>>101-150
>>151-200
>>201-250

⏰:08/12/30 03:10 📱:P906i 🆔:OmQtwYuo


#211 [お年玉 44898 ■]
書いて…!!

⏰:09/01/01 03:19 📱:824SH 🆔:☆☆☆


#212 [我輩は匿名である]
もう書かんのかなm?

⏰:09/01/02 21:36 📱:W61P 🆔:msDgSH1o


#213 [我輩は匿名である]
あげ・

⏰:09/01/11 16:43 📱:W61P 🆔:Z4rl/dQg


#214 [我輩は匿名である]
夢、実現するの見たいし
主さんもがんばってください

⏰:09/01/24 19:53 📱:P901iS 🆔:V5fMhUng


#215 [我輩は匿名である]
希望をもってアゲてみます!

⏰:09/01/24 20:33 📱:D904i 🆔:pq1b/MvA


#216 [我輩は匿名である]
書いて欲しいよね

⏰:09/01/26 20:18 📱:W61P 🆔:MrFHsHyY


#217 [我輩は匿名である]
あげます

⏰:09/05/17 17:26 📱:W61P 🆔:YHurn30Y


#218 [我輩は匿名である]
あげ(>_<)!

⏰:09/05/18 11:09 📱:W56T 🆔:CFLfz26.


#219 [のん]
もぅ書かないんですか?

⏰:09/06/28 12:58 📱:W56T 🆔:JnbshBu.


#220 [我輩は匿名である]
最低ね
放棄だなんて
最後まで書けないなら書くんじゃねーよ
読む人の事を考えてる?
生半可な気持ちは鬱陶しい

⏰:09/08/24 05:23 📱:P703i 🆔:Ql0fI72w


#221 [我輩は匿名である]
あげます

⏰:09/12/09 16:31 📱:N904i 🆔:2eGaO.cw


#222 [我輩は匿名である]
面白いのに…
続き書いてほしいです(>_<)

⏰:09/12/10 22:57 📱:W62S 🆔:☆☆☆


#223 [我輩は匿名である]
>>1-100
>>101-200
>>201-300
>>301-400
>>401-500
>>501-600
>>601-700
>>701-800
>>801-900
>>901-1000

⏰:09/12/21 02:04 📱:W64SA 🆔:qvWeki.o


#224 [我輩は匿名である]
あげます

⏰:09/12/23 18:50 📱:W56T 🆔:N/jYfR5w


#225 [ラン]
めっちゃ面白いです
だから書いてください

⏰:10/03/21 16:34 📱:F04A 🆔:Yi7ktcrY


#226 [にゃーン星]
月に5000円稼いでるぢぇイ
tmse.jp/..
    

⏰:10/03/21 19:32 📱:W61SH 🆔:9Z1nhY3w


#227 [みぃ]
面白くて大好きです
待ってます(≧ω≦)

⏰:10/11/24 05:52 📱:F08B 🆔:WbQS7edM


#228 [☆ララ☆]
あげ

⏰:10/11/30 21:13 📱:840SC 🆔:4MS0i0Fo


#229 [ちい]
>>2-250

⏰:10/12/01 01:48 📱:P03B 🆔:3GL3F4CM


#230 [我輩は匿名である]
もう主さんは書く気無いと思うんですが…

⏰:10/12/01 09:47 📱:SH02A 🆔:wSP5q8gA


#231 [またたび]
主さん頑張ってください

よみたいです

⏰:10/12/20 00:01 📱:840SC 🆔:ugx.3oM6


#232 [我輩は匿名である]
あげっ( ´ ▽ ` )b。

⏰:11/08/13 23:44 📱:iPhone 🆔:oF8I.O8k


#233 [我輩は匿名である]
おもしろいねー

⏰:12/05/31 14:17 📱:Android 🆔:3i7zt.rY


#234 [○○&◆.x/9qDRof2]
(´∀`∩)↑age

⏰:22/10/01 22:37 📱:Android 🆔:rYsbLV12


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