○アダムの唄○
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#84 [紫陽花]
央里の正面に傳。
央里の左隣に衛。
そして衛の正面に真紀が座る。
榎久はどこからかもってきたパイプ椅子の背もたれをこちら側に向け、もたれ掛かるように座った。
そしてテーブルの上には“アダムの唄”が置かれている。
:08/08/11 21:45
:F905i
:hqB5Bdl.
#85 [紫陽花]
「じゃあ、まずはこの“アダムの唄”から説明しようかな……」
傳は古びた本を指差しながら央里を見た。
「この本は、人類の祖先であるアダムの残した未来なんだ……」
神が作りし最初の子供。
名前はアダム。
神はアダムの肋骨からイヴを作り彼らに楽園を与え、さらにイヴとアダムから数多の人類を創造させた。
:08/08/14 01:17
:F905i
:Ex7GHojw
#86 [紫陽花]
それから二人は知恵の実、まぁ林檎を食べてしまい楽園から地球へと追放されてしまったんだけど……。
「ここまでは大体知ってるよね?」
コクコクと央里は頷いた。
そして早く続きを話してくれと言わんばかりに傳を見つめる。
「楽園を追放された時にアダムはとんでもない罪を犯した……」
:08/08/14 01:18
:F905i
:Ex7GHojw
#87 [紫陽花]
知恵の実を食べ、邪悪な知識までも手に入れてしまっていたアダムは、地球に追放される日に神様の日記を盗もうとしたんだ。
それもただの日記じゃなくて、未来のことを記した神のみぞ知る地球の未来予想日記を。
「分かった!!それがこの本なんだろ?」
央里は勝ち誇ったように“アダムの唄”を指差す。
だが、否定するように傳は首を横に振った。
「相手は神様だよ?人間が太刀打ちできるはずがなかった……」
:08/08/14 01:19
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:Ex7GHojw
#88 [紫陽花]
盗むところを神に目撃されたアダムは急いでイヴのもとへ走り出し、逃げようとした。
だけど神は神力と呼ばれる不思議な力を持っていたから、逃げるアダムを追いかけながら日記を燃やそうとしたんだ。
邪悪な知識を手に入れてしまったアダムに渡すぐらいなら燃やしちゃえと思ったんだろうね。
「ちょ、神様どんだけ短気……」
「それだけこの本は大切なものだったってこと……」
:08/08/14 01:20
:F905i
:Ex7GHojw
#89 [紫陽花]
日記にはこれから地球にどんなことが起こるかが事細かに記されていたからね。
今から地球に降り立つ自分たちに神の日記さえあれば、どんな天災も回避できる。
アダムはそう考えたんだよ。
まぁ、神は日記を燃やすことに成功したんだけど、アダムは神と同じぐらい頭のキレる奴だった。
その証拠に神に本を燃やされる寸前に2〜3頁を素早く破り地球へと持ち去った。
:08/08/14 01:22
:F905i
:Ex7GHojw
#90 [紫陽花]
「それが“アダムの唄”の元となるものだよ……」
真夏の夜、宇峰家には傳の声だけが響き渡っていた。
誰一人と口を開くものはおらず、傳の話に耳を傾ける。
そして傳の話はまだ続く。
「地球に降りたったアダムは盗んだ日記を元に、ある一冊の本を作った……」
その本には原本である神の未来予想日記に似た、数々の予言が記された。
:08/08/14 01:23
:F905i
:Ex7GHojw
#91 [紫陽花]
まぁ、アダムも神様の子である以上、未来を推測または予測するぐらいの能力は持っていたみたいだから。
「神の未来予想日記の切れ端から作られた本が、この“アダムの唄”なんだ……!!」
話し終えた傳は央里の瞳を見ながら、事前に真紀に出されていた水を一口のんだ。
:08/08/14 01:24
:F905i
:Ex7GHojw
#92 [紫陽花]
“おいおい、突拍子すぎだろ……”
たった5分程度話を聞いただけなのに、央里はまるで映画を見た後のような気だるさを感じていた。
この古びた本にこんな過去が隠されていたなんて……。
最初はただのタネも仕掛けもあるおかしな本とばかり思っていた。
興味本位で話を聞いたものの、この本の壮大な過去に見合うほどの反応をどうやって見せたらよいのか分からない。
:08/08/14 01:25
:F905i
:Ex7GHojw
#93 [紫陽花]
「なぁ、これ……って、本当に全部事実だよな?」
何も言わず傳は頷いた。
「その証拠に、ここを見て……」
傳は“アダムの唄”の表紙をめくり、1頁目を央里に見せた。
茶色く変色した紙に黒いインクで書かれたような文字が記されている。
「なんだこれ?日本語でもないし英語でもない……」
薄い茶色の紙の上には子供の落書きのような、何かの記号のような、不思議な“形”をしたものが書かれていた。
:08/08/14 23:06
:F905i
:Ex7GHojw
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