○ビー玉ラバーズ○
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#600 [向日葵]
静流はくっくっと喉で笑うと、至って普通に自然に私と手を繋ぐ。
静流の指先が思ったより冷たくてビクッと少し震えた。
「何か欲しい物ある?」
「別に……。」
「エリカ様かお前は。」
欲しい物なんて浮かばない。
服だって足りてるし、食べ物はあまり好きじゃないし、アクセサリーなんかもっての他だ。
「んー……じゃあさ、俺が選んだプレゼントあげる。それでいい?」
「静流がー……?」
:07/12/17 15:10
:SO903i
:☆☆☆
#601 [向日葵]
いらない物をくれそうなので私は嫌そうな顔をした。
そんな事構わないのか、静流はにこにこしたまま私の手を引っ張って行った。
店に入って、静流が手にした物は
「え?リボン?」
静流はにこにこしながら頷いた。
まさか……私は静流へのプレゼントなんか考えてないからもし私が「考えてない」と答えた場合……。
「紅葉が俺へのプレゼント!」
とかクサイ事やるんじゃないでしょうね……。
:07/12/17 15:15
:SO903i
:☆☆☆
#602 [向日葵]
「紅葉何色が好き?」
「んぇ?オレンジ。」
「りょーかいっ!」
50センチ程に切ってもらったオレンジと緑のリボン。
私が赤を選んだなら、ちょっとしたクリスマスカラーだ。
店を出ると、駅前からずっと離れた所へ歩いていく。
「ちょっと静流?どこ行くの?」
「見てからのお楽しみっ。」
:07/12/17 15:18
:SO903i
:☆☆☆
#603 [向日葵]
「なんだか楽しそうね。」
「紅葉は楽しくない?」
そんな事……言わせないで。
「なかったら……今いないわよ。」
静流はニカッと笑って進む足を早めた。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「とーぅちゃぁくっ!!」
「えー……。」
着いた場所には、電飾が全く付いてない大きなツリーと、ツリーを照らす照明があった。
:07/12/17 15:22
:SO903i
:☆☆☆
#604 [向日葵]
ツリーをよく見てみると、色とりどりのリボンが結んであった。
そこでようやく静流がリボンを買った意味が分かった。
「ツリーに飾りつけ?」
「んーまぁ近いかな。」
そう言うと、さっき買ったリボンを出し、重ねてツリーに結んだ。
「毎年この街恒例のものなんだ。“好きな色のリボンを結ぶと願いが叶う”って。」
「なんか七夕みたい。」
そんな恒例のものを静流がしようだなんて、ますます静流は私より女の子っぽい。
「そうだな。」
:07/12/17 15:26
:SO903i
:☆☆☆
#605 [向日葵]
静流は私の両手を握ると、私の目の高さに合わせて私を見つめた。
「紅葉の願い事は?」
「願い事って口に出したら叶わないんじゃ……。」
「いいからさ。」
あちこちに視線を向けて、私は「うー……」と唸った。
私の願いは……
「食べ物がもうちょっと食べれるようになりたい。」
「ブハッ!そんなんでいいの?!他は?」
:07/12/17 15:30
:SO903i
:☆☆☆
#606 [向日葵]
他?!
私は必死に頭をねじって他の願い事を考えた。
静流はその間も私をじっと見つめる。
なんだか急かされてる気分……。
当然本人にはそんな気ないのだろうけど……。
「少し丈夫な体になりますように……とか?」
「お前の願い事は健康な事についてばっかりか。」
「だったら静流言ってみなさいよー!」
すると静流はおでこをコツンと当てて目を閉じた。
:07/12/20 00:13
:SO903i
:☆☆☆
#607 [向日葵]
「紅葉がずーっと俺といてくれますように……。」
「……っ。」
静流はゆっくり目を開けて、優しい目をして間近で私を見つめる。
「わ……私が出て行くとでも思ってる訳?」
「実際出て行った事あんじゃん。俺の気も知らずひっでぇーよなぁっ。」
非難の言葉とはうらはらに、静流は茶目っ気たっぷりの目でからかう様に言った。
「さて!手本は見せた。……紅葉の願いは?」
:07/12/20 00:17
:SO903i
:☆☆☆
#608 [向日葵]
そんなの言われたら、私が言う事は1つって分かってるくせに……。
つくづく静流はズルイ。
「……静流が私に飽きませんように。」
私の素直じゃない願い事に、静流は声を上げて笑った。
握られている手が、2人の体温であったかくなっていく。
手だけじゃなく、私の心に、いつまでも……いつまでも温かさをくれるのは……
きっと…静流だけだから……。
―温―*END
:07/12/20 00:21
:SO903i
:☆☆☆
#609 [向日葵]
:07/12/20 00:24
:SO903i
:☆☆☆
#610 [向日葵]
ビー玉ラバーズ*スペシャルストーリー
*弟の君〜気持ちを箱に〜*
Q.好きな人はいますか?
A.はい。
Q.どんな人ですか?
A.それは……
:07/12/22 17:53
:SO903i
:☆☆☆
#611 [向日葵]
「加寿姉。」
ドキッ……。
日曜日。
私の家に遊びに来ていたご近所の3つ離れた誠。
声をかけられた私の心臓は不規則な動きをする。
「な…、何?」
リビングでゲームをしながら誠は私に話しかける。
「腹減ったんだけど……。何かない?」
「あ……じゃ、何か作るよ。もうすぐお昼だし……。」
私が何故こんなにぎこちないか。
それは最近、こちらにいる女の子の様に可愛い容姿の誠(せい)に告白されたからです。
:07/12/22 18:01
:SO903i
:☆☆☆
#612 [向日葵]
そして私、加寿(かず)は返事出来ないまま今までズルズルズルズル引きずっています。
でも、誠は返事を急かす事なく至って普通の態度。
私は誠が好きと気づきました。
でもいざ誠に言おうとすると上手く言葉が出てきません……。
このままじゃいけない!そう思った私に天の助けかありがたいイベントが迫ってきています。
それは女の子も男の子もソワソワしてしまうバレンタインデーなのです。
そのバレンタインデーも明後日に迫っている為、私の心臓は2倍速。
:07/12/22 18:06
:SO903i
:☆☆☆
#613 [向日葵]
「加寿姉?」
私の肩に顎を乗せて、私の料理行程を見に来た誠に私はびっくりすると共に顔が赤くなる。
「な!ななな何?!ご飯まだだよ!」
「何作んのかなぁーってさ。」
と言いながら誠は私の腰に腕を回してきた。
えぇぇぇぇっ!!
最早料理どころじゃなくなる。
包丁持ってる私の手は危なっかしく動く。
「あ、チャーハン?いぃねいぃね。ネギ入れてなー。」
:07/12/22 18:11
:SO903i
:☆☆☆
#614 [向日葵]
そんな事より離れてーっ!
体温が上昇してる気がする。こんなの服ごしに誠にバレちゃう……っ。
すると誠はするりと腕を離した。
「早く作ってよー?俺腹ペコなんだからさー。」
そう言ってまた再びゲームをやり始めた。
誠に聞こえないように大きく深くため息をつく。
心臓……どうにかなっちゃいそうだった……。
危ない危ない……。
……どうして……誠はあんなに普通にしてるんだろう……。
:07/12/25 00:01
:SO903i
:☆☆☆
#615 [向日葵]
もしかして……返事を急かさないのも、私の事、好きじゃなくなっちゃったのかな……。
――――――――……
「だぁっと思うなら!尚更バレンタインデーなんて待ってないでさっさと言いな!」
学校。
私は誠との事を杏ちゃんに相談した。
杏ちゃんは机に乗り出して至近距離で私を見つめる。
「だ……だだ、だって……。言えないんだもんっ。恐い……し……。」
「今のままじゃ弟君は生殺し状態よ?!そんな加寿の勇気の問題で待たせたままじゃあまりにも可哀想じゃないっ!」
:07/12/25 00:06
:SO903i
:☆☆☆
#616 [向日葵]
私はウッと唸った。
確かに、私は誠が何も言わない事に甘えてる。
もちろん、勇気が出せないのも嘘じゃない。
誠がこのままの状態をどれだけ我慢強く待ってくれているのかも知ってるけど……。
「もしも……誠が好きな人別にいたりしたらさ……初告白なのにいきなり玉砕だよ?しかもバレンタインデー前っ!ショックすぎるよーぅぅ……。」
「まったく……。」と言って杏ちゃんは呆れかえってしまった。
こんな自分、自分でも呆れちゃうよ……。
:07/12/25 00:11
:SO903i
:☆☆☆
#617 [向日葵]
「弟君がもし加寿の事好きじゃないなら、いつも通り一緒に登校しないと思うよ?弟君って多分彼女が傷ついたりする事出来るだけしなさそうなタイプだし。」
だって誠は優しいもの。
優しくて優しくて……年上の私がどんどんのめり込んでしまうぐらい存在が大きい人……。
「とにかく!バレンタインデーはちゃぁぁんっと心込めなさいよ?!」
「……うん。」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
昼休み。
いつもの時間に誠が来ない。
:07/12/25 00:15
:SO903i
:☆☆☆
#618 [向日葵]
授業が長引いてるのかな?
迎えに行きたいけど行き違いにはなりたくないし……。
なら、誠がいつも通る階段のトコで待っててみよっ!
そしたら絶対会うだろうし。
私はその階段へと向かった。
「――――。」
「ん?」
階段を下りきろうとした時、どこかから話声が聞こえた。
昼休みだから人はそこここにいる。
でもその声は、人気の無い場所から聞こえた。
:07/12/25 00:18
:SO903i
:☆☆☆
#619 [向日葵]
階段の下の……用具室……?
そう思った時。
ガタガタガタ!
「?!」
もしかして……ケンカ?!
気づかれないように私は用具室に忍び寄り、そーっと半開きになっていたドアから中を覗いた。
「え……。」
小さく呟いたその声はきっとその2人には聞こえなかっただろう。
中には、中等部の男女。
1人はセミロングの黒髪が綺麗な女の子。
もう1人は……。
「せ……い……?」
:07/12/25 00:23
:SO903i
:☆☆☆
#620 [向日葵]
2人は抱き合っていた。
私は目を見開いて1歩、また1歩と後退りした。
そして走る。
また教室へと戻って来た。
他の友達とお弁当を食べていた杏ちゃんは走って来た私に驚いていた。
「加寿?どうかした?」
どうして……?
何で……。
ウウン違う。
何か理由があったに違いない。
じゃなきゃ誠が……あんな安々と女の子を抱き締める訳……。
:07/12/25 00:26
:SO903i
:☆☆☆
#621 [向日葵]
あぁ……分かんない……。
結局その昼休み、誠が私の教室に現れる事はなかった。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「はぁ……。」
私は1人教室に残っていた。誰もいない教室は意外にも寒い。少し身震いした。
早く……帰らないと……。
ガラガラガラ
「あれ?橋田(加寿の名字)?」
「あ、丹波君。」
:07/12/25 00:31
:SO903i
:☆☆☆
#622 [向日葵]
同じクラスでバレー部のキャプテンの丹波君は、バレーをやってるだけあって背が高く、入口を頭を低くしなければ通れないほどだった。
「どうかしたの?」
「丹波君こそ。部活は?」
「今日はミーティングだけ。んで自主練しようと思ってシューズ取りに来た。」
丹波君はかけてる深緑のフチのメガネをくいっとあげて、自分の席まで移動した。
私はそれをただ観察して、彼がドアを閉める瞬間を見送ろうとしていた。
:07/12/25 00:36
:SO903i
:☆☆☆
#623 [向日葵]
シューズを取った丹波君は私を見た。
「何か悩み事?」
「へ?どして?」
座ってるせいか、こちらへ向かってくる時の丹波君の背は迫力満天だった。
そして今は、長い足を組んで小さく見える椅子に座っている。場所は2、3個離れて私の前だ。
「なんかこーやっているのって、悩み事ある人が多いんじゃないかなぁーって思っただけ。」
「そんな漫画じゃないんだから。」
「でも実際悩んでる時って1人で黄昏たくない?」
:07/12/25 00:41
:SO903i
:☆☆☆
#624 [向日葵]
メガネ越しに、意外に柔らかな目線で私を見つめている丹波君。
背が高いせいか目つきはもっとキツク感じた。
「うん……分かるそれ。」
「で?何かあったとか?」
「……んーん。いいやっ。」
なんだか自分の気持ちを分かってくれてる人がいた事に、少しだけ心が軽くなった。
「そかっ。じゃ、帰ろうかねーぃ。」
「自主練は?」
「今日はもういいや。」
:07/12/25 00:53
:SO903i
:☆☆☆
#625 [向日葵]
私達は下駄箱まで一緒に行った。
「加寿姉!」
私の下駄箱の前に、誠が待っていた。
誠は立ち上がって、私の横にいた人物に目をやる。
「……。」
「あ、遅くなってゴメンね。こちらクラスメートの丹波君。ちょっと会話が弾んでてね。」
「橋田弟いたんだ。」
「あ、誠は」
「弟じゃねえよタコ。」
誠は私の手を掴むと引っ張って外へ出て行った。
:07/12/25 00:57
:SO903i
:☆☆☆
#626 [向日葵]
「ちょ、誠、靴靴靴!!」
私の訴えも無視して誠はズンズン進んで行った。
早歩きで少し息が上がった頃、ようやく誠は止まって私に向き直った。
その表情は、悔しさと怒りが混じった感じだった。
「何で早く来てくんなかったのさ。」
「だから喋ってたの。いいじゃない少しくらい。」
「アイツが好きなの?」
「ちっがーうっ。何言ってんの誠はぁ!」
どうして丹波君を好きにならなきゃいけないの。
しかもまともに喋ったの今日が初めてだし。
:07/12/25 01:02
:SO903i
:☆☆☆
#627 [向日葵]
――――――

――――――
今日はここまでにします
>>283に感想板がありますんで、良ければ感想お願いします

:07/12/25 01:03
:SO903i
:☆☆☆
#628 [向日葵]
私の困った顔を見つめて、誠はうつ向いた。
「……よ……。」
「え?」
誠が何か呟いた。
けどその声は私の耳には届かず、聞き直した。
うつ向いてた誠はキッと私を睨んで「なんでもないっ!」と言葉を吐き捨ててまた早歩きで行ってしまった。
「もー…なんなのー……?」
―――――――……
「加寿ー。」
「何?ママ。」
:07/12/26 23:05
:SO903i
:☆☆☆
#629 [向日葵]
ママは何か入ったタッパを私に渡した。
「これ、誠君んちに届けきて。この前ケーキ貰ったお礼にって。」
誠んちかぁ……。
仲直りする為に行った方がいいかもなぁ。
「ウン分かった。」
そう言って家から1分もかからない誠宅へと足を運んだ。
インターホンを鳴らして、誰か出てくるのを待つ。
『はぁい。』
「あ、おばさん?加寿です。」
:07/12/26 23:10
:SO903i
:☆☆☆
#630 [向日葵]
『あーハイハイ。ちょっと待っててね。』
ガチャリと切られて、私はおばさんが来るまで待った。
周りを意味なく見渡したり……端から見たら挙動不審に見えちゃうかも……。
するとドアが開いた。
「あ……。」
中から出てきた誠は小さな声でそう呟いた。
私もてっきりおばさんが出て来ると思ってたから、誠にびっくりした。
「や、やほ……。あ、これ、ママから。」
「ん。サンキュ……。」
:07/12/26 23:13
:SO903i
:☆☆☆
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