スーパースター、スーパーヒロイン
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#1 [Gibson]
もしも自分が、
テレビや映画に登場するような正義のヒーローになって、
世の為愛する人の為、悪と闘うことができたら…。
そう思うのは、
何も男の人ばかりじゃなくってよ…。
:09/02/02 22:43
:SH705i
:n9zyNbiU
#2 [Gibson]
:09/02/02 22:51
:SH705i
:n9zyNbiU
#3 [Gibson]
Chapter01
「指命と使命」
:09/02/03 00:17
:SH705i
:PmbMsxN.
#4 [Gibson]
私が小さい頃は、周りの女の子は皆、特撮ヒーローに助けられるヒロイン役に憧れてた。
でも私は、他の子たちとは違った。
もしもなれるなら、正義の名の元にある英雄になりたいと思う。
人々がピンチの時には颯爽と現れ、勇敢に悪に立ち向かい、
そして闘いが終われば、自分の名も告げずに去っていく。
そんなの、凄くかっこいいじゃない…―
:09/02/03 00:30
:SH705i
:PmbMsxN.
#5 [Gibson]
「飯島くん!このレポート、誤字脱字だらけだったよ!」
「は、はい!申し訳ございません…。」
私の名前は、飯島紗世子。21歳。
都内で暮らす、ごくごくフツーのOL…と言いたいところだけど、少々人よりドジや失敗が多いのが難点。
今日も会社の先輩に注意を受け、へこへこと頭を下げる。
:09/02/03 00:39
:SH705i
:PmbMsxN.
#6 [Gibson]
目の前の課長の、指摘を含む説教は続く。
私のお茶の入れ方や、挨拶の仕方までに話は至った。
「…という訳だよ!分かったかね!?」
お決まり"シメ"の言葉で、やっとのことで解放される。
10分か、今日は短い方だ。
重い足取りで、自分の席まで戻る。
「ハァ、また怒られちゃった…。」
「フフフ。次に生かせばいいだけよ!」
:09/02/03 00:55
:SH705i
:PmbMsxN.
#7 [Gibson]
隣に座る女子社員が、フォローの言葉を掛けてきてくれた。
彼女の名前は、小川ちひろ。
私の同僚でもあり、よき理解者である。
失敗ばかりの私とは違って、彼女は何でも卒にこなす。
でも、誰に対しても優しくて、私も彼女の言葉に何度も励まされた。
私、彼女がいなかったら、今頃会社に辞表出してたのかな…うん、出してた!
:09/02/03 01:03
:SH705i
:PmbMsxN.
#8 [Gibson]
昼の12時過ぎ。
「ファァ〜。やっとお昼だぁー!今日何食べる?」
体を大きく伸ばしながら、隣のちひろに確認する。
会社で一番楽しみな時間がやって来た。
「うーん、昨日は唐揚げ定食だったでしょー。
脂っこいものは避けたいわよねぇ。」
「ちひろはもっと食べなきゃって位、痩せてるからいいじゃん!
いいわ、今日はパスタにしよう!」
「えーっ。炭水化物。」
:09/02/03 01:14
:SH705i
:PmbMsxN.
#9 [Gibson]
カバンを持って、ちひろとオフィスを出ようとした時だった。
「あっ、二人とも…。」
後ろから、私たちを呼び止める声がする。
そこにいたのは、部の先輩の本田正彦さんだった。
かっこよくて、誠実で、仕事も出来て…
まさに白馬に乗った王子様みたい!
私が密かに憧れている人物。
そんな彼から話しかけられるなんて、今日はなんていい日だろう!
:09/02/03 01:30
:SH705i
:PmbMsxN.
#10 [Gibson]
「今からお昼?
良かったら、俺の行きつけのそば屋さんがあるんだけど、一緒にどうかな?」
「私たち、これからパス…っ」
マズイ!と思った私は、ちひろの言葉を遮るように、前に乗り出した。
「え〜!いいんですかぁ!?行きます行きます!是非ご一緒させて下さい!」
本田先輩に話し掛けられるだけじゃなく、お昼の時間を一緒に過ごせるなんて!
これがあるから、日々上司からのお説教にも耐えて生きてるのよ!
:09/02/03 01:41
:SH705i
:PmbMsxN.
#11 [Gibson]
「飯島さん、今日も元気いいねぇ!」
本田先輩の隣で、クスクスと笑う男がいる。
(ゲッ、小橋夏生…。)
同僚の男だった。
こんな風に、いちいち私に突っ掛かってくる所がキライ!
「あっ、彼も一緒だから。」
「よろしく〜!」
(あーん、本田先輩とのお昼ご飯に、とんだ邪魔が…。)
それから、会社近くのそば屋に4人で向かった。
:09/02/03 01:54
:SH705i
:PmbMsxN.
#12 [Gibson]
そば屋に着き、男性陣と女性陣が対立するように座る。
店内を見回す私。
老朽化がだいぶ進んでいて、壁の汚れが傷が目立つ。
先輩って、こういうこじんまりとした感じの店が好きなんだ。
要メモしとかなくっちゃ!
「…続きましては、次のニュースです。」
それぞれ注文を取り終えた所で、何気なく店内にあるテレビに目を向ける。
:09/02/03 02:09
:SH705i
:PmbMsxN.
#13 [Gibson]
「大手食品メーカー社長、九井信坊氏が、今朝未明、会社近くの川で水死体となって発見されました…」
ニュースの内容に、釘づけになる一同。
「うわー、またかー!」
「最近多いですよね、大企業のお偉いさんたちが、謎の死を遂げるの…。」
「うちの社長は大丈夫かな!?」
「うちは中小企業だから、その心配はないよ!(笑)」
:09/02/03 02:22
:SH705i
:PmbMsxN.
#14 [Gibson]
4人で真剣に話し込んでいると、人数分のざるそばがやって来た。
「…しかし、トップの人たちにこうも先立たれると、日本の未来が心配だな。」
先輩が、つゆに浸けたそばを勢いよく啜る。
「その辺は大丈夫でしょう!
有望な人材は、次から次に出て来ますから…。」
「それにしても、この不吉な連鎖、早くどこかでピリオドを打って欲しいわ…。」
:09/02/03 04:43
:SH705i
:PmbMsxN.
#15 [Gibson]
3人の真摯な会話を、傍らで聞いてるだけの私。
相次ぐ不可解な死か…。
何だか自分とは、別世界な話だと思ってしまう。
両親は健在だし、人生の中で大きな事故や災害に遭ったことも、目の当たりにしたこともない。
それより憧れの先輩オススメの、そばの味をしっかり覚えておくことに努めた。
:09/02/03 08:22
:SH705i
:PmbMsxN.
#16 [Gibson]
「飯島、それいつも身につけてるよな。」
そば屋からの帰り、本田先輩が私の首元を指差す。
「ああ、これですか?
死んだ祖母の形見なんです。
って言っても、私が2歳の時に亡くなったから、全然思い出とかないんですけどね。」
私が小学生の時、母に何故かこのネックレスを渡された。
祖母が亡くなる前、私にあげるようにと言ったらしい。
その理由は今になっても謎だけれど、淡く光る薄紫色の石が綺麗で、かれこれ十年以上気に入って着けてる。
:09/02/03 08:33
:SH705i
:PmbMsxN.
#17 [Gibson]
「…おっと、明日の取引先から電話だ。」
歩く途中、先輩の携帯電話が鳴る。
「…はい、はい。
了解いたしました。…」
丁寧にはきはきと話す先輩。
横顔も、少し出ている喉仏も素敵。
やっぱり先輩ってかっこいいな!
:09/02/03 08:48
:SH705i
:PmbMsxN.
#18 [Gibson]
夕方、仕事が終わる。
真っすぐアパートへと帰宅せずに、会社の近くのレンタルショップへと足を運ぶ。
週に二度は好きで訪れる。
「おっ!『ファイティングレンジャー』の新巻出てるじゃん!早速借りようっと!」
私、年甲斐もなく、特撮ヒーローや戦隊シリーズが好きなんだよね。
店内で物色するのも、このコーナーだけ。
同年代の子たちは、恋愛物のドラマや映画に夢中だと言うのに。
:09/02/03 08:54
:SH705i
:PmbMsxN.
#19 [Gibson]
アパートに戻ってから、まずシャワーを浴びて、今日一日の汚れを落とす。
お風呂から上がったら、二週間ぶりにパックをすることにした。
ひんやりしてて、実に気持ちがいい。
近所のスーパーで買った半額弁当に手をつけながら、さっそく今日借りてきたDVDを観る。
至福の一時。
:09/02/03 09:10
:SH705i
:PmbMsxN.
#20 [Gibson]
私がヒーローもので好きなのは、俳優の端整な顔じゃなくて、悪者とひたすら闘い続けるシーン。
全身を使って攻撃したり、様々な武器を使って敵を倒す所に、胸が痺れる。
私、男に生まれてたら、絶対アクション俳優かスタントマンを目指していただろうにな。
アクション女優も存在するけど、運動神経には全く自信ないから、現実では遠い夢のような話。
:09/02/03 09:23
:SH705i
:PmbMsxN.
#21 [Gibson]
ううん、創りものの中じゃなくて、もしも実在する世界で自分が正義のヒーロー、もといヒロインになれたら…―
なんて、私もとっくに成人しているし、実際に悪いことをしでかす怪獣どもは、存在しないことくらい理解している。
そして、事件や犯罪などは、警察に任せておけばいい。
うん、私の出る幕なんてこれっぽっちもないほど、世の中は成立してるんだ。
:09/02/03 09:38
:SH705i
:PmbMsxN.
#22 [Gibson]
―
「ん…。何…?!」
深夜、明日に備えて眠りに就いていた時だった。
窓の方から、何か叩くような音がする。
その気配で、目を覚ましてしまった。
:09/02/03 22:12
:SH705i
:PmbMsxN.
#23 [Gibson]
様子を見にベッドから下りて、窓の方へと向かう。
寝ぼけ眼で、部屋のカーテンを開けてみる。
「…キ、キャアッ!!」
目の前の光景を見て、私は腰が抜けて倒れ込んでしまった。
:09/02/03 22:17
:SH705i
:PmbMsxN.
#24 [Gibson]
そこに映っていたのは、一人の少女であった。
変質者か泥棒かと思ったら、何と彼女の体は宙に浮かんでいるではないか。
「ゆ、幽霊…。」
生まれて始めて目にしたそれに、全身で身震いする。
「…飯島紗世子だな!?」
少女が話し掛ける。
:09/02/03 22:22
:SH705i
:PmbMsxN.
#25 [Gibson]
○初めて
×始めて
所々の誤字脱字をお許し下さい(>_<)
:09/02/03 22:24
:SH705i
:PmbMsxN.
#26 [Gibson]
「…な、何で私の名前を…!?」
「お願いだ。ここを開けてくれ。あなたと話がしたい。」
自分より随分幼く見えるが、冷静な態度で坦々と話す彼女。
「…イヤ…。イヤ…。」
咄嗟にテーブルの上にあった携帯を手に取り、誰かに助けを求めようとした。
あまり頼りたくない相手だけど、小橋夏生ならまだ起きてるはず。
:09/02/03 22:32
:SH705i
:PmbMsxN.
#27 [Gibson]
「…千葉瑠璃子。」
「え?」
「お主の祖母の名前で合っているな?」
「…。」
確かに、母親の母親はその人だけれど、
どうしてこの子が知ってるの…?―
:09/02/04 20:23
:SH705i
:WmLD0Z9A
#28 [Gibson]
「それから、お主のお尻にホクロがあるだろう!?」
「えぇっ!どうしてそれを…。家族しか知らないのに…。」
次から次に事実を言い当てる少女。
「とにかく、一先ずここを開けてくれ。何も妙なことはせぬ。」
「…。」
幽霊(?)だしね、金品を盗んでもどうしようもないよね…。
それに、さっきから窓越しで話し声が聞き取りにくいし…―
私は彼女の指示通り、窓を開けてみた。
:09/02/04 20:33
:SH705i
:WmLD0Z9A
#29 [Gibson]
「申し遅れた。
私の名前はナナという。」
少女が部屋に入ってきた。
その体はぷかぷか浮いている。
「ナナ…。」
「お察しの通り、私は人間ではない。かと言って、天国からやって来た訳でもない。
まあ、どこか別の星から来たのだと受け止めておいてくれ。」
「は、はぁ…。」
:09/02/04 20:41
:SH705i
:WmLD0Z9A
#30 [Gibson]
「何故私がお主の目の前に現れたのか、それが気になるのだろう?」
「ま、まぁ…。
言いたいことがあるならさっさと言って欲しいけど。
私も明日朝早いし…。」
その場で大きく欠伸をした。
時計の針は、深夜2時を指している。
「ははは。
何もお主を驚かそうと思ったり、暇つぶしにここにいるのではない。
重大な用件があって来たのだ。」
:09/02/04 20:49
:SH705i
:WmLD0Z9A
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