-Castaway-
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#464 [◆vzApYZDoz6]
-ディフェレスのその後-

バウンサーは解散した。しかし、ハルキン、ラスカ、ラスダンの3人は、衣食住揃う本部でずっと生活していた。
今日は自分の家に帰ったジェイト兄弟とシーナとリーザが、本部にやって来る日。
シーナが忘れてきた刀を回収するために、ジェイト兄弟のバイクで基地まで行き、ラスダンのスキルを使って探す予定だ。
本部で待っていたラスダンの耳に、聞き慣れたエンジン音が聞こえてきた。
窓から外を見る。バイクに跨がるジェイト兄弟と、バイクの後ろに乗るシーナとリーザが見えた。
外に出ようとするラスダンを、ハルキンが呼び止める。

⏰:08/02/15 23:23 📱:P903i 🆔:cxnz/jkI


#465 [◆vzApYZDoz6]
ハルキン「基地に行くなら、クルサも探してこい」
ラスダン「へっ?それなら一緒に来たら?」
ハルキン「俺はスティーブの散歩に行かないと」
ラスダン「ふぅん…分かった、探しとくね」

ラスダンが踵を返し部屋を出る。
エレベーターを降り、ジェイト兄弟らの待つ表へ出た、その時だった。
ズシン、という重い音。音がした瞬間だけ、地面が揺れた。
そしてその音は等間隔に響いていた。まるで巨人が地を踏みしめる足音のように。
そしてその音は、明らかに本部の建物内から聞こえてきいる。

ブロック「あー、スティーブか」
フラット「散歩は久々だから喜んでるんじゃない?」

⏰:08/02/15 23:32 📱:P903i 🆔:cxnz/jkI


#466 [◆vzApYZDoz6]
ラスダン「はっ?スティーブって犬じゃ…」
ブロック「犬だぜ?」

ジェイト兄弟があっけらかんと言い放つ。その間にも、足音は響いていた。

ラスダン「えっ…シーナとか知ってた?」
シーナ「昔見たことあるわ」
リーザ「昔はもうちょっと小さくて、まだ愛嬌があったんですけど…」
ブロック「あんだけデカいんじゃ餌代も馬鹿にならねぇんじゃねぇか?」
フラット「体長余裕で5、6メートルはあるよな」
ラスダン「…早く行こう。嫌な予感がする」
フラット「え?」
ラスダン「いいから」

ラスダンに促され、兄弟がスロットルを回して走り出す。
少し走った所で、後ろからこの世の物とは思えない程の甲高い咆哮が響いた。

⏰:08/02/15 23:41 📱:P903i 🆔:cxnz/jkI


#467 [◆vzApYZDoz6]
-地球のその後-

京介は学校の屋上で、仰向けに寝転がっていた。

地球から帰ってきた時は既に昼になっていたので、学校を休んだ。
藍と一緒に学校を1日休んだ程度では、クラスメイトに変な噂を立てられたりはしなかった。
親にも特に何も言われなかった。どうやら内藤がディフェレスに来る前に上手く言いくるめたらしい。

寝転がったまま、ポケットから1本の細い棒を取り出して太陽にかざす。
京介は地球に帰る前の日の晩、内藤に『スキルを消去する方法は無いか』と訪ねて、その棒を貰った。

京介「『耳に入れれば減衰させれる』…って言ってたけど…本当かな」

⏰:08/02/15 23:52 📱:P903i 🆔:cxnz/jkI


#468 [◆vzApYZDoz6]
暫く棒を見詰めていると、屋上のドアが開いて藍が入ってきた。

藍「あっ、ここに居たんだ」
京介「どうした?」
藍「別に用事は無いんだけど…あっ、それ…」

藍が京介の持っていた棒に気付いた。
おもむろに制服のスカートのポケットに手を突っ込んで、何かを取り出す。
藍が見せたそれは、京介が持っている物と同じ細い棒。

京介「あっ、お前も?」
藍「抜け駆けは、許しまへんでー」
京介「…懐かしいなそれ。お残しは、だっけ」
藍「そうそう」

ちなみに、忍たま乱太郎ネタ。
知ってる人は知ってると思います。

⏰:08/02/16 00:06 📱:P903i 🆔:Nvi.CgcA


#469 [◆vzApYZDoz6]
以後、何事も無かったかのように再開。

藍「やっぱり、こういう争いを生む力なんて、無い方がいいもんね」
京介「だな。俺は普通に幸せに暮らせればそれで…」

言いかけて、言葉が止まる。
普通に幸せに暮らすために必要な物を1つ、忘れていた事に気付く。
必要な物、というより者は、京介の目の前で棒をどちらの耳に入れればいいか迷っている。
これを機に、いい加減ひねくれるのはやめようと思っていた。

藍「ねぇ、どっちがいいかなこれ?」
京介「どっちでもいいけど、その前に1ついい?」
藍「どうしたの?」


京介「――俺と付き合ってほしいんだけど」

⏰:08/02/16 00:14 📱:P903i 🆔:Nvi.CgcA


#470 [◆vzApYZDoz6]
それから半年が経った。

京介と藍は3年に上がり、学校はもうすぐ夏休みに入る。
3年でも京介と藍はクラスが一緒だった。
担任も同じく内藤。最近は休憩時間の度に保健室に入り浸る姿が目撃され、美人の保険医と仲睦まじいと生徒達の噂の的になっていた。

いつもと同じ朝。
いつもと同じように、マンションの一室、京介の家の前に藍が立っていた。
京介は、いつもと同じように遅刻ギリギリらしい。
待ちくたびれた藍が階段に座ろうとした時に、京介の家の扉が開いた。

藍「遅い!!」
京介「へい、すんません」
藍「まーたギリギリなんだから…早く行こ!」
京介「よっしゃ」

⏰:08/02/16 00:24 📱:P903i 🆔:Nvi.CgcA


#471 [◆vzApYZDoz6]
階段を駆け降りる。1階に着いた時に、ふと階段横の白い壁が京介の目に止まった。

ディフェレスに行った時を思い出す。
たった1日の出来事だったが、ディフェレスで出会った色々な人の顔が思い浮かんだ。その顔は、全員が笑っていた。
恐らく自分も同じ顔をしているだろう。

京介「ま、やっぱ普通が一番だな」
藍「え?」
京介「何でもない。早く行こう!」

駅に向かって小走りになる。卒業まであと半年、この道を通るのもあと半年。
だが大丈夫だろう。

2人の手はしっかりと、京介の方から握られていた。



Castaway  お わ り

⏰:08/02/16 00:44 📱:P903i 🆔:Nvi.CgcA


#472 [◆vzApYZDoz6]
アンカー
>>1-150
>>151-300
>>301-450
>>451-500

⏰:08/02/16 00:52 📱:P903i 🆔:Nvi.CgcA


#473 [◆vzApYZDoz6]
-後書き-

はい、と言うわけで御仕舞いです。
今日中に終わらせてやろうと頑張った結果少し微妙になったかもしれません。が後悔はしとらんw
続編があるか無いかは分かりませんが、一応は完結ということで。

このサイトでこんな小説はあまり無いし支持もされませんが、それでも読んで下さった方々、こんな駄文に最後まで付き合って下さってありがとうございましたm(__)m

次回作は今のところ考えてませんが、続編かもしくは似たようなの投下しようと思っております。

質問、感想、批判などは感想板へ
bbs1.ryne.jp/r.php/novel/3130/


ではまた会う日まで
ありがとう、さようなら!

⏰:08/02/16 00:53 📱:P903i 🆔:Nvi.CgcA


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