○アダムの唄○
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#279 [渚坂さいめ]
「浅葱様。今回は神の足跡を持ってこなくて良かったのですか?」

青空の下、腕を組みぶっちょうずらの浅葱に対して一人の黒スーツの男が話しかけた。

男は自分よりはるかに年下の少年に敬語で、それもかなり腰を低くして話しかけなければならないということをどう思っているのだろうか。

だが、そんな不満などを漏らせば確実に消される。それがネイクという組織だった。

⏰:09/03/01 00:13 📱:F905i 🆔:iz.avE96


#280 [渚坂さいめ]
「いいんだよ。今回は朽葉様からのお届けものを宇峰央里に渡してやるだけだからね」

浅葱は組んでいた腕をパッと開き胸ポケットから白い封筒を取り出した。

さながら、それが先ほど浅葱が言っていた『お届けもの』なのだろう。

⏰:09/03/01 00:14 📱:F905i 🆔:iz.avE96


#281 [渚坂さいめ]
「そ、そうですが、いつ戦闘になるかも……」

「五月蝿いな。お前、何が言いたいわけ?」


男は生唾とともに言いかけた言葉をゴクリと飲み込んだ。

生々しい音が静かな森の中に響き渡る。

「あのさぁ、誰に向かって言ってるか分かってんの?」

⏰:09/03/01 00:14 📱:F905i 🆔:iz.avE96


#282 [渚坂さいめ]
まだ夏だというのに、周りの温度がいきなり氷点下を下回ったかのように凍りついた。

浅葱の言葉は鋭いナイフのように、黒スーツの男の心を引き裂いていく。

そして、切り裂かれた心から溢れ出す鮮血を拭き取る間もなく、最後の一撃が浅葱の口から放たれた。

⏰:09/03/01 00:15 📱:F905i 🆔:iz.avE96


#283 [渚坂さいめ]
「お前邪魔。消えろ」


男は裏がえる声で「は、はいっ!!」と短く返事をしてその場から走り去っていった。

「消えろって言ったのは死ねって意味だったのに……。まぁ、いいか」


“ここでアイツを殺すのもめんどくさいし”

そう呟いて浅葱はまた腕を組み央里たちがやってくるのを待つのだった。

⏰:09/03/01 00:15 📱:F905i 🆔:iz.avE96


#284 [渚坂さいめ]
――――――………

―――………

央里たちは村の外側の森に向かって走っていた。

途中何度も村人に引き返せと忠告を受けたものの、央里の足はスピードを緩めず前へ前へ風を切って進んだ。

浅葱の元へ一直線に。

⏰:09/03/15 13:15 📱:F905i 🆔:CPJGjg/I


#285 [渚坂さいめ]
「おい。あの目立つ水色のスーツ着てる奴誰だ?」

しばらく走ったところで央里が口を開いた。浅葱たちの元へ到着したのだ。

二人はまだ薙ぎ倒されていない木の影に身を潜ませる。


「あいつは浅葱だ……」

「浅葱?もしかして三鬼心の?」

「そうだ。No.3の浅葱だよ……」

⏰:09/03/15 13:15 📱:F905i 🆔:CPJGjg/I


#286 [渚坂さいめ]
浅葱は腕を組み、わずかに顎を傾け空を仰いでいた。


だが次の瞬間、少しだけ口元に笑いを浮かべ、空を仰いでいた目を央里たちに向けた。

「出てこい。そこに隠れていることは分かってるよ。
お互い、もうかくれんぼをするような歳じゃないだろう?

⏰:09/03/15 13:15 📱:F905i 🆔:CPJGjg/I


#287 [渚坂さいめ]
「なんだバレバレだったのか。おら、傳行くぞ」

央里は勢いよく木の影から姿をさらけ出し、スタスタと浅葱の元へ足を進める。

「ちょ、央里……」

後れをとらぬよう傳も姿を現した。

⏰:09/03/15 13:16 📱:F905i 🆔:CPJGjg/I


#288 [渚坂さいめ]
「初めまして、だよな?
俺は浅葱。この前は紅が世話になったみたいだね」

浅葱は右手を、まるで探偵のように顎の下に持っていく。

そして、その手の上では余裕の表れからだろうか、悪戯っぽい笑いが口元を彩っている。

そして浅葱は央里たちが何も言わない内に話を進めだした。


「よし、初めましてだし宇峰央里ね実力見せてもらうよ」


そして、浅葱が顎をちょっと動かすと彼の左脇から三人の黒スーツの男が飛び出した。

⏰:09/03/15 13:16 📱:F905i 🆔:CPJGjg/I


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