〇ニ番目の四季〇
最新 最初 🆕
#201 [ゆり]
ウーロンを取ってもらい
隼人はコーラを飲みながらまた隣に座った。

それと同時に
あたしはずっと気になってた事を聞いた。

「今日どうしたの?」

「え…あぁ…別に」

視線を落として気まずそうな横顔を見て
女関係だな、と思った。

「そっか…」
それ以上聞くのはやめた。
あたしも辛いから。

⏰:06/05/31 19:32 📱:V703SH 🆔:SVEbQfnA


#202 [ゆり]
すると話題を変えるように隼人が口を開いた。

「ゆりちゃんは?先輩とどうなの?」


高橋さんの話になっても
動揺しなかった。

自分で思ってるよりずっと
ケジメは付いてたみたいだ。

「今日、もう会わないって言ったよ」
 

⏰:06/05/31 19:39 📱:V703SH 🆔:SVEbQfnA


#203 [ひLI]
なンかねえ-
ゆりチャンの文章読ンでるとその絡みとかが
頭のでポワー…ンて
自然と思LI浮かぶと
すごLIねえ-ッて思うよ
最初から最後まで
一気に読ンぢやLIたLI

⏰:06/05/31 19:41 📱:N901iC 🆔:epfGqGAg


#204 [ゆり]
ひいサン☆ほんとにィー!?(*≧□≦*)
なんか説明不足のとこが多いで分かりにくぃかな…って思ってたァ。いつも読んでくれてほんとありがとォッ♪

⏰:06/05/31 20:50 📱:V703SH 🆔:SVEbQfnA


#205 [ゆり]
「えッ?」

隼人は驚いて少しコーラを拭いた。

あたしは笑った。

「いや笑い事じゃないから…で、どうなったの?」

「ん〜押し倒されたりしたけど、最後までは出来なかったの。」

あたしは言わなくてイイ様な事まで話していた。
隠したりしたくなかったから、
あえて言葉は選ばなかったんだ。
 

⏰:06/05/31 20:55 📱:V703SH 🆔:SVEbQfnA


#206 [ゆり]
隼人は戸惑った様に聞いた。

「…なんで出来なかったの?」


あたしは即答した。
「先輩のえりあしが稲葉くんに見えたから」


ほんと、えりあしが全て気付かせてくれたんだもん。

先輩に被る程、隼人の存在はあたしの中で大きくなってたんだよ。

 

⏰:06/05/31 21:15 📱:V703SH 🆔:SVEbQfnA


#207 [ゆり]
意味がわからん、みたいな顔をするから
とりあえず説明した。
だけど
隼人が好きとは言えなくて
「あたしもよくわかんない」って言葉で
気持ちを濁した。

けど隼人にだけは軽く見られたくなかった。

「でも…なんとも思ってない人とホテルなんて入らないよ」

あたしは少し笑って言った。
 

⏰:06/05/31 21:22 📱:V703SH 🆔:SVEbQfnA


#208 [ゆり]
目が合った。

隼人は持っていたコーラを机に置いた。

あたしはその手を目で追った。

缶を置いた手はあたしの肩に回って、抱き寄せられた。

身体が触れる。

あたしは内心ドキドキで、
だけど唇が触れた瞬間
スイッチが入った。
 

⏰:06/05/31 21:49 📱:V703SH 🆔:SVEbQfnA


#209 [ゆり]
キスをして
唇を離す。

隼人の手が少し震えてるのが分かった。

緊張した息遣いがめちゃくちゃ意外だった。

「ドキドキしてるね(笑」

隼人の胸に右手を当てて言うと

「ゆりちゃんってSなの?笑」
と言われたのを覚えてる。

「ん〜どーだろ笑」

そう言って今度はあたしからキスをした。

⏰:06/05/31 21:53 📱:V703SH 🆔:SVEbQfnA


#210 [ゆり]
首に手を回して、
さっきまでの距離感を埋めるみたいに
唇を重ねた。

いつの間にか見てた番組も終わってた。

隼人はあたしの腰に回した手を延ばして
テレビを消した。

無音の部屋に
荒い息がやけに響いて聞こえた。
 

⏰:06/05/31 21:58 📱:V703SH 🆔:SVEbQfnA


#211 [ゆり]
「こっち…」

隼人は呟く様にそう言って
あたしの手を優しく引いてベッドに連れて行った。


キスをしながら
髪や身体に触れる指先にいちいち反応する。

まだ少し濡れてる髪から
シャンプーの香りがする。


急に隼人の手が止まった。
 

⏰:06/05/31 22:06 📱:V703SH 🆔:SVEbQfnA


#212 [ゆり]
「やべー…めっちゃ緊張する…」

隼人は手で顔を隠して言った。

その姿でやられた。
あんた可愛過ぎだよ。

「アハハ大丈夫?」
あたしはバスローブの襟元を掴み
上半身を起こして聞いた。
 

⏰:06/05/31 22:10 📱:V703SH 🆔:SVEbQfnA


#213 [ゆり]
「だってゆりちゃんだよ?…どうしよう」

ブツブツ言い続ける隼人。


「じゃあ電気消そ!あたしも恥ずかしいし」

まるで初体験の二人
みたいな会話をしてた。


「ごめん…俺まじ情けねーじゃん」

「アハハ!大丈夫ッそんな反応あたしは嬉しい!」
 

⏰:06/05/31 22:15 📱:V703SH 🆔:SVEbQfnA


#214 [ゆり]
電気を消して
枕元の薄暗い電気だけを付けた。

あたしはベッドの上で正座をしてる隼人にキスをした。

攻めない優しいキス。

「お前キス上手いな…」

隼人はしみじみと呟いて
押し倒しながらあたしのバスローブを脱がせた。

 

⏰:06/05/31 22:22 📱:V703SH 🆔:SVEbQfnA


#215 [ゆり]
あたしは出会った時から隼人の手が大好きだった。

黒くて指が長くて血管が程よく浮いてて
手フェチのあたしのストライクの手。笑


その手に触られてるって思うだけで
かなりやばかった。

でも入れる直前
極度の緊張で隼人が萎えた。笑
 

⏰:06/05/31 22:26 📱:V703SH 🆔:SVEbQfnA


#216 [ゆり]
「やべ!ちょっと待ってッ笑」

「あはは!!まじウケるし!さっきまでの元気はどこへ?」

「頑張れ俺!!」


めちゃくちゃ面白かった。
ムードはゼロだけど、なんか愛が溢れてる感じがしたんだ。


まぁそれから無事にひとつになれて
二人の初えっちは成功。笑
 

⏰:06/05/31 22:31 📱:V703SH 🆔:SVEbQfnA


#217 [ゆり]
隼人の腕枕で横になる。

なんかこんな穏やかな気分は初めて。

いつも心は満たされなかったのに。


愛して愛される幸せって
こんな気持ちを言うのかな。
 

⏰:06/05/31 22:35 📱:V703SH 🆔:SVEbQfnA


#218 [ゆり]
あの時
あんたがいきなり真顔で言った言葉、

今も忘れてないよ。

「生まれ変わってもまた
お前の事、好きになると思う。」


恥ずかしくて
茶化してごまかしちゃったけど

本当はとても嬉しかった。
 

⏰:06/05/31 22:38 📱:V703SH 🆔:SVEbQfnA


#219 [ゆり]
付き合い始めた6月から
あたし達は学校でも放課後でも
毎日ずっと一緒にいた。


世間で言うラブラブってやつ。
乙女チックな響きに寒気するけど
ラブラブだった。

でも喧嘩もかなり多かった。
 

⏰:06/05/31 22:43 📱:V703SH 🆔:SVEbQfnA


#220 [ゆり]
やっぱり遊び人だった男だから
女の子を目で追う。

ミニスカとか
綺麗なお姉さんとか
大好物。

「あんた…また見てたでしょ?」

「見てねーって!!」

こんなくだらない内容でしょっちゅう喧嘩。

まぁあたしが一方的に不機嫌になってるだけだけど…

 

⏰:06/05/31 22:47 📱:V703SH 🆔:SVEbQfnA


#221 [ゆり]
あたしと隼人の過去は違い過ぎて
たまに泣けるくらい辛くなる。

過去なのに。

気にしても意味ないって分かってるのに。

あたしこんなヤキモチ妬いた事ないのに。

「ごめんね、あたしが心狭いんだわ」

いつもこんな風に自分に言い聞かせてた。

⏰:06/05/31 22:51 📱:V703SH 🆔:SVEbQfnA


#222 [ゆり]
そんなある日

生理が遅れてる事に気が付いた。


あたしは毎月ちゃんと決まった週に来るから
急に不安になった。

心辺りは一度だけあったから…
 

⏰:06/05/31 22:54 📱:V703SH 🆔:SVEbQfnA


#223 [ひLI]
LIやあッッ(゚)

マヂ、ドキX02するッて
でもゆりチャンみたLIな
高橋サンの時みたLIな
相手を想う恋愛、
隼人クンのよお-な
愛し愛される恋愛…。
してみたLI
相手を想う気持ちッてのをゆりチャンの小説読ンで
改めて気付かされた
ありがと(ー∀ー)

⏰:06/05/31 23:37 📱:N901iC 🆔:epfGqGAg


#224 [あやぽん]
失礼
ゆリサン頑張って
>>40ー100

⏰:06/06/01 01:28 📱:SH700i 🆔:Yk04/EkE


#225 [ゆり]
ひいサン☆あやぽんサン☆いつもありがとォ(*≧m≦*)読んでくれてほんと嬉しいわァ〜ッ☆

⏰:06/06/01 06:20 📱:V703SH 🆔:c.8GcieI


#226 [ゆり]
あたしは隼人に遅れてる事を言う前に
いろいろ考えた。

もし出来てたら…

うちはお母さんが出てっちゃって、お父さんも仕事で居ないって家だったけど

学費は払ってもらってた。

だから学校はちゃんと卒業しなきゃいけないって気持ちが
常にあった。

⏰:06/06/01 06:24 📱:V703SH 🆔:c.8GcieI


#227 [ゆり]
こんなちゃらんぽらんな外見だけど

成績も良かった。

だからかえって
妊娠して全てを失う事が怖い
と感じてしまった。


予定日から一週間過ぎた頃
あたしは誰にも話せないまま学校を早退した。
 

⏰:06/06/01 06:28 📱:V703SH 🆔:c.8GcieI


#228 [ゆり]
学校でもいつも一緒にいる隼人が
あたしが早退した事を気付かない訳ない。

学校から出て
とぼとぼ歩いていると携帯が振動した。

着信

隼人

一瞬ためらった。
すぐに言い訳を考えて
電話に出た。
 
「もしもし?」

「あ、ゆり?帰ったの?どうした?」
 

⏰:06/06/01 06:33 📱:V703SH 🆔:c.8GcieI


#229 [ゆり]
「あ〜ちょっと体調悪くなっちゃってさァ」

演技混じった嘘をついた。

「まじで?大丈夫?」

「だいじょぶだよ〜帰って寝るわ」


「うん…気をつけて帰れよ」

そう言われて電話を切った。

電車とバスを乗り継いで家に帰った。

その間もずっと
妊娠の事を考えていた。
 

⏰:06/06/01 06:40 📱:V703SH 🆔:c.8GcieI


#230 [ゆり]
おろす事になるのかな…


産んだとしても
赤ちゃんが幸せになれないとか
言うつもりは全くない。

隼人と二人なら
幸せなんて簡単に見せてあげられるって
思うから。


だけど
じゃあ隼人は?

幸せ感じられる?

 

⏰:06/06/01 06:44 📱:V703SH 🆔:c.8GcieI


#231 [ゆり]
あたしは泣いてた。

なんで涙が出るって

自分が情けなくて
ズルくて
無力だから。

誰かの為って言いながら
結局自分の為。

やる事やって
責任取れないなんて

ありえないよ。

 

⏰:06/06/01 06:47 📱:V703SH 🆔:c.8GcieI


#232 [ゆり]
携帯が鳴った。

隼人だ。

涙を拭いて
咳ばらいで声を整えた。

「もしもし」

「家着いた?大丈夫?」

「うん着いたよ〜大丈夫だからそんな心配しんで(笑」

「だって心配だもん…」

「女の子みたいに言うなよ笑
ありがと!まじ大丈夫だから。もうすぐ講義始まるでしょ?」

あたしは時計をチラ見して言った。
 

⏰:06/06/01 06:53 📱:V703SH 🆔:c.8GcieI


#233 [ゆり]
てっきりそれで終わると思った。
でも隼人は続けた。

「…お前生理きた?」


正直めちゃくちゃびっくりした。

「なんで…?」

「だって今月腹痛いとか言わねーじゃん」

あたしは生理痛がキツイから毎月痛い痛い悶えてた。
その度隼人は腰さすってくれたり
バック持ってくれたりしてた。
 

⏰:06/06/01 06:58 📱:V703SH 🆔:c.8GcieI


#234 [ゆり]
「きてねーんだろ?」

隼人は少し怒った声になった。

あたしはまた泣いていた。

「ゆり?」

涙で言葉が出ない。

だって
どうしたらいいのか分からない。

「お前泣いてんの?なんで俺に言わねーんだよ!」

珍しく隼人が声を荒げた。
 

⏰:06/06/01 07:02 📱:V703SH 🆔:c.8GcieI


#235 [ゆり]
「…ごめん…」

やっと出た言葉がこれだった。


あたしは電話を切った。


ベッドに潜り込んで泣いた。

なんでもっと上手に

生きられないんだろ。

 

⏰:06/06/01 07:05 📱:V703SH 🆔:c.8GcieI


#236 [ゆり]
1時間半くらい経った頃

また携帯が鳴った。

隼人からのメールで
「出てきて」って内容だった。

あたしはどこに?と思いながら
階段を下りて外に出た。


汗だくの隼人がいた。
  

⏰:06/06/01 07:08 📱:V703SH 🆔:c.8GcieI


#237 [ゆり]
泣き過ぎで頭がぼーっとしてる。

「隼人…もう秋だよ?」

あたしは真顔で言った。


「うるせーよ!笑
チャリで来たんだから仕方ねーだろ」

息が上がってた。

「学校からチャリで来たの?」

「うん、全力疾走で笑」

隼人は笑顔で顔を流れる汗を拭いた。
 

⏰:06/06/01 07:12 📱:V703SH 🆔:c.8GcieI


#238 [ゆり]
「…なんでぇ?」

あたしはアホな子みたいに
首を傾げて聞いた。
全然頭が働かない。


「ゆりに会いたかったから」

隼人はまた笑顔でそう言い
あたしの手を握った。


「検査するやつ…検査薬っつーの? 買ってきたから。
出来るか?」

 

⏰:06/06/01 07:16 📱:V703SH 🆔:c.8GcieI


#239 [ゆり]
検査薬…
その言葉でようやく頭が働き出した。

「恐い…」

あたしは俯いた。

握られる手に力が入る。

「やらないままでも不安なだけだろ?
俺待ってるから」


しばらく俯いて
あたしは頷いた。

「わかった…」

 

⏰:06/06/01 07:19 📱:V703SH 🆔:c.8GcieI


#240 [ゆり]
自転車にかけてあった袋を外し
あたしに渡す。

中にはポカリとプリンとポッキーも入ってた。

「ちゃんと出来たらポッキー食わせてやるよ」

笑って隼人が言った。

「それ新商品の苺のやつ?絶対食べたい」

「じゃあ頑張れ!俺ここにいるからな」

優しく笑ってくれた隼人に後押しされて

あたしは家に入った。 

⏰:06/06/01 07:25 📱:V703SH 🆔:c.8GcieI


#241 [ゆり]
トイレに入って
箱を開けて
説明書を簡単に読んで

検査した。

何を祈る訳でもなく、
時間が過ぎるのを待った。





結果は
陰性。

妊娠してなかった。
 

⏰:06/06/01 07:27 📱:V703SH 🆔:c.8GcieI


#242 [ゆり]
あたしは無言のまま
検査薬を袋に入れて
ごみ箱の奥の方につっこんで
家を出た。


外には落ち着かない様子で煙草を吸う隼人がいた。

あたしに気付き煙草を消す。

「ゆり!どうだった?ちゃんと出来たか?」


「…出来た。だからポッキー」

あたしは右手を出した。

その手を強く握って
「後だよバカ!結果は!?」
と言った。
 

⏰:06/06/01 07:35 📱:V703SH 🆔:c.8GcieI


#243 [ゆり]
「妊娠してませんでした…
お騒がせしてごめんなさい」

あたしは頭を下げた。

隼人は気が抜けた顔を見せた。

「まじで?」

その後に両手であたしの手を握って

大きな溜め息を吐いて言った。


「ゆり…ごめんな…」
 

⏰:06/06/01 07:39 📱:V703SH 🆔:c.8GcieI


#244 [ゆり]
「…なんで?」

「不安だったよな、もっと早く気付いてやれなくて
ほんとごめん」


「…隼人って優しいね」

あたしはしみじみ感じた。

2時間くらいかかる距離をチャリで走ってきてくれた。

検査薬買うのも
恥ずかしかっただろうな。

あたしが好きなチョコレートもちゃんと買ってきてくれて

本当に嬉しかった。
 

⏰:06/06/01 07:45 📱:V703SH 🆔:c.8GcieI


#245 [ゆり]
「ゆり、体調大丈夫?」

「うん大丈夫!ありがとッ」

隼人は右手で自転車を引き
左手であたしの手を握って歩き出した。

「公園でポッキー食おうぜ」

「食おう食おうッ♪」

あたしが笑ってるのを見て
隼人も笑ってくれた。 

⏰:06/06/01 07:51 📱:V703SH 🆔:c.8GcieI


#246 [ゆり]
公園に着いて
ベンチの近くにチャリを止める。


「こっち綺麗だよ」

そう言って綺麗な方のベンチに座らせてくれる。

自然に出る優しさが
ほんと凄いなっていつも思う。

こんな優しさに慣れてしまわないように

「ありがとう」は忘れない。

⏰:06/06/01 07:52 📱:V703SH 🆔:c.8GcieI


#247 [ゆり]
座ると隼人はポカリをがぶ飲み。

「飲んでれば良かったのに(笑」

「お前が辛い思いしてる時に
のんきにポカリなんて飲めないっしょ」

「いやいや子供産んでた訳じゃないんだから…笑」


隼人は少し視線を落とした。
 

⏰:06/06/01 07:56 📱:V703SH 🆔:c.8GcieI


#248 [ゆり]
「俺さ〜ずっと考えてたんだけど
子供出来てたら学校辞めて働くつもりだったよ」

真剣な横顔が
すごく嬉しかった。

「ありがと…」

「俺まじでお前と結婚するって誓ったし!」

「…誰にだよ笑」

「自分に誓ったの!」

一生懸命な隼人が愛しくて
本当に優しい気持ちに包まれた。

少し冷えた秋の風が

とても温かく感じたんだ。
 

⏰:06/06/01 08:02 📱:V703SH 🆔:c.8GcieI


#249 [ひLI]
隼人クン優しスギ
ゆりチャンもちゃンと
考えてて偉LI
なンか見てて
ドキX02したり
1囚でニヤX02したり
自分怖LIンです`(・З・)笑

⏰:06/06/01 13:05 📱:N901iC 🆔:feSxTEu.


#250 [ケン]
俺も読んでてニヤAしちゃってヤバいです

⏰:06/06/01 13:19 📱:N900i 🆔:HDd5zafM


#251 [ひLI]
ケンサン
やばイよねッッ(゚)更新されるの
すごLI楽しみなンだあ

ゆりチャン
がむばれ+゚

⏰:06/06/01 14:07 📱:N901iC 🆔:feSxTEu.


#252 [ゆり]
ひいチャン☆ケンサン☆
感想ありがとォ〜(*´∪`*)
ニヤAしちャうッ?(*≧□≦*)すいませんッ!!

⏰:06/06/02 13:47 📱:V703SH 🆔:Zfxg/uXs


#253 [ゆり]
周りから見たら
幸せな二人に見えるはず。

でもあたしは
隼人の過去が乗り越えられずにいた。


あたしは
こんな茶髪に巻き髪で
軽そうに見られるだろうけど
頭は堅い。

今までコンパもした事ないし
ナンパについてった事もない

簡単に言えば
そんな真面目な道を歩いてきた自分が少し嫌だった。
 

⏰:06/06/02 13:48 📱:V703SH 🆔:Zfxg/uXs


#254 [ゆり]
こんなあたしだから

隼人は好きになってくれたのかもしれないけど

隼人はコンパもして
ナンパもして
紹介とかもしてて


自分でも子供だなって思うけど

そんな過去の距離が
どうしようもなく嫌だった。
 

⏰:06/06/02 13:50 📱:V703SH 🆔:Zfxg/uXs


#255 [ゆり]
「ゆり、寒くない?」


季節は冬。
あたしは相変わらず薄着。

「お前何枚着とんの?」
「2枚」

「ありえん!!もっと着ろって!風邪引くぞ!」

「大丈夫。皮下脂肪があたしを守ってるから」

「すぐあー言やこー言うなお前は(笑」

いつものやりとりが
幸せなのに
こんな寒い日は余計切なくなるんだ。

隼人は過去に何人とこうやって冬を越えてきたんだろう。
 

⏰:06/06/02 13:52 📱:V703SH 🆔:Zfxg/uXs


#256 [ゆり]
あたしは昔から臆病だから

失った時に大袈裟に傷付いたりしないように
少し距離を空けて付き合ってきた。

だけど毎日一緒にいる隼人とは
上手に距離間が保てなくて
隼人ばっかりになる自分が
少し恐い。

こんな気持ちきっと
隼人には分からないかもしれないけど。


綺麗事で馴れ合う様な関係なんて
あたしは求めてないのに。
 

⏰:06/06/02 13:56 📱:V703SH 🆔:Zfxg/uXs


#257 [ゆり]
雪が溶けて


桜が咲いて

春が来た。

あたし達が出会った季節。


毎日一緒にいるから
まだ1年なんて
なんか信じられないよね。
 

⏰:06/06/02 13:59 📱:V703SH 🆔:Zfxg/uXs


#258 [ゆり]
そんな中

新入生歓迎会があった。


全部が崩れてしまった日。


今もまだ
辛い。

 

⏰:06/06/02 14:01 📱:V703SH 🆔:Zfxg/uXs


#259 [ゆり]
その日
あたしはいつも通りで

髪を巻いて
香水をつけて
時計をはめて家を出た。

バスと地下鉄を乗り継いで学校へ向かった。

いつもは少し遅れてくるくせに
珍しくホームで隼人が待ってた。

 

⏰:06/06/02 17:32 📱:V703SH 🆔:Zfxg/uXs


#260 [ゆり]
「おはよ〜♪」

「おはよ♪
朝からずいぶんご機嫌ですね☆」

あたしはこの瞬間から嫌な予感はあったんだ。

やたら髪はバッチリセットされてるし
香水はクロームだし。
お兄臭ムンムン。

(こりゃなんかやらかすな)

そう思いながら二人で学校に行った。

⏰:06/06/02 17:35 📱:V703SH 🆔:Zfxg/uXs


#261 [ゆり]
午後の講義も終えて

夕方の6時から
新歓開始。

あたしは友達に「また後でね〜」と言って
隼人と会場まで向かった。

入口では4年の先輩が費用を集めてた。

「1年以外は3500円ね〜」

(高ッ!!食べ放題行けるじゃん)

そう思いながら財布から4000円を出した。

⏰:06/06/02 17:43 📱:V703SH 🆔:Zfxg/uXs


#262 [ゆり]
「あッCHANELの財布かわい〜♪ ハイッお釣り500円ね〜♪」

その時なぁんか嫌な気分になった。

後で聞いたんだけど
この先輩、隼人がお気に入りだったんだって。

あたし宣戦布告されてたっぽい。
 

⏰:06/06/02 17:53 📱:V703SH 🆔:Zfxg/uXs


#263 [ゆり]
なんも気付かないあたしは
愛想笑いで交わして
店に入った。

店は座敷で、10人ずつくらい仕切られてる所だった。


「ゆりちゃ〜ん!!こっちこっち☆」

遠くから友達が呼ぶ。

あたしは隼人に
「ごめん、ちょっと行くね!」
そう言って友達の所に座った。
 

⏰:06/06/02 17:57 📱:V703SH 🆔:Zfxg/uXs


#264 [ゆり]
いつも隼人と一緒にいるから
友達と飲むのも久しぶり。

「今日は隼人クンじゃなくて、うちらと飲んでよね〜!」

「わぁかってるよ(笑」

あたしは友達に両端を固められて
軽い監禁状態だった。
 

⏰:06/06/02 18:02 📱:V703SH 🆔:Zfxg/uXs


#265 [ゆり]
横には友達、
前にはカッコイイって騒がれてた
一年男子が数人がいた。


「先輩ってあのギャル男っぽい先輩と長いんすか〜?」

「ん〜もうすぐ1年だよ〜」

「長いっすねー!いいな〜」

「てか付き合ってんの知ってるんだ?笑」

「だって先輩達目立ちますもん(笑」
 

⏰:06/06/02 18:06 📱:V703SH 🆔:Zfxg/uXs


#266 [ゆり]
そんな会話をしながら、
あたしはカクテルを飲んでた。
隼人はどこかな?
とか気にしながら。


「先輩〜」
いつの間にか隣には
一年ナンバーワンボーイが。

爽やか系。
色が黒い隼人に見慣れてたから
なんか新鮮だった。

「なに?」
 

⏰:06/06/02 18:18 📱:V703SH 🆔:Zfxg/uXs


#267 [ゆり]
「メアドとか聞いたらヤバイっすか?」

「ん〜ヤバイっすね(笑」

「えー!!彼氏厳しいんですか?」

「厳しいってか、泣いちゃう(笑」

あたしはただ単純に
隼人が嫌がるだろう事はしたくなかった。

爽やかな顔して以外にしつこかったから
「ちょっとトイレ〜」
そう言って席を立った。 

⏰:06/06/02 18:23 📱:V703SH 🆔:Zfxg/uXs


#268 [ゆり]
あたしは素足でペタペタ歩いてトイレに向かった。


そこで見たのが
隼人と4年の先輩だった。


(うわッ)
あたしは見ちゃいけないものを見てしまった、
そんな感じでまだ多少余裕はあった。

 

⏰:06/06/02 18:27 📱:V703SH 🆔:Zfxg/uXs


#269 [ゆり]
「隼人くん〜ケー番教えてよ〜♪」

「やー…」

「就活とかの相談乗るしさ♪いーぢゃん♪」

「ん〜じゃあコレ」

そう言って隼人は携帯を開き
先輩に渡した。


あたしのさっきまでの余裕は
木っ端みじんになった。

前に進めばいいのか
戻ればいいのか
分からない。
 

⏰:06/06/02 18:33 📱:V703SH 🆔:Zfxg/uXs


#270 [ゆり]
結局あたしは
静かに回れ右をして
席に戻った。

「先輩おかえり〜♪」
「ゆりチャンおかえり〜♪」
爽やかボーイと友達がお出迎え。

「ただいま〜混んでて入れなかったぁ」

やばい、泣きそう。

そう思いながら
笑った。

 

⏰:06/06/02 18:37 📱:V703SH 🆔:Zfxg/uXs


#271 [ゆり]
「まぢかぁー!また後で行っといで♪」

周りは楽しい雰囲気。
こんなとこで泣けないし、帰ったりして雰囲気壊せない。

話して
笑って
はしゃいでいても
頭ん中は
さっきの光景ばかり。


普段のあたしなら
飛び蹴りでもアッパーでもかましてやるのに

実際
ただ頭が真っ白になるだけ。

平気なフリでいっぱいいっぱいだった。
 

⏰:06/06/02 18:41 📱:V703SH 🆔:Zfxg/uXs


#272 [ゆり]
次の瞬間
追い打ちをかける様に
ベロベロに酔った隼人が来た。

「みんな飲んでるー!?」
ビール瓶を両手に持って、
ありえんくらいのハイテンション。

周りは盛り上がってたけど
あたしはそんな隼人見たくなかった。

「ゆりちゃん!ちょー来て〜♪」

そう言うと同時に
隼人はあたしの腕を掴んで違う席に連れていった。
 

⏰:06/06/02 18:44 📱:V703SH 🆔:Zfxg/uXs


#273 [ゆり]
その席には
一年の女の子ばっかり。

あたしは強引に隼人に肩を抱かれた。

「俺の彼女のゆりちゃんでーすッッ♪」

「いえーぃッッ♪」
「綺麗〜♪お似合い〜♪」

女の子達はきゃぁきゃぁ盛り上がる。

無理矢理席に座らされ
皆に見られて
あたしは人形か。


屈辱感でいっぱいだった。
 

⏰:06/06/02 18:49 📱:V703SH 🆔:Zfxg/uXs


#274 [ゆり]
雰囲気だけは壊さないように
笑顔で席を立って
戻ろうとした。

裏で隼人に手を掴まれた。

「どうした?」

「何が?」

「なんか機嫌悪い?」

「別に」

実際隼人はそこまで酔ってなかった。

だからかえってムカついた。
酔ったフリしてあれだよ。
 

⏰:06/06/02 18:52 📱:V703SH 🆔:Zfxg/uXs


#275 [ゆり]
「離して?
あたし向こうで飲むから」

「…わかった」

手の力が緩んだ瞬間
あたしは隼人から離れた。

トイレに入り
少し泣いた。

なんかよくわかんないけど

涙が出た。
 

⏰:06/06/02 18:54 📱:V703SH 🆔:Zfxg/uXs


#276 [ゆり]
上を向いて
中指で涙を拭いて
鏡でチェックして
あたしは席に戻った。


友達は完全に潰れてて
隣に岩田くんがきた。
岩田くんは隼人の友達で、クラスメイト。

「ゆりちゃん、あいつちょっとヤバくない?」

あたしはカシスソーダを一口飲んだ。

「なんで〜?」

「やり過ぎっつーか、さっき一年の子の腰に手回してたし」

「…」

 

⏰:06/06/02 19:01 📱:V703SH 🆔:Zfxg/uXs


#277 [ゆり]
「先輩とケー番も交換してたよ?」

「…ふ〜ん…やるね〜アイツも(笑」

何かごまかす様に
あたしは近くのグラスのお酒を飲み込んだ。

「苦いッ」

「あ〜それ俺のっすよ〜」

「あ、爽やかボーイの?いいじゃんいいじゃん!追加頼もうッ」

あたしはよくわかんないまま
夢中で違う事を考えようとしてた。

岩田くんは心配そうに
あたしを見ててくれた。
 

⏰:06/06/02 19:06 📱:V703SH 🆔:Zfxg/uXs


#278 [ゆり]
それからあたしは
隼人の行く先も
行動も
聞こえてくる騒ぎ声も
全部見ないフリした。


午後9時。
「そろそろお開きだよ〜!!皆気をつけて帰ってね〜♪」

4年の先輩の声が響き渡る。

あたしは靴箱の鍵を手に取って
席を立った。
 

⏰:06/06/02 19:10 📱:V703SH 🆔:Zfxg/uXs


#279 [ゆり]
「先輩!彼氏さんに飽きたら連絡下さい♪」


爽やかボーイはそう言って
アドを書いた紙をあたしに押し付け帰っていった。


「ゆ〜りチャン♪」

ご機嫌なテンションで肩を組んできた隼人。

あたしは
「酒臭い」
と一言言って手を払いのけた。

その時見たのが隼人と一年生の子のアイコンタクト。
 

⏰:06/06/02 19:16 📱:V703SH 🆔:Zfxg/uXs


#280 [ゆり]
「彼女怒っちゃったんですかぁ?」

「なんかそうみたい」

そんなやりとりが
目だけで行われてた。


そして違う一年生の女の子軍団が

「先輩かっこい〜♪」
とかはしゃぎながら帰ってく。

それに「お疲れね〜♪」とか笑顔で手を振る隼人。



こんな気持ち

なんて言えばいいの?
 

⏰:06/06/02 19:23 📱:V703SH 🆔:Zfxg/uXs


#281 [ゆり]
あたしは友達に笑顔でバイバイを言って

足早に店を出た。

早く誰もいない所に行きたかった。

歩きながら
涙は出てた。


(あたし涙腺緩過ぎ)

涙を拭いて
スピードを上げた。

交差点を渡ってる途中で
手を掴まれた。
 

⏰:06/06/02 19:32 📱:V703SH 🆔:Zfxg/uXs


#282 [なみ☆]
頑張って

⏰:06/06/02 21:21 📱:N900iS 🆔:piV1i12I


#283 [ひLI]
頑張れえー(ハ)+

⏰:06/06/02 22:39 📱:N901iC 🆔:edp75stM


#284 [ゆり]
なみチャン☆ひいチャン☆いつも応援してくれてほんとありがとッ(´∀`*)♪ちょっと更新するからよかったら読んで下さい☆

⏰:06/06/03 10:48 📱:V703SH 🆔:ip8fjOhw


#285 [ゆり]
「離して」

あたしは冷たい声でそう言った。

それでも隼人は手首を強く握り
離さなかった。


あたしはもう
言葉で言えない感情に支配されてて

涙を堪える事だけに必死だった。


「何怒ってんの?」

息が整わないまま隼人が言う。

「…もういいから、離して」
 

⏰:06/06/03 10:50 📱:V703SH 🆔:ip8fjOhw


#286 [ゆり]
不快。

この無神経な言葉も

強く握られる手の感触も

1年の女の子達も

メアド交換してた先輩も

今向けられてる視線も

街のネオンも
車のクラクションの音も
排気ガスの匂いも

全部が不快。
 

⏰:06/06/03 10:55 📱:V703SH 🆔:ip8fjOhw


#287 [ゆり]
崩れちゃったね

二人に1番必要だった

二人を繋いでた

信頼が。


「話し聞けって…」

そう言って隼人はあたしを裏道に連れて行った。

不快な音や匂いが消えた。

だけど手の感触だけが残ってる。

「あたしは話す事なんてないよ」
 

⏰:06/06/03 10:57 📱:V703SH 🆔:ip8fjOhw


#288 [ゆり]
その言葉に
最初隼人は逆切れした。

何もしてない、だとか
楽しめって言ったのはお前だろ、とか。

あたしは黙って聞いた。
聞くだけ情けなくなった。


何も言わないあたしに
今度は謝りだした。

調子乗りすぎた、だとか
皆を盛り上げたかったんだ、とか。
 

⏰:06/06/03 10:59 📱:V703SH 🆔:ip8fjOhw


#289 [ゆり]
あたしは黙って聞いてたけど、

もう馬鹿馬鹿しくって、


薬指の証を外した。

生まれて初めてのペアリングだった。


別れの言葉と一緒に
隼人に投げた。
 

⏰:06/06/03 11:01 📱:V703SH 🆔:ip8fjOhw


#290 [ゆり]
悲しい?
虚しい?
ううん、何より悔しい。

あたしにだって女としてのプライドがあるから。


隼人はコンクリートに落ちた指輪を無視して
背を向けたあたしの手を取った。


離して、と言う言葉も無視して
無理矢理キスをした。
 

⏰:06/06/03 11:13 📱:V703SH 🆔:ip8fjOhw


#291 [ゆり]
唇を重ねて
全部なかった事にできたなら
どれだけ楽だろう。


あたしは涙が堪えられなかった。


もうどうしようもない

あたしだってなんとか出来るなら

なんとかしたい。

でももう戻れないよ。
 

⏰:06/06/03 11:16 📱:V703SH 🆔:ip8fjOhw


#292 [ゆり]
子供みたいに泣くあたしを
隼人が無理矢理引っ張って
連れて入ったのはホテルだった。

適当に部屋番号を押して
エレベーターに乗った。


手は強く握られたままで、
目は合わさない。

隼人がこんなに強引になったのは初めてだ。

あたしはもう抵抗する気もなくなって、
黙って部屋に入った。
 

⏰:06/06/03 11:19 📱:V703SH 🆔:ip8fjOhw


#293 [ゆり]
部屋に入ると
隼人は重い溜め息を吐いて
ベットに腰を下ろした。

「本当…ごめん」

その謝罪の言葉が
現実を連れて来て

あたしは唇を噛んだ。

ただ涙を堪えた。
 

⏰:06/06/03 11:21 📱:V703SH 🆔:ip8fjOhw


#294 [ゆり]
こんな事くらいで泣きたくない

うるさく言いたくない

傷付いたなんて思いたくない。


これ以上涙を流さない事が
あたしのくだらないプライドを守る
精一杯だった。


さっきまでとは別人の様に
頭を抱えてうなだれる隼人がいた。

隼人は自分の隣を手で叩き、
来いと催促した。
 

⏰:06/06/03 11:22 📱:V703SH 🆔:ip8fjOhw


#295 [ゆり]
あたしは黙って彼の隣に座った。

どうせ強引に抱かれるんだろう
と思いながら。


すると手を握られた。

強かったけど、
とても優しく感じた。


「許してもらうつもりはないけど…
また信じさせるから」

下を向いたまま、
隼人はそう言った。
 

⏰:06/06/03 11:26 📱:V703SH 🆔:ip8fjOhw


#296 [ゆり]
また信じさせる?

たった3時間で

一年間積み上げたものを
簡単に壊したくせに。

チャラ男だった隼人を
あたしは信じてなかった。

どうせ浮気するんだろうって諦めてた。

やっぱり裏切られた時に
傷付くのが恐かったから。

だけど隼人は本当に変わって、
毎日あたしを想ってくれてた。

だからいつの間にか信じていたんだ。
 

⏰:06/06/03 11:28 📱:V703SH 🆔:ip8fjOhw


#297 [ゆり]
別に内緒で会った訳でも

キスした訳でも

体の関係があった訳でもない。

こんなの世間じゃ
浮気なんて言わないのかもしれない。

こんな些細な事で…って
周りだって思うだろうし
自分だって情けないよ。


だけどそれだけ信じてた。

信じてたから。
 

⏰:06/06/03 11:30 📱:V703SH 🆔:ip8fjOhw


#298 [ゆり]
あたしは隼人にキスをして
舌を絡ませながら上にまたがった。

「…早くやれば?
どうせ最後にもう一回やってから別れたいんでしょ?」

あたしは冷めた声で言った。


こんな最後に
感動的な馴れ合いなんて必要ない。
 

⏰:06/06/03 11:33 📱:V703SH 🆔:ip8fjOhw


#299 [ゆり]
男はそんなもん…

あたしはそれだけの女。

そうやって割り切っていた方が楽。

心まで求めるから、
こんな風に傷付く。

あたしはもうこんな生き方しか出来ないし、
きっとこんな愛し方しか出来ないんだ。

ごめんね。

いつからこんなに弱くなったんだろう。  
 

⏰:06/06/03 11:35 📱:V703SH 🆔:ip8fjOhw


#300 [ゆり]
「…待って…話し」

隼人の声が少し震えた。

胸が痛んだ。

だけどもう無理じゃん。

戻れないじゃん。


あたしは苛立ちとか
切なさとか
ぐちゃぐちゃな感情で
隼人にキスをした。

隼人は何かをぶつけるように
あたしを抱いた。
 

⏰:06/06/03 11:37 📱:V703SH 🆔:ip8fjOhw


#301 [ゆり]
あたしの大好きな手で
どうして他の子に触れたの?

あたしの大好きな声で
どうして他の人の名前を呼ぶの?

あんな隼人の姿
見たくなかった。



「…じゃああたし帰るね」

「ゆり」

服を着てベットを下りようとするあたしを
呼び止める隼人の声。

何か伝えなきゃいけない、
そんな気持ちが伝わってきた。
 

⏰:06/06/03 11:40 📱:V703SH 🆔:ip8fjOhw


#302 [ゆり]
「俺別れたくない」

「…」


あたしは立ち上がって
バックを手に取った。

もう涙が溢れていた。

隼人に背を向けて言った。

「…好きになってくれてありがと」

ドアノブに手をかけた。

「待って…俺はまだ愛してる」
 

⏰:06/06/03 11:43 📱:V703SH 🆔:ip8fjOhw


#303 [ゆり]
やっぱり隼人の声は少し震えていた。

愛してる?
そうだね、きっと
あたしから隼人への気持ち。

こんな理解出来ないくらいの想いを
愛って言うんだろうね。

「あたしも…」

少し笑って言った。

これだけしか言えなくて、

あたしはホテルを出た。
 

⏰:06/06/03 11:44 📱:V703SH 🆔:ip8fjOhw


#304 [ゆり]
許せなくてごめんね。

たいした女じゃないのに
プライドばっかり高くてごめんね。

上手に愛せなくて、
ごめんね。


ホテルから出た道端で
思いっきり泣いた。

息が出来ないくらい、
声を上げて泣いた。


あたしの指に、
もう二人の証は

光っていなかったから。
 

⏰:06/06/03 15:33 📱:V703SH 🆔:ip8fjOhw


#305 [我輩は匿名である]
>>100-200 >>201-300 >>301-400

⏰:06/06/03 16:56 📱:N901iS 🆔:ukRFxzBU


#306 [我輩は匿名である]
あれ(゚∀。ラg?)
>>201-300
>>301-400

⏰:06/06/03 16:57 📱:N901iS 🆔:ukRFxzBU


#307 [ひLI]
ゆりチャンの気持ちわかる愛してるッて感情やッたら、些細な事でも自分壊れてしまうモン…
どおでもよかッたら氣になンてしなLIし(・ε・`)
頑張れ…

⏰:06/06/03 18:14 📱:N901iC 🆔:IVv8d/LA


#308 [あやぽん]
頑張ってネ
マヂ泣ける(P`q)

⏰:06/06/03 18:53 📱:SH700i 🆔:kqHl5OAQ


#309 [ゆり]
匿名サン☆ひいチャン☆あやぽんチァン☆
読んでくれてありがとぉデスッ(*´`*)続き書きますネ☆

⏰:06/06/03 19:50 📱:V703SH 🆔:ip8fjOhw


#310 [ゆり]
次の日−

重い瞼を開ける。
ベッドから手を伸ばし
バックの中から鏡を取り出し顔を見る。

「うわぁ〜…ブサッ」


腫れた目が
昨日の事は夢じゃないんだって

あたしに思い知らせた。
 

⏰:06/06/03 19:55 📱:V703SH 🆔:ip8fjOhw


#311 [ゆり]
毎日の日課だから

携帯を開く。


何件もの隼人からの着信。


友達や
岩田くんからの心配のメール。

みんながあたし達の別れを心配するくらい

誰の目から見ても
隼人はやり過ぎてたって事なんだね。

メールを読めば
有り触れた
励ましの言葉。
 

⏰:06/06/03 19:58 📱:V703SH 🆔:ip8fjOhw


#312 [ゆり]
男なんていっぱいいるよなんて
簡単に言わないで

ゆりチャンは強いからって
お願いだから決め付けないで


雨音が
こんなあたしを責める様に
窓を叩く。


あたしは
隼人だけを求めてた訳じゃないけど

失いたくないのは
隼人だけだったんだよ。
 

⏰:06/06/03 20:02 📱:V703SH 🆔:ip8fjOhw


#313 [ゆり]
「あーお腹すいたッ!!」

自分を立ち上がらせる様に

大きな独り言を言って
部屋を出た。


外は雨だから
昼間なのに暗い。

相変わらず誰もいない家。

世界に一人になった。

本当

そんな感じ。
 

⏰:06/06/03 20:09 📱:V703SH 🆔:ip8fjOhw


#314 [ゆり]
「なんもないなぁ…」

冷蔵庫を開けて
呟いて
閉める。

足元に飼ってるにゃんこが
喉を鳴らしながら
擦り寄ってくる。

「お前のご飯はあるからね」

あたしはキャットフードとミルクをお皿に入れた。
 

⏰:06/06/03 20:13 📱:V703SH 🆔:ip8fjOhw


#315 [ゆり]
しゃがんで
撫でながら
美味しそうに食べる姿をただ眺めてた。

「あたしもさぁ…お前みたいに可愛かったらよかったのにな」

ちょっと笑って
あたしは言った。



高1の時に付き合ってた人に
言われた事があった。

[ゆりって捨て猫みたいだな]
って。
 

⏰:06/06/03 20:18 📱:V703SH 🆔:ip8fjOhw


#316 [ゆり]
拾って拾ってって
鳴いてばっかいるくせに

いざ抱き上げようとすると
噛み付く
って。


妙に納得したんだ。
甘えるのが
苦手だったから。


「あたしあの頃から
なーんも変わってないね」

あたしはそう言って
リビングを出た。
 

⏰:06/06/03 20:22 📱:V703SH 🆔:ip8fjOhw


#317 [ゆり]
髪にワックスをつけて
寝癖アレンジして
軽くファンデつけて
でかサングラスつけて
コンビニに向かった。

雨は本降り。

なんか
空が代わりに泣いてくれてるみたいだった。

ご飯買って
家に帰った。

使い慣れた鍵を出して
ドアを開ける。

いつからだろう
「ただいま」って
言わなくなったのは。
 

⏰:06/06/03 20:30 📱:V703SH 🆔:ip8fjOhw


#318 [ゆり]
あたしはこんな性格だから

不幸自慢みたいなのが嫌いで
自分はこんなに辛いんだよって
言うのが嫌で

平気な顔をする事が
強さだと思ってた。


だけど隼人を見てて思った。

自分の弱さを認めて
全部さらけ出せる

それ以上の強さって
きっとない。
 

⏰:06/06/03 20:36 📱:V703SH 🆔:ip8fjOhw


#319 [ゆり]
それからのあたしは
隼人にだけ
弱音が吐ける様になった。

過去にあった辛い事も
本当は家に一人で
寂しい事も。


そしたら隼人は
毎日あたしが帰る時間に
「おかえり」のメールをくれた。

毎日。

それだけであたし
めちゃくちゃ救われたんだ。
 

⏰:06/06/03 20:41 📱:V703SH 🆔:ip8fjOhw


#320 [ゆり]
春も夏も秋も冬も
一緒に過ごした。

隼人との時間は大き過ぎて
埋め方がわかんない。

こんな雨の日も
二人で一つの傘に入って
結局隼人はいっぱい濡れちゃってたよね。

「だから一人づつ傘さそーって言ったじゃーん」
って言うと
「ラブラブっぽいからいーじゃん!」
って隼人は笑った。

本当笑えるくらい

毎日優しかったね。
 

⏰:06/06/03 20:48 📱:V703SH 🆔:ip8fjOhw


#321 [ゆり]
テレビを付ける気にもならなくて

無音の部屋で
ぼーっとしながら
おにぎりを食べた。


無意識に携帯を気にする自分がいる。

カチカチ…

画面に
隼人の名前を出して

少し眺めて
携帯を閉じた。
 

⏰:06/06/03 20:53 📱:V703SH 🆔:ip8fjOhw


#322 [ゆり]
ピリリリリ♪

あたしは携帯に飛び付く。

受信メールは迷惑メール。

「はぁ…」
溜め息。

それからもずっと携帯をいじってた。
自分から離したくせに、
来てくれるのを待ってる。

今度こそ出よう。

そう思ってると
夜遅く携帯が鳴った。
 

⏰:06/06/03 20:55 📱:V703SH 🆔:ip8fjOhw


#323 [ゆり]
着信

隼人


緊張して電話に出る。

「もしもし」

「あ、もしもし」

「何か用ですか?」

「あ、やー何してた?」

「別になんにも…」

「…そっか、えっと明日会えない?」

心臓がドキッとした。
 

⏰:06/06/03 21:48 📱:V703SH 🆔:ip8fjOhw


#324 [ゆり]
「いいよ、何時にどこ行けばいい?」

平常心を装って
答える。

「じゃあ…昼にいつものとこで。大丈夫?」

「分かった、じゃあね」

ずっと待ってたくせに
素っ気なく終わらせてしまう。
素直じゃないというか可愛くない。

でもこれだけは素直に認めるよ、

あたしはまだ
隼人が好き。
 

⏰:06/06/03 21:52 📱:V703SH 🆔:ip8fjOhw


#325 [ゆり]
次の日

曇り空の中
いつもの駅に降りた。

春なのに肌寒くて、
あたしは手に持ったバックを肩にかけ直し
ジャケットの前で腕を組んだ。

ホームの階段を上ると
見慣れた後ろ姿があった。
 

⏰:06/06/03 21:54 📱:V703SH 🆔:ip8fjOhw


#326 [ゆり]
「おまたせ」

後ろから声をかけると
隼人が焦った様に振り返る。


「あ、うん、いきなりごめんね」

「いいよ」


いつも通り歩き出す。

気まずい空気なのに

何故かすごく安心したのを今でも覚えてる。
 

⏰:06/06/03 21:58 📱:V703SH 🆔:ip8fjOhw


#327 [ゆり]
近くのファミレスに入り
禁煙席に座った。

「吸わないの?」

「煙草吸いながらする話しじゃねーし…」

その言葉で
あたしの心臓はまた早くなった。


メニューを開き
「アイスティー」
と言うと
すかさず隼人が
「ケーキは?」
と聞く。

いつもの会話。
それがなんか嬉しかった。
 

⏰:06/06/04 09:20 📱:V703SH 🆔:Ecxpdyi.


#328 [ゆり]
「今日はいいや」

「珍しいじゃん」

隼人が少し笑った。

少しホッとした。


アイスティーとコーラがくると沈黙。
あたしは口を開いたけど
正直何言ったか覚えてない。
頭テンパってた。

隼人は
「…謝って済む事じゃないって分かってるけど
ごめん。
あの時、俺にお前引き止める権利なんてなかった。本当ごめんな」

そう言いながら
辛そうな顔をしてた。

⏰:06/06/04 09:23 📱:V703SH 🆔:Ecxpdyi.


#329 [ゆり]
「ごめんはもういいよ…」

謝られるのはあんま好きじゃない

言われる度に自分が可哀相になってくるから。

「…でも俺、本気で好きだよ。お前の事」

「…」

「だから別れたくない」

「…」

あたしは下を向いてた。
正直どうしたらいいのか分からない。

好きだけど…
信じたいけど…
でも…恐い。
 

⏰:06/06/04 09:26 📱:V703SH 🆔:Ecxpdyi.


#330 [ゆり]
「…これ…」

そういって隼人が
何かをあたしの前に置いた。

視線を上げると
あたしが投げ捨てた
指輪があった。

「…え」

静かに手に取る。

中に記念日が彫られてるシルバーリング。

確かにあたしのだ。

「お前の指輪そんな小さいんだな」

隼人が寂しそうに笑った。
 

⏰:06/06/04 09:30 📱:V703SH 🆔:Ecxpdyi.


#331 [ゆり]
そして迷いない
いつもの瞳で言ってくれた。

「信じれなくても…俺は好きだから
それだけは分かって。」

その時の隼人の顔を見て

声を聞いて


あたしはもう一度
この人を信じようと決めた。
 

⏰:06/06/04 09:32 📱:V703SH 🆔:Ecxpdyi.


#332 [ゆり]
理屈じゃない

ただあたしには
隼人が必要なんだ。


信じなきゃいけないって
気持ちじゃなくて

あたし自身が信じたいって
確かに思ったから。
 

⏰:06/06/04 09:35 📱:V703SH 🆔:Ecxpdyi.


#333 [ゆり]
「つけて」

あたしは手を差し出して言った。

「え?」

「ゆーびーわ!
買った日も隼人がつけてくれたじゃん」

「えっあぁハイ」

隼人は焦って掌から指輪を取り、
震えた指先で薬指に指輪をはめる。
 

⏰:06/06/04 09:37 📱:V703SH 🆔:Ecxpdyi.


#334 [ゆり]
「何震えてんの?(笑)」

「あ、すいません!」

「敬語だし(笑)」

「うんごめん…ゆり…本当ごめん」

指輪の光ったあたしの手を
両手で包んだ。

温もりは本物だ。

「次はないからね」

泣きそうなのを悟られない様に
強気で言った。
 

⏰:06/06/04 09:39 📱:V703SH 🆔:Ecxpdyi.


#335 [ゆり]
「次やらかしたら
毛全剃りにするから」

「えッ下も?!」

「当たり前だし。
むしろ下を重点的にツルッツルにするから」

アイスティー飲みながら
真顔で言うあたしに
本気で恐怖感じた顔してた。

それ見て笑った。

「大変な彼女持ったね(笑」

「いえ、最高の彼女です…」

今度は二人で笑った。
また二人で笑い合えた。

⏰:06/06/04 09:45 📱:V703SH 🆔:Ecxpdyi.


#336 [ゆり]
もう自分ばかり守る恋愛はやめるよ。

あたしも本気で
泣いてすがりつける様な
そんな恋がしたいから。


ファミレスを出て
手を繋いだ。

変わらない
あたしの
大好きな手。

二人少し恥ずかしくて
また笑い合ったよね。

愛してくれて
ありがとう。
 

⏰:06/06/04 09:49 📱:V703SH 🆔:Ecxpdyi.


#337 [ゆり]
そして数日後
学校が始まった。

二人で登校すると
友達も一年も
驚いた顔してた。

「別れないっつーの」
隼人は小声でそう言って
あたしの肩を抱いて校舎に入った。

一年の女の子を見ると
まだ胸が痛んだ。
 

⏰:06/06/04 09:53 📱:V703SH 🆔:Ecxpdyi.


#338 [ゆり]
その日から
1、2年合同の
男女別れた授業が中心になる。

クラス表を見て

「キッツ〜…」

あたしと隼人は苦笑い。
お昼一緒に食べる約束をして別れた。


教室に入ると
ありえない光景。

1年生の子が
いじめられてた。
漫画の世界みたいに
消しカス投げられたり。
 

⏰:06/06/04 09:59 📱:V703SH 🆔:Ecxpdyi.


#339 [ゆり]
あたしは指定された1番後ろの席についた。

2年に知り合いの友達はいなかった。
皆静かで読書してるタイプ。

ハッキリ言って
浮いてるのが自分でも分かった。

「まぁいっか」

あたしは椅子にもたれて
とりあえず髪に逆毛立てて
髪だけでもテンション上げさせた。
 

⏰:06/06/04 10:04 📱:V703SH 🆔:Ecxpdyi.


#340 [ゆり]
いじめられてるのは
本当普通の子。
ハデな訳でも
地味な訳でもない。


いじめてる子達は
新歓では関わりなかった
これまた普通の子達。
リーダーだけはギャルだった。


面倒臭そうなクラスだな…

そう思ったと同時に
先生が入ってきた。
 

⏰:06/06/04 10:08 📱:V703SH 🆔:Ecxpdyi.


#341 [ゆり]
「オラッ!てめぇら席着け!!」

うわァ〜…
ゴリラ先生だよ。

あたしはまた面倒臭そうなキャラの登場で
溜め息が出た。

「今日から授業始めるから気合い入れろよ!!」

声でかいよ〜
頭ガンガンするよ〜
 

⏰:06/06/04 10:12 📱:V703SH 🆔:Ecxpdyi.


#342 [ゆり]
みんな大人しい。

あたしの前の前の席にいじめられてる子が座ってた。

黒髪に消しカスいっぱいつけて
下を向いてた。

(可哀相だな…)

そう思っても
あたしは所詮
大衆の中の一人。

知り合いじゃない子を助けて
面倒な事になるのが嫌。

冷めてた。
 

⏰:06/06/04 10:16 📱:V703SH 🆔:Ecxpdyi.


#343 [ゆり]
授業は無事に終了して
先生が出てった瞬間、
1番前の席のリーダーギャルが立ち上り後ろに歩いてくる。

「あーうぜー!まじうぜーし!」

そしていじめられ子チャンの机をガンッと蹴った。

「お前もうぜぇんだよ!消えろよ!!」

あたしは
怖ぇ〜ッと思いながらバックを持って教室を出た。
 

⏰:06/06/04 10:21 📱:V703SH 🆔:Ecxpdyi.


#344 [ゆり]
食堂で隼人や友達と合流。
見慣れた顔に安心する。

なんかクラス変えでビビッてた高校の時みたいだ。

隼人と席について
あたしはAランチを食べながら話始めた。

「うちのクラスいじめあんの」

「は?まじで?」

「すごいよ!本当ドラマの中みたい」

「ゆりが一発言えば終わるんじゃね?笑」

⏰:06/06/04 10:25 📱:V703SH 🆔:Ecxpdyi.


#345 [ゆり]
「なにそれ、どーゆー意味?」

「お前が1番怖いって意味(笑」

「あ?」

「ほら怖い(笑」

「そんな事ないし。
ねぇ隼人〜♪ゆりグリンピース嫌いなの〜食べて♪」

「出た。」

「ね?可愛いやら?」

「可愛いっす!」

こんな会話してたらいじめの話もどっかいっちゃってた。
 

⏰:06/06/04 10:30 📱:V703SH 🆔:Ecxpdyi.


#346 [ゆり]
チャイムが鳴り教室に戻る。

相変わらずいじめられ子チャンの周りはぐちゃぐちゃ。

あたしが席に着くと同時にゴリラ登場。

やっぱりうるさい。

お腹いっぱいでいい気分が台なしだよ。
 

⏰:06/06/04 10:34 📱:V703SH 🆔:Ecxpdyi.


#347 [ゆり]
しかも
いじめは見てみぬフリ。

これもよくあるパターンだ。


あたしは苛々を押さえながら
うるさい授業を真面目に受けて

その日を終えた。


それから数日もずっと
いじめは続くし
ゴリラはうるさかった。

あたしの苛々も限界。
 

⏰:06/06/04 10:37 📱:V703SH 🆔:Ecxpdyi.


#348 [ゆり]
いつの間にか貧乏ゆすりとかしちゃってる。
やばいです。


でもこのクラス授業もあと3日だし、
堪えよう。


そう思ってた矢先
ゴリラがあたしを切れさせた。

あれは梅雨のじめじめした日で
余計苛々してたってのもあった。
 

⏰:06/06/04 10:40 📱:V703SH 🆔:Ecxpdyi.


#349 [ゆり]
「この問題解いてみろ!!」

今日はやたら機嫌が悪いらしく
ゴリラは遠吠えのごとく吠えていた。

あたしの列の1番前
ギャル子ちゃんが当てられる。

「わかりません」

そう言うと
高速で教科書を丸めて
机をバーンッッ!!!!

「んなもんもわからんのか!!」

でた。こうゆうの嫌い。

その後ろも順に当てられ叩かれてく。

苛々ピーク。

⏰:06/06/04 10:45 📱:V703SH 🆔:Ecxpdyi.


#350 [かな]
初めてします
隼人サンの四季からゆりサンの四季まで、楽しく読ませてもらってます
人の小説を読んでると、何かあたたかい気持ちになります
人の幸せ願ってます
頑張ってさい

⏰:06/06/04 10:53 📱:P901iS 🆔:AtWozpH2


#351 [ゆり]
かなチャン☆
感想嬉しぃですッありがとォ(´∀`*)
○二番目の四季○ってコトで、
二番目の女として越えた四季と
二番目に本気で好きになった隼人と越える四季、って意味を込めて書いてます。
もうちょっと続きますがよかったらまた読んでみて下さいo(^-^)o

⏰:06/06/04 11:05 📱:V703SH 🆔:Ecxpdyi.


#352 [あやぽん]
今日も読んでまーす
頑張れ

⏰:06/06/04 11:11 📱:SH700i 🆔:BJgc3oN2


#353 [ケン]
マジ読んでてワクAしてます自分も女とかに対してメチャ冷めてて一定の距離とか置いちゃって相手を信用したことがないです…一度でいいからこんな恋愛をしてみたいです

⏰:06/06/04 11:58 📱:N900i 🆔:VWgddD0c


#354 [ゆり]
あやぽんチャン☆
いつもありがとぉッ(●^ε^●)♪
ケンサン☆
信じたいって心から思えるヒトに出会ッて欲しいです♪感想ありがとうッ(ё^▽^ё)

⏰:06/06/04 13:52 📱:V703SH 🆔:Ecxpdyi.


#355 [ゆり]
ゴリラはいじめられ子チャンの横に立った。

「お前ら好い加減にしろよ…
お前はわかるだろーな?」
と言った。

彼女は怯えている様で
何も答えない。


こりゃーヤバイよ。

周りを見れば
か弱い女の子達が下を向いて
青ざめてる。
 

⏰:06/06/04 13:58 📱:V703SH 🆔:Ecxpdyi.


#356 [ゆり]
ゴリラが静かにボロボロになってる教科書を丸める。

本当に獣の目付きだった。

あたしは席を立った。

一斉注目!!

今思うとかなり恥ずかしかったな…

でもその時は苛々して仕方なかった。
 

⏰:06/06/04 14:02 📱:V703SH 🆔:Ecxpdyi.


#357 [ゆり]
あたしはゴリラの前に立って言った。
身長は負けてた。

「先生〜あんた好い加減にしやーよ」

普段は出ないけど
あたしはキレると名古屋弁が出る。

ゴリラは一瞬躊躇った顔をして
すぐ絡んできた。

「なんだと?
お前そんなチャラチャラした頭で学校に何しに来とるんだ?!」
 

⏰:06/06/04 14:07 📱:V703SH 🆔:Ecxpdyi.


#358 [ゆり]
「先生は何しに来てるんですか?」

ゴリラの目付きはますます鋭くなった。

「何言っとるんだ?勉強を」
「教えてないよね」

「わかりませんって言ったらバシーンッ!!ガミガミ〜!!
そんなんで教えとるって言える?」

「…うるさい席に着け!!」

「図星なんやら?
でら適当だが(笑」

あたしは馬鹿にするように笑った。
 

⏰:06/06/04 14:14 📱:V703SH 🆔:Ecxpdyi.


#359 [ゆり]
「じゃあお前、前の問題やってみろ」

ゴリラの顔
怒りで真っ赤。
なんでこの人教師になれたんだろって思った。

じゃあの意味がわからん…

そう思いながら黒板の前に行き
問題を解いた。

すごいねあたし。
この問題、本当にたまったま出来たの。
 

⏰:06/06/04 14:19 📱:V703SH 🆔:Ecxpdyi.


#360 [ゆり]
「先生〜できました」

チョークを置いて振り返る。

「…正解だ」


よっしゃー勝ったッ!!

そんなん思いながら席に戻った。

「おい、お前名前は?」

きた。

「2年の高原ゆりです
単位落としたきゃ好きにしてください」

喧嘩売ったのあたしだもんな〜
自業自得だ。
 

⏰:06/06/04 14:27 📱:V703SH 🆔:Ecxpdyi.


#361 [ゆり]
でもそれから
ゴリラは全くあたしに絡んでこなかった。

しかもバシーンッ!!も吠える事もなくなって
普通にいい先生になってた。

後で聞いたんだけど
前の学校で生徒にいじめられてたらしい。

だからナメられない様にあんな風になっちゃったんだって。

まぁよかったね。
 

⏰:06/06/04 14:31 📱:V703SH 🆔:Ecxpdyi.


#362 [我輩は匿名である]
>>43-360

⏰:06/06/04 14:31 📱:P902i 🆔:7s6mL/Xk


#363 [ゆり]
そして次の日

先生は大人しくなったけど
いじめっ子チャン達がまだうるさい。

朝から「うぜー」だの
「消えろ」だの「ブス」だの
本当に18歳かッて思うくらい
低レベルないじめです。

でも言われてる方は
きっとすごい痛い。

辛さって自分のものさしで測れるものじゃないから。
 

⏰:06/06/04 15:00 📱:V703SH 🆔:Ecxpdyi.


#364 [ゆり]
外は相変わらず
じめじめと小雨。

あたしは机にひじ付いて
下向いて携帯いじってた。
その時。


バシャッ

あらららら
水ですね。

あたしにまでかかっちゃってますね。


「あ、すいませんッッ」

⏰:06/06/04 15:05 📱:V703SH 🆔:Ecxpdyi.


#365 [ゆり]
きょどりながら
謝ってきたのは
いじめっコのリーダー。

あたしが無言でいると
いじめられっ子チャンの方を向いて叫んだ。

「オラッあんたが水かけて欲しいっつったんだろーが!
てめぇも謝れよ!」


いやいやいや。
そりゃないよリーダー。
 

⏰:06/06/04 15:15 📱:V703SH 🆔:Ecxpdyi.


#366 [ゆり]
「すいません…」

ご丁寧に謝りに来る。

髪から水滴垂れてるし
(あたしもだけど)
さすがに可哀相。


あたしは言った。
「ギャル子ちゃん、ストレス溜まってるならあたしが話聞くよ?」

「えッ?」

「だからまぁ簡単に言うと、やめなね
こーゆうの」

リーダ-は下を向いて黙った。
 

⏰:06/06/04 15:22 📱:V703SH 🆔:Ecxpdyi.


#367 [ゆり]
すると隣にいた茶髪ショートの子が言った。

「まゆみの彼氏…この子に取られたんですよ
だから…」

男関係かぁ。
ますますドラマの世界みたい。

「ふーん…それは辛かったね…」

正直どーーでもよかった。
この騒がしい面倒臭い状況から早く抜け出したかった。

気付いたけど
もうあさっててこのクラス終わりなんだ。
 

⏰:06/06/04 20:49 📱:V703SH 🆔:Ecxpdyi.


#368 [ゆり]
「ギャル…まゆみちゃん!
まだ好きなら、ライバル落とすんじゃなくて
自分が上行きたまえ」

あたしは何故か殿口調で言った。


キーンコーン…
チャイムが鳴り普通に授業が始まり
その日はそのまま終えた。

帰りはいつも駅まで隼人と帰る。
 

⏰:06/06/04 20:54 📱:V703SH 🆔:Ecxpdyi.


#369 [ゆり]
「ゆーりちゃん♪」

「おせーよ」

「ごめんごめん!」

まるで男と女が逆の会話。
でもこれがあたし達。

「あ〜ゆりはいい匂いだな〜
まじ臭いもん男だけのクラスとか。高校思い出すし」

「あー臭そうだね(笑」

二人で校舎を出る。

隼人と手を繋げる瞬間が
1番好き。
 

⏰:06/06/04 21:01 📱:V703SH 🆔:Ecxpdyi.


#370 [ゆり]
「雨やんだね〜」

「そーだな〜
もうすぐ梅雨明けるんじゃねぇ?」

「だといいなぁ」

「あーてかコンビニ寄っていい?」

「うんッ」

セブンに入って二人で立ち読みをしてた。

するといじめられ子ちゃんが店の前を歩いて行った。

そえばいつも長袖だな〜こんな暑いのに。

そう思い
少し気になったけど
紫外線対策か、と思いすぐに雑誌を読み始めた。
 

⏰:06/06/04 21:11 📱:V703SH 🆔:Ecxpdyi.


#371 [ゆり]
ジュースを取った隼人が声をかける。

「ゆり〜チョコは?」

「えッ待って!!」

「好きなの持ってこや〜」

「今日はグミな気分!
これ〜♪」

普段と変わらない
当たり前みたいな幸せ。

やっぱり素直になってよかった。
別れなくてよかった。

あたしは強く
そう思った。
 

⏰:06/06/04 21:17 📱:V703SH 🆔:Ecxpdyi.


#372 [ゆり]
次の日

いつもの場所で隼人と別れ
あたしは教室への階段を登っていた。

(今日も暑いな〜)


カツカツカツ
あたしのヒールの音に混じって
スニーカーの音がした。

「あの…」

か弱い声に振り返ると
3段下に
いじめられ子ちゃんがいた。
 

⏰:06/06/04 21:27 📱:V703SH 🆔:Ecxpdyi.


#373 [ゆり]
「あ、おはよ〜☆」

一瞬戸惑ったけど笑顔で言った。

「おはようございます…
あの、昨日はありがとうございました」

頭を下げられる。

「えッ全然いいよ、あたし余計な事しちゃったりした?」

その言葉に焦って顔を上げる。
「そんな事ないですっ」

「ならよかった!
一緒に教室行こか」
 

⏰:06/06/04 21:32 📱:V703SH 🆔:Ecxpdyi.


#374 [ゆり]
少し笑顔を見せてくれて
隣にきて一緒に歩き出した。

身長は155aくらいで
少しぽっちゃりしてて
セミロングの黒くて綺麗な髪。

いつも男視点なあたしは
まさに萌え〜タイプの子だな、
と思った。

「えーと、下の名前なんてゆーの?
ごめんね、あたしほとんどの子知らなくて(笑」

「下は淳子です」

「淳ちゃんかぁ☆可愛いね♪」

恥ずかしそうに笑った。
萌え〜だねこりゃ。
 

⏰:06/06/04 21:42 📱:V703SH 🆔:Ecxpdyi.


#375 [ゆり]
「高原先輩はなんで私の事助けてくれたんですか…?」

(や、助けるつもりではなかったよ。)

「ん〜…あーゆうの好きじゃないから…かなぁ」

曖昧に答える。

「いいなぁ…強くて」

彼女が呟いたと同時に教室に着いた。

もう彼女の席は綺麗だった。

「よかったね」

あたしが笑うと彼女も安心した様に笑った。
 

⏰:06/06/04 21:47 📱:V703SH 🆔:Ecxpdyi.


#376 [ゆり]
席に着くとギャル子ちゃんグループが集まってくる。

「先輩、昨日はすいませんでした」

「あ〜いいよ〜
どーせ湿気で髪ペタんこだったし(笑」

今日は晴れてるから気分がいい。
自然にニコニコしてる自分。

「先輩って髪どーやってるんですかぁ?
まゆもそんな風にしたいです〜」
 

⏰:06/06/04 21:53 📱:V703SH 🆔:Ecxpdyi.


#377 [ゆり]
「あーあたしはコテとカーラーを…」

いつの間にか巻き髪レッスンが開かれてた。

みんなとも仲良くなれて
満足にこのクラスでの授業を終わろうとしてた。

でも
帰りに教室を出ようとすると
呼び止められた。
 

⏰:06/06/04 21:59 📱:V703SH 🆔:Ecxpdyi.


#378 [ゆり]
「淳ちゃん…どーしたの?」

「あの…ちょっと時間ありますか?」

「んん〜…」

隼人と帰る約束をしてる。

「今日はちょっと…」

断ろうとした瞬間、一気に罪悪感に襲われた。

「あッやっぱ大丈夫!ちょっと待ってね」

ピリリリッ

「はーい」

「あ、隼人?ごめんけど今日友達と用あるで
先帰ってて〜」
 

⏰:06/06/04 22:06 📱:V703SH 🆔:Ecxpdyi.


#379 [我輩は匿名である]
>>1-100
>>101-200
>>201-300
>>301-400

⏰:06/06/04 23:58 📱:N900iS 🆔:jupj/QHQ


#380 [ゆり]
「え〜!!…分かったよ〜」

「まじごめんね」

「帰ったらちゃんと連絡しろよ!」

「分かったぁ〜隼人も気をつけて帰ってね☆」

ピッ

携帯を閉じる。

「すいません…約束あったのに…」

淳ちゃんが俯く。

「全然大丈夫だよ☆
どこで話す?」

校舎を出るのも暑いので空いてる教室に入った。

⏰:06/06/05 22:56 📱:V703SH 🆔:tPdHa1I.


#381 [ゆり]
いきなり二人きりで話すなんて
数日前から想像出来ない。

本当
些細なことで
人との繋がりって出来るものだ。

淳ちゃんは窓際の席に座った。

あたしはその隣の椅子に横向きに座った。

「先輩って…人生嫌になる事ってないですか?」

いきなりの質問に驚いた。
でも真剣な横顔だったから
真剣な質問なんだ
と思った。
 

⏰:06/06/05 23:01 📱:V703SH 🆔:tPdHa1I.


#382 [ゆり]
「嫌になる事かぁ…
そりゃあるよ」

あたしはかなりの幸せ者だけど
全て嫌になる事もある。

家事も
恋愛も
学校も
将来も
全部捨ててしまいたくなる事もある。

でも全て捨てて自由になっても

あたしはきっとまた
その捨てたものを探し始めるんだろうって
思う。
 

⏰:06/06/05 23:07 📱:V703SH 🆔:tPdHa1I.


#383 [ゆり]
淳ちゃんは下を向いたまま何も言わない。

あたしは聞いた。

「淳ちゃんは…人生が嫌になったの?」


「はい…」

右手で長袖の上から
左手首を強く握った。

瞬間になんとなく分かった。
この子リストカットをしてるんだ
って。
 

⏰:06/06/05 23:11 📱:V703SH 🆔:tPdHa1I.


#384 [ゆり]
あたしにも経験がある。

お母さんが家を出てく前に
激しい夫婦喧嘩が
毎日毎日毎日繰り返されてた。

お皿は何枚も割れて
叫び声が響き渡ってた。


あたしは誰も憎めない
やり場のない気持ちを傷として残した。

死にたかった訳じゃないから
肩の辺りを切って
血を見て
落ち着いたりしてたんだ。


この事は誰も知らない。

⏰:06/06/05 23:16 📱:V703SH 🆔:tPdHa1I.


#385 [ゆり]
どう聞いたらいいのか分からなかった。

でも何か訴えてるのは感じた。

「…痛い?」

普通に聞いてしまった。
淳ちゃんの横顔を見てたら
気付いてあげなきゃいけないって
気持ちになったから。

「…」

黙ったまま
小さく首を横に振った。

 

⏰:06/06/05 23:20 📱:V703SH 🆔:tPdHa1I.


#386 [ゆり]
「リスカすると落ち着くんです…
だから痛みなんてない…」

蚊の鳴く様な声で呟く。

「そっか…」


「…気持ち悪いとか…思わないですか?」

「え〜?思いませんよ(笑
ほら」

あたしはTシャツの袖を捲くった。

深くはないけど
今も残ってる消えない傷痕。


淳ちゃんの目が一気に開いた。
 

⏰:06/06/05 23:35 📱:V703SH 🆔:tPdHa1I.


#387 [ゆり]
傷を舐め合って
癒し合えるなんて思わないけど

少しでも
何か変われるなら


あたしはあっさり簡単に
初めて傷痕を人に見せた。


「もう切ってないんですか?」

「切ってないよ」

「どうやってやめられたんですか?私も強くなりたい」


強さかぁ。
そんなものあたしにはないな。
 

⏰:06/06/06 07:23 📱:V703SH 🆔:Ks2JUYQU


#388 [ゆり]
ねぇ隼人

隼人はいつも
あたしが欲しがる言葉を
くれた訳じゃないけど

あたしが離れていかないようにと
いつも懸命に伝えてくれたね

その揺るがない想いを
時に疑い
時に信じた

あたしが持っていない強さを

隼人は持っていたよね
 

⏰:06/06/06 07:30 📱:V703SH 🆔:Ks2JUYQU


#389 [ゆり]
傷付いても

好きだと言ってくれたよね

あんた懲りないねって
笑ってやったけど


その強さに
数え切れない程
救われてた。


あたしにもそんな強さがあったなら

過去を責めて

何度も隼人を苦しめなかったよね。

 

⏰:06/06/06 07:32 📱:V703SH 🆔:Ks2JUYQU


#390 [ゆり]
「先輩?」


「…あ、ごめん!
あたしは原因が分かってたから…
問題が解決したら自然にやめられたよ」


「そうですか…」

寂しそうに俯く。


その時教室のドアが勢いよく開いた。

「お前らもう学校閉めるから帰れよ〜」

「あッはーい!」

二人で焦りながら教室を出る。
 

⏰:06/06/06 07:43 📱:V703SH 🆔:Ks2JUYQU


#391 [あやぽん]
毎回更新_楽しみにしてま
あと超読みやすいデス頑張ってネ

⏰:06/06/06 09:19 📱:SH700i 🆔:aIOGq3rw


#392 [ひLI]
フムX02(・ε・`)゙

⏰:06/06/06 15:45 📱:N901iC 🆔:XRCh60kQ


#393 [ゆり]
あやぽんチャン☆ひいチャン☆
いつもありがとう(;ω;)

⏰:06/06/06 20:35 📱:V703SH 🆔:Ks2JUYQU


#394 [ゆり]
校舎から出ると
外はもう暗くなっていた。

「先輩って地下鉄ですか?」

「あ、うん…淳ちゃんは?」

「私あっちのマンションなんです」

「近いね〜!じゃぁ逆だぁ…残念。
ひとりで大丈夫?」

「私は全然大丈夫です!今日はいきなりすみませんでした。
よかったらまた一緒にお話してください」

淳ちゃんが可愛く笑った。
 

⏰:06/06/06 20:40 📱:V703SH 🆔:Ks2JUYQU


#395 [ゆり]
「うん☆またゆっくり話そぉね!
じゃあほんと気をつけてね」

「ありがとうございます☆じゃあ」

小さく手を振って
歩いて行った。

少し見送って
あたしも歩き出した。

久しぶりにリスカの事思い出したなぁ…

自分は独りなんだって
訴えるみたいな痛み。
 

⏰:06/06/06 20:45 📱:V703SH 🆔:Ks2JUYQU


#396 [ゆり]
ブーブー…

携帯が振動。
隼人から電話だ。

「はいもしもーし」

「ゆり?無事か〜?」

「無事よ〜今駅向かってる〜」

「お前まじ気をつけろよ」

「はいはーい(笑
心配ありがと☆」

電話の後ろからお母さんが
ご飯だよって呼んでるのが聞こえた。
 

⏰:06/06/06 20:57 📱:V703SH 🆔:Ks2JUYQU


#397 [ゆり]
「ほらママが呼んでるよ☆ご飯食べてこい♪」

「あぁ〜うん…お前大丈夫か?着いたら絶対連絡しろよ!」

「わぁかったって(笑
じゃーね☆」

「はーいじゃあな〜」

携帯を閉じる
同時に溜め息。

隼人の家族は本当に仲が良い。
暖かくて
愛情に満ちてるのが
話を聞いてるだけのあたしにも分かる。

「いいなぁ…」

何度言っただろう。
 

⏰:06/06/06 21:02 📱:V703SH 🆔:Ks2JUYQU


#398 [ゆり]
あたしは親に遊んでもらった記憶も

家族で食卓を囲んだ記憶もない。

でも親を恨んだ事はない。
お母さんもお父さんも好きだから。


ただ寂しいのは消えなくて

もうハタチになるのに
まだ夢見てる。

家族みんな仲良く
一緒にご飯が食べたい。

どんな感じなんだろう。
きっとすごく楽しくて
笑顔で
温かいんだろうな。
 

⏰:06/06/06 21:08 📱:V703SH 🆔:Ks2JUYQU


#399 [あやぽん]
がんばッ

⏰:06/06/07 02:33 📱:SH700i 🆔:2yUQ4X92


#400 [ぴょ]
ゅりさんはじめまして三時ぐらぃから一気に読み出したらまぢハマりましたけーたぃで小説ょんだのはぢめてなんですけろ、ゅりさんまぢ凄ぃですねぁたし、今の彼氏とかぶってるとこ超ぁってまぢ感激ですねっぅちも今見てたでしょってなりますてか毎日ですだって妬ぃちゃぅんですもん見て何がゃなのトカゅってくるんですけどね、そーぢゃぁねーょみたぃな これからも頑張ってくださぃ〃読み続けますからと同時に横で寝てる彼氏にこの小説読ませます

⏰:06/06/07 05:39 📱:N901iC 🆔:rey/ILzM


★コメント★

←次 | 前→
↩ トピック
msgβ
💬
🔍 ↔ 📝
C-BoX E194.194