・・万華鏡・・
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#297 [果樹]
「え!?」

思わず顔の見えない男の顔を見てしまう。

この台詞・・・。

これはあの時・・・。


「お前の知らない世界を俺が見せてやるよ」


この台詞はあの時に総が私に向けた言葉・・・。
もしかして・・・。

⏰:08/06/13 22:27 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#298 [果樹]
私は一筋の望みを託して本当に小さな声でその名前を呼ぶ。

「そ・・・う?」

月明かりを背にしていた男は私の隣まで来て、にやっと笑う。

「やっと気付いた?」

月明かりに照らされたその顔は紛れもなく総だった。

「なん・・・で?」

⏰:08/06/13 22:27 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#299 [果樹]
「つかさが婚約者を決めるパーティを開くって言うから親父に頼み込んで招待客として紛れ込んだ」

笑いながらいう総。

「親父って・・・それに招待客・・・?え??」

総のいきなりの登場と言葉に考えることのに容量を越えていて、私の頭はついていかない。

「クスッ・・・とりあえず落ち着け」

⏰:08/06/13 22:28 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#300 [果樹]
笑みを浮かべた総が私の頭をぽんぽんっと叩く。
それだけで私の心には安心感が生まれた。



それから総は自分の素性やここにいる理由を少しずつ話し出した。


「俺の本当の名前は此木(くのぎ)総一郎」

「此木?此木って・・・」

どこかで聞いたことが・・・。

⏰:08/06/16 02:50 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#301 [果樹]
顎に手を当てて考える私に総がフッと笑み浮かべる。

「此木財閥。俺はそこの長男」

「え?!」

そうだ!
全国に名を轟かせる此木財閥。
社長は随分と厳しい方だって聞いたことがある。

でも、総があの此木財閥の息子でしかも長男だなんて!

⏰:08/06/16 02:50 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#302 [果樹]
「だって名前・・・。名前は?!時田って!」

そうだよ!
初対面の時、確かに“時田総一郎”って言ってた!

「時田は母親の旧姓。此木じゃいろいろと不便なんだよ」

総は軽く伸びをして、月を見上げる。

確かに・・・。
此木の姓を使っていたらいろいろと面倒かもしれない。

⏰:08/06/16 02:54 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#303 [果樹]
よろしければ感想ください!!
果樹の感想板.゚
bbs1.ryne.jp/r.php/novel/3647/

⏰:08/06/16 02:55 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#304 [果樹]
「それより・・・ごめんな」

「え?」

総は私の方を見ながら顔を歪める。

「あの時助けてやれなくて・・・」

「あ・・・」

総の言葉で萩野に連れ戻された時の事が頭をよぎる。
総は私から顔を背けてテラスの下の噴水を見る。

⏰:08/06/19 01:15 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#305 [果樹]
「俺はさ此木の家が嫌いで、高校入学と同時に家を出たんだ」

初めて聞く総の過去。

「だからつかさの気持はよくわかった。逃げ出したいって気持ちも・・・でも」

“でも”を総が強調する。

「つかさには家に戻った方が幸せだと思った。俺は家を出てから大分苦労したから・・・」

⏰:08/06/19 01:16 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#306 [果樹]
寂しそうな総の横顔に心が痛む。

「今はさ、親父も納得してくれて支援してくれてんだけど。つかさには俺みたいな思いしてほしくなかったから」

総の気持ち。
私を思う、私の事を考えてくれる総の気持ちに心が高鳴る。

「いいんです」

「良くないだろ。好きな女を泣かせるなんて男として最低だよ」

⏰:08/06/19 01:16 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


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