○アダムの唄○
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#78 [紫陽花]
―――――………
――――……
「なぁ、そろそろアダムの何とかって本の秘密教えてくれよ!!」
「ダメ!!まだ衛さんが帰ってきてない……」
「親父になんの関係があんだよ〜」
央里と傳は、もう3回ほどこの会話を繰り返していた。
:08/08/09 23:43
:F905i
:zljB7mjM
#79 [紫陽花]
家族そろうまでアダムの唄の話をしないなんて絶対におかしい。
家族会議でもしなければならないのか?
央里の本に対する疑問は更なる疑問を招き、考えれば考えるほど謎は深まるばかりだった。
「ただ〜いま〜「親父だ!!」
やはり一番早く衛の帰りに気付いたのは央里である。
ちょうどいいタイミングで風呂に入っていた榎久も風呂から上がり、真紀も食器をなおし終え、衛もリビングへと姿を現した。
:08/08/09 23:45
:F905i
:zljB7mjM
#80 [紫陽花]
衛はカッターシャツのボタンをニ三個外し、右手に持ったタオルで額を拭く。
かけていた黒縁のめがねを取り、汗でくっついた前髪をかきあげると央里とそっくりな切れ長の瞳が現れた。
そして衛の少し出っ張り始めたお腹が、どこか憎めないコロコロとした優しい印象を与える。
:08/08/11 21:42
:F905i
:hqB5Bdl.
#81 [紫陽花]
「おっ!!野胡瀬 傳君かね?」
「おじゃましてます。あの、央里にあのことを……」
「分かってる。俺は口べたなんでね。君から話してほしい」
衛の言葉を聞いた瞬間、傳の表情は不安と困惑の混じった不可解なものとなっていた。
“こんな傳見たことない……”
:08/08/11 21:43
:F905i
:hqB5Bdl.
#82 [紫陽花]
会ってまだ数時間しかたっていないが、こんなに不安げな表情をする傳がおかしく思えた。
黒スーツの男から逃げたときのあの傳の余裕が今では懐かしい。
「なにビビってんだよ!!あの本ってそんなに大事なわけ?」
「本も大事だけど、一番大切なのは君なんだよ……」
「はぁ?」
頭がついていかない。
衛も真紀も真剣な表情で央里を見つめている。
:08/08/11 21:44
:F905i
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#83 [紫陽花]
「訳分かんないから!!俺がどうしたの?」
本の秘密なんてどうでもよかった。
一人だけ話について行けていない自分が歯がゆい、それだけだった。
「央里分かったから。とりあえず、座ろう」
衛の提案で木で出来たクリーム色の四人掛けのテーブルに座る。
:08/08/11 21:44
:F905i
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#84 [紫陽花]
央里の正面に傳。
央里の左隣に衛。
そして衛の正面に真紀が座る。
榎久はどこからかもってきたパイプ椅子の背もたれをこちら側に向け、もたれ掛かるように座った。
そしてテーブルの上には“アダムの唄”が置かれている。
:08/08/11 21:45
:F905i
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#85 [紫陽花]
「じゃあ、まずはこの“アダムの唄”から説明しようかな……」
傳は古びた本を指差しながら央里を見た。
「この本は、人類の祖先であるアダムの残した未来なんだ……」
神が作りし最初の子供。
名前はアダム。
神はアダムの肋骨からイヴを作り彼らに楽園を与え、さらにイヴとアダムから数多の人類を創造させた。
:08/08/14 01:17
:F905i
:Ex7GHojw
#86 [紫陽花]
それから二人は知恵の実、まぁ林檎を食べてしまい楽園から地球へと追放されてしまったんだけど……。
「ここまでは大体知ってるよね?」
コクコクと央里は頷いた。
そして早く続きを話してくれと言わんばかりに傳を見つめる。
「楽園を追放された時にアダムはとんでもない罪を犯した……」
:08/08/14 01:18
:F905i
:Ex7GHojw
#87 [紫陽花]
知恵の実を食べ、邪悪な知識までも手に入れてしまっていたアダムは、地球に追放される日に神様の日記を盗もうとしたんだ。
それもただの日記じゃなくて、未来のことを記した神のみぞ知る地球の未来予想日記を。
「分かった!!それがこの本なんだろ?」
央里は勝ち誇ったように“アダムの唄”を指差す。
だが、否定するように傳は首を横に振った。
「相手は神様だよ?人間が太刀打ちできるはずがなかった……」
:08/08/14 01:19
:F905i
:Ex7GHojw
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