短編集
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#192 [◆LOSh2yD9/c]
「…お前何言ってんの?」

「俺昨日コイツと逢ったぜ?!」

俺が興奮気味に話していると、友人は若干呆れ顔で言った。

「…な訳ねーだろ、有名人だぜ?第一この人今日本にいないし。どーせ似てただけだろ」

「……だよなーははは」

そりゃそうか

良く見れば髪型とか違うし、似てるだけだよな〜

しかもそんな有名な奴が、ふらふらあんな所にいる訳ないしな!

⏰:09/04/19 03:45 📱:F906i 🆔:☆☆☆


#193 [◆LOSh2yD9/c]
「でも俺この人の描く絵、何気好きなんだよね」

「絵?」

「ああ、この人外国では結構名の知れた画家だぜ」

「画家あ?」

「うん、ほら見てみろよ」

そう言って雑誌を開き、作品が載っているページを捲り俺に見せてきた。

「うわっすげー…」


俺はまじまじと雑誌を眺めた。

⏰:09/04/20 00:18 📱:F906i 🆔:☆☆☆


#194 [◆LOSh2yD9/c]
色鮮やかに描かれている"それ"は、絵心を知らない俺でも、その人が何故有名であるか充分理解出来た。

流石、雑誌に取り上げられることはある。

「だろ?只、日本ではあんま知名度がないのが残念なんだよなー。まぁ外国で活動してるみたいだから仕方ないんだけど」

「へぇー、全然知らねーや」

「てかお前は他の画家も知らねーだろ!」

「ははっ確かに!」

「絵とか好きな奴なら日本人でも知ってる奴多いと思うぜ」

⏰:09/04/20 00:26 📱:F906i 🆔:☆☆☆


#195 [◆LOSh2yD9/c]
――そして今日の全ての講義が終わった。

帰り支度を済ませ、学校を出る。

自然と俺の足取りは速くなった。

今日は学校が終わるの早いけど、アイツはもういるのだろうか。



―俺が公園に着くと

昨日と同じ場所に、同じニットと眼鏡をかけた"奴"が、もう其処にいた。

俺の気配に気付いたのか、奴が振り返る。

⏰:09/04/20 00:30 📱:F906i 🆔:☆☆☆


#196 [◆LOSh2yD9/c]
「よう、今日は早いんだな」

「…どうも。アンタこそ、昨日はちゃんと寝られたのか?」

「ああ、もうバッチリだ。久々の長い睡眠だった」

心なしか、表情が少し明るくなったような気がして安心した。


俺は奴の隣に座り、スケッチブックを覗く。

「うお!」

「何だ」

そこにはほぼ完成した、昨日まで書きかけだった風景画があった。

⏰:09/04/20 00:32 📱:F906i 🆔:☆☆☆


#197 [◆LOSh2yD9/c]
「すげー!もう完成ですね!」

「まだだ。ここからが重要なんだよ」

「え〜完成じゃないの?」

「細かい作業があんの。仕上げが大切」

「ふーん」

そうして、奴は丁寧にペンを走らせ始めた。

時折見えずらい、と言ったように眼鏡をずらしたりしている。

「…なぁ、そいやそれ伊達なんだろ?作業しにくいなら、描く時ぐらい外せばいいじゃん」

⏰:09/04/20 02:08 📱:F906i 🆔:☆☆☆


#198 [◆LOSh2yD9/c]
「……この公園は、人があまり来ないのか?」

「は?」

またコイツは突拍子もないことを…

「んー、昔からあんま賑わうような場所じゃなかったし、最近じゃ子供も少なくなったから遊びに来る奴も減ったと思うぜ」

「…通りでな」

「え?」

「いや、昨日から思っていたんだが、昼間からずっといても、犬の散歩してる人やジョギングしてる人ぐらいしか見かけなかったから」

⏰:09/04/20 02:31 📱:F906i 🆔:☆☆☆


#199 [◆LOSh2yD9/c]
「だろうね。此処に公園がある場所が場所だし」

「そうか」

奴はそう言うと、ニット帽と眼鏡を外した。

「こーゆーの、煩わしくて嫌い」

「だから!嫌ならやんなきゃいーだろ!」


俺たちは笑い合う。

何だろうな、玲司とはまた違った安心感。

コイツと一緒にいるのは居心地がいい。

⏰:09/04/20 02:33 📱:F906i 🆔:☆☆☆


#200 [◆LOSh2yD9/c]
「その絵さ、今日中に終わるの?」

「お前、俺を誰だと思っている」

「っああー!!」

「突然何だ」

「何だかんだで言い忘れてたけど、俺、霧咲湊って言います宜しく!」


コイツに「お前」って言われて思い出した。

俺まだ名乗ってないし聞いてない!

でも俺が急に勢い良く自己紹介したもんだから、奴には可笑しかったようで急に笑い出した。

⏰:09/04/20 02:38 📱:F906i 🆔:☆☆☆


#201 [◆LOSh2yD9/c]
「ふーん、お前…いや湊君は本当面白いな」

「…何笑ってんだよ。それに「君」はいらないよ」

「…そ?」

そう言って奴は頷くと、意味深な笑みを浮かべた。

んのヤロッ!ニヤつくなあああ


…何でかって?

馬鹿にされてるみたいだから!!

コイツに言われると特になっっ

⏰:09/04/20 02:40 📱:F906i 🆔:☆☆☆


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