Castaway-2nd battle-
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#191 [◆vzApYZDoz6]
「いやそれがなぁ…不意にとはいえ会っちまった手前スルーするわけにもいかず、ついハッタリかまして連れてきちまってよぅ」
「…ばか」

実のところ、ロモが京介や藍を捕まえるために来た、という話は嘘だった。

ロモの仕事は、断層結界を張る役目であるトビーの護衛と身辺の世話。
ただそれだけなのに、ばったり会ってしまったのだから困る。

一応連れ帰ってきたものの、これからどうするかは考えていなかった。

「まぁ…しばらく置いとこうぜ。それよりトビーちゃんよぅ、ちゃんと仕事はやったのかい?」
「…まだ……さっき…ついたばかり…」

⏰:08/09/17 23:58 📱:P903i 🆔:PrwlaPVk


#192 [◆vzApYZDoz6]
「おーぅ、なら早めに終わらしちまいなぁ」
「…うん…」

トビーが地球に来た理由、それはやはり結界だった。

トビーのスキル『マイルーム』は、結界内の空間を自分の部屋として制御するもの。
それを使い、パンデモを外界から完全に隔離した。
それに引き続いて、歌箱市も隔離状態にするようだ。

トビーが窓際に歩み寄り、静かに手を合わせる。
何かを呟くと、ちょうどパンデモの時のように、空にノイズが走っていく。

正方形に展開したノイズが歌箱市を包み、スキルが発動された。

「…設定が…多い…」
「ま、適当でいいんじゃねーのぉ?」

⏰:08/09/17 23:59 📱:P903i 🆔:PrwlaPVk


#193 [◆vzApYZDoz6]
「…最初…が…かんじん…」
「ほー、よくわからんがまぁがんばりなぁ」

ロモは盛大にあくびをして、ソファーに寝転がった。
それを眺めながらトビーがオレンジジュースを飲み干し、再び作業に戻る。

夜中という事もあり、現時点で空のノイズ、ひいてはトビーのスキルに感づいているのは、京介だけだった。

明日にはウォルサーが総攻撃を仕掛ける手筈になっている。
これならうまくいく。トビーはそう思っていた。


だが、まだウォルサーの誰もが把握していないレンサーが2人、地球にいることを、トビーは知らなかった。


⏰:08/09/17 23:59 📱:P903i 🆔:PrwlaPVk


#194 [我輩は匿名である]
あげ(o>_<o)

⏰:08/11/14 05:16 📱:F705i 🆔:iMSVso2.


#195 [我輩は匿名である]
更新する暇が無さすぎる…待っているお方、本当に申し訳ない

⏰:09/01/04 03:56 📱:P903i 🆔:k88rkEec


#196 [我輩は匿名である]
 


突然感じた揺れに、朦朧としていた意識が鮮明さを取り戻す。
瞼を上げて、なお眼球にしがみつく微睡みを指先で拭い、ハルキンは顔を上げた。

先程から聞こえるのは、耳先が風を切る音と犬が地を蹴るかすかな音、それらをかき消さんばかりに響くバイクの走行音だけ。

フラットのバイクの後部座席にまたがっていたハルキンが、前を覗きこむようにしてバイクから少し身体を乗り出し、辺りを見回す。

と同時に揺れが収まる。後ろを振り返ると、荒れた砂利道がテールランプに照らされ、そして離れていく。

どうやら先程までこの砂利道を走行していたらしい。
今は舗装された道に戻り、車体は安定を保っていた。

⏰:09/03/11 21:52 📱:P903i 🆔:MWxFamuw


#197 [我輩は匿名である]
前方に顔を向ける。
目に写る景色は、バイクのヘッドライトに照らされた小さな範囲のみで、辺りは依然として漆黒の闇に包まれたままだった。

ハルキンが眉間にしわを寄せながら、腕時計に目をやる。
現在の時刻は、午前4時21分。
最後に時計を確認したのは、午前4時前だった。いつの間にか眠ってしまったようだ。

⏰:09/03/11 21:53 📱:P903i 🆔:MWxFamuw


#198 [我輩は匿名である]
パンデモ到着までは、まだ時間がかかる。
居眠りはいい仮眠になったが、それでも眠気がつきまとう。

ハルキンは深く息を吸い、その眠気を振り払うように大きく息を吐き出した。

⏰:09/03/11 21:53 📱:P903i 🆔:MWxFamuw


#199 [我輩は匿名である]
周囲には建造物も、動物すらもいない、ただただ広大な草原。
その真ん中にひたすらまっすぐ通じている道を、バイク2台と犬1匹が走り続ける。

バイクの運転席に股がるのはフラット・ブロックらジェイト兄弟。
ブロックのバイクの後部座席にはラスダンが乗っている。

犬というのは、ハルキンのペットのスティーブだ。
犬にしては体はかなり大きく、それに見合って足も速く体力も大したもの。

背中にラスカを乗せて、かれこれ4時間は最高スピードを維持するバイクに、遅れをとらずに走り続けていた。

⏰:09/03/11 21:54 📱:P903i 🆔:MWxFamuw


#200 [我輩は匿名である]
変わる事のない景色を見続けるのにもすぐに飽きがきて、ハルキンは再び身体を後部座席に預けた。




──どれだけ走っただろうか。

気が付けば、見渡す限りまで延々と続く地平線の先が、わずかに白んできている。
もうすぐ夜が明ける。

再び時刻を確認する。午前5時47分。
そろそろパンデモが見えてくる頃だ。

⏰:09/03/11 21:56 📱:P903i 🆔:MWxFamuw


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