・・万華鏡・・
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#141 [果樹]
結局一睡も出来ぬまま、枕を抱き締めながら私は朝を迎えた。


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「あ、涼子おはよ」

クラスに入ると一番に由香が手を上げて挨拶をしてくれた。

「おはよー・・・」

眠れなかったせいで目がショボショボする。

⏰:08/06/04 02:03 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#142 [果樹]
私は由香に挨拶してから席につく。

「あれ?今日は渡り廊下行かないの?」

由香が私の近くに来て、机に手をつき顔を覗き込んできた。

「うん。ちょっとね・・・」
うつ向く私に由香は不思議そうだったが、それ以上は聞いてこなかったので、由香に感謝した。

⏰:08/06/04 02:03 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#143 [果樹]
私はその日、一日中ぼーっとして過ごした。

もちろん授業なんか頭に入るわけもなく、頭は上條先輩のことで支配されていた。


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放課後

・・・帰ろう。

私は早々に帰る支度をして、鞄を持つ。

⏰:08/06/04 02:06 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#144 [果樹]
はぁと一つ溜め息をついて席を離れようとしたところで、「涼ちゃんおったー!!」とクラス中に響いた声に肩をビクッと震わせる。

「上條先輩!!」

教室の前のドアの見ると上條先輩が立っていた。

私は、考える余裕もなく鞄を持ち教室を飛び出した。

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「なんで追ってくるんですか―?!」

⏰:08/06/04 02:07 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#145 [果樹]
「涼ちゃんが逃げるからやろ?!」

うう・・・そんなこと言われたって。

教室を飛び出してから約10分。

私は校内をぐるぐる駆け回っている。

後ろからは上條先輩がついてくる。

やば、疲れてきちゃった・・・。

⏰:08/06/04 02:08 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#146 [果樹]
さすがに全力で駆け回っただけあって私はもう体力の限界だった。


「あ・・・れ?」

ダダダダダッという上條先輩の足音がいつの間にか止んだことに気付き、私は足を止めて後ろを振り返るが上條先輩の姿はない。

諦め・・・た?

荒くなっていた息を整えながらそんことを考えると胸がチクンと痛んだ。

⏰:08/06/04 02:08 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#147 [果樹]
なんか・・・痛い。


「涼ちゃん」

「へ?」

胸の辺りを擦っていたら、いきなり後ろから名前を呼ばれ振り向く前に脇の間から手が延びてきて、後ろからガッチリと掴まれてしまった。

「つかまえた」

声の主は上條先輩。

⏰:08/06/04 02:09 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#148 [果樹]
「きゃあ!上條先輩離してくださいー!」

上條先輩は先回りしていたらしい。

ジタバタと暴れるが、上條先輩の腕はなかなか剥がれない。

「嫌や。話し聞いてくれるまで離したらへん」

密接しているためか、耳に直接声が流れ込んで、体が熱くなる。

「聞きます聞きますからー!!」

⏰:08/06/04 02:10 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#149 [果樹]
そういうと手はパッと離れた。

私はなるべく上條先輩から距離を取ろうと、少し後ろに下がる。

すると、上條先輩に手首をパシッと掴まれてしまった。

「逃げたい気持もわかんねんけどな。とりあえず話聞いてや・・・」

そういう上條先輩の声はどこか震えていて、金色の髪の間から見える目が悲しそうに私を見ていた。

⏰:08/06/04 02:10 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#150 [果樹]
私は胸が締め付けられているような気がして、こくりと小さく頷くことしかできなかった。

「ありがとう」

そういうと上條先輩はふわっと笑って、私を人気の少ないB棟の特別教室へと誘導した。


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教室に入り、私は椅子に、上條先輩は机に腰を下ろし、私達は向き合う形に座った。

⏰:08/06/04 02:12 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


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