○アダムの唄○
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#202 [紫陽花]
もちろん殺人だって数え切れないほどしてるだろーね。

だから『三』人の『鬼』のような『心』を持つ集団、イコール『三鬼心』と呼ばれてるんだ。

「これが、僕の知ってるネイクの全てだよ……」

長いことしゃべっていた傳はフゥとため息を付き、乾ききった唇を潤すかのように舌を唇に這わす。

⏰:08/09/20 23:48 📱:F905i 🆔:q0JD9SlA


#203 [紫陽花]
その様子を見ながら、央里はゴクリと生唾を飲み込んだ。

“なんて連中と関わっちまったんだ……”

柔らかに流れる風とは反対に央里の心の中には黒くドロドロとした、不安という名の闇がとぐろを巻いていた。

肌をなぞるふんわりとした風さえも、いつの間にか表れていた鳥肌を逆なでするだけ。

“なんで俺、こんなことしてんだろ……”

周りの暖かい景色に背くように、央里の心は不安と恐怖で満たされていった。

⏰:08/09/20 23:49 📱:F905i 🆔:q0JD9SlA


#204 [紫陽花]
――――………

――………

「くそっ!!私としたことがあの二人を逃すなんて……」

小さく舌打ちをして、紅は吐き捨てるようにため息を漏らす。

まだ紅は央里たちと出会った森に足を止めていた。

⏰:08/09/20 23:50 📱:F905i 🆔:q0JD9SlA


#205 [紫陽花]
ネイクの三鬼心として、こうもあっさりと灰色の髪の少女によって目的が阻まれたことは、紅にとってかなり屈辱的だった。

それはもう、一歩も足が動かないほどに。

「なんだ〜。紅、あの二人に逃げられちゃったの?」

不意に周りに生い茂る木の上からケタケタという笑い声とともに、少年のようなまだ若い声が聞こえた。

⏰:08/09/20 23:52 📱:F905i 🆔:q0JD9SlA


#206 [紫陽花]
「浅葱君……。いつからいたんですか?」

顎を少しあげると、しっかりとした太い枝に腰を下ろし、怪しげな笑みをこぼす少年が視界に入る。

「さっき来たとこ。そんなに悔しがってる紅なんて久しぶりに見た」

そう言いながら、浅葱と呼ばれた少年は決して低くはない枝から地面へスルリと着地する。

その軽い身のこなしはまるでリスのよう。

⏰:08/09/20 23:53 📱:F905i 🆔:q0JD9SlA


#207 [紫陽花]
浅葱は紅が赤いスーツを着ているように、彼自身も淡い水色のスーツを身に纏っていた。

少し長い襟足と前髪をヒラヒラとなびかせながら、着地の際にスーツに付いたほこりを払う。

「で、あなたは何しに来たんですか?」

憂鬱そうに前髪をかきあげて浅葱を見る紅の瞳は、全くと言っていいほど笑っていなかった。

⏰:08/09/23 17:13 📱:F905i 🆔:8TL/RHe6


#208 [紫陽花]
「あ、そうそう。
朽葉サマから伝言だよ!!俺様がわざわざ伝えに来てやったんだから心して聞くよーに」

紅の苛立ちも知らずに、胸を張って自分の頑張りを主張する浅葱に紅はため息を一つこぼす。

「だーかーら、その内容は何なんですか!?」

⏰:08/09/23 17:15 📱:F905i 🆔:8TL/RHe6


#209 [紫陽花]
「『仕事が沢山残ってます。早く帰ってきなさい』だってー。朽葉サマ怒ってたよー」

「……怒ってましたか。浅葱君、私の代わりに朽葉様の機嫌とってきてくださいよ……」

「は!?なんで俺が!!めんどくさすぎ……」

がっくりと肩を落とす紅を横目に、浅葱はまるで揚羽蝶のようにヒラヒラと態度を変え、先程までの無邪気な表情からツンとした表情になる。

⏰:08/09/23 17:17 📱:F905i 🆔:8TL/RHe6


#210 [紫陽花]
「じゃあ、私の代わりに央里君達を始末してきてくださいよ……」

「それもやだ。めんどくさいもーん」

「……あ゙ー!!分かりました。帰ればいいんでしょ!?帰れば!!!」

紅は意地悪そうに微笑む浅葱を睨みながら、半ばヤケクソになって叫んだ。

⏰:08/09/25 19:32 📱:F905i 🆔:K8hH923.


#211 [紫陽花]
「そうそう。そうやって素直になれば良かったんだよ。じゃあ、こいつで道を繋ぐからちょっと待ってて」


そう言って浅葱は内側の胸ポケットから白いチョークのようなものを取り出した。

そして、周りにある木々の中で一番大きい幹にそのチョークで、ガリガリと音を立てながら大きな円を描いていく。

⏰:08/09/25 19:34 📱:F905i 🆔:K8hH923.


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