WHITE★CANDY
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#681 [ぎぶそん]
練習を開始してから三日目。
放課後、ダンス練習を行う前に最初に話し合いが行われた。
内容は本番の衣装とその予算という、現実的な問題についてだった。
「衣装や小道具の件ですが、正規の値段で全部買い揃えようとするなら、高校生のお小遣じゃとても買えません。
かといって体操服姿だとせっかくの舞台も地味な感じになると思います…。
何かいいアイデアはありませんか?」
女子しかいない教室内で、教壇の上に立つエリが皆に問い掛ける。
:11/05/18 16:31
:SH705i
:nnGcJuEI
#682 [ぎぶそん]
「あの…」
高田さんという、普段は物静かな子が手を挙げた。
「上は黒のノースリーブシャツだけなら、皆何とかなるんじゃないかな?
下は体操服の長ズボンで。
ほら、戦ガーがそんな衣装してたじゃない?」
「高田さん、ナイスアイデア!」
エリが思わず目を見開く。
皆で彼女に歓声の拍手を送る。
こうして、ネット通販に詳しい古文の先生からの協力を元に、ノースリーブシャツを人数分だけ業者に発注してもらうことになった。一人ひとりの予算を千円以内に抑えられた。
:11/05/18 16:47
:SH705i
:nnGcJuEI
#683 [ぎぶそん]
「はあ…」
お風呂上がりに、部屋にある三面鏡の前でため息をつく。
額に吹き出物が幾つか出来ていた。
それらを人差し指で小さくなぞる。
高校に入学してから、おでこのニキビは出来たり治ったりを繰り返していた。
―思春期だし、これくらい仕方ないよね。
全く気にならない訳ではないが、自然に出来るものだし気にしてもしょうがない。
自分で自分を納得させ、三面鏡の扉を閉める。
:11/05/18 16:55
:SH705i
:nnGcJuEI
#684 [ぎぶそん]
麦茶を飲もうと一階まで下りた。
「あ、ドラマに梅原春佳が出てるぞ!」
リビングのソファーに腰掛けていた東吾兄が、私に注意を促すように伝える。
彼の言うとおり、彼女がドラマの中で女子高生役として出演していた。
髪型も制服もシワ一つない。高画質のテレビで観ても吹き出物一つない美しく白い肌。
これがアイドル。プロの世界なんだ。
私はおでこに出来たニキビたちを改めて触った。不快な感触だった。
―明日、薬局で薬用クリームを買おう…。
:11/05/18 17:05
:SH705i
:nnGcJuEI
#685 [ぎぶそん]
翌朝。
「おはよう!練習はどうだ?」
誰かが後ろから優しく肩を叩く。優平だった。
珍しく彼と玄関先で一緒になった。
「まあ、ぼちぼちかな。
優平たちのクラスの出し物は決まったの?」
「俺らは漫画『星くずロック』の劇やることになったよ。
知ってる?留年した高校生が一念発起にクラスメートとバンド始めるみたいな内容なんだけど。
それで俺が主人公、つまりギターボーカルやることになって…
今頑張って歌とギターの練習やってるんだ」
そう説明する彼の肩にはエレキギターが掛けられていた。
:11/05/18 17:16
:SH705i
:nnGcJuEI
#686 [ぎぶそん]
「へぇ、凄いじゃん!」
溢れ返る人だかりの中で思わずはしゃいだ。
しかし私は咄嗟に額全体を手の平で隠した。
―おでこのニキビ、優平に見られたかな!?
「どうした?熱でもあるのか?」
彼の手がこちらに伸びてくる。
「何でもない!じゃあ私、先行くね!」
私はその手から逃げるようにして立ち去った。
―もっと話したかったのに…。
でも優平のギターボーカル楽しみだなあ。
それこそ正に「フェアオブフェアリー」じゃん。
ううん、優平の方がきっとかっこいい。
ファンの人には言えないけど。
:11/05/18 17:28
:SH705i
:nnGcJuEI
#687 [匿名ちゃん]
:12/03/13 18:15
:SH02A
:v9x.paY2
#688 [ぎぶそん]
>匿名ちゃんさん
アンカー有難うございます!
携帯が変わりました。
更新がぼちぼちになると思いますが、続きを書いていこうと思います。
:12/04/08 20:44
:Android
:TuwR5MCY
#689 [ぎぶそん]
それから三日後。ニキビ用クリームの効き目もさほど実感出来ない中、文化祭に向けての準備は着々と進んでいた。
夜、部屋に入ると新品のノースリーブを机の上にそっと置く。
副委員長の寺川さんがネット通販で人数分を注文してくれた奴だ。
それから戦ガーのライヴDVDをひたすら鑑賞し続ける。
梅田春佳の存在を自然と目で追いかける。
汗で少し湿った身体が色っぽい。
彼女には今、恋人や好きな人はいるのかな。
普段はどんな生活をしているんだろう。
芸能界に入って、辛かったことはあるのかな。
彼女のことを考えるうちに、私は気がつけば彼女の人生を想っていた。
:12/04/08 20:45
:Android
:TuwR5MCY
#690 [ぎぶそん]
文化祭まで後三日と迫った頃。
校門を入ってすぐにある大きな看板、校舎内にあちこち貼られてあるポスター、
練習や準備で校舎内を駆け回る生徒たち、学校全体にお祭りムードが漂っていた。
私自身も、ダンスの振り付けは何も見ないで踊れるくらいにはなった。
放課後の練習も皆手慣れた感じでこなす。
「真希、手を出して」
休憩中、エリが駆け寄ってきた。
「え?」
「いいから」
半ば強引に彼女は私の手首に何かを身につけてきた。
:12/04/08 21:02
:Android
:TuwR5MCY
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