○アダムの唄○
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#254 [紫陽花→渚坂]
「マサムネさん……」

マサムネの頬には一筋の滴が流れ落ちていた。

両膝の上に置いてある両拳を小刻みに震わせながら。




「央里殿、傳殿。どうかあの子を救ってくれんか?

過去の罪の意識からハルキを救ってやってくれ……」

⏰:08/11/14 18:12 📱:F905i 🆔:znEeg2LA


#255 [渚坂]



7頁
《数多の決意を花束のように》

⏰:08/11/29 22:55 📱:F905i 🆔:6m5PmUPA


#256 [渚坂]
――――――…………

――――………

單柵村の中心部である大きな樹の周りを傳は独りで歩いていた。

先程まで目がくらむほど晴れ渡っていた空には薄暗い雲のカーテンが姿を見せ、じめじめとした生ぬるい風が辺りをその懐に忍ばせようと、憂鬱な湿り気をだしていた。

「もうすぐ雨が降るな……」

確固たる自信でもあるのか、誰もいない道の真ん中で傳はそう呟いたのだった。

⏰:08/11/29 22:56 📱:F905i 🆔:6m5PmUPA


#257 [渚坂]
―――――――…………

―――――…………

「マサムネさん。涙を拭いて下され」

そう言って重守は懐から、白いハンカチをマサムネに渡した。

「……すまんな。儂にとってもこの話は苦手なようだ」

ハンカチで両目を隠しながら苦笑いをこぼす。

⏰:08/11/29 22:56 📱:F905i 🆔:6m5PmUPA


#258 [渚坂]
「マサムネさん……だけど、俺らは一体何をしたらいいんだ?ハルヒの罪の意識を無くすだなんて……」

おずおずと、慎重に言葉を選びながら話す央里は 彼なりにマサムネに気遣っているのだろう。

⏰:08/11/29 22:57 📱:F905i 🆔:6m5PmUPA


#259 [渚坂さいめ]
「あの子は自分を責めておる。“自分のせいだ”“自分に力がなかったから”そう思い込んで生きている」

だから、力を求め結果的に村一番まで上り詰めた。


今のハルキを動かしておるのは、ナツキへの想いだけじゃ。


その想いを断ち切ってほしい。
つまり新しい目標を与えてやってほしいのじゃよ……。

見た限りでは、ハルキは央里殿に敵対意識を持っておる。


たぶん、ハルキは“運命を変える才”がうらやましいのじゃろう。

その才があれば、ナツキの運命を変えられたかもしれんからな……。

⏰:08/12/19 22:24 📱:F905i 🆔:0cYkCt0o


#260 [渚坂さいめ]
そこまで言うと、マサムネはハッとしたように俯いていた頭を上げた。

「すまん、話がズレてしまったな。その後、儂らは戦いを封印し『ヤマト』は瞬光村へと姿を変えたのじゃ。

ご理解いただけたかな?」


いきなり話を変えられた央里は、はぁ と不抜けた返事しか出来なかった。

⏰:08/12/19 22:24 📱:F905i 🆔:0cYkCt0o


#261 [渚坂さいめ]
「さてさて、央里殿達がこの單柵村に来た理由とは“イヴ”についてでしょう?」


今まで黙っていた重守が待ってましたと言わんばかりに口を開いた。

と同時に視線が重守に集まる。

「そうですな……。
一ヶ月くだされ。一ヶ月で出来る限り“イヴ”についてお調べいたしましょう」

「一ヶ月か……」


思わず傳は下唇を噛んだ。

事前に送っていた衛の手紙により、これまでスムーズに話が進んでいたものの、ここに来て思わぬ足止めを食らうなんて……。

⏰:08/12/19 22:26 📱:F905i 🆔:0cYkCt0o


#262 [渚坂さいめ]
「アダムの唄には世界の滅亡は夏の終わりと書いてあります。もっと早くできないでしょうか?」

「総力を挙げ調べますが、うまく行っても二週間は……」

申し訳なさそうに目を伏せる重守をこれ以上責めることは傳には出来なかった。

「分かりました……。お願いします……」


今は單柵村の底力を信じるしかなかったのだ。

⏰:08/12/19 22:26 📱:F905i 🆔:0cYkCt0o


#263 [渚坂さいめ]
―――――…………

――――……

その後、重守は早速 情報を集めるためにどこかへ出かけた。

マサムネは瞬光村へ帰り、同じくハルキも村へ帰っていった。

央里は何を考えているのか、やりたいことがあると言ってマサムネに着いていった。


「さて、僕はどうしよっかな……」

そう呟きながら薄暗い雲を仰ぎ見ても何の答えも出る気はしなかった。

⏰:08/12/19 22:27 📱:F905i 🆔:0cYkCt0o


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