僕しか知らない君へ
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#101 [太郎]
ロマンチスト松野におどらされて、高1の伊月への誕生日プレゼントは、サプライズで手紙を贈った。笑
伊月はすごい気持ち悪がった…。笑
その上、「私、純はこうゆうことしないところが好きなんだよ〜」と笑われた。
即、松野を呪った。笑
その件以来、俺は松野のロマンチックな提案は一切きかない。
やっぱりイケメンの松野だからロマンチックな行動やセリフが似合うんだと思う。
ふん!
:14/03/14 00:46 :iPhone :iclR7c1M
#102 [太郎]
伊月はとゆうと、高1の後半くらいから、どんどん見た目が派手になっていった。
高校で出来た友達はギャルばっかりみたいで、プリクラを見せてもらったら俺とは住む世界の違う人間だ〜と、怖くなった。
って言っても、伊月のギャルレベルは、世間から見たら可愛い程度なんだろうが、もともとギャルな苦手な僕はルーズソックス、イコール、ギャル。だった。笑
どんどん化粧も濃くなって、髪型もコロコロかえて、付け毛…じゃなくてエクステつけたり、伊月はそのままのが絶対可愛いのに!
と、心底悔やんだ。父親の気分だった。
:14/03/14 00:50 :iPhone :iclR7c1M
#103 [太郎]
「どんだけ目の周り塗るの」
「髪の毛なんかきつい匂いするよ、シャンプーのいい匂いの伊月はどこいったんだい?」
「痛!爪なげぇよ。」
そんな姑並みの小言を毎日ぶつける俺。
最初の方は本当に嫌だった。
すっぴんのがほんとに可愛いと思ったし、そんな見た目してたら変な男が寄りつくって思った。
でも伊月はそこは譲らなかった。
若いうちしか出来ない事したいってひたすら説得された。
:14/03/14 00:54 :iPhone :iclR7c1M
#104 [太郎]
相変わらず嫉妬深く、小言はうるさい俺だったけど、伊月は伊月で、見た目は少しあか抜けたけど中身は変わらずに良い子そのもので、一緒に過ごす時間はすごく幸せだった。
学校で会えない分、デートがすごく楽しみになる。
あんなに嫌だった伊月の化粧や制服の着こなしも、だんだん見慣れてそれはそれですごく可愛いと思った。
「伊月は何しても可愛いなぁ〜、俺、今日の髪型好きだ!」
結局、激甘な僕。笑
:14/03/14 00:59 :iPhone :iclR7c1M
#105 [葵]
毎日チェックして読んでるので完成を楽しみにしです♪
:14/03/14 01:13 :SH-09D :3zFRWImQ
#106 [葵]
してますの間違いです(恥)
:14/03/14 01:15 :SH-09D :3zFRWImQ
#107 [太郎]
ありがとう!嬉しい!!
:14/03/14 10:56 :iPhone :iclR7c1M
#108 [太郎]
「これが真由で、これが亜弓〜、はい!覚えた?」
ある日、高校で撮ってきた写真を広げて高校で出来た友達を覚えさせようとする伊月。
「ん〜…みんな顔似てるな。」
「全然似てないよ!はい、じゃクイズね、これは?」
「真由!」
「違う!優香だよ!」
えっ、優香なんてはじめて聞きましたけど。笑
自分の連れを覚えて欲しがるのは彼女あるあるだよね?笑
:14/03/14 11:37 :iPhone :iclR7c1M
#109 [太郎]
そんな事をしながら、伊月の写真をパラパラ見てると、写真にうつる男子を何人か発見。
しかもみんな、イケイケな感じだ。笑
「おい、男とうつってんじゃん、これ!」
僕のヤキモチスタート!
「あ〜これは優香の彼氏だし、ここにうつってる子みんな彼女持ちだよ。」
いや、そうゆう問題じゃないんだ、僕の場合は。
伊月と仲良さげにうつってる時点で嫌なの!笑
:14/03/14 11:40 :iPhone :iclR7c1M
#110 [太郎]
でも、あまり強くは言えない僕。
実は高校になった時点で、お互いに異性の友達を作る為に、連絡先交換してもいいって約束をした。
俺も、器のでかい男になりたかったし、周りから俺はやりすぎだってすごい怒られたから、しぶしぶ了承した。
すると伊月の野郎はみるみる男友達を増やし、メモリにも男友達大量!←携帯は見ちゃう僕。笑、あっ、勝手には見たことないよ〜!
:14/03/14 12:02 :iPhone :iclR7c1M
#111 [太郎]
それに比べて俺は…。
女のメモリなんて、
伊月
母さん
親戚のおばちゃん
ばぁちゃん家
春田さん(中学時代の伊月の親友)
たったの5件だった。笑
学校でしゃべる女友達は、ロマンチスト松野のおかげで数人いたけど、わざわざ連絡先交換なんてしないし。
学校以外で関わろうとも思わないし。
強がりじゃないよ!笑
:14/03/14 12:06 :iPhone :iclR7c1M
#112 [太郎]
「おい、ブス!それ俺のコーラなんだけど!」
ある日の日常だった。
同じクラスの女子に罵声をあびす僕。
彼女の名前は里花。
「ちょっとくらい良いじゃん!ケチ!」
「おい…純…女の子にブスはないぞ!」
ここぞとばかりに女子側につくロマンチスト松野。
「コーラの恨みはしつこいぞ。そんなんばっかり飲んでるからデブるんだぞお前。」
:14/03/14 13:14 :iPhone :iclR7c1M
#113 [太郎]
俺は当時、有吉よりも先どったかなりの毒舌キャラだった。
別にあえてやってたわけじゃないけど、きっと性格の悪さが隠しきれなかったんだろう…。
でも、毒舌がキャラクター化してくれてるおかげで、俺は何を言っても許されてる感があった。
まぁ女の子にはそこまでキツイ事言ってたつもりはないけど、こいつ、俺の冷えたコーラを飲みやがった里花には特別毒を吐いていた気がする。
:14/03/14 13:17 :iPhone :iclR7c1M
#114 [太郎]
それにはちゃんと理由があって、ほんとに里花はしつこい。
天然なのかなんなのか、トボけた事をしつこく俺に話しかけて来るから思わずキツイ言葉をぶつけてた。
何を言ってもへこたれる感じじゃないし、それはそれで、異性の連れって感じで楽しく過ごしていたつもりだった。
ちなみに里花は、ほんとにぽっちゃり系で、水泳をやっているらしく肩幅も広くごつい。
顔は…普通…と、言っといてやろう。笑
:14/03/14 13:21 :iPhone :iclR7c1M
#115 [太郎]
「ねーねー、そういえばさ、純が言ってたプリン、なんてやつだっけ?多分うちの近所のコンビニ種類豊富だから、あると思うよ!」
「マジで!買っといてよ!」
僕は大のプリン好きなのです。
コンビニで売ってるただのプリンなんだけど、俺が行くコンビニはいつも売り切れてて悲しんでいるのは、みんなが知ってた。笑
「純の好きな奴かどうかいまいちわかんないし、朝行く時あって、欲しい時は買ってきてあげるよ!」
里花ちゃん、なんて良い子なんだ!
「おう!なにお前、今日なんか可愛いよ。笑」
:14/03/14 13:26 :iPhone :iclR7c1M
#116 [太郎]
「え?マジ??ちょっと痩せたかな〜どうしよ〜」
「いやそれはない。」
「じゃあさ、朝コンビニ寄るとき連絡するからアドレス教えてよ!」
「え?」
高校に入ってはじめて連絡先を聞かれた。
相手がこいつかい!って感じだったけど。
「いらない日に買ってきちゃったら嫌じゃん、何?教えたくないの?ひどいんだけどぉ〜!」
「いやいや、いいよ、ほれ。」
断る理由もないし、伊月ともちゃんと約束してるし、携帯を渡した。
:14/03/14 13:37 :iPhone :iclR7c1M
#117 [太郎]
相手が里花とはいえ、なんとなくやましい気持ちになる俺。
…いやいや、伊月なんてもっとたくさん男のメモリ入ってるし、関係ないよな。
と、自問自答。
それから里花とはちょいちょい連絡をとった。プリンの件以外でも。笑
しばらくそんな感じが続いていたある時、松野に言われた。
:14/03/14 14:07 :iPhone :iclR7c1M
#118 [太郎]
「絶対里花、お前の事好きだぞ!」
松野だけじゃなく、周りの奴に結構言われた。
確かによく会話はするけど、俺は絶対それはないと思っていた。
何故なら、里花はイケメン好きだからだ。
ジャニーズや、その時その時の人気俳優やら、ミーハーな里花。
しょっちゅう男の俺に、あれがかっこいいだの次はあれが好きだの言ってきた。
もうみんな気付いてると思うけど、俺はイケメンとは程遠いルックスなので、ありえないと思った。
:14/03/14 14:12 :iPhone :iclR7c1M
#119 [太郎]
それでもみんながしつこいので、俺はこの日里花に聞いた。
「なぁ里花って好きな人いないの?」
俺が興味あるって思われそうで嫌だったけど…里花にも、毎日のように伊月の自慢してたし、その心配ないらないか。
「えっ??」
里花は顔を真っ赤にした。
…もしかして、こいつ!!
「…誰にも言わないでよ??実は…松野くんが気になるんだよね。」
拍子抜けだった。
そして、少し勘違いした自分が恥ずかしかった。笑
イケメン好きの里花。
そして、正真正銘イケメンの松野。
これでつじつまがあった!
なるほど。
だから松野と仲良い俺にちょっかいだしてたわけね。
:14/03/14 14:54 :iPhone :iclR7c1M
#120 [太郎]
話を聞くと、松野に気付かれたくなくて、彼女いる俺に絡む事で、松野にも近付けるし…とゆう魂胆だったそうだ。
完全にカモフラージュに使われる俺。笑
でもなんかまぁ、俺の事好きだって噂される事もなくなるし、ホッとした。
いやでも、女心を大事にするなら、俺から松野にいうべきじゃないよな?
じゃあみんなに誤解を解けないじゃん!意味ない質問するんじゃなかった…。
そんな事とも知らず、里花はすっかり乙女の表情をしていた。
:14/03/14 14:57 :iPhone :iclR7c1M
#121 [太郎]
「じゃあ告っちゃえよ、今松野彼女いないよ。」
「あんたさぁ!簡単に言わないでよ、私みたいなのがOKもらえるわけないじゃん…。」
「うーん…まずはダイエットだな!」
「もう!コラ!」
それはそれで、このネタで里花をいじるのも楽しそうだな。
「そういや、伊月ちゃんとはラブラブ?」
里花と伊月は会ったことないけど、俺から話を聞くから里花は伊月のファンになってた。笑
:14/03/14 15:00 :iPhone :iclR7c1M
#122 [太郎]
「まぁなぁ〜。あ、これ、昨日撮ったプリント倶楽部。笑」
さっそく自慢。
「きゃ〜伊月ちゃんほんと綺麗!なんで純なんかと…もっとカッコいい人いっぱいいるのに…。」
「余計なお世話だ!」
こころの中では全くの同感だったけど…。
それにしても、片思い中の乙女に彼女を自慢するなんて、ほんと無神経だよね、僕。
:14/03/14 15:02 :iPhone :iclR7c1M
#123 [太郎]
それから、松野に何回も言っちゃおうかと思ったけど、良心が痛んで、誰にも言わないようにした。
その代わり、男子からのいじりは終わらない…。
里花は、俺を信用したのか、よく松野の事を相談するようになった。
一生懸命松野を想う姿を見てて、いつの間にか本当に2人が結ばれてほしいと望むようになってた。
里花も想いがどんどん大きくなるようで、松野の事で、夜中まで電話する事もあった。
:14/03/14 15:07 :iPhone :iclR7c1M
#124 [太郎]
ある日、伊月と俺の部屋で遊んでる時だった。
トイレから帰ると、伊月が俺を睨んでいる。
「え?何?」
伊月が俺の携帯を指差して言った。
「里花って誰?」
そういえば、伊月は俺の携帯には女はまだ5人しか入ってないままだと思っていた。
わざわざ報告するのもおかしいし…。
も、もしかして伊月、やきもち…?
俺は内心ワクワクしていた。笑
:14/03/14 15:11 :iPhone :iclR7c1M
#125 [太郎]
「あ〜クラスの奴。なんかアドレス聞かれた!」
「へ〜、いつも聞かれても断ってるのに珍しいね。どんな子なの?」
嫌味ったらしく聞いて来る。
これはヤキモチなのか?
嬉しい!笑
僕は今までヤキモチやくばっかりで、伊月からヤキモチ妬かれた事なんて一度もなかった。
「まぁ、普通に仲良い感じだったし断る理由もなく…どんな子って、全然可愛くねぇよ。伊月とは比べものにならない感じ!」
こうゆうこと言うのもなんかはじめてで嬉しい。笑
:14/03/14 15:14 :iPhone :iclR7c1M
#126 [太郎]
「もう!そうゆう失礼な事言わないの!ほんと純は女心をわかってないよ。」
と言いつつも、少しご機嫌は直った様子。
「ほんとだもん。高校入って連絡先交換したのその子くらいで、後は増えてないよ。伊月みたいにたくさん交換してないよ。」
「その子だけなんだ?そんなに特別なんだね。てか、電話だったから掛け直してあげなよ。」
か、可愛い。笑
伊月ちゃんでもヤキモチ妬いたりするんだぁ。ぽっ。笑
:14/03/14 15:18 :iPhone :iclR7c1M
#127 [太郎]
その場で掛け直さないとさらにプリプリする様子だったので、里花に着信。
「もしもし?」
『あっ、純?ごめんごめん。暇だったから電話してみた〜、今何してんの?』
「今彼女といるよ!悪いな!笑」
『マジで?なんか尚更ごめん〜。また明日ね!』
「いや全然いいよ、松野の話ならいつでも聞くからな。笑」
そう言って電話終了。
「松野の話…??」
:14/03/14 15:21 :iPhone :iclR7c1M
#128 [太郎]
松野には何回か会わせた事があったから、松野の名前にリアクションする伊月。
「あ〜この子さ、松野に惚れてんの!笑」
伊月になら、遠いし別に言ってもいいよね。
「そうなの??」
なんだかテンションの上がる伊月。
「完全にまだ片想いっぽいけどね。」
「なんだぁ〜そっか〜。えへへ」
「なに?伊月やきもち?」
ホッとした様子の伊月。
:14/03/14 15:24 :iPhone :iclR7c1M
#129 [太郎]
「だって、純が高校でどんな感じかわかんないし…私だって不安なんだからぁ。」
はぁ、可愛い!
大丈夫、全くモテてませんけど。笑
「もぉ〜伊月がいるのに他の女なんて、マジで興味ないよ俺、わかるでしょ!」
その後は2人で盛り上がっていちゃこいて…その後の行為は、省略。笑
でも、この伊月のヤキモチが最初で最後のヤキモチでした。笑
:14/03/14 15:28 :iPhone :iclR7c1M
#130 [太郎]
その後も、松野に対して何も行動を起こさない里花。
里花の想いを知っているだけにすごいもどかしかった。
早く進展が欲しい俺は松野にこっそり聞いた。
「なぁもしも今、里花が告ってきたら松野お前どうする?」
突然の問いに不思議そうな松野。
「え?里花?いや、無いっしょ。笑 お前もしかしてアリなの?伊月ちゃんとゆう美女はもう見慣れちゃった?!」
アーメン、里花。
なんかすまん…。
「そんなわけないだろ、僕は伊月オンリーだけどさ。」
:14/03/15 00:30 :iPhone :h2yuTCbc
#131 [太郎]
「しばらく彼女いないし、誰でも良いから付き合いところだけど、里花は無理だなぁ。さすがに。性格は良いんだけどねー。でも俺とは中身も合わなそう。」
やばい。里花。完全に無理だ、お前。涙
聞きたくなかった。
またしても、後悔の質問。
「…ふ〜ん。」
動揺するな、俺!
必死ですましたお顔をする。
可哀想だけど、あの様子じゃ今から里花がどんだけ努力しても、無理そうだ。
かと言ってそんな事里花に言えるわけもなく、俺は里花から松野の話を聞くたびに苦しくなるのである。
:14/03/15 00:36 :iPhone :h2yuTCbc
#132 [太郎]
それからまたしばらく経って、なんと松野に好きな人が出来た。
俺はこれはある意味里花が救われる気がした。
松野に好きな人が出来た事を言ったら、自然に諦められるかもしれない。
いや、傷つくかな。
ある意味、伊月以外の女の子に対してここまで頭を使ったのは初めてかもしれない。
とにかく里花の恋を最後まで見届けるつもりで、俺からも松野の話をふったりしてたんだけど、最近の里花は、なんだか様子がおかしい。
:14/03/15 00:44 :iPhone :h2yuTCbc
#133 [太郎]
松野が好きな人相手に盛り上がれば盛り上がるほど、そろそろ里花に言わなきゃまずいなって思ったし、とりあえず話したかったんだけど、学校ではまず俺と話さなくなった。
それにはたからみててもいつもより明るくなくて、俺には何かに悩んでるように見えた。
なんだよ、あいつ。
基本的に自分から話しかけないタイプの俺が、ついに里花を誘った。
「売店にパン買いに行かね??」
:14/03/15 00:47 :iPhone :h2yuTCbc
#134 [太郎]
結構久々に話しかけるし、変に緊張した。笑
「えー!どうせ奢れとか言うんでしょ?やだぁ〜」
案外いつもと変わらない接し方をしてきたけど、なんやかんやでお断りされた。笑
結局話すことは出来ずに、なんかモヤモヤしてた。
だって、毎日のように話しかけてきてあーだこーだ話してた奴が、いきなり俺の存在無視だぞ?ひどくね?笑
女はそうゆう生き物なのか?涙
:14/03/15 00:51 :iPhone :h2yuTCbc
#135 [太郎]
絶対なんかあったな、と思って気になる俺は、ついに電話をかけることにした。←しつこいよね。笑
夜中だった。
最近じゃメールも電話もよこさない。
俺から用もなく電話するのははじめてだった。いや、用はあるか。
『はい。』
「おう、もしもし?なにしてんの?今いい?」
『あ〜うん。どうした?』
いつもと変わらない里花。
:14/03/15 00:53 :iPhone :h2yuTCbc
#136 [太郎]
「どうしたーじゃねえよ。なんなの?最近のお前。俺なんかした?」
『え!そんな事で電話してきたの?何それ〜ウケる〜!』
何を聞いてもウケられるだけで、はっきり答えようとしない里花。
だんだん本気でイライラする俺。
「まぁ、じゃあその話は置いといて、お前松野はどうすんの?松野の話ばっかりしてたのに、急に音沙汰ないからよ〜」
こうなったら話を変えよう。
『う〜ん。なんかさ、もう好きなのかわかんなくなっちゃって。ごめん、もう頑張るのやめたぁ。』
「なるほどな。松野好きじゃなくなったらもう俺は用無しってやつ?」
:14/03/15 00:58 :iPhone :h2yuTCbc
#137 [太郎]
『いや、そうゆうんじゃなくて…。』
「いや完全そうだろ、俺だって結構真剣にお前には頑張って欲しいって思ってたのに…」
『ねぇ!もうやめてよ!!!…もうやめて。』
俺のセリフに食い入るように里花が叫んだ。
「え?お前泣いてんの?」
もうわけがわからなくなってきた。
『相談に乗ってくれてたのは感謝してるけど…。純は私の気持ちなんて全然わかってないよ。』
:14/03/15 01:02 :iPhone :h2yuTCbc
#138 [太郎]
里花の勢いに圧倒されて、黙って聞くことしか出来なくなる僕。
『もう本当は、松野くんの事なんて、ずっと前から気にならなくなってた。』
!!!!!
え〜!俺がお前の為に考えてた今までは一体。
「は?何それ。マジで言ってんの?」
若干キレ気味な僕。
『もう!なんで気付かないわけ!私は松野くんじゃなくて、どんどん純の事ばっか考えるようになっちゃってたの!』
えぇええええ!!!
これはすごい衝撃だった。
目ん玉が飛び出るとゆうのは、この時の俺のことを言うんだと思う。
:14/03/15 01:11 :iPhone :h2yuTCbc
#139 [太郎]
「え?」
『ほんとに気付いてなかったの?私はもう気付いてるのかと思ってたよ。もちろん、彼女いるの知ってるし、私は伊月ちゃんをすっごく一途に想ってる純が好きだったから…。』
好き…。
うわぁ、里花の言葉から聞きたくなかった。
嬉しくないとかじゃなくて、これまでの楽しかった友情が壊れていく気がして。
「ちょ、ちょっと待って。ちょっと頭ん中こんがらがってる…」
どんな言葉を返せば良いのかわからなかった。
:14/03/15 01:14 :iPhone :h2yuTCbc
#140 [太郎]
その後、冷静になった里花に、落ち着いて話をしてもらった。
はじめは本当に松野が気になって、俺に言ったみたいだけど、すぐに俺の事が気になって、里花的には態度で示してたつもりだったようだ。それに全く気付いていない俺にめちゃくちゃキレる里花。笑
いやでも、俺には松野の相談してきてたんだよ?わかるわけないよね。
その上、里花が言うには、俺はいくつも里花に思わせぶりな態度や発言をしていたらしい。
俺がどんな思わせぶりをしたのか問い詰めると、ただの優しいセリフだった。
:14/03/15 01:18 :iPhone :h2yuTCbc
#141 [太郎]
優しいセリフって言っても、普通の人間が常識的にかける言葉の程度。
でも、俺はなんせ毒舌キャラだから当たり前の言葉が里花に誤解を生んでいたみたいだった。
『純の事は本当に好き。でも、無理なのもわかってるし、付き合いたいとか願ってないの、なんか最近、純から伊月ちゃんの話とか聞くの辛くて…。純は松野くんの話しかふってこないし。笑 まぁ当然か。だからね、こんな風な伝え方になっちゃったけど、伝えれて良かった。ごめんね。』
里花がそう上手くまとめてくれた。
「いや、なんか、その、すまん。」
:14/03/15 01:23 :iPhone :h2yuTCbc
#142 [太郎]
『謝んないでよ!辛いじゃん』
「いやそーゆうすまんじゃなくて。マジで気持ちは嬉しいから。ほんとにありがとな。」
『そうゆうとこだよ、ばか。』
もう何を言っても怒られそうなので、何も言えなかった。
正直ほんとにビックリして、聞きたくなかった話だけど、里花の事をそこまで悩ませてたのは自分だったんだと思うと、少し反省した。
もちろん俺には伊月がいるから、里花の気持ちには応えられないけど、里花に想われていた事は素直に嬉しかった。
俺は友達としてみてたけど、本当に連れとして好きな奴だから、絶対幸せになってくれって思った。
:14/03/15 01:26 :iPhone :h2yuTCbc
#143 [太郎]
次の日
「純〜!プリン買ってきたよー!」
どんな顔して里花に会えば良いのかヒヤヒヤしながら学校に行ったのに、拍子抜けするほど前の仲良くしてた頃に戻った里花。
「お〜さんきゅ!って、これ違うプリンなんだけど!」
「え?嘘。久しぶりすぎて間違えちゃったぁ」
「お前マジで頭足りないぞ。」
こうやって普通に接することが、精一杯の俺の思いだった。
「ひどい!もう自分で食べる!」
「うわ…またデブるぞお前。」
:14/03/15 01:30 :iPhone :h2yuTCbc
#144 [太郎]
そんな、ぷち青春を感じていた矢先の出来事だった。
高校2年の春。
俺と伊月に家族を巻き込む出来事が起きた。
高2、俺たちはまぁ喧嘩もしながらも、うまい事やっていた。
俺の束縛もだいぶ柔らかくなり、伊月は伊月で、ギャルとゆうよりお姉さんみたいなのに興味を持ったらしくいっときのすごい激しい外見から俺の好みに近付いていた。
しつこいようだけど、モテモテの伊月の中でも高2の時が一番モテてたな!
その度に焦る僕。笑
:14/03/16 22:35 :iPhone :pU7W7/hw
#145 [太郎]
ある日の夜、伊月から着信。
その日伊月は22時までバイトだって言ってたから、おかしいなって思った。
電話に出ると伊月の様子がおかしい。
話を聞くと体調が悪くてバイトを途中で上がらせてもらったらしい。
心配で、迎えに行くことにした俺。
あっ、自転車でね。笑
「大丈夫?」
:14/03/16 22:38 :iPhone :pU7W7/hw
#146 [太郎]
ずっと気分が悪そうだったから、俺もあまり話しかけずに2人で歩き出した。
すると足を止める伊月。
振り返ると、うつむいて目に涙をためている。
「おい、大丈夫?」
「ううん…違うの。じゅん…。どうしよう…。」
こんな不安そうな伊月は見た事なくてすごい心配になった。
「どうした?」
:14/03/16 22:41 :iPhone :pU7W7/hw
#147 [太郎]
「もしかしたら、私、赤ちゃん出来たかもしれない。」
「えっ!?」
正直信じられなかった。
思い当たる事をしたのは、3年近く付き合って来てたったの一回だけだった。
俺も伊月も基本的に根が真面目だし、毎回ちゃんと避妊してた。
たった一回だけ、ゴムがなくなった時があったけど、最後までしてなかったし、そんな確立で出来るもんなの?
ああゆうの、100パーセントじゃないって言うけど、ほんとにそれで出来た人いんのか?
:14/03/16 22:44 :iPhone :pU7W7/hw
#148 [太郎]
いやいや、そんな事考えてる場合じゃないと思い、必死で動揺をかくし、いつからそう思ってたのかとか、色々話を聞いた。
伊月はずっと1人で悩んでたみたいで、やっと俺に言えた安心感や、これから先の心配で情緒不安定になっていた。
「大丈夫だって。とりあえず、確かめよう。そんなに1人で悩ませてごめんな。」
その3つの言葉を延々と繰り返してた。
生理が止まってから結構長い月日がたっていた事もあって、その時すぐに確かめようと思ったんだけど。
伊月がほんとにパニックに近い混乱を起こしてて、落ち着かせる為に一回俺んちにいくことにした。
:14/03/16 22:50 :iPhone :pU7W7/hw
#149 [太郎]
「もし、本当に出来てたらどうする?」
落ちついた頃、伊月が俺に言った。
まだ17歳だった俺ら。
高校卒業もせずに、養っていけるのか。
こうゆう時に、すぐに言葉が出ない俺は、男として最低だと、心底思った。
「俺たちまだ高校生で、2人だけではやっていけないから、親に助けてもらわなきゃいけない。家族みんなで話し合って、一番良い方法を考えればいいよ。」
俺の中では、すごく考えて選んだ答えだった。
:14/03/16 22:57 :iPhone :pU7W7/hw
#150 [太郎]
「家族に?そんな簡単に家族をあてに出来ない!もし出来てても2人で育ててく!」
「2人でなんて無理だろ!金だっていくらかかると思ってんだよ!」
どんどんヒートアップする俺ら。
「2人で働く!」
「働いてる間誰が面倒見るんだよ、誰にも支えてもらわずに産むのは無理だよ。」
「家族には…迷惑かけたくないよ…。」
伊月がそこまで、言う気持ちは、なんとなく理解出来た。
:14/03/16 23:29 :iPhone :pU7W7/hw
#151 [太郎]
伊月の家には母親がいない。
小さい頃から母親代りで伊月たち子供の面倒を見てくれていた、ばあちゃんも高校に入学した頃に亡くなった。
今は父親と大学生の兄、 小学生の妹と4人で暮らしている。
伊月の父親は立派なご職業で、金に苦労する事は無い様子だったけど、仕事の忙しさであまり家にはいないし、やっぱり母親がいない生活にはたくさん大変な事もあったと思う。
:14/03/16 23:33 :iPhone :pU7W7/hw
#152 [太郎]
それでもみんな仲良くて、お互いに支え合ってる良い家族だと、いつも思っていた。
小学生の妹の世話だったり、今は母親代りで家族を守る伊月からしたら、そんな家族に心配かけたくないんだろうと思う。
「大丈夫だよ。家族なんだからさ。俺んちの家族だって…話したら支えてくれるって。」
それに比べてうちの家族は平凡を絵に描いたような家庭だった。
:14/03/16 23:37 :iPhone :pU7W7/hw
#153 [太郎]
そこまで立派なご職業じゃない父さん。笑
そんな父さんの事が大好きな母さん。
そんで、2個上の兄ちゃん。
んで、俺。
家の中では俺が一番無口だし、普段はそんなに話すことないけど、仲は悪いわけじゃないと思っていた。
こうゆう、いざとゆう時、思い浮かぶのは家族だったからそうとう頼りにしてきたんだと思う。
「純の家族にも迷惑かけたくないの…!」
:14/03/16 23:40 :iPhone :pU7W7/hw
#154 [太郎]
異常に周りに迷惑をかけるのを恐れる伊月。
ずっと説得してたけど、聞く耳を持たないから俺の中で何かがプツンと切れた。
「いい加減にしろよ!」
「…。純には私の気持ちわかんない!どれだけ不安かも、どれだけ大変な事かも!…もう帰る!」
完全にヒステリックが起きていた。
こんな状態で帰られちゃ困ると思って腕を掴むけど、振り払って玄関に走る伊月。
:14/03/16 23:45 :iPhone :pU7W7/hw
#155 [太郎]
「ちょ、待てよ!」
はっ、キムタクみたいになった。笑
俺が追いかけると、丁度母さんが玄関の前の廊下に立っていた。
半泣きの伊月を見て驚いている様子。
「あっ、すいません…お邪魔しました。」
挨拶して、外に出ようとする伊月。
「ちょっと待て!」
叫ぶ僕。
「あらぁ。」
思わず、あらぁと言う母さん。笑
:14/03/16 23:47 :iPhone :pU7W7/hw
#156 [太郎]
伊月と母さんは今まで挨拶程度に顔を合わすくらいで一度も話した事は無かった。
俺が伊月に、母さんとは話して欲しくなかったからだ。
何故ならば、母さんは最強に口が悪い。
兄ちゃんが彼女を連れてくるとだいたい彼女の愚痴がはじまる。
伊月になんか言われたらたまったもんじゃないし、伊月に不愉快な思いさせたくなくて極力会わさないようにしてた。
母さんは俺の彼女ってゆうもんに興味深々で、色々聞いて来たけど、家の中でクールな僕はほぼその話題はスルー。笑
伊月は伊月で、もっと話したいとか言ってたけど話さなくて良いとシャットダウンしてた。
:14/03/16 23:53 :iPhone :pU7W7/hw
#157 [太郎]
父さんの事になると大好きすぎて人が変わる。
口が悪くて嫉妬深い。
俺は完全に母さん似だ。笑
「…。」
そう、この時俺は必死だった。
伊月の腕を再び掴み、母さんに向かってとっさに言った。
「母さん!伊月…俺の彼女だけど、妊娠したかもしれない。」
とにかく伊月に、1人で悩むな、誰にも頼らずに決めようとするなって事を伝えたかった。
母さんに言えば、支えてくれる人はいるんだって思ってもらえると思った。
:14/03/16 23:57 :iPhone :pU7W7/hw
#158 [太郎]
「ちょ、ちょっと!!」
なんて事を言うんだこいつ、とゆう目で睨む伊月。
言った瞬間やべぇと思った。
母さんに言ったところで丸く収まるわけがない。
「…。」
母さんフリーズ。
「伊月ちゃん?ちょっと待ちなさい、ちょっと火止めてくるから。」
すっとぼけた口調で母さんがそう言って、台所へ消えた。
「…。」
無言で靴を脱ぐ伊月。
諦めたかのようにしょんぼりしている。
:14/03/17 00:01 :iPhone :3uowtQOU
#159 [太郎]
するとすぐに母さんがひょっこり顔を出して言った。
「お待たせ。とりあえず、2人共リビングに入りなさい。」
たんたんと話す母さんがめちゃくちゃ怖かった。
「で…でも…。」
躊躇する伊月。
「大丈夫よ!今日父さん帰り遅いし、旬もどうせ帰ってこないんだから。」
極め付けにとびきりのスマイルな母さん。
怖いわ!
あ、旬は、兄の名です。
結局リビングに入る俺。
:14/03/17 00:08 :iPhone :3uowtQOU
#160 [太郎]
家に誰も帰って来ないアピールする母さんだけど、そうゆう問題じゃなくて…てゆう気がした。
リビングに母さんと俺と伊月。
少し前までは絶対にありえないシチュエーションだ。
「…ぐすっ。」
伊月はずっと泣いていた。
俺は母さんをチラチラ見ながら黙る。
最初に口を開いたのはもちろん母さん。
「伊月ちゃん、お腹に赤ちゃんがいるとしたら、涙は赤ちゃんが不安になるからね。もう泣かないで。」
俺は母さんのこの言葉が今でも頭に焼き付いている。
:14/03/17 00:12 :iPhone :3uowtQOU
#161 [太郎]
言葉とゆうより、口調だな。
信じられないくらい優しい口調だった。
母さんのあんな優しい喋り方ははじめてきいた。
「…はい。」
涙を拭き、こらえる伊月。
「そんで純!」
さっきの優しい喋り方とはうってかわって、こちらにはいつもより増してキツイ口調の母さん。
:14/03/17 00:14 :iPhone :3uowtQOU
#162 [太郎]
「…はい。」
「こうゆう時に、彼女がここまで涙を流す状況を作ったのはあんただよ!妊婦かもしれないんだろ?!お前が安心させないでどうする!バカタレ!」
超キレるじゃん。
伊月の前でそんな言葉遣いやめてよ、みっともない。と、この時はそんなん考えてる余裕無かったけど、あとあと思った。笑
「いや…違うんです…純くんが悪いわけじゃないんです。」
僕をたてる伊月。
そうすればそうするほど母さんの怒りは俺に爆発。
:14/03/17 00:20 :iPhone :3uowtQOU
#163 [太郎]
その後母さんは、実にくだらない世間話をはじめた。
えっ、妊娠したかもしれない話は?
一切しないのかよ…。
母さんはほんとんど、伊月に話しかけてて、伊月な母さんに話しかけられているうちにだんだん落ちついてきた様子。
俺だけが会話に入れずに黙り込んだままだった。
こんな時に何関係ない話してんだよ、ババア。
イライラもしたけど、母さんと伊月がこんなに普通に笑顔も交えながら会話する光景なんて予想もしてなかったから不思議な感じだった。
:14/03/17 11:10 :iPhone :3uowtQOU
#164 [太郎]
会話が盛り上がらなくなり、話すことがなくなって、少しの時間沈黙した後、母さんが言った。
「私ね、今でゆう出来ちゃった婚だったの。」
「え!?」
驚いたのは伊月じゃなくて俺の方だった。
自分の親がどうやって出会って結婚したとか今まで興味無かったしもともと知らなかったんだけど、そうじゃなくて、毎年結婚記念日を祝ってる母さんたちだったから、母さんが25の歳に結婚したってゆうのは知ってた。現在47。
この時、2個上の兄ちゃんは19。
つまり、出来婚だったら兄の上にもう1人子供がいないとおかしい。
そんな話聞いたことないんですけど。
:14/03/17 11:18 :iPhone :3uowtQOU
#165 [太郎]
「は?どうゆう意味?」
「純にはまだ話したことなかったけど、旬を産む前にお母さん妊娠してたの。女の子だった。お母さんあの時仕事も大変で、お父さんの両親がなかなか結婚を認めてくれなかったこともあって、やっと入籍して、もうお腹の中で大きくなったのに…死産だった。」
「え?マジで言ってんの…。」
確かめなくても母さんの表情を見たら嘘なんかじゃないってわかった。
「お医者さんは、お母さんが悪いわけじゃないって言ってたけど、お母さんはやっぱり自分を責めたよ。ごめんね、ごめんね。っていっぱい思ったし、もう子供を作っちゃいけないんじゃないかって思った。」
隣でまた涙を流す伊月。
:14/03/17 11:24 :iPhone :3uowtQOU
#166 [太郎]
小さい頃から母さんはよく言っていた。
若い頃からお母さんは女の子が欲しかったんだよ、だからあんたたちみたいにヤンチャな男の子たちにはうんざりだよって。
もちろん冗談っぽくね。
そんだけ女の子を望んでいた母が、女の子を妊娠していたなんて…。
「結局その後2人も授かって、まぁ、こんな憎たらしい男2人だけど、妊娠できる、出産出来るってゆうことが、本当に幸せだって心の底から思うの。…だからね、伊月ちゃん、まだわからないけど、もしお腹に赤ちゃんがいるのなら、自分のことも赤ちゃんの事も大事にしてね。母の涙は伝わっちゃうよ。」
:14/03/17 11:28 :iPhone :3uowtQOU
#167 [太郎]
とにかく母さんは、これから先の事より、伊月の事より、俺なんかより、お腹にいる?のかはまだわからないけど、お腹の子の事ばっかり考えてた。
またしばらく3人で話してて、最後に母さんが今日は泊まって行きなさいって言った。
そのセリフにもビックリ。
俺の家は何故か彼女を泊めるの禁止ルールがあって、兄ちゃんが遊びにきた彼女を連れ込んでそのまま寝ちゃってた日なんか、母さんけちょんけちょんに言ってたのに。
まぁ、こうゆう事態だから当然か。
:14/03/19 00:39 :iPhone :iJ04Fd0s
#168 [太郎]
俺の部屋に伊月を連れて、リビングを去ろうとしたら母さん。
「ちょっとあんた何。伊月ちゃんは母さんと一緒に寝るんだよ。」
•••は?
「何言ってんの、冗談きついわ。」
「女同士話したい事がいーっぱいあるの!いいでしょ!伊月ちゃん!」
本当に俺の母さんは彼女泣かせの空気読めないババアだと思った。
兄ちゃんがいつも怒ってる気持ちがすげーわかる。
「ありえないから!ほら!行くぞ伊月。」
:14/03/19 00:42 :iPhone :iJ04Fd0s
#169 [太郎]
「こら!純!」
そんなの伊月が嫌に決まってんだろーが。
「純いいよ。私純のお母さんが良いなら、お母さんの所行かせてもらうよ!」
いや、そんなのは建前だよな?
「いや絶対連れてくから!」
しばらく母さんの俺の言い合い。
困る伊月。
:14/03/19 00:45 :iPhone :iJ04Fd0s
#170 [太郎]
…結局。
「じゃあまた明日ね、おやすみ。」
母さんの部屋に連れて行かれる伊月。
伊月が母さん側につくもんだから、2対1でそりゃ負けるぜ。
俺だって、伊月が不安な分不安だし、こうゆうとき1人でいたくないのに。
と、女々しい事を思っていた。
本当に出来てたらまずどうするのか、そればっかりずっと考えてた。
:14/03/19 00:47 :iPhone :iJ04Fd0s
#171 [太郎]
次の日
寝不足で目覚めは良くないけど、いつもよりだいぶ早く起きてリビングにダッシュ。
「純!おはよう。」
すっかりうちのリビングに馴染む伊月。
母さんが朝支度をバタバタとしてる間にこっそり伊月と会話。
「マジでごめんな。うちの母ちゃん。頭おかしい。大丈夫だった?」
「ううん、本当に安心して眠れる夜だった。お母さんとたくさん話したよ!ずっとこうやって話してみたかったから嬉しい。こんなきっかけで、本当に迷惑かけちゃってるけど…。純もごめんね。私昨日は興奮してた。」
:14/03/19 00:54 :iPhone :iJ04Fd0s
#172 [葵]
続き楽しみにしてます!!
:14/03/19 18:44 :SH-09D :KI2ORapc
#173 [太郎]
ありがとう!嬉しいっす!
:14/03/21 14:41 :iPhone :dkYozRTY
#174 [太郎]
その日は平日だった。
俺たちは学校を休んで、市販の検査薬を母さんに買ってきてもらい、朝からさっそく検査をした。
ドキドキしながら検査結果を待つ俺と伊月。…と、母さん。
結果…。
「これって…。」
何度も説明書を読んだはずなのに、結果をすぐに理解出来ない俺ら。
母さんが覗き込んで言った。
「してないみたいだね…。」
こんな言い方したらいけないのかもしれないけど、ホッとした。
隣の伊月も俺と同じ表情をしてた。
:14/03/21 14:58 :iPhone :dkYozRTY
#175 [太郎]
「市販のやつも間違いないと思うけど、生理不順にしてもちょっと長すぎて心配だから、一応病院行った方がいいわね。伊月ちゃん今から行こうか?」
「え?良いんですか…?」
もしかしたら子宮の病気とかなのかな…。
ホッとしたのもつかの間、またそんな不安になった。
「なるべく早く方が良いし。全然いいのよ!かかりつけの婦人科ある?」
「婦人科はまだかかったことないです。」
「じゃあ私がいつもいってるところで良いかな?じゃ、行ってくるから。じゃあね純。」
「は!?俺も行くよ!」
:14/03/21 15:03 :iPhone :dkYozRTY
#176 [太郎]
そんな感じで、とりあえず母さんが常に俺をハブこうとしていた。笑
強引に車に乗り込み、3人で婦人科に向かう。
車内でも女2人は盛り上がってるし。
なんなのこいつら。
まぁでも、内心すごい安心しているとゆうか、嬉しいとゆうかなんとゆうか。
婦人科に着き、あんたはここで待ってろと母さんにキツく言われ車でさみしく待つ俺。
そこでふと気付く。
:14/03/22 00:24 :iPhone :V5upTup.
#177 [太郎]
昨日の修羅場以降、母さんのせいて全然二人きりになってねぇ!
この件に関してもだけど、とにかく2人で話したい。
俺の母さんは本当にたちの悪い奴だと改めて思った。
母さんの前ではニコニコしてくれてる伊月だけど、本心は嫌に決まってるよな。
後で全力で謝ろう。
:14/03/22 00:27 :iPhone :V5upTup.
#178 [太郎]
「ちょっと!あんた何寝てんのこんなとこで!みっともない!」
夢の終わりに母さんの声…
なんて最悪な夢だ…
「…って、は!!?」
車の中で爆睡をこいていた俺。
はっと伊月を確認して聞いた。
「うわ、ごめん伊月寝てた。どうだった?」
「おはよ。笑うん!多分ただの生理不順だって。薬も出してもらった。赤ちゃんも本当にいなかったし…。純ごめんね。お母さんも、お騒がせして本当にごめんなさい!!」
「伊月が謝ることじゃないから!」
:14/03/22 00:32 :iPhone :V5upTup.
#179 [太郎]
うわぁ、今伊月の事めちゃくちゃぎゅーって抱きしめてやりたい!
もう色々なモヤモヤが、母さんのせいで発生していた。
「また病院来てって言われてたけど次行く時も私乗せてくからいつでも言ってね伊月ちゃん。」
「なんで母さんがしゃしゃりでてんだよ!いいよ俺が連れてくから!」
「あんたが?自転車で?バカだね、伊月ちゃんが迷惑だよ!」
「電車で一緒に行くからいいよ、母さんは首突っ込まなくても。」
「…お母さん…良かったらお願いします!」
って、えぇえーーー!!!
伊月さん…。
:14/03/22 00:37 :iPhone :V5upTup.
#180 [太郎]
こうして結局、今回の妊娠騒動は勘違いとゆう結末だった。
その後ちゃんと通院して生理もきちんとくるようになったみたいだ。
伊月の前ではああ言ってたけど、家でこっそり母さんにも珍しく頭を下げた。
「お騒がせしてごめんなさい。父さんと兄ちゃんには、」
「言わないわよ!ふふふ。」
母さんはなんだかすごく嬉しそうだった。
そういえば本当に思春期を迎えてから母さんとこんなに会話する機会なんてなかったからな。
こんなきっかけでも母さんからしたら嬉しいもんなのかなぁ。なんて、少し親孝行した気になった。
:14/03/22 00:42 :iPhone :V5upTup.
#181 [太郎]
ただ、この日以来毎日伊月の事を聞いてくる。無駄にきやすく話しかけてくるようになった。
まぁ…俺が巻いた種のようなもんだ。
仕方ないか。
「あっ、いらっしゃ〜いなんか久しぶりじゃない?」
「お久しぶりです!そうなんです、バイトが忙しくて!今ね、お金貯めてるんです、友達と今度旅行に行くからっ。」
「え〜いいなぁ、どこ行くの?」
伊月が遊びに来たらこれだ。
すっかり仲良しになってやがる。
とほほ。
きっかけはともあれ、こんなに伊月の事を気に入ってくれて俺も嬉しいかな。
:14/03/22 00:46 :iPhone :V5upTup.
#182 [太郎]
「もう母さんしつこい。伊月!早く俺の部屋行こうよ。」
ブーブー言う女ども。
まぁでも、俺んちの親には公認された付き合いだってことになった。
今までもこそこそしてたわけじゃないけど、やっぱ親と彼女が仲良くなってくれると連れてきやすいな。
ことごとく連れてくる彼女を批判される兄ちゃんには、「伊月ちゃんばっかずりーわー。」って結構マジでチクチク言われてた。
この頃からは兄ちゃんの彼女と伊月を比べて愚痴愚痴言うようになったみたいだから。
この時の俺は兄ちゃんの連れてくる女がみんなろくな奴じゃないんだろうな、くらいにしか考えていなかったけど。
:14/03/22 00:54 :iPhone :V5upTup.
#183 [太郎]
なんやかんやありながらも、伊月とはうまくやっていた。
高3になった時にはもうすでに4年の付き合いになった。
周りにも中学の時からずっと付き合ってきて、一度も別れてないカップルなんていなかったから、俺らの周りの小さな世界では有名な話だった。
俺はそうゆうのも誇らしくて、別れなんて一切想像してなかった。
:14/03/22 17:25 :iPhone :V5upTup.
#184 [太郎]
俺の存在を知った上で伊月に告る奴もいたけど、伊月はきちんとお断りをしてくれていた。…はず!
俺は真剣に伊月との結婚も考えてたし、将来の俺の生活に伊月がいる事が当たり前だと思ってた。
高校を卒業したら、俺は進学はしないで働くつもりだった。
早く金を貯めて、伊月と結婚して、家建てて、そんな風に思い描いた夢があった。
それに、うちには大学に入る金も、合格する頭も持ち合わせていなかったし…。
:14/03/22 17:31 :iPhone :V5upTup.
#185 [太郎]
伊月は短大に行くと決めていた。
美容部員になるってずっと言ってた。
キラキラした目で色々説明してくれた。
でも、伊月の高校は進学校でもないし伊月は部活もしてないし、頭悪いわけじゃないけど、生活態度があんまり良くないとか言われてて(髪の毛染めたり、同じグループの奴らがタバコ吸ったりして謹慎処分を受けたりしていた…。)、行きたい学校に入れるかわからないって高校の教師に言われてたみたいで。
3年になった伊月は、必死で生活態度を改めていた。笑
:14/03/22 17:38 :iPhone :V5upTup.
#186 [葵]
待ってます♪
:14/03/27 01:09 :SH-09D :SrQjlBNs
#187 [太郎]
ありがとう!!!
:14/04/02 02:12 :iPhone :WbPVIftE
#188 [太郎]
ppp…
そんな時期、伊月の携帯がよく鳴っていた。
「おい〜寺田ってやつから電話〜」
ちゃっかり名前を見る僕。
「あっ、先生だ。もしもし?あっ、うん!ありがとー先生!」
どうやら、進路相談担当の先生みたいで、進路の話をよくしていた。
寺田高貴。
着信画面にそう出ているのを、しばらくの間よく見た。
嫉妬深い俺でも、先生相手にはさすがに何も感じていなかった。
:14/04/02 02:16 :iPhone :WbPVIftE
#189 [太郎]
「なんとか行きたい短大いけそうなんだ!寺田ってゆう先生が色々調べてくれてさ、楽しみだな〜メイクの勉強。」
伊月が本当にワクワクしてそう言うから、いつも俺も嬉しくなった。
「伊月が資格とってる間に俺はひーこら働いて将来の為に金貯めるわ!笑」
伊月が短大の話をすると俺はそう言って、お互いに夢みたいなんを語った。
「伊月んちよりもでっかい家建てたいしなあ〜!子供は3人作るし!」
「勝手に言ってるけど産むのは私なんですけど…」
まだまだ先の話をこうやって話しているのが幸せだった。
:14/04/03 01:43 :iPhone :cCDhly86
#190 [太郎]
そんな風に、言葉でもよく将来の事は話してたけど、高校卒業を機に、俺は伊月に、ある思いを伝える事を決めた。
高校卒業ってことで卒業旅行に行かないか?って誘い、はじめて俺が1人で計画をたてて行ったディズニーランド。
ロマンチスト松野の一件以来、サプライズなんて一度もした事がなかったけど、なんかこうゆう時くらいは決めてやりたいと思った、自分でもビックリだ。
しかもディズニーランドなんて、この時まで一回も行った事ないし興味も無かった。
:14/04/26 23:39 :iPhone :2wXtGVzQ
#191 [太郎]
伊月はずっと行きたがってたから大喜びで賛成してくれた。
やると決めたら完璧主義の俺。
とことん下調べして、退屈のないプランを一生懸命調べた。
そのおかげでこの時はじめてプーさんの横にいるのがブタだった事を知った。俺の中ではプチ衝撃だったんだ。あれずっとウサギだと思ってたから。
いや、そんな事はどうでもいい。
:14/04/26 23:42 :iPhone :2wXtGVzQ
#192 [太郎]
旅行当日。
泊まりで出掛けるのは初めてじゃなったけど、今回ばかりは緊張してた。
「おはよ!純荷物そんだけ?忘れ物ない?」
いつも通りの伊月。
「うん。ちゃんとパンツは2枚持った。」
いつも通りに振る舞う、内心緊張の俺。
そんな緊張も、夢の国ディズニーランドに入ればすぐ和らいだ。
なんだかんだ言っといて楽しむ僕。
何より楽しそうな伊月が可愛くて、幸せだった。
:14/04/26 23:47 :iPhone :2wXtGVzQ
#193 [太郎]
まぁ、ことごとく俺の計画通りには進まず、時間の無駄遣いをしてみたりもしたんだけど、それはそれで楽しいってのが、若者のデートなわけで、充実な一日だった。
奮発してとったホテルに入って、こっそり買った酒とつまみを机に並べ、さ!乾杯!の前に、僕が切り出す。
「伊月。俺、話あるんだ。」
笑!これ、言ってみたかったんだ!
:14/04/27 00:36 :iPhone :X47cz3X.
#194 [太郎]
「笑。何言ってんの。」
あまりにもベタな切り出し方に、本気にせずあしらう伊月。
「いやいや。あのね、こっからマジね!」
「ん?」
「伊月。将来俺と、結婚して下さい。」
「…うん!将来ね。笑」
ムードもくそもない雰囲気でプロポーズ!
って言っても、高校を卒業するぐらいのまだまだ子供なわけで、今すぐにって事じゃなかったんだけど、改めて将来への想いを伝えたかったんだ。
本気で結婚する為に、こうやって貯金して、いつ頃ちゃんと籍入れたり、式したり、とか、考えときたかった。
:14/04/27 00:46 :iPhone :X47cz3X.
#195 [太郎]
「ほんでこれ。」
そして、指輪もちゃっかり用意。
ほんとにこうゆうことするタイプの人間じゃないし、自分からこう考えたのも言ったのもはじめてだったからか、伊月は今回は引く事もなく、笑、涙をうかべながら喜んでくれた。
付き合って4年。
俺は一度も別れたいと思ったことがなかったし、本当に本気でこのままずっと伊月といられると思ってた。
お互い社会人になって金も貯めて生活できるようになったら、あらためてちゃんとプロポーズして、次は本当に結婚するんだ。
:14/04/27 00:53 :iPhone :X47cz3X.
#196 [太郎]
その夜、ベットの上で伊月が眠たそうになりながらも言ったんだ。
「ねぇ、私たちってさ、このまま結婚したらお互いにはじめての彼氏彼女での結婚になるんだよね。」
「うん。それは結構すごいよな。」
「一回も別れたことも無いもんね。」
「うん。」
「他の人と付き合ったりもしてないしね。」
「そりゃ当たり前だろ!もう伊月が俺以外の奴と付き合うとか考えれん!想像もしたくない!」
はい、やきもちやきの僕発揮。
:14/04/27 00:58 :iPhone :X47cz3X.
#197 [太郎]
「私だっておんなじ気持ちだよ。」
「いや、伊月は俺の気持ちまではわかってないな。男のがすげー嫌なの!なんてゆーか、俺の事だけしか知らない伊月ってゆうのが、今まで誰のものでもない俺の女なんだぜ!ってゆう男としてのもんがあんの!」
独占欲男に、熱が入る。
「純しか知らないかぁ。ほんとだよね。でもそれでいいもん。他の人知りたいと思わないよ。」
「も〜、可愛いなぁ伊月ちゃんは。いつまでも僕だけの伊月ちゃんでいてね。」
「ふふ。」
「なんだよ、ふふって。返事は?!」
「zzz」
「おい!」
:14/04/27 01:04 :iPhone :X47cz3X.
#198 [太郎]
そんなこんなで、俺たちはそれぞれ無事に高校を卒業して、俺は社会人。
伊月は晴れて短大生になった。
案外俺は働き出しても特にストレスを感じるわけでもなく、はじめての給料の使い道だったり、取り立ての免許で遠出をする事を計画してみたり、平々凡々と時だけが過ぎた。
伊月は、知ってる友達が1人もいない学校で最初は不安と期待で、少し戸惑っている様子だったけど、1ヶ月もたたないくらいで、仲良くなれそうな子が見つかったみたいで、夢に向かって楽しそうにやってた。
:14/04/27 17:48 :iPhone :X47cz3X.
#199 [太郎]
「ごめんごめん、お待たせ〜!」
俺は仕事が終わってから毎日暇だったけど、学生の伊月は大忙しで会う時間も高校生の時より減った。
伊月の大学の帰り道にある居酒屋で、待ち合わせ。
「おつかれ。」
相変わらず伊月大好きの僕は、短大生の伊月も良いなぁと、鼻の下を伸ばしていた。
「この店来たかったんだよね、なんかね、美味しいのがあるんだよ〜」
:14/04/28 01:52 :iPhone :hEAQXGeQ
#200 [太郎]
いつものように食事を済ませて、少しそのまま話していた。
「あれ?…橋本?」
すると伊月の名前を呼ぶ声。
男の声だから敏感に反応する僕。
「え?…あ!先生…。久しぶり〜!」
先生?
「高校の時の先生、あの、進路の事でよく電話してた寺田先生だよ!」
俺の目を気にしてか、そう言葉を足した。
「先生、こんなとこで何してんの?激安居酒屋だよ、ここ(笑)」
:14/04/28 01:57 :iPhone :hEAQXGeQ
#201 [太郎]
「やっぱ橋本だよな。びっくりした。こんなとこで会うなんて。あ?彼氏?ごめんね。呼び止めちゃって。」
「あ、うん!噂の彼氏!へへへ。」
「あぁ、どうも。」
高校教師らしくなく、若くてオシャレでイケメンだった。伊月は違うって言うけど、俺にはV6の岡田くんにしか見えなかった。こんな先生いたら完全に女子高生の注目の的だろ。
いつもならイライラする俺だけど、何故かこの人には好感を持った。
理由はよくわからないけど、すごい良い人だって、一目みて思ったんだ。
:14/04/28 02:02 :iPhone :hEAQXGeQ
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