それでも君が
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#200 []
『友梨出てく』
祖母は泣きながら頷いた。
何度も何度も・・・
この家にいたら
友梨はそのうち壊れちゃう
『今日休むで学校に電話して』
そう言うと
祖母に電話をかけさせた
頭痛のため欠席――。
:07/01/09 18:58 :D902iS :☆☆☆
#201 []
文博から家に電話が来た。
親がいないから
かけてきたんだろう。
「仕事が終わったら駅まで迎えに行く」
駅に着いたら
公衆電話から電話するようにって言われた。
それから・・・
文博の女友達が
友梨を匿ってくれるって。
:07/01/10 17:40 :D902iS :☆☆☆
#202 []
別れたのに・・・
文博の優しさに
涙が出た。
見ず知らずの友梨を
匿ってくれるその人にも
感謝の気持ちで
いっぱいだった・・・。
迷惑かけてるって
わかってる。
:07/01/10 17:46 :D902iS :☆☆☆
#203 []
でも・・・
助けてください・・・
幼い友梨は
まだ一人じゃ生きていけない
そのための家族。
そのための友達。
だけど全てを失った今
友梨の頼りは
文博だけだった――。
:07/01/10 17:49 :D902iS :☆☆☆
#204 []
部屋を掃除した。
もう二度と
この場所に帰ってくることはないから・・・
綺麗にしとかないとね
いつもは汚い机の上も
埃のかぶったような棚も
全部全部
掃除した・・・
:07/01/10 17:53 :D902iS :☆☆☆
#205 []
父が昼休みで
家に帰ってきた。
当然友梨は学校に行ったことになっている。
だから
部屋で物音をたてないように
静かに過ごした。
父が再び仕事に行ったのを確認すると
荷造りを始めた。
:07/01/10 17:55 :D902iS :☆☆☆
#206 []
旅行鞄に必要最低限のものを詰め込む。
衣類はもちろん、
ドライアー
洗面用具
それから・・・
思い出が詰まった
アルバムとプリ帳。
意外と荷物って少ない。
携帯料金の支払いのために
必死で稼いだ4万を
財布に入れた。
:07/01/10 18:01 :D902iS :☆☆☆
#207 []
祖母が
『何があっても生き抜くんだよ。持って行きなさい』
そういって5万を
友梨にくれた
いらないと言ったけど
実際お金がいるのは確か。
『ありがと・・・』
向こうに着いたら
連絡するから。
:07/01/10 18:15 :D902iS :☆☆☆
#208 []
辛くても生きる。
死んだら負け。
逃げたら負け。
逃げない。
負けない。
親なんかいなくたって
立派な大人になってみせる
強くなるよ
ううん、
ならなきゃいけない
:07/01/10 18:23 :D902iS :☆☆☆
#209 []
バスは
お母さんが帰ってくるのと
入れ違いになる時間のに乗る
そしたらどこ探したって
見つかんないから。
探すわけないか・・・
いらない子だもんね。
疫病神だもんね。
せいせいするでしょ?
:07/01/10 18:27 :D902iS :☆☆☆
#210 []
バスがくるまで
あと一時間半・・・
綺麗に片づいた机の上には
白い封筒の手紙が3通。
綺麗に並べて置いてある・・・
友梨がいなくなったら・・・
何人の人が
涙を流して悲しむのかな?
:07/01/10 18:36 :D902iS :☆☆☆
#211 []
そんなとき電話が鳴った
友梨は思わず出てしまった・・・
電話の相手は
母方の祖母
祖母から話は聞いたと
言われた。
今から行くからまだ行かないでと言われた。
:07/01/11 07:29 :D902iS :☆☆☆
#212 []
飛ばしてきたんだろう・・・
五分ほどして
母方の祖母が家にきた。
何で話したんだよ!!
と言わんばかりに
祖母を睨んだ
「さっきはあんな風に言ったけどやっぱり出ていって欲しくないから・・・お母さんに相談したんだよ」
涙をためて話す祖母を
無視して
冷たい態度をとる。
:07/01/13 12:49 :D902iS :☆☆☆
#213 []
「友梨ちゃん・・・おばあちゃん泣かせて・・・そんなにこの家が嫌なの?」
は?
黙れ。
何も知らないくせに・・・
あんたの娘は
母親失格だよ!!!
『ばあちゃんには関係ない』
さらに苛立ちを感じる
:07/01/13 12:53 :D902iS :☆☆☆
#214 []
母方の祖母は
家を出てその先どうやって生きていくのか
とか
学校は中退しちゃいけない
だとか
友梨の気も知らないで
グチグチうるさい
:07/01/13 12:55 :D902iS :☆☆☆
#215 []
―ガラガラガラ―
玄関の戸が開き
父が居間にはいってきた。
『は?何でおるん?』
父は無言で座る。
理解できない友梨は
黙ったまま俯く
重い空気が四人を包む
:07/01/13 12:58 :D902iS :☆☆☆
#216 []
友梨は確認するため口を開いた
『もう一回きくけど・・・おとん何で帰ってきたん?仕事行ったばっかやに』
その質問に答えたのは
父ではなく
母方の祖母。
「お母さんから電話があって・・・二人じゃ説得できんって思ったんと・・・お父さんは知っとるんかと思ってな・・・会社電話したんよ」
:07/01/13 13:04 :D902iS :☆☆☆
#217 []
友梨が全身から放つものに
おびえながら
申し訳なさそうに話す姿が
さらにイライラする。
『よけいなことすんな!!
あ"ーもう!!!ふざけんなよ!!
もうきめたんやわ!!!
あんたらがなんて言ったって友梨は出てく。
あんたらに友梨の気持ちなんかわかるわけない。
てかわかってもらおうとも思ってないけどね!』
もう・・・
限界だよ・・・
:07/01/13 13:10 :D902iS :☆☆☆
#218 []
それまで黙って座っていた父が口を開いた。
「学校はどうするつもりだ」
滅多に怒らない父だけあって
その言葉は重みがあり
ものすごく怖い・・・
自分の気持ちを確かめるかのように静かに答えた。
『中退・・・』
:07/01/15 07:11 :D902iS :☆☆☆
#219 []
ふと時計を見た・・・
バスが来るまで時間がない!!
友梨は立ち上がると
『いままでどーもっ!!』
それだけ言うと
部屋を出ていこうとした
『・・・・!!痛い!!!』
:07/01/15 07:14 :D902iS :☆☆☆
#220 []
『放して』
父が・・・
友梨の腕を掴んだ
「待ちなさい。」
『そんな時間ないし』
「話し合おう」
話し合う?
今更何話せって?
今まで家のことから目反らしてきたくせに
今更親面すんなよな!!
:07/01/15 07:17 :D902iS :☆☆☆
#221 []
『今更親面すんなよ。おとんに友梨の気持ちなんかわかるわけないし!!ばっかじゃないの!?』
父は殴ることもせず
黙って腕を放した
言ってはいけなかった言葉
だけど
そんなこと考えらんないくらい友梨はボロボロだったんだ
:07/01/15 07:20 :D902iS :☆☆☆
#222 []
バンッ!!!
外れるぐらい思い切り部屋の戸を閉めた。
ムカつくはずなのに
悲しくなんかないのに
溢れる涙を拭って
大きな荷物を
いきおいよく手に取った
:07/01/15 16:15 :D902iS :☆☆☆
#223 []
同時に
父が部屋に入ってきた。
『何?』
「座りなさい」
それから一時間にわたって
父との話し合いが行われた
最終バスが
行ってしまった・・・
:07/01/15 17:22 :D902iS :☆☆☆
#224 []
せっかく学校休んだのに
意味ないじゃん。
もうすぐお母さんが
帰ってくる。
「ただいま〜」
ほら来た。
最悪。
友梨の計画が・・・台無し
:07/01/15 17:24 :D902iS :☆☆☆
#225 []
友梨が学校サボったこと
誰も口にしなかった
みんな黙っててくれた
無言でご飯を食べる友梨に
母が冷たく言った
『あんた部活休んだの?』
「頭痛かったで」
「あんな部活辞めなさいよ」
また説教かよ・・・
:07/01/16 11:00 :D902iS :☆☆☆
#226 []
食べ賭のまま
箸を置き
『ごちそうさま』
そう言って立ち上がると
「いつまでも調子乗っとんやないよ!!」
母の甲高い叫び声に
食卓が静まり返る
「お腹空いてないんやろ?」
と優しく問いかける祖母。
:07/01/16 18:02 :D902iS :☆☆☆
#227 []
庇ってくれたこと
本当は嬉しかった。
嬉しかったのに
今は・・・
反抗的な態度しかとれない
周りのこと考えてる
余裕はない
『食欲失せた』
パンッッ!!!
:07/01/16 18:04 :D902iS :☆☆☆
#228 []
部屋中に響いた
頬をたたく音
『・・・・・!!』
言葉にならない
この気持ちは
怖いとか
悲しいとか
そんな感情じゃなく
憎い。
他でもない怒りだった
:07/01/16 18:07 :D902iS :☆☆☆
#229 []
そのあと完全に友梨の携帯を取り上げると
長々と始まった説教。
軽く三時間。
耳にたこがが出来るほど聞かされてきた罵声に
友梨はもう
慣れてしまった・・・
母はまた
「あんたなんか生まなきゃよかった」
そう言った・・・
:07/01/16 18:10 :D902iS :☆☆☆
#230 []
しびれて感覚のない足
腫れた頬
それでも友梨は
泣かなかった。
泣き虫だけど
めちゃくちゃ低いけど
プライドぐらい
友梨にだってある。
"泣くもんか!!"
キュッと唇をかみしめ
涙をこらえた
:07/01/16 18:13 :D902iS :☆☆☆
#231 []
母が落ち着きを取り戻す頃には
もう何のことで怒っていたのかわからないくらい話は横にズレている。
右から左へと
説教を聞き流し
考えてたのは
博のこと。
"助けて・・・"
なんど心で叫んだだろう
:07/01/16 18:16 :D902iS :☆☆☆
#232 [初]
:07/01/16 18:17 :N902iX :☆☆☆
#233 []
やっと説教から解放され
部屋に戻る。
鏡を手に取り
まだじんじんと痛む
自分の顔を見つめた。
『あ〜ぁ・・・ぶっさいく!!』
我慢してた涙
あいつには絶対見せたくなくて必死に我慢してた涙は
言葉とともに
ボロボロと流れた
:07/01/16 18:24 :D902iS :☆☆☆
#234 []
お風呂に入ると
鏡に映る自分の体
体を洗う度
痛みが走る・・・
髪も洗うだけで
太股にまとわりつくように
大量に抜け落ちる
それを見て
友梨の家出願望は
より強くなった
:07/01/16 18:37 :D902iS :☆☆☆
#235 []
助けて欲しかった。
支えが欲しかった。
博に傍にいて欲しい・・・
震える膝を抱いて
湯船で小さく丸まった
きっと話したら
ひかれるんだろうな・・・
こんな家族
こんな体
そしてなによりも
自分自身
:07/01/16 18:39 :D902iS :☆☆☆
#236 []
お風呂から上がると
ざっと髪を乾かし
まだ少し濡れてる髪のまま
布団に入った。
絶対出てく
こんな家
後悔させてやる
追い出したこと
強く強く思って眠りについた
:07/01/17 07:48 :D902iS :☆☆☆
#237 []
―学校―
明るく明るく
バレないように・・・
ガラガラガラッ
『おはよ〜』
いつも通り教室に入る
「風邪やったん?」
「友梨おらんと寂しいぢゃんかぁ〜もう大丈夫なん?」
何人もの友達が声をかけてくれた。
:07/01/17 07:51 :D902iS :☆☆☆
#238 []
『バカでも風邪ひくみたいやわぁ〜』
なんて茶化して
ごまかした。
つまんない授業と
くだらない部活を終え
帰宅する。
「今日お母さん帰り遅いって」
と弟が言う。
:07/01/17 17:52 :D902iS :☆☆☆
#239 []
『まじで!?』
通りで姿がないわけだ
てか
チャンスじゃん!!!
出てくなら今日しかない
流し込むようにして
ご飯を食べると
台所にあったパンを一つ持って部屋に戻った。
:07/01/17 17:55 :D902iS :☆☆☆
#240 []
お父さんが部屋から顔を出し
友梨の姿を確認してた。
仕事のはずなのに
家にいたのは
友梨が家出しないよう
見張ってただけ。
そんな父に気づかない振りをして部屋の戸を閉めた。
:07/01/17 18:00 :D902iS :☆☆☆
#241 []
急いでお風呂の準備をして
再び部屋から出る。
カラスの行水のように
お風呂から上がると
バスタオルで髪を拭き
また束ねた。
『よしっ!!』
気合いを入れると
脱衣所を後にした
寝間着から私服に着替えると
マフラーとコートを着て
髪をほどいた
:07/01/18 15:48 :D902iS :☆☆☆
#242 []
昨日詰めた大きな荷物。
それから・・・
家電の子機
一度しまった三通の手紙を
再び机の上に置き
友梨は部屋を後にした
静かに玄関を出て
秋の夜道を
一人歩きだした
:07/01/18 18:11 :D902iS :☆☆☆
#243 []
友梨が出ていったことは
誰も気づいていない。
でもすぐにバレるだろう・・・
下手に歩き回らない方がいい
家から少し離れた
小さな小屋の陰に身を潜め
友梨は裕クンに電話した。
〜♪〜♪
:07/01/18 18:15 :D902iS :☆☆☆
#244 []
「はいはい?どした?」
『今日遊ぼ』
あ〜ぁ・・・
博がいてくれたらいいのに
そしたら迷わず
博の所へ行くのに・・・
また裕クン利用して
友梨最低。
:07/01/18 18:53 :D902iS :☆☆☆
#245 []
「なんかあったろ」
『別に〜何となくやけど?』
強がって嘘ついたけど
裕クンには通用しない
「嘘つきとは遊んであげんぞ。何あったよ?正直に言いなさい」
『・・・』
『家出しました。寒いのでかくまって下さい』
:07/01/18 19:51 :D902iS :☆☆☆
#246 []
「はっ!?笑 友梨なかなかやるなぁ〜」
冗談だと思ったのか
笑い飛ばされた
『本気やよ。昨日学校休んで荷造りした。』
電話の向こうの
笑い声が消え
真剣な声に変わる
「今どこ?」
:07/01/18 19:54 :D902iS :☆☆☆
#247 []
『植村さんちの車庫の裏。』
「本気かよ・・・」
『うん・・・』
静かな夜に
友梨の声が響いた。
「でも今日夜勤やから・・・」
『終わったらでいい。来てください・・・』
この寒さの中
野宿なんて出来ない
:07/01/20 14:53 :D902iS :☆☆☆
#248 []
「遅いよ?」
『何時?』
「一時くらい。」
淡々と進む二人の会話。
『いっ!!!1時!!!??』
「てか寒いろ?やっぱ今から行くゎ。」
『いいよ
仕事中じゃん。終わるまで待っとくで。』
:07/01/20 15:05 :D902iS :☆☆☆
#249 []
ほんとは寒くて
辛かった
だけど裕クンに
これ以上の迷惑かけちゃ
いけないと思ったから
断ったんだけど・・・
「・・・バカ、風邪ひいたらどうするんよ。ちょっと待っとけよ。今すぐ行くで!!」
『でも仕事・・・』
「いいでそこ動くなよ!!!わかったな!!」
:07/01/20 15:13 :D902iS :☆☆☆
#250 []
それだけ言うと
一方的に電話を切られた。
『・・・』
しばらくプーップーッていう
音を聞いてた
その音も切れる頃
友梨は立ち上がり
裕クンの言葉を無視して
場所を移動し
近くの工場の駐車場にある
小さな階段にうずくまった
:07/01/20 15:20 :D902iS :☆☆☆
#251 []
今何時かな・・・
裕クン探してるかな・・・
友梨
生きてていいのかな・・・
そんなことを考えながら
静かに目を閉じた
"このまま死んじゃえばいいのに・・・"
そんなことさえ思った
:07/01/20 15:23 :D902iS :☆☆☆
#252 []
いつの間にか
こんな寒い中
眠ってしまった・・・
名前を呼ぶ声で目が覚めると
そこには・・・
裕クンがいた。
「友梨!!!!」
『ちょ・・・!!!』
:07/01/20 15:29 :D902iS :☆☆☆
#253 []
友梨を抱く腕が
震えてた。
「動くなっていったにか」
『ごめん・・・』
「探したんやぞ!!」
『ごめん・・・なさい』
震える冷たい体
きっとこの寒い中
走って探してくれてたんだね
:07/01/20 15:40 :D902iS :☆☆☆
#254 []
「おってよかった・・・」
心配かけてごめんね。
裕クンはそのまま友梨を
抱き上げた
『重いからいいよ〜!!!』
と足をばたばたさせた
「暴れると落とすぞ!!」
『やだ!!!』
その言葉におとなしく
車に乗せられた(笑)
:07/01/20 15:47 :D902iS :☆☆☆
#255 []
バサッッ!!!
いきなり視界が真っ暗になり
上から何かが落ちてきた
『£%#&☆$!!!!!』
「ははっっ!おもしれ〜!」
『何で笑うの
苦しいから!!』
「あいっ!これかぶっとけ」
上からかぶせられたのは
暖かい毛布。
:07/01/20 15:55 :D902iS :☆☆☆
#256 []
明らかに裕クンの布団。
『わざわざ持ってきてくれたの?』
「おぅ・・///」
照れくさそうに答える裕クンを
可愛いなって思った。
『そっか♪ありがとっ』
そういえば
車の中の温度
すごい高い
:07/01/20 15:58 :D902iS :☆☆☆
#257 []
さっきから
「寒くない?」
って何度も聞いてくる
『大丈夫だよ』
って毛布の中から答えた。
真っ暗な夜の駐車場。
ふと聞こえたのは
お父さんの車のマフラーの音
探してるんだ・・・
:07/01/20 16:02 :D902iS :☆☆☆
#258 []
『探しとる・・・』
「まじで!?まぁそりゃそうやろ・・・大事な娘が家出なんてよ」
見つかるんじゃないかという恐怖が友梨を襲った。
毛布から顔を出すと
「だーめっ。」
ってまた毛布をかけられた。
:07/01/20 16:13 :D902iS :☆☆☆
#259 []
他の場所に移動するよう頼んだ
連れてこられたのは・・・
見たこと無い場所
暗くてよくわかんないけど
川の音がするから
川の近くなんだってわかった
『初めて来た・・・』
友梨は毛布をよけると
車から降りた
:07/01/20 16:17 :D902iS :☆☆☆
#260 []
裕クンが友梨の後を
ついてくる。
「なぁ・・・」
『こんな場所あったんやね!』
裕クンの言葉を遮るように
少し大きな声で話した
"なぁ・・・"
その言葉の先はきっと
友梨が聞きたくない言葉だって
何となくだけど
気づいてたから
聞きたくなかった・・・
:07/01/20 16:20 :D902iS :☆☆☆
#261 []
そんなこと繰り返してたら
急に裕クンが友梨の前に来て
肩を掴んで
「俺の話聞けって!!」
って・・・
真剣な目で・・・
友梨は黙ってうなずいた。
:07/01/20 16:23 :D902iS :☆☆☆
#262 []
「とりあえず車もどろ。風邪ひくから」
『友梨バカやで風邪やらひかんし!!』
「ん〜でも寒いやろ?」
『もう寒くない』
ぶつぶつと
文句言いながら
手を引かれて
車に戻った。
:07/01/20 16:25 :D902iS :☆☆☆
#263 []
「家帰ろ?」
まっすぐ友梨を見てくる
裕クンから目をそらして
『いやだ』
って言った。
また沈黙が続く・・・
『絶対やだ。あんな家』
自分自身に言うように
つぶやいた
:07/01/23 10:59 :D902iS :☆☆☆
#264 []
「友梨・・・だめ!!!」
友梨の肩を掴んで
前後に揺する。
『やだ』
やだしか言わない友梨に
裕クンはため息をつくと
「わかった・・・。友梨の言いたいこと言えよ。聞くし」
その言葉に
友梨は素直になった
:07/01/23 11:03 :D902iS :☆☆☆
#265 []
散々グチった
これでもかってくらい
ぶっさいくな泣き顔で
女なんか捨てて・・・
きっと裕クンだから出来たんだね
『ふぅ〜』
ため息をつくと
『疲れたぁ〜』
と吐いた
:07/01/27 17:07 :D902iS :☆☆☆
#266 []
「辛かったな・・・」
裕クンは
また友梨を抱き寄せると
ぎゅーってしてくれた。
寂しがりの友梨が
抱きしめられてるとき
一番落ち着くことを
裕クンは知ってる
でもこのぎゅーは
違う意味だった・・・
:07/01/27 17:16 :D902iS :☆☆☆
#267 [ακ]
続きが気になる
:07/01/29 21:16 :D901i :☆☆☆
#268 []
:07/01/30 07:24 :D902iS :☆☆☆
#269 []
友梨から離れると
家に連絡しろ
と言われ
携帯を渡された。
"しばらく帰らないけど心配しないでください。"
そう・・・
ちゃんと話せと
携帯を突きつけられた
:07/01/30 07:28 :D902iS :☆☆☆
#270 []
友梨は嫌だと言った。
車の中でジタバタして
裕クンを困らせた
「ちゃんと連絡したら友梨の行きたいところまで連れてってやるよ。だから心配すんなって事だけは伝えろ。じゃなきゃ家連れてくぞ」
" 家 "
やだ・・・
それだけは嫌だ・・・
:07/01/30 07:34 :D902iS :☆☆☆
#271 []
この頃のアタシは
家族とか
絆とか
どうでもいいっていうか
信じてなかった。
帰る場所を無くした友梨は
自分の居場所が
どこにもないって
自分のこと責めた
:07/01/30 08:21 :D902iS :☆☆☆
#272 []
かければ好きな所まで
乗せていってもらえる
かなり迷ったが
裕クンの言うとおり
家に電話をした
裕クンの携帯から
非通知で。
―プルルルッ―
静かな車の中
裕クンに心臓の音が
聞こえるんじゃないかって
思うくらい
鼓動は早かった
:07/01/30 16:36 :D902iS :☆☆☆
#273 []
3コールで繋がった
「はい、牧野です。」
力ない声で
電話に出たのは
母だった・・・
『友梨やけど・・・』
そう言った瞬間
「あんた今どこにいるの!?探しとるんやよ。帰ってきて・・・お願いだから」
泣き出した母・・・
:07/01/30 16:40 :D902iS :☆☆☆
#274 []
初めて聞く
母の泣き声に
胸が締め付けられた
"帰らなきゃ"
なんて気さえしてくる
でも友梨は
にじんだ涙をこらえて
『頭冷やしてから帰ります。大丈夫やで探さんといて』
とだけ言って
一方的に電話を切った
:07/01/30 16:51 :D902iS :☆☆☆
#275 []
母はまだ何か喋っていたけど
無視して切った。
『言ったよっ!!』
と裕クンにピースした
友梨の目には
今にもこぼれそうなくらい
涙が溜まっていた
「頑張ったな」
軽く抱きしめて
頭を二回ポンポンってして
裕クンは笑った
:07/01/30 16:55 :D902iS :☆☆☆
#276 []
でもこの笑顔に
この優しさに
騙されるなんて
この時のアタシは
考えてなかったんだ・・・
ホントの優しさだったのかもしれないって
今ならわかるよ・・・
:07/01/30 17:20 :D902iS :☆☆☆
#277 []
しばらくして
裕クンは仕事に戻るため
会社の駐車場に一人
車の中で待つことにした。
「一時に戻ってくるから。どこも行くなよ!!寝とけ!!」
『大丈夫。ここにおるで』
"10時半か・・・"
警察バレたら
補導されるやんか!!
なんて思いながら
毛布にくるまり
うとうとしかけた・・・
:07/01/30 18:19 :D902iS :☆☆☆
#278 []
バンッッ!!
ドンッッ!!
『・・・・!!?』
ドアを開ける音で
目が覚めた。
もう一時になったのかと思い
眠い目をこすり
なぜか慌てている裕クンに
話しかける
『お疲れさま〜早かったね。もぉちょっとで寝るとこやったわぁ〜笑』
:07/01/30 18:23 :D902iS :☆☆☆
#279 []
時計を見ると
まだ30分しか経っていない
『あれ?もう仕事終わったの?てかどうしたの?何か変』
「・・・・・」
黙ってエンジンをかける裕クン
なにが起きているのか
さっぱりわからないほど
友梨だってバカじゃない
『やだッッ!!!!!』
:07/01/30 18:26 :D902iS :☆☆☆
#280 []
『ねぇ?どこ行くつもり?』
「・・・」
『ねぇってば!!!』
「・・・」
『家なら帰らんよ!!』
「・・・」
無言のまま走り出した。
『何とか言えよ!!黙っとったらわからんやら!?』
:07/01/30 18:28 :D902iS :☆☆☆
#281 []
「会わせたい人がおる」
『会わせたい人?』
誰だろう・・・
すごい焦ってる様に見えるのは気のせい?
博かな?
んなわけないか!!
:07/02/01 16:25 :D902iS :☆☆☆
#282 []
『誰々〜笑』
「・・・っ」
え・・・・・
耳を疑った。
なんで?
どうして?
信じてたのに・・・
裏切り者。
:07/02/01 16:28 :D902iS :☆☆☆
#283 []
'
"友梨のお母さんっ"
やだ・・・
友梨あんな家には帰んない!!
帰ったらなにされるか・・・
:07/02/01 16:36 :D902iS :☆☆☆
#284 [我輩は匿名である]
:07/02/01 17:20 :N701i :☆☆☆
#285 []
アザが出来るくらいじゃ
済まないだろう
円形脱毛なんかじゃ
収まらないだろう
きっとまた
殺されそうになるんだ・・・
そんな恐怖が友梨を襲い
体が震えだした
他人にはわかんない。
実の親に
怯えるなんて・・・
わかるはずない
:07/02/01 20:04 :D902iS :☆☆☆
#286 []
『やめ・・・て』
お願いだから・・・
助けてくれるんじゃなかったの?
家に電話したら
行きたいところまで
連れていってくれるって・・・
そう・・・
いったじゃんか・・・
嘘つき。
裕クンの嘘つき!!!
:07/02/01 20:06 :D902iS :☆☆☆
#287 []
「バレたんや・・・ごめん」
え?
待って。
どういう意味?
『なんで?』
「非通知設定できてなくて・・・お前んちから電話かかってきて友梨返せって・・・・・」
そんな・・・
:07/02/01 20:09 :D902iS :☆☆☆
#288 []
「だから・・・ごめん。」
そう言って車を止めたのは
少し離れた場所にある
道の駅。
『裕クンのばか!!裏切り者!!友梨が家帰ったらどうなるか分からんでこんな事できるんやさ!!』
信じてた裕クンの
まさかの裏切りと
帰宅後の恐怖で
頭がパンクしそうだった
:07/02/01 20:16 :D902iS :☆☆☆
#289 []
「もうすぐお母さん来るで待っとけよ。ちゃんと話し合えよ」
話し合う?
今更話す事なんてない
てか
話したくもない
『あんたに頼った友梨がバカやった。最低!!もう連絡せんといて』
:07/02/01 20:18 :D902iS :☆☆☆
#290 []
パニクってる友梨は
自分のことで精一杯で
裕クンが友梨に
してくれた優しさなんか
忘れてた・・・
この日の事実を知るのに
時間はかからなかった
友梨は
最低なことをしました
裕クンが大人なんだって
実感し涙することになる
:07/02/01 20:22 :D902iS :☆☆☆
#291 []
『じゃあね!!』
嫌みったらしく
一言投げるようにはくと
荷物を持って車から降りた
「おいっ!!ゆり!!!!!」
夜の静かな住宅街に
二人の声がこだまする
今考えると恥ずかしい///
:07/02/01 20:31 :D902iS :☆☆☆
#292 []
追いかけてくる足音が
突然消えた
チャンスと思い
走って逃げた
「友梨!!!待って・・・友梨お願い話を聞いて・・・」
その声に
背筋が凍るような感覚を覚えたのを今でも忘れられない・・・
:07/02/01 20:33 :D902iS :☆☆☆
#293 []
『・・・・・!!』
腕を捕まれた。
その力は肉離れしたかと思うくらい強い力で
友梨は振り払えなかった
『痛いなっ!!触んなよ!!放せって!!!!!』
「友梨・・・どうして・・・??」
そう。
しっかりと腕を掴んだのは
母だった・・・
:07/02/01 20:40 :D902iS :☆☆☆
#294 []
『あんたの顔なんか見たくない!!!放してよ!!!!!』
「放さんよ。絶対に放さん」
震える手で
友梨の肩を掴んだ
母の顔は
涙でグチャグチャだった・・・
「帰ろう・・・??」
:07/02/01 20:43 :D902iS :☆☆☆
#295 []
「探したんよ・・・無事でよかった・・・」
そう言って嫌がる友梨を
無理矢理抱きしめた
大嫌いなはずの母
憎いはずの母
なのに・・・
なのに涙が止まらなかったのは
かけがえのない
たった一人の母親だから。
:07/02/01 20:46 :D902iS :☆☆☆
#296 []
母に手を引かれて
しぶしぶ車へと向かった
「ご迷惑おかけしました。仕事中なのに・・・」
ペコペコと頭を下げる母に
「いえいえ。ちゃんと話し合ってください。それから・・・友梨ちゃんの話聞いてあげてください」
と返す裕クン。
二人のやりとりを
聞き流しながら車に乗った
:07/02/01 20:52 :D902iS :☆☆☆
#297 []
家に向かう車の中
母は一言も話さなかった
もちろん友梨も。
殴られる覚悟を決め
唇を噛みしめて
見上げた空には
星なんか見えなくて
月だけが浮かんでた
:07/02/01 20:55 :D902iS :☆☆☆
#298 []
家に着くと父が玄関の外を
落ち着かない様子で
うろうろとしていた。
車を見るなり
友梨の乗っているドアを開け
「おかえり」
と優しい口調で言った。
それを無視して
友梨はさっさと家に入った。
後ろで二人がボソボソと話してたけど
聞こえない振りをした
:07/02/01 20:59 :D902iS :☆☆☆
#299 []
部屋に行き
床に鞄を投げつけた。
父が部屋の外から
優しい口調で
「下に来なさい」
と言い離れていった・・・
しばらく動かなかったけど
仕方なく下へ降り
居間の戸を開けた
:07/02/03 20:09 :D902iS :☆☆☆
#300 []
そこには泣き崩れる母の肩を
抱き寄せる父の姿
『なに?』
母は顔を上げると
「座って」と弱々しく言った
自分がしてきたことを
やっと反省したと思った
:07/02/03 20:14 :D902iS :☆☆☆
#301 []
「お母さん母親失格ね。子育てもろくにできんなんて・・・」
『・・・』
「友梨がそんなに嫌で家出するならお母さんが出てくわ。ねぇ?それでいいでしょ?」
友梨は黙ってた。
本当はいけない事してるって
わかってる。
親不幸者だって
わかってる。
:07/02/04 01:35 :D902iS :☆☆☆
#302 []
母親に・・・
いくら最低だとしても
母親に
こんなセリフ
言わせて良いわけない。
わかってる
わかってるのに・・・
素直になれずに
口から出た言葉は
残酷な一言でした――。
:07/02/04 01:37 :D902iS :☆☆☆
#303 []
目も合わせず
どこを見るでもなく
冷たい視線で
『家族だなんて思ってない。産まなきゃよかったってまで言われて親なんて思いたくないし、思えるはずない。』
『一緒に住むの疲れたんだよ!!いい加減自由にしてよ!!!』
ごめんオカン・・・
ごめんオトン・・・
:07/02/04 01:40 :D902iS :☆☆☆
#304 []
二人は黙ってたけど
きっと傷ついたよね・・・
父は
「育てる義務がある」
とか言ったけど
そんな言葉より
母の言葉は
痛かった・・・
:07/02/04 01:44 :D902iS :☆☆☆
#305 []
「お母さんも疲れたわ・・・お母さん友梨がやりたいって言うことは全てやらせてきたつもりよ。欲しいって言うものだって揃えてきたつもりよ?」
「でも友梨にとってそれは当たり前でしかなかったのね・・・」
「お母さん友梨をこんなになるまで追い込んで・・・私・・・私」
「いやぁ――――――!!」
突然頭を抱え込み
叫び出す母。
ノイローゼが・・・
始まった
:07/02/04 01:49 :D902iS :☆☆☆
#306 [ακ]
続き楽しみにしてます
:07/02/04 18:20 :D903i :☆☆☆
#307 [我輩は匿名である]
続き書いてくれぇ
まぢ待ってまあす
:07/02/12 20:44 :SO903i :☆☆☆
#308 [我輩は匿名である]
:07/02/18 01:00 :D903i :☆☆☆
#309 []
:07/02/18 02:06 :SH902i :☆☆☆
#310 [我輩は匿名である]
あげ
:07/02/19 09:47 :SH902iS :☆☆☆
#311 []
:07/02/19 16:46 :D902iS :☆☆☆
#312 []
突然変異した母は
長々と説教を始めた。
話し合いは二時過ぎまで続いた・・・その結果は
高校は卒業すること。
それから・・・
高校を卒業したら
他人になること。
籍を外すと言われた。
:07/02/19 16:54 :D902iS :☆☆☆
#313 []
解放される・・・
嬉しいはずなのに・・・
同時に胸が痛んだ。
卒業まで
あと一年半。
一年半後に
友梨は家族を失う。
もう絆なんてなかった。
愛なんてなかった。
:07/02/19 16:57 :D902iS :☆☆☆
#314 []
血が繋がってるから
時間が解決するとか
そんなんじゃない。
関係ない。
友梨に家族は
いない。
:07/02/19 17:02 :D902iS :☆☆☆
#315 []
:07/02/19 17:13 :D902iS :☆☆☆
#316 []
「もしもし?」
『あっ・・・急に電話してごめん!!今大丈夫?』
「ちょっとまってな!!」
受話器の向こうから部屋に移動する音が聞こえる。
「いいよ〜」
『あっ!うん』
受話器から聞こえる
彼の声に友梨の心拍数は
どんどんと早くなる・・・
電話の相手は・・・博。
:07/02/22 07:29 :D902iS :☆☆☆
#317 []
友梨の手に握られた
プリ帳を一枚破いた紙。
そこには・・・
親友の麻衣・晴子・裕クン・文博のアドレスと携帯番号。
それから博。
親に携帯をとられた後
親の目を盗んで
メモした5人。
:07/02/22 16:00 :D902iS :☆☆☆
#318 []
『ずっとメール返さんくてごめん!!』
勢いよく謝ったアタシに博は
「全然いいよ。何かあった?」
って優しく聞いた。
『親にケータイ取られてさ↓だからしばらくメールできん。』
:07/02/22 16:03 :D902iS :☆☆☆
#319 []
「そっかぁ・・・」
社交辞令か博は残念そうに
ため息混じりで呟く。
『ごめん・・・せっかく仲良くなったのにねー』
「まぁしゃーねぇさ!友梨んち厳しいなぁ!!笑」
『笑い事じゃないよぉ・・・』
「わりぃわりぃ☆携帯戻ってきたらメールしてよ。待っとるでさ!!」
:07/02/22 16:08 :D902iS :☆☆☆
#320 []
軽く流すような発言に思わず
『え〜友梨寂しいし・・・』
「そやな〜俺も寂しいよ!笑」
うわぁ〜
思ってなさそ(-д-)
それもそのはず。
博にとって友梨は
ただの掲示板で知り合った女
友梨の片思い。
:07/02/22 16:16 :D902iS :☆☆☆
#321 []
冗談ってわかってるのに
博に言われると
ドキドキしてるのがわかる。
ノリだから。
必死に言い聞かせるけど
次の一言で
友梨の自制心は一気に崩れる
「寂しいの?」
『うん・・・』
「まぁ大抵暇しとるし寂しかったらまた電話してきなよ。」
:07/02/22 16:31 :D902iS :☆☆☆
#322 []
いいのっ!?
うそだぁ〜夢みたい!!
『うんっ!!』
「そんな嬉しいか・・・??」
『嬉しいよ☆』
「ふ〜ん そっか 笑」
博にとっては
何気ない一言でも
友梨にとっては
全部が大切な言葉で・・・
:07/02/22 16:39 :D902iS :☆☆☆
#323 []
博の言葉一つで
嬉しくもなり
悲しくもなる。
友梨は毎日忙しい。
それから友梨は
頻繁に博に電話をかけた。
しつこいくらいに
二晩置きくらいのペースで。
:07/02/22 16:44 :D902iS :☆☆☆
#324 []
地元も学校も違うせいか
話題が途切れることはなくて
毎日二時間とか
普通に話した。
博は人を引きつける力がある。
学校生活を見たことはないけど、なんとなくわかる。
いつもみんなの中心で
笑ってそうで
一人でいても
人が集まってきそうな・・・
そんな人。
:07/02/22 16:48 :D902iS :☆☆☆
#325 []
博と同じクラスになりたい
なんて何度思ったことか。
クラスの女子との話を聞く度
胸が苦しくなって・・・
ヤキモチを妬く友梨。
でも『イヤ』なんて言う権利
友梨にはない・・・
友梨バカだから
『博モテモテじゃん!笑』
とか冷やかしてみたり・・・
:07/02/22 16:54 :D902iS :☆☆☆
#326 []
頻繁に電話をかける
という行動とは裏腹に
いかにも
自分は興味ないけどね!
みたいな発言して
余計自分苦しめた。
博・・・友梨の気持ち気づいてんのかな?
:07/02/22 16:58 :D902iS :☆☆☆
#327 []
日に日に募る思いは
"会ったことないんだよ?"
って思いよりも
はるかに成長し
友梨は大胆な行動に出る。
だって気づいて欲しかった・・・
行き場のない気持ち。
もう・・・我慢できん!!!
:07/02/22 17:02 :D902iS :☆☆☆
#328 []
いつものように
話してた夜。
『ねぇねぇ
』
「ん?」
『友梨好きになりそう・・・//』
「・・・」
「・・・は!?俺っ!???」
『他に誰がいますかー?』
ごめん。
我慢できんかった・・・
:07/02/22 17:06 :D902iS :☆☆☆
#329 []
驚くのも当然だと思う。
会ったこともない女に
好きって言われても
微妙だよね・・・
複雑だよね・・・
「なれよ!笑」
って・・・
友梨本気で言ったんやけどなぁ〜・・・
伝わんなかったみたい
:07/02/22 17:09 :D902iS :☆☆☆
#330 []
『なれよ!ってねぇ
』
「なればいいじゃん♪」
相変わらず
冗談で軽くかわされる・・・
博らしいとは思う。
思うんだけど・・・
気づいてよ!!
:07/02/22 17:33 :D902iS :☆☆☆
#331 []
じれったくて仕方ない。
気づいてるのに
からかってんのか
ほんとに気づいてないのか。
『会ったことないけど・・・でも・・・なんか気になって』
「まじで!?そういう事言われると俺好きになってまうし!笑」
友梨の恋愛魂に
火がついた 笑
:07/02/22 17:36 :D902iS :☆☆☆
#332 []
友梨にはもう博しか見えてなかった。
好きになったら
落ちるまで粘る。
コイツと決めたら
一直線。
じっくりゆっくり?
そんなことしてる余裕ない。
だって博モテるから・・・
他の子に先行かれたとか
笑えんから!!
鈍い奴には
超直球玉投げるしかない。
:07/02/22 19:24 :D902iS :☆☆☆
#333 []
そう決めた日から
友梨は直球を投げ続けた。
『はや惚れてまった!』
『会いたいよー』
『博みたいなんが彼氏やったら友梨幸せやわぁ』
誰だって気付く。
さすがの博も
友梨の気持ちに
気付いてくれたと思う・・・
:07/02/22 19:29 :D902iS :☆☆☆
#334 []
10月22日
友梨は告白を決意した。
って言っても
普段から告ってるようなもんだっけど
『ねぇねぇ』
「ん?」
いけっっ!!!
友梨がんば!!!
大丈夫。いけるって!!
:07/02/22 19:34 :D902iS :☆☆☆
#335 []
『あのさ・・・』
普段はポンって出てた
"好き"って言葉が
いざ告白するとなると
なかなか言えない・・・
「うん」
『えっと・・・』
「なんよ??笑」
『どんな髪型好き?』
はい,バカ。
:07/02/22 19:39 :D902iS :☆☆☆
#336 []
"どんな髪型好き?"
じゃねぇーよ!!
そんなんが聞きたいんじゃないのに・・・
「断然ショート!!笑」
しかも友梨ロングやし
ダメじゃんか↓↓
思いがけないところでの
撃沈に肩を落とす。
:07/02/22 19:43 :D902iS :☆☆☆
#337 []
何度も喉まででかかってる
"ス キ"
の二文字が
どうしても出ない・・・
勇気がない・・・
でも友梨この時
博となら絶対に幸せになれるって思ったんだよ?
:07/02/22 20:30 :D902iS :☆☆☆
#338 []
―次の日の夜―
そんな友梨に転機が訪れる
話題は
今まで付き合った人数や
エピソード。
聞いてて泣きたくなる位
モテる博に
少し苛立ちを感じ始めた時
何気なく出た言葉・・・
『なら友梨13人目〜笑』
:07/02/22 20:37 :D902iS :☆☆☆
#339 []
「かもな♪」
『まじで〜やったぁ↑笑』
『え??そういう事言うと本気にするよ〜』
「別にいいよ。」
『・・・友梨真剣にスキなんやけど・・・博それは友梨のことスキって意味??』
「どうやろなぁ〜笑」
:07/02/22 20:44 :D902iS :☆☆☆
#340 []
『なんや〜冗談か!!笑』
「ん〜好きやお??」
『・・・・・』
へ?
今好きって言った??
夢か??
え??
え??
え
!!!!
『まぢ!!??』
:07/02/22 20:47 :D902iS :☆☆☆
#341 []
「嘘に聞こえる??」
『うん』
「・・・ホントやさ
」
嘘みたい・・・
うれしかった。
すっごい
すっごい
うれしかった・・・
:07/02/22 20:50 :D902iS :☆☆☆
#342 []
信じられなくて
夢じゃないかって
びっくりした・・・
『両思い・・??』
「やな☆笑」
調子に乗った友梨は・・・
『あ!!待った!!』
「何?」
『まだ付き合ってないよね?友梨達。』
:07/02/22 20:58 :D902iS :☆☆☆
#343 []
「うん。なんで??」
『告るより告られたい』
・・・あほ。
調子に乗ってホザく友梨にも
博は絶対怒んなかった。
「俺に告れと?笑」
『やと嬉しいなぁ〜みたいな??笑 だめ???』
「しゃーなしやぞ??」
:07/02/22 21:03 :D902iS :☆☆☆
#344 []
『うん♪』
やった やった
気分は絶好調
『あ"ー!!まって!!』
「何っ!!?」
『記念日25がいい・・・』
「はっ!?意味分からん 笑」
:07/02/23 17:10 :D902iS :☆☆☆
#345 []
『25がいい
』
「なんで25がいいんよ?」
最強なわがまま。
こんな図々しい奴
世界に絶対友梨ぐらい。
しかも理由は超単純。
:07/02/23 17:14 :D902iS :☆☆☆
#346 []
『クリスマスが記念日って嬉しいじゃん♪』
とか言ってみたり・・・
「・・・」
あれ?
怒ったかな??
「なんじゃそりゃ!!笑」
笑った!!
よかったぁ〜
:07/02/23 17:22 :D902iS :☆☆☆
#347 []
その後少し話して
電話を切ったけど
興奮して
眠れなかった・・・
『はぁぁ〜(〃´д`』
"ん〜好きやお??"
"やな☆笑"
何度も何度も
博の言葉を思い出しながら
幸せをかみしめた。
:07/02/23 17:26 :D902iS :☆☆☆
#348 []
なんだかんだで
しっかりと爆睡したアタシは
張り切って学校へ行く。
「おはよう〜」
『おっはよ〜♪』
超ハイテンションな友梨に
呆れた顔でミナが言う。
「もぉ〜またなんか良いことあったんやろぉ〜??」
『ヘヘッ♪』
「わかりやすっ!!」
:07/02/23 17:30 :D902iS :☆☆☆
#349 []
『そぉ??』
「かなり・・・で??何があったの?」
『何やと思う〜??』
嬉しすぎて友梨の口角は
上がりっぱなし。
「じらすなよ〜」
『あんね〜笑』
:07/02/23 17:34 :D902iS :☆☆☆
#350 []
ニヤニヤしながら
昨日の出来事を話す。
『両思いなれたっ!!』
大胆な友梨の発言に
ミナはかなり驚いてた。
だけど
友梨の話を聞いてて
こんな日が来ると
なんとなくわかってたらしい。
「よかったね♪」
:07/02/24 12:15 :D902iS :☆☆☆
#351 []
『明日記念日なのっ!!』
嬉しそうに話す友梨に
「は?まだ付き合ってないの!?」
と驚くミナ。
それもそっか。
こんな発言普通あり得ない 笑
:07/02/24 12:19 :D902iS :☆☆☆
#352 []
記念日とX'masを
重ねたいだけ。
たったそれだけの理由。
:07/02/24 15:07 :D902iS :☆☆☆
#353 []
その日の夜
もう日課となった電話。
学校での出来事や
他愛のない話で
盛り上がる。
普通を装って話してたけど
さっきから枕元の時計を
何度も気にしながら
日付が変わるのを待った。
3・2・1 ・・・
:07/02/24 16:36 :D902iS :☆☆☆
#354 []
『12時!!!博12時なったよ』
興奮するアタシに対して
全く何のことかわかってない博
はしゃいでたのは
友梨だけみたい・・・
『もぉ〜25日やよ。』
「あぁ〜笑」
:07/02/24 16:42 :D902iS :☆☆☆
#355 []
『まさか忘れとった!?』
「ん!?忘れてないさ」
ほんとかよ・・・
怪しみながらも
告白を待つ
「じゃあ・・・」
ドキドキ ドキドキ
この日を・・・
友梨は絶対忘れない・・・
大切な記念日。
:07/02/24 19:47 :D902iS :☆☆☆
#356 []
「友梨のこと・・・」
うんうん!!
友梨のこと・・・??
「友梨のこと好きになりました。こんな俺でよかったら付き合って下さい」
少し照れながらの告白に
『はいっ!もちろん!!』
即答。
:07/02/24 19:50 :D902iS :☆☆☆
#357 []
2006年10月25日
アタシ達の始まり。
この時はまだ子供で
考え方も幼くて
目の前にある幸せに
何の迷いもなく飛び込んだ
:07/02/24 19:54 :D902iS :☆☆☆
#358 []
その日は言うまでもなく
遅くまで話した。
久々に全身に感じる幸せ
好きと言われる喜び
まさに
相思相愛そのものだった・・・
:07/02/24 19:58 :D902iS :☆☆☆
#359 []
:07/02/24 20:01 :D902iS :☆☆☆
#360 []
付き合って一週間。
毎日が幸せで
最近のアタシはまさに絶頂期。
わかんない古典も
大嫌いな英語も
サボりたい持久走ですら
楽しいと思うほどに
一日が終われば
博と話せる。
携帯のない友梨にとって
それが何よりの楽しみだった
:07/02/26 16:11 :D902iS :☆☆☆
#361 []
授業なんて右から左で
考えてるのは
明日の初デートのこと。
そう。
会ったことのないアタシ達。
今夜時間とか
話さんとなぁ〜
なんて事ばっか考えてて
先生に怒られた。笑
:07/02/26 16:47 :D902iS :☆☆☆
#362 [我輩は匿名である]
どんなヒトだったの?気になる!理想通りのヒト?
:07/02/27 17:18 :PC :☆☆☆
#363 []
:07/02/28 03:15 :SH700iS :☆☆☆
#364 [びーたン]
がんばーれ
:07/02/28 04:47 :SH902iS :☆☆☆
#365 []
>>364すみません
電話かかってきて
更新できませんでした
また
終わったら書きます
:07/02/28 08:19 :D902iS :☆☆☆
#366 []
ウチの親は厳しいから
男と遊ぶなんて
許されるはずもなく
ましてや
掲示板で知り合った男と
付き合ってる
なんてバレたら・・・
だから嘘つくしかなかった。
親に嘘をつくよりも
博に対して申し訳ないと
思う気持ちの方が大きかった
:07/02/28 19:49 :D902iS :☆☆☆
#367 []
明日も嘘をついて
会いに行く。
今回はたまたま部活の顧問から
おいしい話が飛び込んできた!
11月3日に大山(仮地名)の
文化センターで
サックス演奏会があるから
聴きに行って欲しい。
とのこと。
:07/02/28 19:52 :D902iS :☆☆☆
#368 []
『行く行く行きます!!!』
とアタシは
顧問にパンフレットを貰い
それを聴きに行く。
という口実で大山へ行く。
大山は隣町だし・・・
博の地元。
絶好のチャンスだった!!!笑
ってわけで
いろいろと作戦を練
り初デートを明日に控えた
今に至る。
:07/02/28 19:57 :D902iS :☆☆☆
#369 []
夜になり
いつものように電話をする。
携帯がないのって不便!!
相手の都合とかわかんないで
電話かけるのって以外と気が引ける・・・
しかもここんとこ毎日だし・・・
だけど博は文句一つ言わず
待ってました!!
と言わんばかりに明るく
電話に出てくれる。
:07/02/28 20:04 :D902iS :☆☆☆
#370 []
今日だってそう・・・
『あ、もしもし?』
「もしもし?ごめんな,いつもかけさせて」
なんて逆に謝ってくる
『友梨が好きでかけとるでいーのっ!!』
それに携帯没収されたアタシが悪い・・・
:07/03/01 14:03 :D902iS :☆☆☆
#371 [我輩は匿名である]
:07/03/02 05:39 :N902i :☆☆☆
#372 []
「そやなぁ〜笑」
絶えず響く
アタシ達の笑い声。
この電話の向こうにいる
大好きなあの人に
明日会える♪
:07/03/02 18:16 :D902iS :☆☆☆
#373 []
ピピピピッピピピピッ
『んーっ・・・』
朝。眠い目を擦りながら
ぶっさいくな顔と,寝癖でボサボサの頭をかきながら
ベッドから降りる。
カレンダーを見る。
11月03日 sax演奏会
なーんてねっ!!笑
:07/03/02 18:26 :D902iS :☆☆☆
#374 []
『〜♪〜♪』
朝からテンションが高い。
バスは8時32分藤岡発
9時52分大山着
待ち合わせは10時大山駅
只今の時刻、7時30分
ぁと2時間半!!!
:07/03/02 18:30 :D902iS :☆☆☆
#375 []
いつもより念入りにかけた
アイロン。
『う〜ん!完璧っ!!笑』
卒業してしまう博と
最初で最後の制服デート。
いつも着なれた紺のブレザーも
今日はやけに可愛く見える。
:07/03/02 18:34 :D902iS :☆☆☆
#376 []
「ゆりー??いつまでかかってんの!?早くしないとバスいっちゃうわよ!!!」
と下からお母さん。
『はいはいはいはい、今行きますよぉー』
あれから時間も流れ
いつの間にか前みたいに普通の生活に戻ってた。
:07/03/02 18:41 :D902iS :☆☆☆
#377 []
何も知らないお母さんの車に乗り込みバス停へ向かう。
「あんたホントにマイペースなんだから!!」
とあきれた様子の母を無視して
『あ〜コンビによって。てかコンビニでいいから。』
「はいはい。」
ごめんねオカン。
また騙して。笑
:07/03/02 18:47 :D902iS :☆☆☆
#378 []
『行ってきます』
「終わったら連絡しなさいよ。」
『はいはい』
素っ気なく答え
車から降りる。
『連絡しなさいよ、とか言うなら携帯返せっつーの!!』
と独り言を言いながら
コンビニに入りガムとホットレモンを買いバス停へ向かった
:07/03/02 18:51 :D902iS :☆☆☆
#379 []
バス停に着き
バスを待つ。
『今何時かなぁ〜』
って小さく呟くだけで
吐く息が白い。
11月とはいえ
雪国の朝は寒い。
『さっむ〜』
バス早く来いっ!!
:07/03/02 18:55 :D902iS :☆☆☆
#380 []
『・・・』
『ざぶい"
』
『・・・』
『・・・あれ?』
あれれれれ?
バス遅くねぇか?
ちょっといくら何でも・・・
不安になったアタシは
バス停の向かいにある店に
時計を見に入った。
:07/03/02 18:59 :D902iS :☆☆☆
#381 []
「いらっしゃい!!」
『おはよ〜おっちゃん今何時〜???』
『・・・・・・・・えっ!!??』
時計の針は・・・
8時40分を指している。
バス・・・
いつきた!?
:07/03/02 19:01 :D902iS :☆☆☆
#382 []
『おっちゃん!!!バスいつ来た!?ずっと待っとったのに・・・』
「何〜??今バス停ここでないんよ。道路工事の関係で・・・8時半のなら・・・とっくに出たはずやで??姉ちゃん乗り遅れたんけ?」
乗り遅れた!?
バス停移動??
道路工事??
へ??
意味わからんで??
:07/03/02 19:16 :D902iS :☆☆☆
#383 []
『まぢかよ!!ありがとぉ・・・』
と力なく店を後にし
バス停に戻り
隣に貼ってある時刻表をみようとすると・・・
"下水道工事の為臨時バス停に移動しました。ご迷惑おかけしますがご理解願います。"
ぶっちゃけようか!?
張り紙する位置おかしくね??
ふざけんなよなぁ!!
:07/03/02 19:20 :D902iS :☆☆☆
#384 [我輩は匿名である]
:07/03/02 20:45 :SH902iS :☆☆☆
#385 []
え・・・ってことはぁ・・・
『まずいっ!!!』
アタシは500メートルほど離れた
臨時バス停へ走った。
けどバスなんて
いるはずもなくて
次のバスが来るのが
9時32分。
:07/03/03 08:15 :D902iS :☆☆☆
#386 []
藤岡から大山までは
バスで行くと1時間20分かかる
完全に遅刻。
『博に連絡せんと!!』
アタシは近くの公衆電話に駆け込んだ。
田舎だからまだ公衆電話が残ってるのは奇跡だ。
:07/03/03 08:18 :D902iS :☆☆☆
#387 []
誰かが置いたんだろう。
目覚まし時計が
電話の横に置いてある。
時間は9時を過ぎていた。
『初デートでいきなり遅刻かよ・・・』
こんなんだと
嫌われちゃうよ・・・
ごめんね,博。
嫌いにならないで??
:07/03/03 08:22 :D902iS :☆☆☆
#388 []
毎晩かけていたせいか
毎晩かけていたおかげか
博の番号は暗記していた。
090XXXXXXXX
急いで電話をかける。
プルルルルップルルルルッ
プルルルルップルルルルッ
プルルルルップルルルルッ
出ない・・・
:07/03/03 08:26 :D902iS :☆☆☆
#389 []
変な緊張が全身を走る。
『出て・・・おねがい!!』
公衆電話からだから
出ないのかな?
もしかしてまだ寝てる?
・・・たぶん寝てる。
『起きて・・・』
:07/03/03 08:28 :D902iS :☆☆☆
#390 []
アタシは何度もかけた。
"起きて!!!出て!!!"
しかし何コールしても
博が起きることはなく
時間は過ぎていく。
『バス来ちゃうよ・・・泣』
友梨の目には涙が溜まってた。
:07/03/03 08:31 :D902iS :☆☆☆
#391 []
そして
友梨の願いも虚しく
バスが来てしまった・・・
ギリギリまで粘ったのに・・・
てか10時待ち合わせなら
いい加減起きてて欲しかった。
とか思ったけど
全ては友梨が悪いんだし。
:07/03/03 08:34 :D902iS :☆☆☆
#392 []
仕方なく公衆電話を後にし
バス停まで行く。
後輩が一人いて
「おはようございます。休日なのにどこか行くんですか?」
って話しかけてきたけど
友梨今そんな気分じゃない。
『まぁ・・・ちょっと。』
って軽く流した。
:07/03/03 08:39 :D902iS :☆☆☆
#393 []
『大変ですねぇ〜笑 サクラぁ今日デートなんですぅ〜』
『よかったね。』
「先輩彼氏みえるんですかぁ〜?」
『さぁ〜想像に任せる 笑』
「え〜すごい気になるぅ〜」
止めてくれ。
その語尾延ばして喋るの。
イライラする。
:07/03/03 08:44 :D902iS :☆☆☆
#394 []
てか今の友梨に
話しかけないで欲しい・・・
「きたぁ〜先輩バス来ましたよぉ〜」
よかった・・・
助かった。
友梨は後輩に先にバスに乗らせサクラと離れた席に座った。
:07/03/03 08:48 :D902iS :☆☆☆
#395 []
いい加減起きたかな?
友梨は時間ばかり気にして・・・
落ち着かなかった。
博が駅で一人待つ姿を想像すると涙がでる。
どうしよう・・・
どうしよう・・・
どうにかして連絡できないかな?
:07/03/03 08:51 :D902iS :☆☆☆
#396 []
今まであまり感じたこと無かったけど・・・
この日ばかりは
携帯電話の必要性を
身を持って実感した。
サクラに携帯を借りるか迷ったけど止めた。
なんか後輩にまで迷惑かけたくなかったし・・・
:07/03/03 12:02 :D902iS :☆☆☆
#397 []
ゆっくりと田舎道を走るバスの旅とは裏腹に
友梨の気持ちは焦るばかり。
商店街の時計を見ると10時15分。
あーぁ・・・
博もう帰っちゃったかな・・・
ドタキャンしたって思われるかな?
:07/03/03 12:06 :D902iS :☆☆☆
#398 []
気づいたら目から
いっぱいの涙が溢れてて
さっきまで見てた景色は
ぎにゃぐにゃに歪んで
見えなくなった。
ごめん・・・
そう何度も思った。
駅に着いたら
もう一度電話してみよう。
:07/03/03 12:10 :D902iS :☆☆☆
#399 []
でも友梨ね
ちょっと期待してたりする。
駅に着いたら
博、待っててくれるって。
とかさ
公衆電話の電話、友梨からかもって気づいてくれて
乗り遅れたんだなって察してくれてるかも。
とかさ。
:07/03/03 12:14 :D902iS :☆☆☆
#400 []
優しい博は
帰ったりしない。
怒ったりしない。
責めたりしない。
理由はなせば分かってくれるはずだよ。
そう自分に言い聞かせ
必死にこらえた涙。
:07/03/03 12:15 :D902iS :☆☆☆
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