○アダムの唄○
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#204 [紫陽花]
――――………

――………

「くそっ!!私としたことがあの二人を逃すなんて……」

小さく舌打ちをして、紅は吐き捨てるようにため息を漏らす。

まだ紅は央里たちと出会った森に足を止めていた。

⏰:08/09/20 23:50 📱:F905i 🆔:q0JD9SlA


#205 [紫陽花]
ネイクの三鬼心として、こうもあっさりと灰色の髪の少女によって目的が阻まれたことは、紅にとってかなり屈辱的だった。

それはもう、一歩も足が動かないほどに。

「なんだ〜。紅、あの二人に逃げられちゃったの?」

不意に周りに生い茂る木の上からケタケタという笑い声とともに、少年のようなまだ若い声が聞こえた。

⏰:08/09/20 23:52 📱:F905i 🆔:q0JD9SlA


#206 [紫陽花]
「浅葱君……。いつからいたんですか?」

顎を少しあげると、しっかりとした太い枝に腰を下ろし、怪しげな笑みをこぼす少年が視界に入る。

「さっき来たとこ。そんなに悔しがってる紅なんて久しぶりに見た」

そう言いながら、浅葱と呼ばれた少年は決して低くはない枝から地面へスルリと着地する。

その軽い身のこなしはまるでリスのよう。

⏰:08/09/20 23:53 📱:F905i 🆔:q0JD9SlA


#207 [紫陽花]
浅葱は紅が赤いスーツを着ているように、彼自身も淡い水色のスーツを身に纏っていた。

少し長い襟足と前髪をヒラヒラとなびかせながら、着地の際にスーツに付いたほこりを払う。

「で、あなたは何しに来たんですか?」

憂鬱そうに前髪をかきあげて浅葱を見る紅の瞳は、全くと言っていいほど笑っていなかった。

⏰:08/09/23 17:13 📱:F905i 🆔:8TL/RHe6


#208 [紫陽花]
「あ、そうそう。
朽葉サマから伝言だよ!!俺様がわざわざ伝えに来てやったんだから心して聞くよーに」

紅の苛立ちも知らずに、胸を張って自分の頑張りを主張する浅葱に紅はため息を一つこぼす。

「だーかーら、その内容は何なんですか!?」

⏰:08/09/23 17:15 📱:F905i 🆔:8TL/RHe6


#209 [紫陽花]
「『仕事が沢山残ってます。早く帰ってきなさい』だってー。朽葉サマ怒ってたよー」

「……怒ってましたか。浅葱君、私の代わりに朽葉様の機嫌とってきてくださいよ……」

「は!?なんで俺が!!めんどくさすぎ……」

がっくりと肩を落とす紅を横目に、浅葱はまるで揚羽蝶のようにヒラヒラと態度を変え、先程までの無邪気な表情からツンとした表情になる。

⏰:08/09/23 17:17 📱:F905i 🆔:8TL/RHe6


#210 [紫陽花]
「じゃあ、私の代わりに央里君達を始末してきてくださいよ……」

「それもやだ。めんどくさいもーん」

「……あ゙ー!!分かりました。帰ればいいんでしょ!?帰れば!!!」

紅は意地悪そうに微笑む浅葱を睨みながら、半ばヤケクソになって叫んだ。

⏰:08/09/25 19:32 📱:F905i 🆔:K8hH923.


#211 [紫陽花]
「そうそう。そうやって素直になれば良かったんだよ。じゃあ、こいつで道を繋ぐからちょっと待ってて」


そう言って浅葱は内側の胸ポケットから白いチョークのようなものを取り出した。

そして、周りにある木々の中で一番大きい幹にそのチョークで、ガリガリと音を立てながら大きな円を描いていく。

⏰:08/09/25 19:34 📱:F905i 🆔:K8hH923.


#212 [紫陽花]
「浅葱君のそれは便利ですよね。どこにでも行けるんですから」

うらやましそうに紅は浅葱の手に握られているチョークを凝視した。

「そうでもないよ。
確かにこの“神の足跡”を使えばどこへでも移動できるけど、神力使うから疲れるんだよねー」

「傳君の“アダムの唄”と同じ能力ってことですか……」

⏰:08/09/25 19:35 📱:F905i 🆔:K8hH923.


#213 [紫陽花]
神力、それは以前まで神様のみが使える不思議な力だったが、
ここ最近では“アダムの唄”を筆頭に神力をもつ不思議な道具が数多く発見されていた。

「まぁね。紅は知らないかもしれないけど神力使うのってなかなか疲れるんだよ!!」

「そりゃ、神様の力ですから」

「傳って奴もかなり無理して使ってると思うよーっと、できた!!」

⏰:08/09/25 19:36 📱:F905i 🆔:K8hH923.


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