【コラボ企画】秋のラノベ祭り投下スレ【withイラスト板】
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#240 [No.010◆vzApYZDoz6]
日射しが強い。
見渡す限りの砂漠。渇いた砂粒が吹き荒ぶ中、幾重にもうねる砂丘の中腹に彼女はいた。
焼き付くように照りつける太陽の光を背に受けて、彼女はうずくまっている。
やがて小さなため息をつき、目の前にある中身のない宝箱の蓋を静かに閉じた。
「これもハズレかぁ……」
手にしていた巻き紙を広げ、目を細めて繁々とそれを眺めた。
1人の男が残した置き手紙。
祖国の英雄であり、実の父親でもあるその男が彼女の前から姿を消したのは、およそ2年前。
早朝、彼女が男を起こすために向かった時には、すでにもぬけの殻と化していた部屋。
その中央に置かれた羊皮紙には、ある大陸の地図に加えて男の筆跡で一文が記されていた。
『近く蛻と成るその日までここにいる。願わくば捜し当てよ』
当時は祖国から捜索隊が編成されもしたが、消えた目的すら不明なために暫くして捜索は打ち切られた。
だが彼女は捜し続けた。
『蛻』とは死者の事。つまりそれは、男の死期が近い事を示唆する手紙だった。
彼女は手紙が自分宛であると思っていた。
俗世を嫌った父親の最初で最後の我儘に、自分を付き合わせたのだろう、と。
「……次は何処だっけ」
物思いに耽る思考を振り払い、紙を丸めて立ち上がる。
コンパスを取り出して目指す指針を確認した。
次は、北だ。
「絶対に見つけてやるんだから」
果てなく続く砂漠の道を、彼女は1歩踏み出した。
:08/11/03 19:28 :P903i :LUmIhgZI
#241 [◆vzApYZDoz6]
>>240『父を求めて三千里』
これは作者の中で設定が浮かびまくって、泣く泣くSSSにしました
なんか親父の手紙の暗号を考えたりしたなー
:08/11/03 19:30 :P903i :LUmIhgZI
#242 [No.011◆vzApYZDoz6]
先日、中学の同窓会があった。
僕は出席したけど、同じクラスのサラは諸事情で行けなかった。
「また机に座って…胸見えてるぞ」
「いいじゃねーか。触りたきゃ触ってもいいんだぜ?」
「馬鹿。…ほら、写真。みんなサラに会いたがってたよ」
「おおー、みんな元気そうだな…誰だこれ? え、岸田? すごい変わりようだな…やっぱ女は変わるもんだなぁ」
「あとは、水嶋と黒崎が付き合ってるんだってさ」
「そういや卒業前に告ってたなアイツ! そうか、うまくやってんだなぁ…」
「それで、今度サラんちに遊びに行きたいって言ってたんだけど…」
「あー…まぁ無理だな。ばーちゃんの事もあるし」
「様子は? どうなんだい?」
「あいっかわらず。俺が誰なのかもわかってねぇよ」
「……良くなるといいね。そしたら今度はサラも……」
「いや、いいんだ。良くならない病気だしな。
……俺さ、働くまでばーちゃんに恩返しなんてできやしねーとか思ってて、早く大人になりたいとか思ってたじゃん?
でも今さ、高校生のままで恩返しできてるわけじゃん? 超ラッキーじゃね?」
その言葉が強がりなのは痛い程に判っていて、僕は何も答えられなかった。
いくらか本心が混ざっていたとしても、掛ける言葉が見つからなかっただろう。
僕はこの粗野で乱暴で愛に溢れる口の悪い少女を、今のクラスメイトと同じように嫌うなど、考えられなかった。
いつまでも一緒にいたいと、そう強く願った。
:08/11/03 19:31 :P903i :LUmIhgZI
#243 [◆vzApYZDoz6]
>>243『クラスメート』
仲良くなるには、何だかんだで時間がいる
高校の友達だって、最初はそういうもんだと思う
:08/11/03 19:33 :P903i :LUmIhgZI
#244 [◆vzApYZDoz6]
:08/11/03 19:34 :P903i :LUmIhgZI
#245 [No.012◆vzApYZDoz6]
ξ゚听)ξ「あら、中の人じゃない。あんた傘もささずに何やってんのよ」
(;^ω^)「……おっ!? 僕なんでブーンになってるお!? ってなんか喋り言葉も変わってるお!」
ξ゚听)ξ「知らないわよ。にしても携帯でブーン小説は厳しいものがあるわねー、AAが行の半分埋めてるじゃない」
( ^ω^)「確かにせまっ苦しいお。『イラストがツンとブーンみたい』って言われたからやってみたけど、どうにも携帯には向いてないお…タグ使えば大丈夫かお?」
ξ゚听)ξ「一応知らない人のために説明すると、ブーン小説ってのは2chはニュー速VIP板で投下されてる小説よ。会話が多いのと、AAが会話の頭にくる以外は普通の小説と変わんないけど。まぁこんな感じだと思えばいいわよ」
( ^ω^)「3行で」
ξ゚听)ξ「VIPで投下
AAあり
あとは一緒
……なんか産業説明も端っこすぎてしまらないわね…っていうか産業するほど難しいこと言った?」
(;^ω^)「ところであまり2ch用語は使わない方が…」
ξ゚听)ξ「って、じゃあなんでこんなテイストなわけ?」
( ^ω^)「僕が投下したイラストだからやりたい放題だおwww読者の期待?知らねーおwww」
ξ#゚听)ξ ビキビキ
(;^ω^)サーセン
:08/11/03 19:35 :P903i :LUmIhgZI
#246 [◆vzApYZDoz6]
>>245『中の人と対話、その2』
『ツンとブーンっぽい』って言われたからやってみた。後悔はしていない。反省はしてる。
ブーン系は容量も食うなぁ…
:08/11/03 19:37 :P903i :LUmIhgZI
#247 [No.013◆vzApYZDoz6]
どれくらい時間が経ったか。
夜中の河川敷。真ん中に立っている木刀を持つ男の周囲には、少なくとも50人は倒れている。
「ちっ…いい加減諦めろよ!」
それでもなお、100人近い人間が男を囲っていた。
男への攻撃がないわけではないが、殆んど当たっていなかった。
当たっても致命傷にすらなっていない。
この抗争が終わるには、群がる人間がごめんなさいもうしませんと謝って帰るか、もしくは男に全員倒されるか、その2つしかなかった。
「俺は途中でやめる気はない。抜かれるわけにはいかないからな」
男は1人ではなかった。だが、戦えるのは男1人しかいなかった。
背後には、絶対に抜かれてはならない場所がある。
「俺は死なないぜ。いつか俺が俺を殺すまでな!」
体当たりしてきた相手の頭を木刀で叩き割り、男は再び前進した。
:08/11/03 19:37 :P903i :LUmIhgZI
#248 [◆vzApYZDoz6]
>>247『殺し屋さん』
人は大なり小なり護るものを持っています。
:08/11/03 19:39 :P903i :LUmIhgZI
#249 [No.014◆vzApYZDoz6]
「俺はエスプレッソください」
「じゃあ俺は牛乳で。冷たいヤツね」
「はいっ? …あ、かしこまりました、牛乳ですね」
「……おい中の人よ、やる気あんのか?」
「不細工な店員ならあんな注文はしないぜ俺は」
「じゃなくて中の人シリーズやりすぎだろ! まだ14なのに3回目ってさすがに多いぞ!」
「おk、把握したから時に落ち着け。ほら来たぞエスプレッソと牛乳」
「仕方ないな。…お、美味い」
「僕はコーヒー飲まないんですよ。嫌いじゃないんですけどね」
「いきなり敬語になるなよ。読者が困惑するぞ」
「いやどっちがどっちか分かりづらかったからさ。ところで俺には君がDir en grayの京くんにしか見えないんだが」
「また何て言えばいいのかわからんことを言うな…」
「まぁこれが言いたかっただけなんだけどね」
「絶対やる気ねーだろてめぇ!!」
:08/11/03 19:40 :P903i :LUmIhgZI
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