○アダムの唄○
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#269 [渚坂さいめ]
なおも鳴り響く警報に、外で昼寝をしていた傳の心臓はドクドクと早鐘を打つほどに緊張していた。
「これまでの情報より、敵は“ネイク”の黒スーツたちとNo.3の浅葱と判明!!武装はナイフと拳銃のみ!!」
村全体に広まるように村人は放送を通して今の状況を伝える。
そのおかげで、状況を把握しきれていなかった傳もこの村のざわめきの原因を理解することができた。
「央里を探さなきゃ……!!」
:09/01/26 18:00
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#270 [渚坂さいめ]
急ぎは焦りとなり傳の足をフル回転させる。
人々のざわめきは今にも爆発しそうな傳の心を荒々しく煽り、人々の波に逆らうように央里を探す彼に余裕などあるはずもない。
「つーたーえー!!何してんの?」
額に滲む汗を拭う途中、傳は誰かに名を呼ばれた。
もちろん、その声の主とは……
:09/02/24 00:47
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#271 [渚坂さいめ]
「央里!!どこ行ってたんだ!?敵が来たんだよ!!」
「ぅお、傳がなんか焦ってる!!」
会話が成り立たない……。
傳の中で張りつめていた何かがプツンと切れ、肩に入っていた力は空気の抜けた風船のようにふにゃふにゃとしぼんだ。
「央里……。とりあえず、避難しよう。僕らがここにいても邪魔になるだけだ……」
:09/02/24 00:48
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#272 [渚坂さいめ]
何もできない自分が悔しいが、幸いにも隣には瞬光村が位置している。いきなり現れたネイクへの戦闘にも対応できるだろう。そう、今はこれが一番の得策。
傳はそう考えていたのだ。
「馬鹿言うな。何のために親方のところで修行したんだと思ってんだ!!俺の出番に決まってんだろーが!!」
そう言って央里は腰につけていた革のベルトからあるものを抜き取った。
:09/02/24 00:48
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#273 [渚坂さいめ]
眩しい太陽の光をも吸い込む漆黒の側面。その小さく無機質な体に似合わないシャープなライン。
どこからどう見ても拳銃。
いきなり目の前に現れたソレにさすがの傳も焦りを隠せなかった。
「な、央里!!それ本物なのか……?」
「馬鹿!!ただのエアガンだよ。
本物なんて持ってたら銃刀法違反じゃねーかよ!!」
:09/02/24 00:49
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:ri4.PPek
#274 [渚坂さいめ]
けらけらと笑って銃身を振り回す央里。本物の拳銃ならば、その鉛の銃身を央里のような少年が軽々と振り回す事なんて不可能だろう。
「親方がくれたんだけどさ、今のエアは馬鹿に出来ねーよ」
そういって銃身を見つめる央里。まるで傷ついた体の一部を癒すように優しい視線は、もうこの銃が央里によく馴染んでいることを示していた。
:09/02/24 00:49
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#275 [渚坂さいめ]
「で、それを使ってどーする気……?」
「聞きたい?」
「…………」
またもケラケラと笑う央里。
隣を走り去る單柵村の大人たちは、まるで異端なものを見るかのような怪訝な顔をして央里たちを見ていた。
:09/02/24 00:50
:F905i
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#276 [渚坂さいめ]
「とりあえずネイクの所に行こうぜ。俺の修行の成果を見せてやるから!!」
銃をベルトにしまい央里は声を張る。その声には不安や迷いなどはなく、ただただ央里の自信ばかりが響いた。
:09/02/24 00:50
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:ri4.PPek
#277 [渚坂さいめ]
―――――…………
――――………
一方、黒いスーツの集団を従えた浅葱は單柵村の村人の抵抗もむなしく、まさに村へと強行突破を試みようとしていた。
人数が多いのを武器にして單柵村の周りの木々たちを片っ端から倒していくスーツの集団。
もちろん、その指揮を執っているのは水色のスーツを身にまとった三鬼心の一人である浅葱だ。
:09/03/01 00:13
:F905i
:iz.avE96
#278 [渚坂さいめ]
「あ゙ー、なんで俺が……」
そう言い捨てて彼は自分の前髪をかきあげる。
ズシンと音を立ててなぎ倒される木々たちの頭上には皮肉なほど真っ青な青空が広がっていた。
そう、まるで浅葱のスーツのように鮮やかな青空。
浅葱は以前チョークのような「神の足跡」と呼ばれるものを持っていたが、今回彼の手には何も握られていなかった。
:09/03/01 00:13
:F905i
:iz.avE96
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