○アダムの唄○
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#249 [紫陽花→渚坂 さいめ]
マサムネもその行為を止めようとはせず、いたたまれないといった様子でハルキを見送った。

「あの、どうかしたんですか?」

ハルキの出て行った障子とマサムネを交互に見ながら、央里は声を潜める。

⏰:08/11/08 14:58 📱:F905i 🆔:ar2HhlBI


#250 [紫陽花→渚坂 さいめ]
「これから話すことは未だにハルキのトラウマなんじゃよ。
先程、耐え難い事件があったと言ったじゃろ?その事件でハルキはハルキの弟を死に追いやってしまったんじゃ……」

こうも毎日戦に加われば、「ヤマト」に対して怨みを抱く者もでてくる。

もちろん儂等はそれに気付いておった。必要に応じて邪魔者となる組合は何度となく消してきたからの。

じゃが、彼奴等はそこらへんに居る邪魔者とは格が違った。

その名も「ムサシ」。

儂等の最後の敵じゃった。
そしてハルキの弟、ナツキを殺したのも奴らじゃ。

⏰:08/11/08 14:58 📱:F905i 🆔:ar2HhlBI


#251 [紫陽花→渚坂]
ナツキは元気な子供じゃった。

体術こそ苦手にしていたものの、何に対しても好奇心を持って接し、一度 興味を示すとそれ以外目に入らぬほどの集中力。

ハルキとナツキは儂の自慢の孫じゃったよ。

そして事件が起きたあの日。

朝焼けがすごくての。血のように空が紅に染まっておったわ。

⏰:08/11/14 18:09 📱:F905i 🆔:znEeg2LA


#252 [紫陽花→渚坂]
……これだけは言わせてくれ。ハルキは何も知らなかった。
知らなかったんじゃ。


ここ一帯に立ち並ぶ山々の向こうには「ムサシ」の勢力が、今か今かと戦を待っていたなんて。

だから……

あの日も、まだ幼い弟の修行を手伝い森へ入っていった。

⏰:08/11/14 18:10 📱:F905i 🆔:znEeg2LA


#253 [紫陽花→渚坂]
そして「ムサシ」連中は戦の始まりを告げるように……

何のためらいもなくナツキを、まったく無関係なナツキを……
戦いの合図として見せしめに殺したのじゃ。




あの時 儂が山に入るのを止めてさえいれば……


ナツキは死なんですんだじゃろ……

⏰:08/11/14 18:11 📱:F905i 🆔:znEeg2LA


#254 [紫陽花→渚坂]
「マサムネさん……」

マサムネの頬には一筋の滴が流れ落ちていた。

両膝の上に置いてある両拳を小刻みに震わせながら。




「央里殿、傳殿。どうかあの子を救ってくれんか?

過去の罪の意識からハルキを救ってやってくれ……」

⏰:08/11/14 18:12 📱:F905i 🆔:znEeg2LA


#255 [渚坂]



7頁
《数多の決意を花束のように》

⏰:08/11/29 22:55 📱:F905i 🆔:6m5PmUPA


#256 [渚坂]
――――――…………

――――………

單柵村の中心部である大きな樹の周りを傳は独りで歩いていた。

先程まで目がくらむほど晴れ渡っていた空には薄暗い雲のカーテンが姿を見せ、じめじめとした生ぬるい風が辺りをその懐に忍ばせようと、憂鬱な湿り気をだしていた。

「もうすぐ雨が降るな……」

確固たる自信でもあるのか、誰もいない道の真ん中で傳はそう呟いたのだった。

⏰:08/11/29 22:56 📱:F905i 🆔:6m5PmUPA


#257 [渚坂]
―――――――…………

―――――…………

「マサムネさん。涙を拭いて下され」

そう言って重守は懐から、白いハンカチをマサムネに渡した。

「……すまんな。儂にとってもこの話は苦手なようだ」

ハンカチで両目を隠しながら苦笑いをこぼす。

⏰:08/11/29 22:56 📱:F905i 🆔:6m5PmUPA


#258 [渚坂]
「マサムネさん……だけど、俺らは一体何をしたらいいんだ?ハルヒの罪の意識を無くすだなんて……」

おずおずと、慎重に言葉を選びながら話す央里は 彼なりにマサムネに気遣っているのだろう。

⏰:08/11/29 22:57 📱:F905i 🆔:6m5PmUPA


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