【コラボ企画】秋のラノベ祭り投下スレ【withイラスト板】
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#247 [No.013◆vzApYZDoz6]
どれくらい時間が経ったか。
夜中の河川敷。真ん中に立っている木刀を持つ男の周囲には、少なくとも50人は倒れている。

「ちっ…いい加減諦めろよ!」

それでもなお、100人近い人間が男を囲っていた。
男への攻撃がないわけではないが、殆んど当たっていなかった。
当たっても致命傷にすらなっていない。

この抗争が終わるには、群がる人間がごめんなさいもうしませんと謝って帰るか、もしくは男に全員倒されるか、その2つしかなかった。

「俺は途中でやめる気はない。抜かれるわけにはいかないからな」

男は1人ではなかった。だが、戦えるのは男1人しかいなかった。
背後には、絶対に抜かれてはならない場所がある。

「俺は死なないぜ。いつか俺が俺を殺すまでな!」

体当たりしてきた相手の頭を木刀で叩き割り、男は再び前進した。

⏰:08/11/03 19:37 📱:P903i 🆔:LUmIhgZI


#248 [◆vzApYZDoz6]
>>247
『殺し屋さん』

人は大なり小なり護るものを持っています。

⏰:08/11/03 19:39 📱:P903i 🆔:LUmIhgZI


#249 [No.014◆vzApYZDoz6]
「俺はエスプレッソください」

「じゃあ俺は牛乳で。冷たいヤツね」

「はいっ? …あ、かしこまりました、牛乳ですね」

「……おい中の人よ、やる気あんのか?」

「不細工な店員ならあんな注文はしないぜ俺は」

「じゃなくて中の人シリーズやりすぎだろ! まだ14なのに3回目ってさすがに多いぞ!」

「おk、把握したから時に落ち着け。ほら来たぞエスプレッソと牛乳」

「仕方ないな。…お、美味い」

「僕はコーヒー飲まないんですよ。嫌いじゃないんですけどね」

「いきなり敬語になるなよ。読者が困惑するぞ」

「いやどっちがどっちか分かりづらかったからさ。ところで俺には君がDir en grayの京くんにしか見えないんだが」

「また何て言えばいいのかわからんことを言うな…」

「まぁこれが言いたかっただけなんだけどね」

「絶対やる気ねーだろてめぇ!!」

⏰:08/11/03 19:40 📱:P903i 🆔:LUmIhgZI


#250 [◆vzApYZDoz6]
>>249
『中の人と対話、その3』

いや……似てない?
とりあえず反省はしてます。ごめんなさい。

⏰:08/11/03 19:41 📱:P903i 🆔:LUmIhgZI


#251 [No.015◆vzApYZDoz6]
「泣いてるの?」

「えっ?」

「それとも笑ってるの?」

「……どうだろ。わかんない」

「そう。でも気にしてない」

「うん……ごめんね」

「どうして僕にあやまるの?」

「……わかんない」

「そう。でも大したことじゃない」

「うん……そうだね」

「泣き止んだね」

「えっ?」

「なんでもない」

⏰:08/11/03 19:41 📱:P903i 🆔:LUmIhgZI


#252 [◆vzApYZDoz6]
>>251
『私と涙』

なんか『僕と影』っぽくしようと思ったがネタが全部思い付かなかった。すまん。

⏰:08/11/03 19:42 📱:P903i 🆔:LUmIhgZI


#253 [No.016◆vzApYZDoz6]
「さぁ始まりました恒例の中の人シリーズ! 今回で早くも4回目となったこのシリーズですが、今回のゲストの制服の女の子さん、どうですかお気持ちは?」

「『早くも』って分かってるなら自重したほうがいいんじゃ…」

「これがNo.016だから、ざっと考えて4回に1回。まだ大丈夫…だと思います多分」

「いや大丈夫じゃないと思うんですが…だって私の中の人であるMIさんのイラスト4つ使った内、2回も中の人シリーズってのはさすがに…」

「……正直に言うとネタが思い付かなかっただけなんです。後回しにしまくった結果なんです。ごめんなさい」

「……まぁ、がんばってください…」

⏰:08/11/03 19:43 📱:P903i 🆔:LUmIhgZI


#254 [◆vzApYZDoz6]
>>253
『中の人と対話、その4』

なんかもう何言っても言い訳にしかならないので何も言いません。ごめんなさい。

⏰:08/11/03 19:44 📱:P903i 🆔:LUmIhgZI


#255 [No.017(1/2)◆vzApYZDoz6]
これは、とある女の人のお話。


美しい緑野の丘。
暖かい陽気をもたらす太陽の下では、たくさんの色鮮やかな花が咲き誇り、甘い香りに誘われた蝶々がひらひらと舞い遊んでいます。

そんな緑野の片隅で、彼女は1人で住んでいました。
彼女は花を摘んだり蝶々と戯れながら、たった1人で住んでいました。


彼女が1人、周囲の人間から離れるには、理由がありました。
美しく平和な世において、彼女は調和を乱してしまうからです。

彼女の手にかかると、すべては正常に動きませんでした。

水を汲もうと井戸車を回転させれば、それは土を掘りました。
辺りを照らそうと松明を握れば、たちまち火が燻りました。
会話に混ざろうと隣人たちの中に入れば、いつも隣人たちを困惑させました。

だから、彼女は1人でいなければなりませんでした。

それでも丘の住人たちは孤立した彼女を憐れみ、手を引いて調和の中に引き戻そうとします。
でも、それに従った結果はいつも同じでした。

いつしか彼女は、手を引かれる事を拒むようになりました。

そうしても『孤立した存在がある』という事実が丘の住人たちを苛み、調和を乱してしまいました。

彼女と世界の間には、越えがたい隔絶が横たわっていました。

そんな彼女には、双子の妹がいました。

⏰:08/11/03 19:46 📱:P903i 🆔:LUmIhgZI


#256 [No.017(2/2)◆vzApYZDoz6]
世界に受容されない彼女に対し、妹は世界に寵愛されていました。
彼女は妹を介してでしか調和を手にすることができません。

土を掘った桶に妹が触れれば、土はたちまち水へと変わりました。
燻り煙が立つ松明を妹が握れば、みるみるうちに立派な火が灯りました。
妹が彼女の手を引いて隣人たちの中に入れば、そこには笑顔が溢れました。

情深く慈愛に満ちた人格の妹は、関わる全ての人々に幸福をもたらしました。

彼女も妹が側にいるとき、あるいは妹の呼び掛けに手を振るときなどは、気持ちが多く満たされていました。

いつしか彼女は、妹を欲し妹と共にありたいと強く望むようになりました。
それに連なり、彼女が妹の側にいる時間は長くなっていきました。

しかし、美しく平和な世において、彼女が正常者になることを、世界は拒みました。

世界が拒んだその瞬間、天に雷雲が立ち込めます。
雷鳴が轟き、彼女の側にいた妹は稲妻と共に雷に打たれました。

物言わぬ姿となった妹を見た他の住人たちは、とうとう耐えきれず、調和を乱す彼女を罵ります。

彼女は住人たちを拒みました。
住人たちの罵詈雑言に、耳を抑えて悲鳴を上げました。

その瞬間、再び雷鳴が轟き、雷が次々と住人たちを打ち付けていきました。

彼女は妹の亡骸を抱え、一晩中悲哀に暮れました。

いつの間にか眠ってしまった彼女が目を覚ますと、妹はおらず、さらには物言えず耳も聞こえなくなっていました。

代わりに調和を手に入れた事に彼女が気付くのは、彼女が永遠の孤独を認識する直後の事でした。

⏰:08/11/03 19:47 📱:P903i 🆔:LUmIhgZI


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