[ストリート×チルドレン]
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#101 [トイロ]
「ありゃ、そんなに痛かった?
あたし女だから、ち●こを蹴られる痛みがわかんないの
ごめんね☆」


秋子は反省するそぶりもなく、無邪気に笑ってみせた。


幸は股間に手を添えながら
潤んでいる上目で秋子をみた。


(昔から俺はこの笑顔に弱いんだよな


.

⏰:08/01/01 16:31 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#102 [トイロ]
股間を蹴られるたびに
あの無邪気な笑顔をみせられたら‥

いやでも許してしまうわ!)


幸は独りツッコミをしながら、大事なアソコをさする。



「幸、俺もう帰るよ
はい、預かってた躬稀君」


壱は椅子から立ち上がると、ひざにのっていた躬稀を幸に渡した。

⏰:08/01/01 16:34 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#103 [トイロ]
「お-、いつもありがとな
じゃ-杉、また明日」


「杉、ばいば-い☆」


躬稀が大きく手を振る。



壱は軽く手を振って
教室を出た。



壱の背中が見えなくなってもずっと見ていた架奈が
口を開いた。

⏰:08/01/01 16:36 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#104 [トイロ]
「‥‥ね−‥アキコ」


「うん?」


「‥す、す、杉本ってさ
あた し、の‥£¢§‰$〜」


完全に呂律がまわってない。


「は?
何言ってるか分かんない」



「だ、だからッ−‥
‥‥なんでいつも躬稀くんを預かって るの」

⏰:08/01/01 16:39 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#105 [トイロ]
「あ-それは、躬稀くんが襲われないようにだよ

躬稀くんってさ、見たとおり、可愛さがハンパないでしょ

だからいつも誰かが見張ってないと
襲われるどころか、さらわれたりするんだよね;」



「でもな-和歌山

俺が見張れないとき
他のやつに頼むのはいいんだけど、後が大変なんだよ

.

⏰:08/01/01 16:42 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#106 [トイロ]
躬稀のフェロモンが凄すぎるせいで
預けたやつまで虜にしちゃうんだよ

だから返してもらうのが
すんげぇ-大変でさ」


「躬稀くんのお色気は
老若男女だからね」



「‥フーン」


「安心したか?」


.

⏰:08/01/01 16:45 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#107 [トイロ]
架奈は座っていた机から落ちそうになった。


「はッ!??な、なにがよ」


「べつにぃ-

んで?
まだ確かめたいことがあるんだろ
さっき、言いかけたこととか」


「!??」

架奈の整った顔がみるみる赤く染まる。

ほっぺのチークでさえ、もう見分けがつかない。

⏰:08/01/01 16:48 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#108 [トイロ]
そんな、幸と架奈のやりとりを
意味がわからずに
ただ首をキョロキョロまわす秋子。


「‥‥‥ッ、アキコ」


「あ、はい」


夕日の暖かい陽射しが
赤く染めた

‥としか思えないくらい、架奈の顔は赤かった。


秋子は、架奈の真剣な眼差しに思わずかまえた。

⏰:08/01/01 16:51 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#109 [トイロ]
「す、杉本‥って


あた、し の‥‥‥‥‥ッ

あたしがモテること
知ってるのかしら!?」



「‥はい?」
かまえた姿勢が、空しくもくずれる。


秋子の後ろでは、幸が深いため息をはく。



「だッ、だってそお思わない!?
さっきだって
こんなにモテる女の子がそばにいるっていうのに

話し掛けてもこないのよ!?

.

⏰:08/01/01 17:04 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#110 [トイロ]
こんなにモテる女の子が
そばにいるっていうのに

話し掛けてもこないのよ!?

百歩ゆずって、あたしから話しかけてあげたのに

素っ気ない返事しかしなくて
、本ばっか読んでるし!


それにそれに
本の内容が難しすぎて‥‥話題にもならないのよ!!!」

.

⏰:08/01/01 17:07 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#111 [トイロ]
「‥‥‥‥」


秋子は、開いた口が塞がらない。



そして




超鈍感な秋子でも、さすがに気づいた。




.

⏰:08/01/01 17:51 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#112 [トイロ]
'



「架奈‥



杉本くんのことが


‥好きなの?」





.

⏰:08/01/01 17:54 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#113 [トイロ]
「!!!


そ、そんなわけないでしょ

だッ、だれがあんな地味で冴えないやつなんか‥」



言ってることに矛盾するかのように
架奈のキレイな顔は、ますます赤くなっていった。



幸は呆れたようすで
秋子と架奈のやりとりを傍観している。

⏰:08/01/01 17:56 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#114 [トイロ]
(嘘ついてるのバレバレだよ

そんなに赤くなっちゃって‥

全身で認めちゃってるようなもんじゃん


架奈って恋愛事になると、すごい不器用なんだ‥

コスメとかはめちゃ器用なのに‥‥‥ふふ)


秋子は少し笑って、架奈をみた。


真っ赤になっている架奈は
どんなコスメよりも、ずっと可愛かった。

⏰:08/01/01 17:59 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#115 [トイロ]
「お前な-

いい加減そのあまのじゃく
止めろよ」


呆れた口調で幸が言う。



「なによ!
幸なんかアキコと付き合ってるの隠してたくせに!!」


「隠してたんじゃなくて
ほんとに付き合ってねぇのッ!!!」


.

⏰:08/01/01 23:32 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#116 [トイロ]
架奈と幸が言いあう中、
躬稀は幸におんぶされ、
スヤスヤと寝ている。


「もう幸、それ以上騒ぐと躬稀くん起きちゃう

架奈もそれ以上ムキになると、きれいな髪が乱れるよ」

秋子がふたりを静ませる。

「で、架奈

ほんとは何を言おうとしてたの?
杉本くんがあたしの?」


.

⏰:08/01/02 11:33 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#117 [トイロ]
架奈の顔は
まだ赤みがひかない。



「‥‥‥‥あたしのこと‥



‥‥どう思ってる‥‥‥?」



少し目を潤わせながら、不安げに聞く架奈は、最高に可愛かった。


女である秋子までもドキドキした。


.

⏰:08/01/02 11:36 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#118 [トイロ]
'
「‥アキコ?」



架奈に見惚れていた秋子は我にかえる。

「‥あ!ゴメンゴメン

えっと‥‥幸、どうなの?」


秋子が後ろにいる幸に振り向く。



幸は背中で眠っている躬稀を起こさないように、小さな声で答えた。

⏰:08/01/02 11:38 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#119 [トイロ]
「ま-‥和歌山が美少女としてモテることは知ってる


んで、カルい女‥」



架奈の顔が赤から青へ変化していく。


幸は続ける。



「‥っぽく見える、て言ってたな

そんで、
‥‥‥『俺、和歌山さんに嫌われてるんだと思う』
て言ってた」

⏰:08/01/02 11:41 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#120 [トイロ]
'

「「はあ!??」」

架奈と秋子が同時に叫ぶ。


「なんでそ-ゆ-ことになるのよ!?」


「杉本くん勘違いしてるよ!」


「だ-か-ら-

和歌山、おまえが不器用すぎんだよ

誤解ときたいんなら、杉の前では素直になれ」


幸はさっきよりも口調が強い。

⏰:08/01/02 11:43 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#121 [トイロ]
幸はさっきよりも口調が強い。



架奈はうつむいた。





「‥‥‥ぅっさい」




「は?」


.

⏰:08/01/02 11:45 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#122 [トイロ]
「うるさいって言ってんの!

あたしだって、努力してんのよ!!


朝は3時起きで、髪をセットするのに1時間、化粧するのに1時間半。

そして杉本とふたりっきりになるために6時に登校


他にも、美肌のケアや、ウォーキング、制服は毎日アイロンかけ、ヨガ、モデルスタイルのキープ、おかしは断食、ムダ毛処理、エステ、就寝時間は8時‥諸々‥」

⏰:08/01/02 11:48 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#123 [トイロ]
'
架奈の武勇伝はまだまだ続く。


「‥雑誌は毎月チェックしてるし、杉本の趣味もチェックして雑誌、CD、本、全部買ったし、

何について書いてんのかわかんないし、歌詞みてても意味不明だし、読んでても難しすぎて面白くないし



朝早く学校いって
ふたりっきりになっても
緊張しすぎて、思ってないこと言っちゃうし、
可愛くなれないし、‥」


.

⏰:08/01/02 11:56 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#124 [トイロ]
'
架奈の目に涙が溜まってきた。


「好きで‥スキで‥だいすきなのに‥


素直になれなくて
うまくしゃべれなくて、‥」


おおきな瞳から大粒の涙がこぼれる。


.

⏰:08/01/02 12:07 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#125 [トイロ]
'

「あたしだってわかってる


自分がどんなに不器用か‥



どんなに好きでも伝えられなきゃ‥


素直になれなきゃ意味がないっことぐらい‥



とっくの昔に気付いてるよ−‥」



.

⏰:08/01/02 12:39 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#126 [トイロ]
'

そのあとは言葉が続かなかった。



架奈は秒刻みに肩をあげ
泣いた、ただ鳴いた‥。




秋子は、なんだかとても切なかった−。




++++++++++

⏰:08/01/02 12:41 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#127 [トイロ]
結局、あたしたちは
中センが怒鳴りにくるまで、

ただ見守ることしかできなかった。




あたしは、桜並木の帰り道を通りながら
隣にいる幸に呟いた。


「ねぇ、幸」


「ん」


.

⏰:08/01/02 17:45 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#128 [トイロ]
'

「なんかすごく切ないよね


スキなのに、
その気持ちが大きすぎて、相手に伝わらないなんてさ

小さすぎてもダメだけど

大きすぎても難しんだな-」



もうすでに桜の花は散ってしまっている。


.

⏰:08/01/02 17:47 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#129 [トイロ]
'
「そういや、幸

架奈に『安心したか?』みたいな言ってたけど


もしかして‥知ってたの!?」



「知ってた、ってゆ-か気づいてた

和歌山は杉が好きなんだろうな-‥みたいな

たぶん躬稀も気づいてたぞ」


.

⏰:08/01/02 17:51 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#130 [トイロ]
「え゙ーーー!!!
全然わかんなかった;」


結構、ショックをうけた。


「アキコ、かなり鈍いもんな」


あたしは、かちんときて
言い返そうとしたら‥


「でも、そんなとこもアキコのいいとこだよな

‥俺は、アキコの鈍いところ、好きだぜ」


.

⏰:08/01/02 17:55 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#131 [トイロ]
'

あたしは何も言い返せなかった。




顔が赤いような気がするけど、


きっと気のせいだ。



きっと夕日が、
あたしを赤く染めたせいだ。



.

⏰:08/01/02 17:57 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#132 [トイロ]
'

あたしは‥


幸のそばにいられる


ただそれだけでいいんだから



いつも隣にいるこの人に


もう恋しないって


あのとき決めたんだから‥



.

⏰:08/01/02 17:59 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#133 [トイロ]
++++++++++


#05話#

幸×秋子:{koi


ーENDー


++++++++++

⏰:08/01/02 20:35 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#134 [トイロ]
★アンカー

>>5ー44  幸×紅
>>45ー57  幸×紅
>>58ー81  幸×紅
>>82ー90  紅×祐
>>91ー133 幸×秋子


.

⏰:08/01/02 23:06 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#135 [トイロ]
★アンカー

>>5-44  幸×紅
>>45-57  幸×紅
>>58-81  幸×紅
>>82-90  紅×祐
>>91-133 幸×秋子



失敗してゴメンなさい(ノ_・。)


.

⏰:08/01/02 23:12 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#136 [トイロ]
#06話#


"ねぇ、さち"


"ん、どうした?"



"ぼくの髪、‥どう思う?"



"うーん、そうだな‥

お月さまみたいで、すごくきれいだと思う


おれはクレナイの髪、
すきだよ"



.

⏰:08/01/02 23:16 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#137 [トイロ]
++++++++++



(あ、
‥また思い出してたのか)



太陽と月が入れ代わった頃
街灯の下で缶コーヒーを飲む女
‥にみえる男がひとり、
名は紅。



暗闇のなかでも銀色に輝く髪を、紅は掻きむしった。

.

⏰:08/01/03 22:29 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#138 [トイロ]
'

(ったく‥ほんとになんなんだよ、アイツは!!

昔と全く変わってねぇなんて、ありえね-だろ!)


空になった缶コーヒーを路上に投げ捨てた。


「いてッ!!」


空き缶が、いかにもガラの悪そうな男に当たった。

⏰:08/01/03 22:32 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#139 [トイロ]
「ちょいとおね-サン
どうしてくれるんや」


「体で払ってもらおうか」


二人の男が紅を引き止める。


++++++++++


すっかり闇に覆われた空を見上げながら、幸は繁華街を歩いていた。


.

⏰:08/01/03 22:34 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#140 [トイロ]
'
「今日はどこ探そ‥」


探し始めてもう一週間たつのに、幸はまだ紅に会えていなかった。


「やっぱ、手っ取り早く、香介さんにきいとけばよかった‥

いやいや、香介さんのことだもんな
ぜったい取引してくるに決まってる

結局、地道に探すしかないってことか‥」


.

⏰:08/01/03 22:36 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#141 [トイロ]
幸は、季節はずれのイルミネーションの中を再び歩き続けた。


繁華街を通りすぎ、人通りの少ない小道にでたところ

「ゔわ゙ああぁぁぁッ!!!」

少し離れたところで男の叫び声がした。


「な、なんだ!?」

幸は、悲鳴がした方へ素早く駆けた。

⏰:08/01/05 01:30 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#142 [トイロ]
'

ある角を曲がると紅い花−‥のような血が、幸の目にとびこんできた。



真紅に咲き乱れる光景の中

銀色に輝く、紅がいた。



「紅?おまえ、なにして‥」

幸の靴に何かがあたった。

⏰:08/01/06 16:56 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#143 [トイロ]
幸が靴元に視線を向けると
人工的な金色の髪をした男が転がっていた。


「!! おまえ大丈夫か!?」

幸が男を抱き起こすと首すじの赤みに気づいた。


(この傷痕は‥俺が紅につけられた噛み痕−‥)


「紅、ちょっと確かめたいこ とが‥」

⏰:08/01/06 16:57 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#144 [トイロ]
'


紅の口元からみだらにこぼれる、深紅の血


人とは思えぬ、鋭くひかる純白のキバ


暗闇のなかでも黄金にの閃光を放つ瞳−‥



「ク レナ、イ‥


まさか‥おまえがやったのか?」


.

⏰:08/01/06 17:00 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#145 [トイロ]
'

「‥‥‥‥だったら、なに」

紅は口元から零れる血を拭った。


「‥‥‥殺した のか‥?」

「‥殺してない

でもこのままだったら、多量出血で死ぬかもしれないけど」


「‥クソッ」

幸はポケットから携帯を出し、119番をおす。

⏰:08/01/06 17:02 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#146 [トイロ]
「こちら、宰善通り
20代の男性、二名が多量出血で意識不明」

幸は慣れたようすで救急センターに説明する。


『血はとまっていますか?』


幸が二人の首もとをみる。

「はい、とまっています」

『すぐに向かいます、あなたの名前を‥ピッ

幸は電話を切った。

⏰:08/01/06 17:06 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#147 [トイロ]
'
「紅、逃げるぞ」

幸はポケットに携帯を入れた。


「は?

ちょっと!」


幸は紅の腕をつかんで
走りだした。


満面の笑みでいっぱいにしながら‥


++++++++++

⏰:08/01/06 17:14 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#148 [トイロ]
あんな無惨な光景を
目の当たりにしたのに

なんで笑っていられるのかって?


だってそりゃあ‥


紅の腕を掴めたから


あの頃に戻れたみたいで
嬉しかったから



++++++++++

⏰:08/01/12 15:14 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#149 [トイロ]
深い雑木林のなかにふたり、幸と紅がいた。


「はぁ、こ、ここまで来れば大丈夫だろ

あ゙-きっつ」

幸は地べたに座り込んだ。

速く上下に肩を動かしながら呼吸をする。



(ま、まじで倒れる‥;)

紅は大木に身体をあずけて、息をきらしている。

⏰:08/01/12 15:16 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#150 [トイロ]
少し動悸が落ち着いてきて、紅は顔をあげ、辺りを見渡した。


「‥‥‥‥ここは、‥」



幸がニッと笑う。

「そ、あの雑木林
俺と紅が初めて会った場所♪
ここに入り込んじゃえば警察もお手上げ
まあ、長居は危険だけどな」


紅はただ黙って幸の笑顔を見つめた。

⏰:08/01/12 15:18 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#151 [トイロ]
すると、足の方向を変えて向こうへ歩き出した。


「ちょっ、紅!?
そっちは出口だぞ」


紅は、幸に背中を向け歩きつづける。

「出るんだよ」

「は、なんで?」


紅が向きなおした。

「−‥なんでかって?
僕はこの場所が嫌いだからさ!!」

⏰:08/01/12 15:20 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#152 [トイロ]
++++++++++


"僕はこの場所が嫌いだからさ!!"




「く、紅‥」



紅は顔を背ける。



−そうだよな

ここは、紅にとって

親に捨てられた場所でもあるのに


俺は‥−

⏰:08/01/12 15:22 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#153 [トイロ]
'

親に捨てられた場所でもあるのに、俺は‥−



「ゔっ‥」

紅がうめき声を出して
しゃがみこんだ。


(やっぱり、あれぐらいの量じゃまだ足りなかったか

クソッ‥
自制心を保たないと‥)


.

⏰:08/01/14 23:52 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#154 [トイロ]
幸はあわてて紅に駆け寄った。

「紅!!大丈夫か!?
気分が悪いのか!?」


「僕に触るな!!」


−バシッ


紅は幸の手を払いのけ、
人とは思えぬ目つきで睨みつけた。

⏰:08/01/14 23:54 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#155 [トイロ]
「く、くれない‥」

幸は微かな痛みを負った自分の手を、ギュッとにぎった。

「おまえ‥やっぱ変だよ、おかしいよ
何があったんだよ!!

昔はこんなんじゃなかった
もっと‥優しい奴だったじゃねぇか!!」



「昔はこんなんじゃなかった、‥だって?」


紅がいきなり幸の胸ぐらを掴んだ。

⏰:08/01/14 23:56 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#156 [トイロ]
「なにも知らないくせに、勝手な事言ってんな!!」



−"なにも知らないくせに"

その言葉が嫌というほど
俺の心に‥刺さった−



「うぐッ!」

紅が手を緩めたかと思うと、そのまま倒れ込んだ。

⏰:08/01/14 23:58 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#157 [トイロ]
「紅!!」

幸は紅を抱き起こした。


紅が静かに呟く。

「もう‥満足に、5日も口にしていないんだ‥」


「まじかよ!!?ちょっと待ってろ
近くのコンビニで水とか買ってきてやるから!」


幸が立ち上がり、走りだそう、とした脚を紅が掴んだ。

⏰:08/01/15 00:00 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#158 [トイロ]
−ガシッ

「ぬおッ!!?
あ、危ねぇだろ!」


「無駄だよ‥‥幸」


「はあ?
あ、金銭的なこと気にしてんのか!
いいよ、そんなこと‥


「僕は生き血しか口にすることが出来ないんだ」


.

⏰:08/01/15 00:03 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#159 [トイロ]
'

紅の言葉が幸の話をさえぎる。



「‥‥‥え‥?」




紅の瞳が暗闇のなか、
黄金にひかる。

⏰:08/01/15 00:05 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#160 [トイロ]
「フッ‥驚いただろ?

僕が人間ではなく、むしろその人間を喰らう、バケモノだから‥」



−そのときの紅は、笑っていたけれど

俺には、自嘲にしか聞こえなかった


あの頃と変わらない‥

哀しい瞳をしていたから−

.

⏰:08/01/15 00:08 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#161 [トイロ]
'

「‥‥‥なんでそんなこと言うんだよ

おまえは、れっきとした人間だろ!!」


「は、何言ってんの
僕は血しか飲めないんだよ?」


「そういう人もいるかもしれね-だろ!」


.

⏰:08/01/19 15:31 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#162 [トイロ]
(いないよ‥;)


紅の口元が緩む。


「ほんとに‥
相変わらずバカだね、幸は‥‥」


「ああ゙?」


「そんな‥確証のないこと言って、
僕の心を揺らさないでよ−‥‥」

⏰:08/01/19 15:34 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#163 [トイロ]
−やっと自分を僕(バケモノ)だと、認めたのに‥−


「紅‥」

そのあとは言葉が続かなかった。



「幸‥」

紅の顔が近づく。


「僕、幸に会えてうれしかったよ」

⏰:08/01/19 15:35 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#164 [トイロ]
紅と幸のあいだの距離が縮まる。


「俺もだ‥紅」

幸から笑顔がこぼれた。


紅の動きが止まる。


−フッ

「ありがとう、‥幸」

紅は幸を自分へと引き寄せた。

⏰:08/01/19 15:37 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#165 [トイロ]
「え、‥‥‥むふッ」

幸は紅に口を塞がれた。


紅の舌が幸に絡みつく。


(な、なんだこれ‥唾液?のはずだよな

なんか麻薬みたいでクラクラする‥)


紅はそっと幸から離れた。

⏰:08/01/19 15:40 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#166 [トイロ]
「ごめんね、幸

また、‥人間じゃないとこ見せちゃったね」



−あ、
‥あのときの笑顔に似てる
やさしい瞳で笑っているのに、どこか哀しそうな‥あの笑顔


紅がいなくなる前の‥

俺が最後にみた


紅の笑顔−


.

⏰:08/01/19 15:52 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#167 [トイロ]
幸が薄れる意識のなか、
紅はやさしく笑っていた、哀しそうな瞳をして‥


(クソッ−‥何やってんだよ、俺は‥

また同じことを繰り返すのかよ


もう紅にこんな顔させないって‥
もう後悔しないって決めたじゃね-か!!)

⏰:08/01/19 22:11 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#168 [トイロ]
幸は、かばんの底にあるバタフライを手にする。


バタフライとは裏ルート、特に最近は不良グループで流行っている凶器。

数日前、幸が仕事で不良たちから没収したものだ。


幸はそれを取り出すと同時に、自分の手首にめがけて振り落とした。

⏰:08/01/19 22:19 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#169 [トイロ]
「ちょっ!!‥幸!?」


赤い血が切り口から勢いよく噴き出す。


「ッ−‥いってぇ

ったく、紅は俺を眠らせよ-としたんだろうけど

今回は、そうはいかないからな」


激痛のおかげで、意識がはっきりしてきた。

⏰:08/01/19 22:43 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#170 [トイロ]
「それにな‥

確かに俺はおまえのこと、よく分かってなかったのかもしれない


けど、1つだけ‥俺にも分かることがある

それは、紅、
おまえは生きてていい‥
いや、むしろ生きるべき存在なんだよ

だから俺の血を飲め!
そんでもう‥俺の前から二度といなくなるな!!!」

⏰:08/01/19 22:45 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#171 [トイロ]
幸の目が赤い。


「−‥‥ったく
手首はすごく血が出るとこれなんだよ

あ-もうこんなに流して‥もったいない」


紅は幸の腕をつかむと、滴れている血を舐めはじめた。

幸は、紅の突然な行動に驚く。
(うわッ!!‥なんかハズカシ-;///‥あれ、痛くない
痛みがひいてきたのか?)

⏰:08/01/21 18:55 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#172 [トイロ]
−ペロ ‥ ペロ


「おっえ」


「‥‥はい?なにいまの;」

「ほんと、昔とちっとも変わっていね
幸の血、あいかわらずマズイ‥‥ぉえ」


「え、俺の血‥まずいの?」

.

⏰:08/01/21 18:57 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#173 [トイロ]
紅はコクンと頷く。


(まじかよ!
‥なんか、かるくショック;)


「てか、血にうまいとかまずいとかあるのかよ」


「あるよ
最高に美味しいのは美女の血!!

幸の血は‥あえて言うなら青汁だね」

⏰:08/01/21 18:59 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#174 [トイロ]
「あおじる‥‥‥」

(なんか複雑;↓)


紅はお構いなしに続ける。

「う-ん、でもおかしいんだよね
このまえ幸の血を飲んだときは、美女の血以上に美味かったんだ

なんでだろ‥心臓に近いところだったからかな」


「し、しんぞう!!?」

⏰:08/01/21 19:05 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#175 [トイロ]
★訂正

>>172 紅のセリフ

×「ほんと、昔とちっとも変わっていね


○「ほんと、昔とちっとも変わってないね


すいません...(ノ_・。)

⏰:08/01/21 22:01 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#176 [トイロ]
幸の肩に紅の手が添えられ、幸はさらに硬直する。


「あの‥紅さん?;」

幸の声が裏返っている。



「大丈夫、痛くしないから」


(そういう問題じゃねぇ-!!!;)

.

⏰:08/01/22 02:22 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#177 [トイロ]
紅が軽く息を吸い込む。


「ちょっ‥待て!紅ッ」


−ガブッ

紅の鋭いキバが幸の首すじに食い込む。


「うっ!」


−‥ゴク ゴクッ


「うあっ‥」


幸は再びあの変な感触に襲われた。

⏰:08/01/22 02:23 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#178 [トイロ]
'

幸は、再びあの変な感触に襲われた。


「く、れな い‥‥くっ」


−ゴク‥‥ジュルッ



紅は、真っ赤な液体を夢中で貪る。

⏰:08/01/22 02:25 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#179 [トイロ]
−ゴクゴク ジュルッ‥ゴク


(確かに、痛くはないけど‥
でもこれって
なんてゆ-か、、快感‥‥

「だ-----!!!!;」


幸は紅の銀髪を力のかぎり引っ張った。


「いってぇ----ッ!!?」


.

⏰:08/01/22 02:28 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#180 [トイロ]
思いがけない痛みに叫ぶ。

「くっ‥なにすんだよ!
幸!!」

紅は引っ張られた箇所をさすりながら、涙目で幸をにらむ。


「飲み過ぎだッ!!;ばかやろ-!!!」

こっちも涙目で反論する。

⏰:08/01/23 02:13 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#181 [トイロ]
「だって、めっちゃ美味かったし
それに、幸だって‥まんざら嫌でもなかっただろ?」

紅が意地悪な笑顔を浮かべた。


「−っ‥‥‥///」

幸の顔が一気に染まる。


「俺が興味あるのは女だッ!!」

必至に否定するが全く相手にされず。


「ど−だか♪」

⏰:08/01/23 02:16 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#182 [トイロ]
(ま、僕の唾液には麻薬みたいな効果があるから
気持ち良くなるのは当たり前なんだけどね

でも、おもしろいから黙っとくか♪《笑 )


「俺は健全な男児だ-!!!」

紅のうしろで、半泣き状態で叫ぶ幸。

⏰:08/01/23 02:19 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#183 [トイロ]
'

「はいはい《笑

にしても、これからは毎日すきなだけ血が飲めるんだねぇ♪」


思わず紅の声が弾む。


「言っとくけど手首からな」

「はあ!?いやだよ
手首とかまずいし!」

⏰:08/01/23 02:20 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#184 [トイロ]
「首からあげたら紅、やめられなくなるだろ」


「あたりまえじゃん」



「‥‥‥‥‥だからだよ」


「大丈夫、貧血になるだけだって」


「〜っ、俺は労働者なの!!
だから、倒れてるひまなんてないんだよ」

⏰:08/01/27 01:55 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#185 [トイロ]
「まずいのはいやだ
ただでさえ、普通に飲んだら、幸の血は格別にまずいのに」


「我慢しろよ」


「いやだ」


「しろ!」


「いやだ!」

⏰:08/01/27 01:57 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#186 [トイロ]
「しッ −グラッ


(あ、‥‥やば‥‥‥‥)




「幸!?」


紅の声が遠くに聞こえた。



.

⏰:08/01/27 01:58 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#187 [トイロ]
−ああ 俺はこんなところで倒れてはいけないのに

俺が倒れたら また紅は俺のまえから姿を消すだろう

せっかくまた会えたのに


もう二度とこの手を離すわけにはいかない‥

この雪のように透き通った白い手を‥−


++++++++++

⏰:08/01/27 02:00 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#188 [トイロ]
まぶたをひらくと、見慣れた天井が目に入った。



「痛ッ‥‥」

幸が起き上がると同時に、小さな頭痛を伴った。


(ここ‥‥俺の部屋?
どうやって戻ってきたんだっけ‥)


自分がベットで横になっていたことがわかった。

⏰:08/01/27 11:25 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#189 [トイロ]
「貧血おこしたばっかりだから、あんまり体動かさないほうがいいよ」


幸は声がしたほうへ顔を向ける。


「ったく、大変だったんだからね
幸をここまで運ぶの」


ベットの傍らに





−紅がいた。

⏰:08/01/27 11:27 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#190 [トイロ]
「紅‥‥」

幸の瞳から涙が零れる。


「ええ!!幸!?
なにか僕した!?;」


「¢△※#◆%£」

涙を拭いながら言う。


「え?きこえないよ」

紅がベットに近づいた。

⏰:08/01/27 11:28 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#191 [トイロ]
'

「ょかった‥
紅がいなくならないで‥」





−‥ぽと




ベットにひとつの染みがついた。

⏰:08/01/27 11:29 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#192 [トイロ]
幸が顔をあげると、



「‥ぷッ

紅、やっぱ泣き虫だな

‥変わってない」




「‥‥そっちこそ泣いてるじゃん」

⏰:08/01/27 11:32 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#193 [トイロ]
幸は笑った。

頬をつたう涙の雫は、宝石の粒のように輝いている。


あの頃と変わらない笑顔が
−咲き誇っていた。






紅は再び涙が溢れた。

⏰:08/01/27 11:33 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#194 [トイロ]
++++++++++


#06話#

幸×紅:{咲ク


-END-


++++++++++

⏰:08/01/27 11:42 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#195 [トイロ]


★番外編:{おまけ


#03.1話#は
>>58-62のあとの
香介×太郎sideの話です。


⏰:08/02/03 17:25 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#196 [トイロ]
#03.1話#


太郎は幸を秋子に任せて、部屋を離れた。

エレベーターに乗り、胸のポケットから携帯を取り出す。

ピッポッパッポ
《♪携帯ボタン音


エレベーターが1階でとまる。

ドアが開くと同時に発信相手、香介がでた。

⏰:08/02/03 17:29 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#197 [トイロ]
「タローか」

「幸くん目覚ましました
アキコちゃんもいるし、もう大丈夫だと思います」

「‥‥」

「‥ふ」
太郎が思わず笑いをこぼす。

「‥なんだよ」


「いえ
それでキングは今どこに?」

⏰:08/02/03 17:31 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#198 [トイロ]
キングとは、香介のコードネームである。


「昨夜のやつを調べてた

依頼されてた族、珠西族は幸が来たときにはもう散ってたみてぇだ」


「では、幸くんは他の族に遭遇したんですね」


「ああ、クソッ電話じゃ詳しいこと言えねぇな

しかたねぇ、おまえを拾ってく
そこにいろ」

⏰:08/02/03 17:34 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#199 [トイロ]
一方的に電話が切れた。


「ふぅ
ほんとに、親バカなんですから」

携帯を胸に戻し、壁に寄り掛かって香介を待った。


脇を通る女子高校生たちが太郎をちらちらみて、黄色い声を発している。


確かに太郎は、どことなく雰囲気がある男だった。

⏰:08/02/03 17:36 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#200 [トイロ]
背は香介とあまり変わらないが、肌は香介ほど濃くなく、淡い小麦色をしている。

顔は整っているし、香介がワイルド系なら太郎は紳士といったところだろう。



「あのッ」


いつのまにか太郎の前に女の子が立っていた。


制服でみたところ、どこかのお嬢様学校の生徒らしい。

⏰:08/02/03 17:38 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#201 [トイロ]
「‥なにかな?」


太郎の優しい声にビクッと震える女の子。


ふたりのそばを通る女子高校生たちの視線が冷たくささる。



「あの、えっと、‥山田さん、よくここにいますよね」

(僕の名前は、調べ済みってわけね)


.

⏰:08/02/03 17:40 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


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