よすが
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#416 [蜜月◆oycAM.aIfI]
何か白いもの。
闇の中に白い何かが浮かび上がり、こちらに近づいてくるのが見える。
あたしはすぐ後ろにサトルがいることも忘れて、前方にいる何かから目が放せなくなってしまった。
ガサッ、ガサッ、と音を立てながらだんだんとはっきり見えて来る。
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:08/05/26 02:01
:SH903i
:190zu.A6
#417 [蜜月◆oycAM.aIfI]
自分の唾を飲み込む音がやけに大きく聞こえた。
近づいてきたそれは、
……人間だった。
しかも、あたしにはとても見慣れた姿が……そこにあった。
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:08/05/26 02:02
:SH903i
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#418 [蜜月◆oycAM.aIfI]
:08/05/26 02:06
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#419 [蜜月◆oycAM.aIfI]
:08/05/26 02:07
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#420 [蜜月◆oycAM.aIfI]
―[―
暖かい陽射しが差し込む放課後の教室。
自分達以外に誰もいなくなったその教室で、あたしとサトルは窓際に並べられた席に座って数カ月前のことを思い出していた。
「あの日さぁ、帰ったら父さんと母さんにすっっごく怒られたんだよぅ。まだ覚えてるよ、あの時の父さんの怒った顔」
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:08/06/07 23:55
:SH903i
:febosBlc
#421 [蜜月◆oycAM.aIfI]
サトルが膝の上に置いた通学バッグをドスドスと叩きながら不服そうにため息をついた。
もうすでに三度は聞いた話だ。
「いつまで言ってるの?」
あたしはクスクスと笑いながらサトルの頭をこずく。
「だってさぁ、ホント怖くて……まぁいーや、でもよかったね!」
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:08/06/07 23:55
:SH903i
:febosBlc
#422 [蜜月◆oycAM.aIfI]
あたしがまだ笑い続けているのを見てサトルは話題を変えた。
「うん。……ありがとね、サトル。本当にありがとう」
なんだか照れてしまうけれど、改めて感謝の気持ちを真っすぐに伝えた。
それを聞いたサトルは嬉しそうに笑っている。
あたしは照れ隠しに首から下げたチェーンに通されたシルバーの指輪を指先で弄んでみた。
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:08/06/07 23:56
:SH903i
:febosBlc
#423 [蜜月◆oycAM.aIfI]
「そろそろ行こっか!」
前の席の机に腰掛けていたサトルがストンと床に降りて教室のドアに向かって歩き出した。
「そうだね」
あたしも椅子から立ち上がって、サトルの後に続く。
ドアのすぐ横にある電灯のスイッチを切りドアを閉めると、あたしたちはある場所に向かった。
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:08/06/07 23:56
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#424 [蜜月◆oycAM.aIfI]
あの冬の日、あたしの目に映ったものは白いセーターを着た人間だった。
髪はほつれロングスカートは泥々。
だけどその顔はあたしのよく知る顔……いや、あたしそのものだった。
信じられなかった。目の前にあたしがいる。
現実に起こり得ないことだというのは解っている。
けれど、あたしはまさか生きているなんて微塵も思っていなかった。
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:08/06/07 23:57
:SH903i
:febosBlc
#425 [蜜月◆oycAM.aIfI]
……そう、あたしと同じ顔をした、ハナが。目の前にいたのだ。
信じられなかったけれどそれしか有り得ない。
思考がその答えにたどり着いた時には、地面に膝を落としたあたしの体をハナの腕が包み込んでいた。
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:08/06/07 23:57
:SH903i
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