僕⇒俺
最新 最初 🆕
#500 [氷雨]
 
 
―――――………

あれ?

俺、寝てた?

瞳を開くと、カーテンからうっすらと光が漏れている。


俺、いつ寝たんだろ?

そんな曖昧な記憶を辿りながら体を起こす。

⏰:08/04/15 19:35 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#501 [氷雨]
枕の隣には開かれたままの雑誌が転がっている。


この状況からすると、雑誌を見ながら寝たんだな。

そう頭で納得して、いつもより早めに学校の支度を始める。


なんだか今日は嫌な予感がする。

頭によぎり、胸にモヤモヤが残る。

⏰:08/04/15 19:39 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#502 [氷雨]
家族みんなが起きてくる。

俺はいつもよりずっと早くに家を出た。


なんだろう?

勝手に足が動くような、今すぐ学校に行かなければならないような。

そんな胸騒ぎがした。

⏰:08/04/15 19:41 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#503 [氷雨]
学校に着いても胸騒ぎは収まらない。


誰もまだいない雰囲気の中、校舎へと足を進める。


幸い、先生は来ているみたいで鍵は開いていた。


こんなに早く来るの初めて。

そう思いながら時間を見ようと携帯を取り出した。


――メール 3件――

⏰:08/04/15 19:48 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#504 [氷雨]
「あっ!!」

昨日、メールをいっさい見てない事に気付いた。

北原さんからメール来てるだろなぁ。

心の中で謝って、受信箱を開いた。


……………………ぇっ?


20:26 北原 愛美

21:48 北原 愛美

23:13 葉山 美咲

⏰:08/04/15 20:59 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#505 [氷雨]
葉山さん………?

なんで?

葉山さんのメールを開いた。

それと同時に…


「陽……?」

もう間近に迫った教室から葉山さんが顔を出す。


え………?

俺はその場に固まってしまった。

⏰:08/04/15 21:02 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#506 [氷雨]
葉山さんは教室から出てくるとえへへ、と笑った。


俺は何が起こっているのかわからない。

「ごめんね。陽…、こんなに早くに呼び出して……」


呼び出し?

……………っ!!

急いで携帯をのぞく。

葉山さんからのメールには…

⏰:08/04/15 21:04 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#507 [氷雨]
―――From 葉山 美咲―――

遅くにごめんね
明日早く来れないかな

話したいんだ

待ってる
――――――――――――――
そう書かれていた。

胸騒ぎはこれ?

俺の胸のモヤモヤは少しだけ晴れた。

⏰:08/04/15 21:09 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#508 [氷雨]
「おはよう…、どうしたんですか?」

偶然にでも早く起きて良かった。そう思った。

けれど、俺は少し怖かった。

葉山さんに何の話をされるのか不安だったから。

俺は目を逸らしながら尋ねた。

葉山さんの表情が見えない。

⏰:08/04/15 21:13 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#509 [氷雨]
当たり前なんだけど…


葉山さんが口を開く。

「陽…?あのね?ずっとはぐらかしたり、言えなかったんだけど…私ね……」


葉山さんは真っ赤になって下を向いた。


なんだか見た事ある。

頭で嬉しい事と悲しい事が混ざり合う。

⏰:08/04/15 21:16 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#510 [氷雨]
言わないで…!!


そんな事を思った。

けれど…


「私、陽が好き」

そう言った。




………………………。

嬉しいはずなのに…………、

⏰:08/04/15 21:18 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#511 [氷雨]
 
 
 
俺には葉山さんの気持ちを受け入れられない。


受け入れちゃいけない。


涙が流れそうになる。


「ごめん………」


必死に言葉を絞り出した。

「ぁ……………」

⏰:08/04/15 21:22 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#512 [氷雨]
葉山さんは静かに言葉を漏らした。


胸が痛い。

キリキリと突き刺すような傷みに胸を押さえた。


「ごめん…、彼女いるから」

無理矢理笑った。

笑ったなんていえないような笑顔だったと思うけど。

⏰:08/04/15 21:26 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#513 [我輩は匿名である]
>>400-600

⏰:08/04/16 07:31 📱:SH905i 🆔:☆☆☆


#514 [我輩は匿名である]
>>1-100

⏰:08/04/16 08:13 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#515 [我輩は匿名である]
>>1-100
>>101-200
>>201-300
>>301-400
>>401-500
>>501-600
>>601-700
>>701-800
>>801-900
>>901-10000000

⏰:08/04/16 12:27 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#516 [氷雨]
我輩さん
アンカーありがとう(@^O^@)
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

「彼…女……?」

葉山さんはボソッと呟いて、俺を見る。

俺は目を自然と逸らす。逃げるみたいに…


葉山さんは俺の言葉を待っているみたいで、静かな時間が過ぎる。

⏰:08/04/16 23:09 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#517 [氷雨]
「俺………」

そう言いかけた時、


「はは…、私…馬鹿だ」

葉山さんが言った。


え…………?

俺は突然の言葉に口を噤む。

葉山さんは俺から目を逸らし独り言を言うみたいに言葉を繋いだ。

⏰:08/04/16 23:18 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#518 [氷雨]
「自信、持って欲しくて。私はあなたが好きだから。寝顔が可愛くて、ただ繋がりが欲しかった」


葉山さんはただ悲しそうに呟く。

俺は聞くことしかできなくて顔を上げて葉山さんを見る。


葉山さんは太陽に照らされて、輝いてるみたいだった。

⏰:08/04/16 23:22 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#519 [氷雨]
「あなたに話しかけれない、私が大嫌いだった」

葉山さんは下を向く。


【あなた】…?
誰の事?


俺は頭が着いていかなくて、理解しようとしてもできなかった。

葉山さんはまだ言葉を繋げる。

「気付いたのは一緒のクラスになって3日後…、話しかけれないのはあなただけになってた」

⏰:08/04/16 23:26 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#520 [氷雨]
葉山さんの顔が見えない。


俺は真っ直ぐ葉山さんを見ている。

顔が見えなくてすごく不安だった。








葉山さんの声が震えてるから……

⏰:08/04/16 23:28 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#521 [氷雨]
「ねえ…陽?」

突然、震えた声で俺に尋ねた。

「え…?なんですか?」

優しく答える、不安が詰まった声だったけれど…


「今…何月だと思う?」


葉山さんは不可思議な質問を俺にした。

⏰:08/04/16 23:31 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#522 [氷雨]
「へ………?」

思わず間抜けな声で答える。


葉山さんが少し笑ったような声を漏らした。


俺は意味もわからずに質問に答えた。


「12月」

⏰:08/04/16 23:33 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#523 [氷雨]
そう…、今は12月初め頃。

本格的に冬になった。


雪は降ってはいないけれど、肌に触れる風は突き刺すように痛い。


葉山さんはどうしてこんな質問を…?

考えていると葉山さんは振り向いて笑った。


涙を瞳にたくさん溜めて。

⏰:08/04/16 23:37 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#524 [氷雨]
「葉山さ…っ!!」


慌てて近寄ろうとすると、葉山さんは人差し指を立ててシーッと口パクした。


俺はそこで静止して葉山さんの言葉の続きを待った。


「【調教】」

葉山さんはそう言葉にした。

俺の心がズキッと痛んだ。

⏰:08/04/16 23:42 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#525 [氷雨]
「あんなの言い訳だった。口から出任せ…」


葉山さんは悲しそうに言う。

「言…い訳……?」

俺も葉山さんから出た言葉を繰り返した。


「うん、クラス換えがあって3日後から私と陽が初めて話した時まで…」


葉山さんは途切れ途切れに涙が流れないように言葉を絞り出す。

⏰:08/04/16 23:47 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#526 [氷雨]
 
 
 
 
 
葉山さんはにっこりと笑った。


そして、こう言った。




「話した事もない陽が好きだった」

⏰:08/04/16 23:49 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#527 [氷雨]
予想もしていない言葉だった。

ただ、頭は真っ白で、葉山さんのさっきの言葉がまわる。


言葉もでないくらいに思考は停止している。


「陽?本当…なんだよ?」

⏰:08/04/17 23:55 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#528 [氷雨]
悲しそうに呟く。

俺…………、


俺は……………、


そう思うけど、続きが言えない。

言葉にしようとしてもハッキリと口にできない。


『陽の気持ちを!!』

確か、孝裕さんが言っていた。

俺の気持ち。

⏰:08/04/18 00:02 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#529 [氷雨]
『葉山さんが好きだ…』


けど……、


『俺には北原さんが…』








北原さんを裏切れない。

⏰:08/04/18 00:05 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#530 [氷雨]
「ごめんなさい…、俺…答えらんない」


口にしたくなかった。

口にしたら、もう終わってしまうような気がしたから。


けど、もう言葉にしてしまった。


葉山さんをまた見れない。

⏰:08/04/18 08:11 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#531 [氷雨]
俺は黙ったまま、逃げ出したくなった。


「うん……、知ってる。困らせてごめんね?陽」


葉山さんの笑いの少し混ざった声が聞こえた。


顔を見ると無理矢理の笑顔で笑ってる。


ツキンと胸に響く。

⏰:08/04/18 08:16 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#532 [氷雨]
「いえ………」


そう言うしかできなかった。



俺は好きな人を傷つけた。







今日は木曜、雅さんに怒られるだろな。

俺は胸をグッと握りしめた。

⏰:08/04/18 08:20 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#533 [氷雨]
 
 
 
『陽か…?』


電話の声の主は俺にそう聞いた。

「…はい、どうしたんですか?」


分かってるけど、尋ねる。


電話の声は少し怒っているように、溜め息をついた。

その溜め息にも胸はツキンと痛む。

⏰:08/04/18 13:39 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#534 [氷雨]
『話がある、撮影時間の1時間前に集合な』


その声には心配の声も含まれていた。


【話】が何かなんて分かってるけど…


俺は言った。

「わかりました、じゃあすぐに行きますね」

⏰:08/04/18 13:42 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#535 [氷雨]
今は放課後。

撮影まで時間を潰そうと図書室に向かう途中だった。

電話を切るとメールが入っていた。

―――From 北原 愛美―――

撮影頑張ってね
応援してるね

――――――――――――――

メールを見て、また胸に痛みが走る。

俺はどうしたらいいんだ?

⏰:08/04/18 13:46 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#536 [氷雨]
雅さんからの電話


心配してくれているんだろな。

そう思うと嬉しかった。



北原さんはどうして俺が好きなんだ?


俺は北原さんを利用してる。


そう色々な事を思うと胸は執拗に痛む。

⏰:08/04/21 12:57 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#537 [氷雨]
少し重い足取りでスタジオへと急いだ。








「陽!!」

スタジオの扉を開くと雅さんが俺に叫んだ。


眉を寄せて、俺に向かって走り寄る。


《怒られる!!》

⏰:08/04/21 13:03 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#538 [氷雨]
そう思い、瞳を閉じた。




…………………あれ?

雅さんの手は優しく俺の頭をいつものようにクシャクシャと撫でる。


「何かあったのか?」


誰もいない広いスタジオに優しく声が響いた。

俺はビックリして顔を上げる。

⏰:08/04/21 13:11 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#539 [氷雨]
雅さんは眉を寄せて、心配してくれていた。


切なくなるような優しく表情で。


俺はどうしてか、また胸が痛んだ。


「美咲と何かあった?昨日の女は本当に彼女なのか?」


雅さんは2つ質問した。

⏰:08/04/21 13:14 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#540 [氷雨]
「俺、利用してる……」


自然と言葉はでていた。


何かを吐き出すように言葉を繋ぐ。


「北原さんは放課後一緒に帰るだけの彼女でいいって言ったんです、俺…逃げたんです」


雅さんは俺の言葉を静かに聞いてくれていた。

何も言わずに。

⏰:08/04/21 13:18 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#541 [氷雨]
「帰るだけの彼女なんて、いけないのに…、俺は北原さんを利用して葉山さんを消そうとした」


涙が流れそうになるくらいに情けなくて、言いながら俺は最低だ。


そう自分に言っていた。


「葉山さんの心には何もない。俺への気持ちなんてない、そう思っていたから」

⏰:08/04/21 13:21 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#542 [氷雨]
 
 
 
 
「俺は逃げた」


俺は外見が変わっただけの、やっぱり【のび太】


逃げて他を頼る。

自分で何かをしようとしない。

拒否されるのが怖いから…

⏰:08/04/21 13:24 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#543 [氷雨]
「俺は葉山さんが好きなんです。すごくすごく……けど、北原さんを裏切れない。裏切るなんてしたくないんです!」


雅さんに縋るように視線を合わせて言った。


「どうしたらいいのかもわからない」


俺の頭じゃ考えられない。

自分で考えようとした!けど…

何回考えても答えは見つからなかった。

⏰:08/04/21 13:28 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#544 [氷雨]
全て言い終わり雅さんの言葉を待った。


次に聞こえた雅さんの声は怒りに満ちていた。


「陽?お前は逃げてるんじゃないと思う。もっと最低な事……してるんだぞ」


その重い低い声に肩がぞくりと震えた。


そんな怒っている雅さんは初めてだった。

⏰:08/04/21 13:33 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#545 [氷雨]
静かに雅さんは呟く。


「【逃げる】と言って、お前は自分が傷つく事が嫌なだけじゃねぇのか?」


雅さんは厳しくだけど、瞳は違った。


優しく俺を覗き込んでいる。


「自分が傷つくのが嫌だからって他の人を傷つける奴は俺は嫌いだ…」

⏰:08/04/21 20:40 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#546 [氷雨]
雅さんは悲しそうに俺を見る。

俺はビクリと震える。

「俺は陽が気付いてなかったの気付いてた」



………え?


不可思議な言い方に疑問を抱く。


どういう事?

⏰:08/04/21 20:46 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#547 [氷雨]
俺は反射的に雅さんの顔を見た。


また悲しそうな顔で、けどさっきと違って笑っていた。


無理矢理に。


俺は不思議な言葉に首を傾げる。


雅さんは乾いた笑いを漏らすと言った。

「俺は全部知ってたんだ」

⏰:08/04/22 08:09 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#548 [氷雨]
意味がわからなかった。


全部知ってる?


何を?



頭はまたハテナで埋め尽くされた。


「はは…、陽…変な顔」

雅さんは苦笑いした。

⏰:08/04/23 16:57 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#549 [氷雨]
「へ………………?」


不意に笑った雅さんにマヌケな声を出す。


俺の声を聞くと雅さんはホッとしたような顔をしてふんわり笑った。


そして…

「陽…、美咲は…高校入学してからずっとお前が好きだったんだ」

⏰:08/04/23 19:27 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#550 [氷雨]
なんて言った。






……………………


……………え?


葉山さんが…?え…………?

⏰:08/04/23 19:29 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#551 [氷雨]
またパニックに陥る。


「陽って本当に百面相だよなぁ…、美咲はすげぇな」


そう言って明後日の方を向いてしまった。


俺は質問したい事がいっぱいで…

口を開いた。

「えっと……、どうして雅さんが………?」

⏰:08/04/23 19:33 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#552 [氷雨]
やっぱり出た言葉はまだ理解しきれていないような質問だった。


「ん?俺がどうして知ってるかって…?」


そんな俺の質問に瞬時に理解して適切な返事をしてくれた。


雅さんは少し考えた後、俺に言った。


「俺、美咲の幼なじみだし」


にっこり満面の笑みで笑った。

⏰:08/04/25 21:33 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#553 [氷雨]
「へ〜〜……え?幼なじみ!?」


意外な言葉に驚きを隠せない。

俺の顔を見てプッと雅さんが噴き出す。


「どんだけ驚いてんのー、俺らよく恋について語るから」

ニッと悪戯っぽく笑った。

⏰:08/04/25 21:46 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#554 [氷雨]
ということは…


最初から…?


「最初から知って?俺の気持ちも……?」


俺は少し冷や汗を流す。

たぶん顔もひきつってるんじゃ?

⏰:08/04/25 21:58 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#555 [氷雨]
雅さんは当たり前のように言った。


「陽の気持ちはわからなかった、陽を知らなかったし。美咲は珍しく話しかけれないって言うしさ」


俺は納得。

つい最近まで雅さんを知らなかったんだもんな。

俺の気持ちもわかるはずないよな…


そう思っていたのに、

⏰:08/04/25 22:03 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#556 [たいせー]
面白うて一気読み!
してしまいした。

⏰:08/04/26 01:03 📱:P702i 🆔:☆☆☆


#557 [氷雨]
たいせーさん

ありがとう!!
ほんとにそういうお言葉!涙が流れそうなクライに嬉しいですヾ(^▽^)ノ
もうそろそろ終盤の予定です。
遅くなるかもですが、見守ってくださると嬉しいです!

⏰:08/04/26 12:16 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#558 [我輩は匿名である]
>>299->>1000

⏰:08/04/26 18:38 📱:SH904i 🆔:☆☆☆


#559 [たいせー]
ガンバってください!
俺も一応ですけど、
ファンタジー書いてんですよ。

⏰:08/04/26 21:43 📱:P702i 🆔:☆☆☆


#560 [氷雨]
我輩さん
アンカーありがとう!

たいせーさん
そうなんですか!?C-BOXですか!!?

よかったら感想板で話しませんか?
また!来てみてください!!

bbs1.ryne.jp/r.php/novel/3244/

⏰:08/04/27 06:14 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#561 [氷雨]
「けど…彼氏彼女じゃないってわかってたのに、あのラブッぷりには驚いた」


雅さんは乾いた笑いをしてから俺の顔を見、ニッと笑った。


俺は雅さんの笑顔を見た瞬間、顔が火照っている事に気付いた。


『ラブッぷり』とはどんなものかもわからないけど、恥ずかしくて、

「どこがそんなに……?」

⏰:08/04/27 06:20 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#562 [氷雨]
俺はつい、質問してしまった。

質問してしまったイコールたぶんだが、

もっと照れる事を言われるに等しいのに。


雅さんは俺の質問を聞いて、考える事もなく、それをあっけなく言った。


「雰囲気!!」


しかも、力強く…。

⏰:08/04/27 06:23 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#563 [氷雨]
「へ…?雰囲気……?」


俺はピンとこなくて雅さんの言葉を繰り返した。


その言葉に雅さんは元気よく返事していた。

笑顔で雅さんは続ける。


「それにー…美咲は陽に本気で惚れてたから、そりゃ嬉しそうで嬉しそうで」


可愛い妹へ向けるような遠い目をしていた。

⏰:08/04/27 06:28 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#564 [氷雨]
「葉山さんが…?」


やっぱりこれにもピンとこない。


『葉山さんが俺を好き』


だってあの時、葉山さんは普通だった。

演じる時に近づくだけで、その他の時は少し距離があった。


次の日には手を繋いでいたけど……

⏰:08/04/27 06:31 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#565 [氷雨]
けど、告白は真剣だった。


葉山さんは俺のせいでたくさん泣いてる。


「陽……?」


俺は目を開けたまま寝ているような状況で、雅さんの心配している声が響いた。


「あ……、考え事……」

とっさに出たのはそのままの言葉だった。

⏰:08/04/27 06:36 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#566 [氷雨]
「陽は目、開けたまま寝れるんだなー」

雅さんは俺をからかうように言った。


顔を見上げると、いつもの意地悪っぽい笑顔。

俺はこの笑顔に何度、助けられたんだろう。


そう思うと、俺も自然と笑顔になっていた。

⏰:08/04/27 06:39 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#567 [氷雨]
久しぶりに自然と出た笑顔。


久しぶり……


俺は笑えていなかったんだ。

やっと気付いた。


北原さんといても俺は笑っていなかった?

笑っていたよな?

楽しかったよな?

自分に質問した。

⏰:08/04/27 06:42 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#568 [氷雨]
「陽?また考え事?」

雅さんは少しつまらなさそうに呟いた。

いつの間にか下がっていた顔を上げると拗ねている雅さんがいた。


少し可愛い。


そう思ってしまった。


「何かあるなら、俺にも相談しろよ?」

⏰:08/04/27 06:45 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#569 [氷雨]
次には大人の顔。


雅さんって幼かったり、大人だったりする。


思わずプッと笑いが込み上げた。


これに雅さんは素早く反応。

「なっ…何、笑ってんだー…よっ!!」


それと同時にチョップも俺の頭に直撃した。

⏰:08/04/27 06:49 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#570 [氷雨]
「ぃったぁあー………」


それは思いもよらない程、痛くて俺は半べそになっていた。


それを見て、雅さんは笑った。


そして、俺はだいぶ遅れて、ある矛盾に気が付いた。


あれ……?

葉山さんと雅さんの話し、少し違う。

⏰:08/04/27 09:40 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#571 [氷雨]
なんだか変だ……。


「はっるーー……!?またどっか行ってんぞー」


今度は俺の額にデコピンが炸裂した。


「ぃったぃですってば!!」

必死にデコピンされた場所をさする。

暴力反対!!

心の中で叫んだ。

⏰:08/04/27 09:45 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#572 [氷雨]
雅さんはなんだか機嫌よく笑っている。


俺の気付いた矛盾。


それを聞こうか迷った。









けど、覚悟を決める。

⏰:08/04/27 09:48 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#573 [氷雨]
「雅さん、雅さんは入学してから葉山さんが俺を好きだと言いましたよね?」


俺の真剣な口調に雅さんも真剣に考えた。


そして、1回頷くと言った。


「ああ…、入学してからだ」


どこか矛盾している。


葉山さんは……、

⏰:08/04/27 09:51 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#574 [氷雨]
「葉山さんはクラス替えがあって、3日後って言ってました」


そうこれが矛盾。


どうして恋の相談をしていた2人の話しが食い違うのか 。


俺は雅さんの瞳を見る。

雅さんは呻きながら考えていた。

眉を寄せて必死に思い出すように。

⏰:08/04/27 09:55 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#575 [カラス]
>>1-100
>>100-200
>>200-300
>>300-400
>>400-500
>>500-600

⏰:08/04/27 14:25 📱:D905i 🆔:☆☆☆


#576 [氷雨]
カラスさん
アンカーありがとう!
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

そして雅さんは言った。


「美咲が自覚してないだけでさ、好きだったと思うぞ?」


雅さんは、はっきりそう言った。

またうんうんと何度も自分で頷いていた。


俺はその様子を見て、また疑問が浮かぶ。

また質問した。

⏰:08/04/27 23:44 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#577 [氷雨]
「どうして雅さんにわかるんですか?」


俺は普通に聞いたつもりだったんだけど、


雅さんはにっこり笑って俺の背中を軽く叩いた。

「んな、トゲある言い方しなくてもいっじゃん!ヤキモチか?」

「なっ!!」

俺は体が熱くなったような感覚に襲われた。

⏰:08/04/27 23:52 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#578 [氷雨]
「はは、顔ー真っ赤だぞ!」


雅さんはおもいっきり楽しんでいた。

俺はこんなに悩んでいるのに!!

けど、雅さんを見てたら自然と笑いがこみ上げた。


俺と雅さんの笑い声がスタジオに響く。

時間を忘れて、話していたから、気づかなかった。


後ろの黒い影に…

⏰:08/04/27 23:58 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#579 [氷雨]
「お゛い…」

ドスの利いた低い声。

笑い声は消え、俺と雅さんは肩をビクリと揺らし、顔を見合わせた。


そして、雅さんは「ヤバ…」確かにそう言った。

また低い声が響く。

「2人共?俺様のスタジオで勝手に何をしてるんだ…?」

それはそれは魔王が降りてきたのかというくらいの支配感だった。

⏰:08/04/28 00:11 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#580 [たいせー]
うわぁ魔王降臨(笑)

⏰:08/04/28 00:13 📱:P702i 🆔:☆☆☆


#581 [氷雨]
たいせーさん
魔王きました!
ぁと感想はこちらにお願いします。

bbs1.ryne.jp/r.php/novel/3244/

⏰:08/04/28 00:37 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#582 [氷雨]
「よっ!孝裕!!」

雅さんは明るく元気よく話しかける。

けど、俺は……

「た…孝裕さん、こん…にちは」

雰囲気に呑み込まれて引きつりながら挨拶をする。


俺の挨拶を聞くと孝裕さんはにっこり笑った。

そして、いつの間にか扉の側へ忍び足で歩く雅さんを睨みつけた。

⏰:08/04/28 00:42 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#583 [氷雨]
「雅ぁぁあ!!」


突然、予想外に叫んだ孝裕さんに俺も雅さんも肩をすくめた。

雅さんはこちらを振り向くと笑う。

苦笑いで…


孝裕さんはただ雅さんを睨んでいて、それがただ怖かった。

こんなに鋭いガン飛ばしてる人、初めてみた。

⏰:08/04/28 00:47 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#584 [氷雨]
怖いといっても孝裕さんを知っているから、この程度の怖さなんだけど…


俺は孝裕さんと雅さんを交互に見る。


先に口を開いたのは雅さんだった。


「ごめんって!!もう仲間外れにしねえからぁ」


出たのはまたも予想していなかった言葉だった。

⏰:08/04/28 00:50 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#585 [氷雨]
「へ………?」


気が抜けてしまって、つい声が零れた。


雅さんは苦笑いで頭の上で両手を合わせて、ごめんのポーズ。

孝裕さんも孝裕さんで少しだけ満足したかのようにため息をついた。


俺は目の前で何が起きてんの?って感じで呆けていた。

⏰:08/04/28 19:05 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#586 [氷雨]
「孝裕はさ、心配してんの…、こんだけ魔の空気、漂わせてるけど」


雅さんの声は呆けていた俺の耳になんなく入ってきて、優しく語る。


孝裕さんは前みたいに怒ったりせずに頷いた。

すごくすごく、嬉しくて涙が瞳に溜まる。


「陽を俺に取られて、怒ってるんだ…」

けれど、次の言葉は明らかに笑みが含まれていた。

⏰:08/04/28 19:13 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#587 [氷雨]
「え………?」

反射的に聞き返す。

言われた本人は頷いくのを止めて、フリーズ中。


俺は我が友を思い出し、禁句の言葉を言ってしまった。


「孝裕さん、あっち系なんですか!?」

あえて問題の言葉は伏せれたけれど、

孝裕さんの肩が小刻みに震える。

⏰:08/04/28 19:16 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#588 [氷雨]
ヤバい!!

つい出してしまった言葉を取り戻したかった。


しかし、そう思っても、もう遅い。


「陽?」

魔王の囁きはすぐそこまで迫っていた。


孝裕さんの怖さはドスの利いた低い声、あと威圧感、迫力。


そして何よりも【俺様】

⏰:08/04/28 19:21 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#589 [我輩は匿名である]
あげる 頑張って

⏰:08/05/03 00:20 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#590 [x]
あげ

⏰:08/05/04 12:25 📱:W54T 🆔:☆☆☆


#591 [氷雨]
長らくの放置すみません!
更新します。
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

「今のは俺に言ったのか?」


詰め寄られる事1メートル前。

ドスの利いた重低音は目の前で歩みを止めた。


そっと顔をあげると優しい笑顔の孝裕さん。

けれど…、笑っているけど笑ってない。

⏰:08/05/04 18:25 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#592 [氷雨]
ひくひくと口をひきつらせながら、の優しい笑顔。


それ程、恐ろしいものはなかった。


とっさに、

「すみません!!」

と、謝っていた。


それと同じ位の時、頭に手が置かれた。

驚きまたも俯いていた顔を上げると、軽く頭を叩かれた。

⏰:08/05/04 18:30 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#593 [氷雨]
「陽だから許してやるが…、もう二度と言うな…発するな」


怒りは収まる事なく現れていた。

俺の馬鹿っ!!

そう何度も俺は俺を責めた。


けれど、その後、雅さんに話した(相談)事を孝裕さんにも話すと、機嫌良さそうに助言してくれた。


そんなに仲間外れが嫌いなのか、と疑問を抱くくらいに。

⏰:08/05/04 22:26 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#594 [氷雨]
そして、突然の魔王の御言葉。

「陽、お前美咲に告れ」と…


確かにそう言った。



当然、俺はフリーズ。

なかなか帰って来れないくらいに衝撃力抜群の魔王の御言葉。

「気の毒に……」

隣に座る雅さんの声がどこか遠くに聞こえた。

⏰:08/05/04 22:35 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#595 [氷雨]
 
 
 
「やる気あるのか!!?」

孝裕さんの罵声が飛ぶ。

無理もない。

俺は撮影中にも関わらず、「陽、お前美咲に告れ」その言葉でパニック状態。


帰っては来れたが、撮影に集中できないでいる。

「孝裕……、お前が撮影前にあんな事言ったからだろ」

そう言って弁解してくれる。

⏰:08/05/05 07:37 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#596 [氷雨]
雅さんが天使に見える。


しかし、

「知るか!仕事と私事の区別くらいつけろ!」

罵声は止むことなく、しかも、正論なので雅さんも口を噤む。

「陽、今は忘れて頑張れ…」


後はそう言うしかなくなって、雅さんは苦笑いした。

⏰:08/05/05 07:41 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#597 [氷雨]
『今は忘れて……』


雅さんの言葉通り、考えない事にした陽は1度、目を瞑り、また開く。


陽の顔にはモデル《HARU》の顔が覗いた。


幼さの少し残った、けれど綺麗で儚く、時に妖艶、時に悪戯っ子。


陽は色んな顔で周りを魅了する。

⏰:08/05/05 07:46 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#598 [氷雨]
クルクルと変わる表情に周りは惹かれ、孝裕と雅以外のスタッフはボンヤリと陽もとい、HARUに見入っていた。


「はい、終了」

孝裕さんの声でスタッフはハッと意識を取り戻す。

周りを見渡し、はは、とみんなで苦笑いをした。


一方、撮影の終わったモデル側は……


「陽、やっぱお前はモデル向き」

⏰:08/05/05 07:50 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#599 [氷雨]
「へ………?」

雅さんの言葉にクエッションマークが飛ぶ。


そんな俺を尻目に孝裕さんも頷いた。

「俺、陽の事、知ってるような気がするんだ」


孝裕さんが意味のわからない言葉を発する。

雅さんんは怪訝そうな顔をして、

「新手のナンパ?」

⏰:08/05/05 08:04 📱:D704i 🆔:☆☆☆


#600 [氷雨]
と、言った。

「なっ…!お前はいつもそんな事ばかり考えてるのかっ!?」

孝裕さんが焦りながら雅さんに怒鳴る。

雅さんはそんな孝裕さんを無視して尋ねた。

「陽と孝裕、知り合いだったの?」

やっぱり怪訝そうな顔で俺と孝裕さんを交互に見る。

「いや…、どこかで見た事があるんだ」

⏰:08/05/05 08:09 📱:D704i 🆔:☆☆☆


★コメント★

←次 | 前→
↩ トピック
msgβ
💬
🔍 ↔ 📝
C-BoX E194.194