・・万華鏡・・
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#102 [果樹]
理科室はどこ?
っていうかここはA棟なの?B棟なの?

もーどっちよー!?


どこに行ったらいいかもわからない私は廊下のど真ん中で立ち往生。

さっきから同じ場所を行ったり来たりしている。

うちの学校はA棟もB棟も同じ造りをしていて、渡り廊下で繋がっている。

⏰:08/06/03 07:53 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#103 [果樹]
A棟に一、二年生の教室があって、B棟に三年生の教室と特別教室があるらしいが、外見が同じすぎてわけがわからない。

途方に暮れた私は、とりあえずまた歩くことに。

一時間さ迷い続けたらどうしよう・・・。

そんなことを思いながら歩いているといきなり後ろから声が聞こえた。


「あれ?迷子がいる」

⏰:08/06/03 07:54 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#104 [果樹]
天の助けだ!と思いばっと後ろを振り向くと、そこにいたのは、緑のネクタイを締めた綺麗な男の人。

男の人に綺麗って言葉は変かもしれないけど、でも本当に綺麗で、纏っているオーラが違う。

私がみとれていると男の人はクスッと笑った。

「どうしたの?迷子じゃないの?」

「へ?あっはい!迷子です!」

⏰:08/06/03 07:55 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#105 [果樹]
私がシャキンと背筋を伸ばし直立で答えると、男の人はまたクスクスと笑い出す。

「そんなに大きな声でカミングアウトしなくても」

あ・・・。

私は何だか急に恥ずかしくなった。

「どこに行きたいの?」

目にうっすら涙を溜めて聞いてきた男の人に、「理科室です!」と言うと「ん、じゃあおいで」と手招きをされたので、私は素直についていった。

⏰:08/06/03 07:57 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#106 [果樹]
「着いたー!!」

教室の上には“理科室”の文字。
間違いなくここは理科室。

私が一人でばんざいをしていると、男の人がまたクスクス笑った。

「ん、良かったね」

笑った顔はあまりにも綺麗で、ついまたみとれてしまう。

⏰:08/06/03 07:57 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#107 [果樹]
「じゃあ俺はこれで。勉強頑張って」

そう言って男の人は、私に手をひらひらと振ってから歩き出した。

「あ、あのお名前は?」

私がその後ろ姿に声をかけると男の人は少し振り向いてにこっと笑うと、「冴木滉太。またね神田涼子ちゃん♪」と言って歩いて行ってしまった。

⏰:08/06/03 07:59 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#108 [果樹]
私は、その後ろ姿を見送ってから理科室に入り、先生に謝って席についた。

前では先生が何か実験の説明をしていたが、私はさっき会った冴木先輩のことで頭がいっぱいだった。


冴木滉太先輩・・・。

緑のネクタイって事は二年生かぁ。

かっこよかったなぁ。

⏰:08/06/03 11:28 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#109 [果樹]
あ!そういえば私お礼言ってない!
うわー非常識な奴って思われたかも。

しかもまたねって・・・。

あれ?そういえば何で私の名前知ってたんだろう・・・?


結局、私が冴木先輩のことで頭がいっぱいな内に授業は終わった。

⏰:08/06/03 11:30 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#110 [果樹]
後で、その話を友達の由香にしたら「ノートに名前書いてあるからそれ見たんじゃない?」と言われた。

よくよく見てみると私のノートには“神田涼子”とご丁寧にふりがなまで振ってあった。


・・・・・・・・・・・・・・


その時の事を思い出して私はついふっと笑ってしまう。

⏰:08/06/03 11:30 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#111 [果樹]
瞼を閉じればあの時の様子が、鮮明に思い出せるから不思議だ。

一年の片想いか・・・。
ううん、もうすぐ二年だ。
長い長い片想い。


私はもう一度目を閉じる。


今は昼休み。

⏰:08/06/03 11:31 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


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