・・万華鏡・・
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#620 [果樹]
俺が勇気の限りを振り絞って出した言葉だったが小鶴さんは呆気にとられたのか驚いているのか固まっている。
「あの・・・小鶴さん?」
「え?!あっハイ!!」
「聞いてた?」
俺の問いにコクコクと小鶴さんは必死に首を縦に振る。
「返事もらってもいいかな?」
:08/11/12 16:18
:P902iS
:☆☆☆
#621 [果樹]
――――・・・
倉橋くんからのいきなりの告白に驚いて私はすこしの間放心してしまった。
でも動悸だけは治まらなくてずっと胸が高鳴っている。
これはきっと嬉しさから・・・。
「えっと・・・あの・・・あ・・たしも・・・!」
そこまで言って麻衣の顔が私の頭をよぎった。
:08/11/12 16:19
:P902iS
:☆☆☆
#622 [果樹]
もし麻衣が倉橋くんを好きだったら。
あたしは麻衣の好きな人を盗ることになる・・・。
それだけは・・できない。
「・・・・ごめんなさい」
私には友達の恋よりも自分の恋を優先させることは出来ない。
「そっ・・・かぁ。やっぱり駄目か・・・」
倉橋くんの優しい苦笑い。
:08/11/12 16:20
:P902iS
:☆☆☆
#623 [果樹]
「ちがっ・・!でも・・・ごめんなさい」
倉橋くんの顔が見れなくて私は下を向く。
きっと今見たら泣いてしまう。
「ううん。いいんだ。いきなりごめんね。」
声は元気だけどでも空元気なのが伝わってくる。
「じゃあ俺行くね」
「あっ・・・」
:08/11/12 16:20
:P902iS
:☆☆☆
#624 [果樹]
私の言葉が届かないまま倉橋くんは教室から出ていってしまった。
――――・・・
「てぇーーつぅーー」
教室に戻った俺はドスッと哲の背中にのしかかった。
「うおっ!どうした倉?!」
「・・・・られた」
:08/11/12 16:21
:P902iS
:☆☆☆
#625 [果樹]
「あ?聞こえねぇよ」
何度も言わすな馬鹿野郎。
「振られた・・・・」
きっとこの時の俺は死顔だったんだろう。
その後は哲がなんやかんやと世話を焼いてくれた。
――――・・・
「おっかえりー!」
「ただいま・・・」
:08/11/12 16:24
:P902iS
:☆☆☆
#626 [果樹]
麻衣の元気よさとは対称的に私はすごく気分が落ちていた。
「何で元気ないの?倉橋くんと付き合ったんでしょ?」
「え?!」
私が反応を見せると麻衣はまずったっていう顔をした。
:08/11/13 14:58
:P902iS
:☆☆☆
#627 [果樹]
「どういうこと?何で麻衣が倉橋くんに告白されたこと知ってるの?」
私が問つめると麻衣は渋々と言った感じで
「実はー・・・」
「はぁっ・・はぁ」
なんでもっと早く気が付かなかったの?
全部あたしの勘違いだった。
:08/11/13 14:58
:P902iS
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#628 [果樹]
麻衣の話を聞いた後私は教室を出てあたしは走った。
今一番気持ちを伝えたい人の元へ・・・。
回想―――・・・
「実はね。倉橋くんにつる子と二人きりになりたいから今日の昼休みは来ないでって言われてたの。告白したいからって」
:08/11/13 14:59
:P902iS
:☆☆☆
#629 [果樹]
麻衣が申し訳なさそうに私を見る。
「でも麻衣は倉橋くんのこと好きなんじゃ・・・」
それなのにどうして・・・?
「え?!何言ってるの?あたし倉橋くんのこと何とも思ってないよ?」
麻衣がきょとんとした顔をする。
:08/11/13 14:59
:P902iS
:☆☆☆
#630 [果樹]
「え?だって・・え?!」
私は頭が混乱して思考がうまく回らない。
そんな私を諭すように麻衣が口を開く。
「つる子なんか勘違いしてない?あたしは寧ろ倉橋くんとつる子のこと応援してたんだよ?」
全てはあたしの勘違い?
麻衣は倉橋くんが好きなわけじゃ・・ない?
:08/11/13 15:00
:P902iS
:☆☆☆
#631 [果樹]
じゃああたしは勘違いで倉橋くんを振ったの・・・?
回想終了――――
「あのっ哲くん!倉橋くんいる?」
倉橋くんの教室まで来た私は哲くんに詰め寄る。
「へ?倉なら風にあたってくるっていってどっかいったけど・・・」
:08/11/13 15:01
:P902iS
:☆☆☆
#632 [果樹]
「わかった。ありがとうっ」
バタバタバタ・・・
小鶴が出ていった方を見ながら
小鶴さんてあんなにハキハキしたタイプだったっけ?
とちょっと不思議に思う哲なのであった。
:08/11/13 15:02
:P902iS
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#633 [果樹]
――――・・・
情けねぇなぁ俺。
屋上から校庭を眺めながら俺は自分に落胆する。
振られると思わなかったわけではない。
覚悟はしていた。
しかしいざ断られるとやっぱりダメージは大きかった。
:08/11/13 16:29
:P902iS
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#634 [果樹]
「はぁ・・・男のくせにだらしねぇ」
ガチャッ
物思いに耽っていると屋上のドアが開く音がした。
「倉橋くんっ!!」
大きな声で呼ばれて肩がビクッと弾む。
「小鶴さん・・・」
:08/11/13 16:30
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#635 [果樹]
振り向くとそこには小鶴さんが息を切らして立っていた。
「どうしたの?小鶴さんもサボりに来たの?」
俺は精一杯の笑顔を作る。
――――・・・
倉橋くんが無理に笑顔を作っているのがわかる。
:08/11/13 16:31
:P902iS
:☆☆☆
#636 [果樹]
そうさせているのはあたしだ。
「日差しは眩しいけど風は気持いいよね。昼寝に持ってこいだ。あ、そういえば小鶴さん次の授業何?俺は数学でさー教室で寝るくらいならここで寝ようと思って――・・・」
倉橋くんはあたしが喋る暇も作らせないくらい一人で喋っている。
:08/11/13 16:32
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#637 [果樹]
「倉橋くんっ!」
痺を切らした私は大きな声で倉橋くんの名前を呼ぶ。
「あのねっ・・・聞いてほしい話があるの」
私がそう言うと倉橋くんはにぱっと笑って。
「大丈夫だよ。これからも友達だから」
:08/11/13 16:33
:P902iS
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#638 [果樹]
と空元気としか受け取れない笑顔を見せる。
「父さんの写真見たいならまた昼休みに会えばいいし」
「・・・がう」
「なんにも心配いらないよ」
その最後の言葉に私の中の何かがぷちんと音を立てて切れた。
:08/11/13 16:34
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:☆☆☆
#639 [果樹]
「ちがうってばーー!!」
大声を出したせいかはぁはぁと息が荒くなる。
倉橋くんは私の大声に驚いたのか目を見開いている。
「私・・・勘違いしてたの。私は・・っ私も・・・」
喋っている最中なんだか目頭が熱くなって鼻の奥がつんとした。
:08/11/13 16:35
:P902iS
:☆☆☆
#640 [果樹]
.
「私は倉橋くんが好きなの・・・ひっ・・・うー」
いつの間にか私は泣いていた。
堪えきれない涙が頬を伝って地面に染みをつくる。
「ご・・・ごめんっ」
「何・・で倉橋くんが謝るの?」
:08/11/13 16:35
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:☆☆☆
#641 [果樹]
私は泣いているままの顔で倉橋くんを見る。
倉橋くんはどうしたらいいかわからずオロオロしている。
その姿に私は思わず笑みが溢れる。
「ふふ・・クスクスクス」
「えっ?あの・・・」
「ごめんなさい。告白の返事もらってもいいですか?」
:08/11/13 16:37
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#642 [果樹]
私は涙を拭って精一杯の笑顔で笑う。
「そんなの決まってる」
そういって倉橋くんは私の手を引っ張る。
くんっと前のめりになった私はいつの間にか倉橋くんの腕の中にいて強く抱き締められていた。
:08/11/13 16:38
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:☆☆☆
#643 [果樹]
耳元で囁かれた
「好きだ」
の言葉は今までのどんな告白より胸に響いた。
――――・・・
告白の成功率0パーセントの美少女
それは小鶴めぐみという一人の少女につけられた秘かなあだ名。
:08/11/13 16:38
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#644 [果樹]
彼女は恋に全く興味がなかった。
しかし、その成功率0パーセントの美少女の成功率を上げた一人の男子がいた。
その男子には成功率0パーセントの美少女自ら告白したという逸話もある。
後にも先にも彼女が告白をしたのも受けたのもそれ一回きりであった。
【成功率0パーセント】
―End―
:08/11/13 16:39
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:☆☆☆
#645 [果樹]
.
友達でいた時間が長すぎて、この気持ちが恋だって気付かなかったり、恋までなかなか発展しないことってあるよね。
story 6
【 友達以上恋人未定 】
:08/11/13 22:48
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:☆☆☆
#646 [果樹]
「はぁ・・・」
思わず溜め息が漏れるのは私、緒方ユイカの性格が故だろう。
私は、昔から人よりちょっとタイミングが悪いらしく、今もまたそのタイミングのせいで・・・。
「ユイカー何してんの?」
:08/11/13 22:49
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#647 [果樹]
ブンブン手を振りながらこっちに向かって走ってくるのは腐れ縁の湯沢京太。
「歩いてるの」
「そうじゃないデショ」
本当の事を言っただけなのに京太は頭を軽くチョップしてきた。
私は、はぁと溜め息をつき、立ち止まって、手に持っているダンボールをずいっと京太の前につき出す。
:08/11/13 22:49
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#648 [果樹]
「柴くんのパシリ」と一言で告げ、また歩き出す。
「またぁ?ユイカいつもこういう役回ってくんな」
京太が隣を歩きながらからかい口調でケラケラと笑ってくる。
「好きでやってるんじゃない。先生たちが私に回してくるの」
:08/11/13 22:50
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#649 [果樹]
全く人使いが荒いったらないんだあの人たちは!
すねたように頬を膨らませると京太に頭を撫でられた。
「でもそれを素直にやってあげるのはユイカのいいとこだな!」
そういって京太はにこっと笑いながら、私の手からダンボールを取り上げた。
:08/11/13 22:50
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#650 [果樹]
まるで王子様やん!っていうツッコミをいれたくなるほどだ。
「・・・資料室」
「じゃあ資料室までランデブーと行きますか♪」
にひひっと笑って言う京太。
全く意味わかって言ってんのか疑ってしまう。
:08/11/14 12:20
:P902iS
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