○アダムの唄○
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#91 [紫陽花]
まぁ、アダムも神様の子である以上、未来を推測または予測するぐらいの能力は持っていたみたいだから。

「神の未来予想日記の切れ端から作られた本が、この“アダムの唄”なんだ……!!」

話し終えた傳は央里の瞳を見ながら、事前に真紀に出されていた水を一口のんだ。

⏰:08/08/14 01:24 📱:F905i 🆔:Ex7GHojw


#92 [紫陽花]
“おいおい、突拍子すぎだろ……”

たった5分程度話を聞いただけなのに、央里はまるで映画を見た後のような気だるさを感じていた。

この古びた本にこんな過去が隠されていたなんて……。

最初はただのタネも仕掛けもあるおかしな本とばかり思っていた。

興味本位で話を聞いたものの、この本の壮大な過去に見合うほどの反応をどうやって見せたらよいのか分からない。

⏰:08/08/14 01:25 📱:F905i 🆔:Ex7GHojw


#93 [紫陽花]
「なぁ、これ……って、本当に全部事実だよな?」

何も言わず傳は頷いた。

「その証拠に、ここを見て……」

傳は“アダムの唄”の表紙をめくり、1頁目を央里に見せた。
茶色く変色した紙に黒いインクで書かれたような文字が記されている。

「なんだこれ?日本語でもないし英語でもない……」

薄い茶色の紙の上には子供の落書きのような、何かの記号のような、不思議な“形”をしたものが書かれていた。

⏰:08/08/14 23:06 📱:F905i 🆔:Ex7GHojw


#94 [紫陽花]
「これはイルドュラス文字といって、神の住む世界で使われていたと言われる文字だよ……」

央里が物珍しそうにイルドュラス文字を眺めた後、ピクッと何かに気付いたように頭を上げた。

「なぁ、お前はこれが読めんの?」

「僕はこの文字をひらがなを学ぶ前に覚えさせられたんだ。だから読むことが出来るよ……」

文字を学んだ日々が懐かしいとでもいうように、どこか穏やかな優しい口調で答えた。

⏰:08/08/14 23:06 📱:F905i 🆔:Ex7GHojw


#95 [紫陽花]
「そして、ここにはこう書いてある。『私たちの子孫はやがて地中から生活に変化をもたらす油を手に入れるだろう』ってね……」

「油?……まさか油って!?」

「そう。今の僕たちの生活を支えている“石油”を表している……」

もちろん何万年、何億年前に石油の存在を知る者などいない。

なのに“アダムの唄”は、はっきりと石油について予言を記している。
これは神とアダムの予言の力の証拠だ。
他にも色々な予言が書かれててあるよ。

そしてまた傳は1頁めくった。

⏰:08/08/14 23:08 📱:F905i 🆔:Ex7GHojw


#96 [紫陽花]
「ここからまた予言が始まるんだけど「ちょっと待て」

さらに説明を続けようとする傳の言葉を央里が遮った。
傳は突然の言葉に驚いたように央里を見る。

「なぁ、大事なことを忘れてたけど、その神様の日記と俺がなんで関係あんだよ?」

神だの予言だの自分には全く関係ないファンタジーなことばかり話されてもピンとこない。

それによく考えてみれば、何故自分のことから、こんなに話が肥大しているのかも分からない。

⏰:08/08/14 23:09 📱:F905i 🆔:Ex7GHojw


#97 [紫陽花]
「そのことは父さんから話そう」

今まで沈黙を守っていた衛が急にしゃべりだした。

「衛さん……」

「説明ありがとう。でも、ここからは宇峰の問題だからね。ちょっとだけ口を挟ませてもらうよ」

そして衛は顔だけを隣にいる央里に向け、ニヤリと笑って

「ちょっと長くなるけど集中しろよ」

そう忠告した。

⏰:08/08/14 23:12 📱:F905i 🆔:Ex7GHojw


#98 [紫陽花]
アダムは人間だ。
だからいずれ死を迎える。

そこら辺のことを考えてアダムはイヴと共に、生きているうちに沢山の子孫を残していった。

といっても、せいぜい10人程度だったらしいが……。

たが、そこで大事なことはアダムたちが子を作ったってことじゃない。

その子孫たちにアダムの素晴らしい才能が分け与えられたってことだ。

⏰:08/08/14 23:13 📱:F905i 🆔:Ex7GHojw


#99 [紫陽花]
アダムは唯一の神から生まれた人間。
だから神も自分の持つ才能を全てとはいかないが、数多く与えた。

「は?才能って?」

黙って話を聞いていた央里だが思わず疑問を口に出していた。

「ん〜……例えばクラスに一人は、ずば抜けて足の速い人いるでだろ?その人はアダムの『俊足の才』を持ってるんだよ」

頭のいい人は『勉学の才』
話が上手い人は『話術の才』
とか色々才の種類はある。

そして必ず一人一つ才を受け継ぐようにアダムの血のシステムが、我々の体の中には造られているんだ。

⏰:08/08/14 23:14 📱:F905i 🆔:Ex7GHojw


#100 [紫陽花]
「じゃあさ、俺にもその才ってのがあんの?」

「もちろんさ!!」

得意そうに衛は断言した。
切れ長の目を不自然なぐらい少し垂らしながらではあったが。

だが、そんな衛を横目に見ながら央里は一瞬真紀の瞳が悲しげに曇ったことを見逃さなかった。

「じゃあ聞くけど、お袋。俺の才って何なの?」

⏰:08/08/14 23:18 📱:F905i 🆔:Ex7GHojw


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