*柴日記*
最新 最初 全 
#611 [向日葵]
言ったような言ってないような……。
祐子は自分が言った事を忘却の彼方にやってしまっていた。
半目で神田一朗を睨む。
彼は涼しい顔で受け流す。
「僕が普通だろうが、君が問題児だろうが関係ない。僕は森下祐子さんを好きになったんだ。これが答え。合格はもらえる?」
祐子は顔が熱くなると共に足から順番に鳥肌が立っていくのが分かって身震いしながら数歩後ずさる。
「う、宇宙人……っ!寒い事言ってんじゃねぇぞっ!」
「寒い?僕はただ本音を……」
「黙れっ!」
:08/09/18 03:14
:SO906i
:☆☆☆
#612 [向日葵]
なんでこんなに心をかき乱されなくちゃならないのかと腹が立って、鞄で彼の胸辺りを殴る。
反動でカシャンと彼の眼鏡が落ちる。
彼が取ろうとする前に、祐子はその眼鏡を勢いよく踏む。
呆気ない音と共に、眼鏡は粉々になった。
さすがにやり過ぎたかと罪悪感を感じるが、全て彼が悪いと思えばそれも薄れた。
「これで私が見えないだろ。それでいい」
ならこんな風に追いかけられる事もない。
「じゃあな」
珍しく後味が悪いと思いながら、教室には行く気にはなれなかった祐子はそのまま屋上へと向かう。
:08/09/18 03:19
:SO906i
:☆☆☆
#613 [向日葵]
:08/09/20 02:06
:SO906i
:☆☆☆
#614 [向日葵]
―――――――――…………
粉々になった眼鏡を拾いながら一朗はため息をつく。
彼女がそこまで自分を拒絶するのは何故なのだろうか。
粉々になった眼鏡同様、一朗の祐子に対する気持ちも粉々になりそうだった。
眼鏡を壊されても怒る気にはならない。
そうやって感情をぶつけてくれると言うのはまだ自分は眼中にあるからだ。
だからこそ、気持ちを理由もなく受け取ってくれない彼女対し、へこみつつある一朗だった。
「――……たは?」
:08/09/20 02:10
:SO906i
:☆☆☆
#615 [向日葵]
:08/09/20 02:11
:SO906i
:☆☆☆
#616 [向日葵]
話し声が聞こえたのでその方を見る。と言っても、彼のただ今の視界は水の中にいるようにぼやぼやしている。
分かるのはなんとなくそこに人がいるという事だけだ。
「さっき屋上に行った……」
「よし……行くぞ、この間の復讐……」
途切れ途切れにしか聞こえないが、誰かに喧嘩を売りに行くのだと言う事は分かった。
それもただの口喧嘩ではないらしい。
声からして計画を企てているのは女の子だろう。
女の子がそんな事しなくてもいいのに……と一朗は思う。
「いやー……女って恐ぇーなぁ……」
:08/09/20 02:16
:SO906i
:☆☆☆
#617 [向日葵]
「坂上?」
友人の声に反応する。
気づけば隣にいた。この距離なら見えなくもない。
「寄ってたかって暴行計画とは、穏やかじゃないねー。あれ、お前眼鏡は?」
粉砕した眼鏡を乗せた掌を見せると友人は納得したように頷く。
おそらく一朗がドジをしたとでも思っているのだろう。
「でもさ、あの女子達、絶対返り討ちになるよな。なんてったって、相手は学校の鬼神だかんなぁー」
呑気に言って去ろうとする友人の肩を一朗は勢いよく掴む。
「それって、森下さん?」
「ん?あぁそうだけど?」
:08/09/20 02:22
:SO906i
:☆☆☆
#618 [向日葵]
それを聞くなり、一朗は駆け出した。
―――――――――…………
「ぃえっくしっ!」
なんともおっさんくさいクシャミをしながら祐子は屋上で寝そべっている。
しかしさっきから寒気がして仕方ない。
ついに誰かから呪われ始めたか?と心の中で笑っていると、また派手にクシャミをする。
あぁ寒い……。
やっぱり冬に屋上に出るものじゃないな……。
別の場所に移ろうと、半身を起こした時、屋上のドアが開く。
:08/09/20 02:26
:SO906i
:☆☆☆
#619 [向日葵]
「ん?」と振り向けば、見た事ある4人組が立っていた。
「あれま先輩方、怪我はすっかり治ったみたいっすね」
にやりと余裕の笑みを浮かべる裕子に、この間こてんぱんにやられた4人は歯ぎしりする。
「あんなの怪我のうちにはいんねぇよ」
「で、何の用です?」
立ち上がりながら祐子は訊いた。
「リベンジいつでも受けるっつっただろ。正にそれだよ」
「今度はいい勝負になるといいんですけど……。ちゃんと腕あげてきたのか?」
:08/09/20 02:30
:SO906i
:☆☆☆
#620 [向日葵]
「へっ!身をもって体験しやがれっ!」
4人いっぺんに祐子に飛びかかる。
ゆっくり身構えて、相手がまずどう出るかを目で微かに捕らえてまず何をお見舞いするかすぐさま考える。
避けて回し蹴りが有効そうだと考え、実行に移すため避けた時だった。
「いけませーんっ!!」
そこにいた5人はピタッとそのままの体勢で静止する。
この……迫力の無い声は……。
振り向けば、ドア付近に息を切らした神田一朗がいた。
:08/09/20 02:37
:SO906i
:☆☆☆
★コメント★
←次 | 前→
トピック
C-BoX E194.194