○アダムの唄○
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#259 [渚坂さいめ]
「あの子は自分を責めておる。“自分のせいだ”“自分に力がなかったから”そう思い込んで生きている」
だから、力を求め結果的に村一番まで上り詰めた。
今のハルキを動かしておるのは、ナツキへの想いだけじゃ。
その想いを断ち切ってほしい。
つまり新しい目標を与えてやってほしいのじゃよ……。
見た限りでは、ハルキは央里殿に敵対意識を持っておる。
たぶん、ハルキは“運命を変える才”がうらやましいのじゃろう。
その才があれば、ナツキの運命を変えられたかもしれんからな……。
:08/12/19 22:24
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#260 [渚坂さいめ]
そこまで言うと、マサムネはハッとしたように俯いていた頭を上げた。
「すまん、話がズレてしまったな。その後、儂らは戦いを封印し『ヤマト』は瞬光村へと姿を変えたのじゃ。
ご理解いただけたかな?」
いきなり話を変えられた央里は、はぁ と不抜けた返事しか出来なかった。
:08/12/19 22:24
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#261 [渚坂さいめ]
「さてさて、央里殿達がこの單柵村に来た理由とは“イヴ”についてでしょう?」
今まで黙っていた重守が待ってましたと言わんばかりに口を開いた。
と同時に視線が重守に集まる。
「そうですな……。
一ヶ月くだされ。一ヶ月で出来る限り“イヴ”についてお調べいたしましょう」
「一ヶ月か……」
思わず傳は下唇を噛んだ。
事前に送っていた衛の手紙により、これまでスムーズに話が進んでいたものの、ここに来て思わぬ足止めを食らうなんて……。
:08/12/19 22:26
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#262 [渚坂さいめ]
「アダムの唄には世界の滅亡は夏の終わりと書いてあります。もっと早くできないでしょうか?」
「総力を挙げ調べますが、うまく行っても二週間は……」
申し訳なさそうに目を伏せる重守をこれ以上責めることは傳には出来なかった。
「分かりました……。お願いします……」
今は單柵村の底力を信じるしかなかったのだ。
:08/12/19 22:26
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#263 [渚坂さいめ]
―――――…………
――――……
その後、重守は早速 情報を集めるためにどこかへ出かけた。
マサムネは瞬光村へ帰り、同じくハルキも村へ帰っていった。
央里は何を考えているのか、やりたいことがあると言ってマサムネに着いていった。
「さて、僕はどうしよっかな……」
そう呟きながら薄暗い雲を仰ぎ見ても何の答えも出る気はしなかった。
:08/12/19 22:27
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#264 [渚坂さいめ]
――――――………
――――………
「ね、親方!!頼むよ」
「う〜む……」
一方、央里はマサムネの治める瞬光村へと訪れていた。
村の中心には單柵村のような立派な樹木は無いものの、世界遺産に登録されてもおかしくないほどの巨大な噴水が設置されていた。
:08/12/19 22:27
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#265 [渚坂さいめ]
「頼むよ、俺だっていろいろ考えたんだ」
その穏やかな村の空気の中に央里の嘆願の声がこだまする。
「俺に色々教えて下さい!!もう、足手まといは嫌なんだ」
つい先ほどまで真上で輝いていた太陽は西へとその体を傾け始め、自身の有らん限りの力で日没の光を放っていた。
まるで、央里の胸の中に宿る決意の光のように。
:08/12/19 22:28
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#266 [渚坂さいめ]
:09/01/26 17:58
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#267 [渚坂さいめ]
央里たちが單柵村へ留まって3週間。
單柵村村長の重守からの調査では未だ“イヴ”の核心に迫るような情報は集まっていなかった。
無情にも時は流れ、季節は夏を終えようとしていた。
アダムの唄に記された地球滅亡の予想日は“夏の終わり”。
情報もない。
唯一世界を救える央里は瞬光村に行ったっきり音沙汰なし。
こんな不確かな状況に傳は焦っていた。
:09/01/26 17:58
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#268 [渚坂さいめ]
だが、そんなある日突然 單柵村に鋭い警報が鳴り響いた。
それは鋭いナイフのように空気を切り裂き、歩いていた人の足を止め、寝ていた人の目を覚まさせた。
「敵襲だー!!早く、早く瞬光村に連絡を取れー!!!!」
誰かが叫ぶのと同時に村自体がざわざわと、まるで戦場のように人々は走りだした。
:09/01/26 17:59
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