ギンリョウソウ
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#401 [向日葵]
「面白いよね君の友達」

要はクスクス笑いながら立ち上がり、椿を立たせた。

「椿が僕を選んでくれて良かった。自惚れてないと信じていいんだよね?」

椿は決意をかためたように神妙に頷く。
だから要も微笑む。
握っている手をしっかりと握り直す。

「良かった」

握っている手を持ち上げ、 淑女にするようなキスをする。

要の唇を感じれば、椿は息が出来なくなりそうだった。

「リハビリ。徐々に慣れていこうね」

⏰:08/09/04 03:14 📱:SO906i 🆔:☆☆☆


#402 [向日葵]
椿を気遣うその目に椿はうっとりとしていた。

母のようになれない。
誰かを傷つけるしかない自分。

そんな自分でも、要は好きだと言ってくれる事が嬉しい。
震えてしまうのは要のせいじゃない。
正直まだ恐い部分はある。

それでも、要が触れていけばいく程、その恐怖心が消えていくような気がした。

キキーッと派手な音が乾いた空気に響く。
どうやら美嘉が到着したらしい。

「行っておいで。玄関前で待っててあげるから」

⏰:08/09/04 03:18 📱:SO906i 🆔:☆☆☆


#403 [向日葵]
要に背中を押されて促されるようにして椿は足を進める。
その途中で何度も要の方を振り返る。
彼はいつになく穏やかに微笑んで椿を見つめている。

門までくれば、自転車に跨がった美嘉がいた。

「やっほー椿っ!」

椿は何も言わず美嘉に抱きついた。

「え?椿、どうしたよっ」

椿はただ抱きつきたかった。
よく考えれば、今からあんな事をされたとはいえ、聖史の求婚を断り、傷つけてしまうのだ。

けれどこのむずむすとする幸せをどうする事も出来ず、美嘉にだきつく事で鎮めようとする。

⏰:08/09/05 02:00 📱:SO906i 🆔:☆☆☆


#404 [向日葵]
「美嘉ちゃん。私……要さまが大好きみたいです……」

しばらくぼんやりとしていた美嘉は、椿を抱き締め返す。

「ノロケならまた後で聞いてあげる。そりゃ耳がタコになっちゃうくらいにねっ。でも椿、良かったね……」

もしかすると美嘉は父よりも椿が幸せになる事を望んでいたのかもしれないと思えば、激励の言葉に胸が切なくなる。

「はい……」

「ま、とりあえず行こう。大好きな要さまが待ってんでしょ」

美嘉はニカッと笑うと自転車を隅に止めて椿と手を繋いで歩き出す。
玄関前には言った通り要が待っていた。

そして要を見れば、浮わついた心を封印して、椿は覚悟を決める。

⏰:08/09/05 02:06 📱:SO906i 🆔:☆☆☆


#405 [向日葵]
要が開けるドアは、運命の扉のような重いものに感じた。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「話って何か」

応接間にいた聖史は自分のノート型パソコンで仕事をしていた。

要が聖史のそばに進み出る。

「椿は僕を選んだ。君が用意した作戦は失敗だ。僕は椿をそう簡単に見放したりはしない」

聖史のキーボードを打つ手がピタリと止まる。
ため息をついて、していた眼鏡を外すと彼は立ち上がって要と向き合う。

「椿が言った事が全て正しいと?そんなの嘘かもしれないじゃないか」

余裕なのか、なんなのか、聖史は微笑む。
そう言われて要がどんな反応をするか椿は心配だった。

⏰:08/09/05 02:11 📱:SO906i 🆔:☆☆☆


#406 [向日葵]
「そんな訳ない」

きっぱりとした口調で要が言った。

「椿は嘘をつくような子じゃない。君はおかしい。好きな子を犠牲にしてまで自分のものにするなんて間違えてる」

聖史は歩いてドア近くまで歩く。
そして手を振り上げたと思うと、近くにあった花瓶を手で払い落とす。
耳障りな音が、応接間に響く。

美嘉はそんな聖史を初めて見るので、驚きを隠せないでいた。

「君には本当に腹が立つよ……」

品定めのように、割れた花瓶の破片を広いあげる。

⏰:08/09/05 02:16 📱:SO906i 🆔:☆☆☆


#407 [向日葵]
そしてまたこちらへ歩み寄る。

「君さえいなかったら……椿は僕のものなのに……っ!」

破片が握られた手を、要に降り下ろす。
それは要の胸めがけて真っ直ぐに下ろされていく。

椿が咄嗟に出ていく。
要の前に躍り出た細い椿の腕に、破片が突き刺さる。

「いやぁっ!椿っ!」

美嘉が叫ぶ。

椿の白い服が、段々と赤くなっていく。
絨毯の上に、聖史はポトリと破片を落とした。
要は痛さでよろめく椿を支える。

「全部……全部要くんのせいだ!!君のせいで椿が……っ!」

⏰:08/09/05 02:21 📱:SO906i 🆔:☆☆☆


#408 [向日葵]
素早く聖史のそばに進み出た美嘉が、力一杯聖史の横っ面をグーで殴る。

女の子と言えど、突然の攻撃に驚いた聖史は尻餅をついた。

「最低っ!見損なったよ聖史兄ちゃんっ!なんで全部人のせいにしてるの!?何よ要くんのせいって!」

要はグーで殴る女の子を初めて見たので呆気にとられていた。
とりあえず椿の傷の治療をと、メイドの佐々木を呼ぶ。

ただならぬ空気と、椿の負傷に驚いた彼女は、すぐに椿を連れて出て行った。

それを見送った要は、再び部屋の中を見る。

⏰:08/09/05 02:26 📱:SO906i 🆔:☆☆☆


#409 [向日葵]
「椿を手に入れる為なら何をしてもいいの?椿が嫌がっても、傷ついても、それでも自分のものに出来たら満足だって言うの!?バッカじゃない!?椿の幸せの事なんてひとっつも考えてないじゃないっ!!」

普通ここで自分が怒る筈なのにと、要は冷静に今の状況を分析していた。

聖史はうつむいたまま動かない。
それでも容赦なく美嘉は攻撃する。

「椿が幸せになれない相手なんて美嘉は絶対許さないっ!椿の事考えない相手なんてふさわしくないっ!聖史兄ちゃんはふさわしくないっ!」

聖史の手がピクリと動いたかと思うと、ギュッと絨毯を握る。

⏰:08/09/05 02:33 📱:SO906i 🆔:☆☆☆


#410 [向日葵]
>>405

誤]話って何か
正]話って何かな?

⏰:08/09/05 02:34 📱:SO906i 🆔:☆☆☆


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