俺がホストじゃなかったら
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#101 [ゆう]
しかし第一声を発してから約10秒間沈黙が流れた。
恐ろしく長く感じられた。しかしその後オーディエンスから物凄いブーイングを受けた

⏰:07/07/06 16:36 📱:N902i 🆔:☆☆☆


#102 [ゆう]
「もうダメだ・・・・」そう思った俺はレナにリタイアのサインを送ろうとしたその時、レナは流暢な英語でこう切り返した

⏰:07/07/06 16:38 📱:N902i 🆔:☆☆☆


#103 [ゆう]
「I'm sorry I have kept you waiting so long. I'm OK.Don't worry」

⏰:07/07/06 16:40 📱:N902i 🆔:☆☆☆


#104 [我輩は匿名である]
N902i荒らしてんなょ

⏰:07/07/06 17:22 📱:SH903i 🆔:☆☆☆


#105 [あゆ]
荒らし止めて下さい主に失礼にも程がありますょ

⏰:07/07/06 18:13 📱:SH902iS 🆔:☆☆☆


#106 [ぁぉぃ]
ホントひどぃッッ

ゅぅクン
応援してます

⏰:07/07/06 19:49 📱:SH903iTV 🆔:☆☆☆


#107 [月]
荒らしウザイ‥けどウマイ‥

⏰:07/07/06 21:44 📱:D703i 🆔:☆☆☆


#108 [ゆう]
荒らされてる

俺がオーダーてやつしなかったからですね迷惑かけました
夜また更新します


俺以外の方は

bbs1.ryne.jp/r.php/novel/2463/

こちらにお願いします

⏰:07/07/06 22:17 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#109 [ゆう]
「○○のレナちゃんと付き合ってんの?」

ふたり暮らしにも慣れて充実した日を過ごしていた時、トウヤが俺に聞いてきた

「は?なんで?」

俺はびっくりして聞き返す

「ホスラブ見てさー。なんか色々書かれてるよ」

「またそのサイトかよ」

「まぁ見てみなって」

そういうとトウヤは俺に携帯を差し出した

⏰:07/07/07 11:20 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#110 [ゆう]
『この前ユウのマンションに○○のキャバ嬢が入ってくの見た』

『それレナだよ』

『たまに店でも見るよね』

『あの女ユウくんの何?』

『付き合ってんのかな?』

『でもレナは○○のセイヤに貢いでるよ』

『↑うわー最低!ユウくんを騙してるんだね』

『変な女にひっかかってユウくんかわいそう』

『レナきもい』

『性格悪そうだよね』

『ユウのことだから、レナに色かけてんじゃない?』

『どっちにしろレナって奴むかつく!』

『レナ消えろ』

⏰:07/07/07 11:27 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#111 [ゆう]
俺はびっくりした

自分の客の中にこんな子がいるんだ‥

その驚きの反面、レナを悪く言われて無性に腹が立った


やっぱ俺と関わる奴みんな不幸になっちゃうな

そうも思った

⏰:07/07/07 11:30 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#112 [ゆう]
「付き合ってないよ」

それだけ言うと俺はトウヤに携帯を返した

トウヤは

「ふーん、寝床にされてるだけか。ま、レナちゃんには気をつけな」

と言いスタッフルームに入っていった

レナの良さなんて、客やトウヤには分からない

俺だけが知ってる


そう思ったんだ

⏰:07/07/09 15:24 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#113 [ゆう]
「寝床にしてるだけだよ」





それは真夜中だった
この日は店が休みの日だったから俺は家で寝てた

レナも出勤の日じゃなかった

俺はトウヤに言われた言葉がまた聞こえた気がして目を覚ました






声の主はレナだった

⏰:07/07/09 15:34 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#114 [ゆう]
「あはは、うっそマジでー。ホスラブでもあたしボロカスだもんねー。ユウの家転がり込んでからまた一段と。こんな人気あったんだ、ユウって」

レナは少し声のトーンを抑えて誰かと電話していた

「まぁねー。男前だし結構優しいよー。でもやっぱいい人止まりなホストって感じー?あたしさ、足と飯はいたんだけど、家がなかったからさー。実家は嫌だったしマジ丁度良かったー」

俺は寝たふりをしていた

「あたしはセイヤ一筋なの!ユウみたいなさ、客がソープ嬢になって罪悪感感じてるようなお人好しに魅力は感じないかなーって。しかもキャラ作ってるしさー。人によって可愛い系で売ったりするけど、実際は超冷めてるよー。そういう所は腹黒くてあたし好みなのにねー。残念だよねー」



次の日俺はレナに


「寮にレナ住まわしてるのが店にバレたし俺も客を部屋に呼べないから、悪いけど実家帰って」

と言って合い鍵を返してもらった


俺の恋はここで終わった

⏰:07/07/09 15:50 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#115 [ゆう]
俺はしばらくの間落ち込んだままだった

初めての失恋だった

ってか、物心ついた頃から今まで、誰かを好きになったことってなかった

付き合った人数は結構いたけど、ただそれだけだった

20歳にしてやっと、初恋と初失恋を経験した

今まで女を傷つけて来たそのツケがまわってきたのか?

そう思うくらい、俺のショックは大きかった

⏰:07/07/09 16:01 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#116 [ゆう]
「ユウもレナに利用された男のひとり」

これで話しは片付いた

それからもちろん、レナと会うことはなかった

トウヤは俺を元気づけるために、俺をキャバクラに連れ回した

俺の傷は癒えぬまま、女癖がまた悪くなっていくだけだった


そんな時期にハルカに出会う

ハルカは最近よく店に来る、俺の客だった

⏰:07/07/10 16:06 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#117 [ゆう]
ハルカは細客だったけど、無茶に飲ますようなこともしないし、ちょっとの間席を離れてヘルプに任せていても怒らない、いわゆる「休憩場所」だった

「お前の席が一番落ち着く」

そう言う度にハルカはニコニコ笑っていた

そんなに積極的じゃない、ホストと現実を割り切ってる子だと思ってた


だけどそれは突然だった

⏰:07/07/10 16:13 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#118 [ゆう]
「付き合って?」

俺は耳を疑った
こんなことはよくあること

だけどそれを言ったのはハルカだった

「ごめんもう付き合ってると思ってた笑」

内心びっくりしながら俺はふざけて返した

ハルカからこんなこと言われるなんて思ってもみなかったから

⏰:07/07/10 16:23 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#119 [ゆう]
本当か嘘か、色カノか本カノかも分からない所から俺たちの付き合いは始まった

だけどそれはすぐ分かることだった



付き合うことになった日のハルカの来店から一週間が経った

いつもなら2日に一回のペースで店に来ていたから、おかしいと思ってハルカに電話をかけた

⏰:07/07/10 16:28 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#120 [ゆう]
「はい。ユウくん?」

ハルカは3コール目で出た

「ハルカ?最近会いに来てくれないじゃん。なんかあった?」

「‥だって彼女だから店に行くのはおかしいでしょ」

そう言われて俺はやっと気づいた

ハルカは本気だったんだ

俺は、軽はずみにOKしたことを後悔した

⏰:07/07/10 16:35 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#121 [ゆう]
「その子やばいって」

そう言ったのはトウヤだった

「客とホストとして知り合った男に、真剣にそんなこと言うとか相当だね」

確かに俺もそう思った

けど今更ハルカを傷つけることは、俺が嫌だった


だけどその気持ちがハルカを傷つけた

俺はただのバカだった

⏰:07/07/11 01:17 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#122 [ゆう]
ハルカとは店以外で会うことになった

ハルカは俺の『彼女』になった

それから毎日のように「早くホスト辞めて」「いつ辞めるの?」「あたしが本当の彼女だってみんなに言って」とか言うようになった

俺は正直それに疲れてた

けど誤魔化すだけで何も言えなかったんだ

⏰:07/07/11 01:21 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#123 [ゆう]
ハルカの行動はだんだんエスカレートしていった


ハルカには、手首を切る癖があった

俺が仕事に行く度に

「腕を切った」

というメールや電話が来た

だから少しの間仕事を休んでみても、今度は「辞めてくれないから」という理由で手首を切った

店からは「ユウに休まれると困る」と言われ、まさに板挟みだった

俺は頭がおかしくなりそうだった

⏰:07/07/11 02:20 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#124 [ゆう]
『ユウなんか早くホスト辞めろ』『本カノはハルカって子だよ』『ユウ辞めろ』

ホスラブの俺のスレにはこんな書き込みがあるとトウヤが教えてくれた

直感でハルカだと分かった

本気で辞めることも考えた

けど‥どうしてもハルカのためにこの仕事を辞めることは考えられなかった

俺は最低な人間

それは分かってた

⏰:07/07/11 02:25 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#125 [ゆう]
ある日

俺はハルカを部屋に呼んだ

ハルカは嬉しそうにやって来た

そんなハルカに俺は別れを告げた

「俺にはこの仕事しかない。ハルカと出会えたのも俺がホストだから。この仕事辞めるとか今は考えられない。それをハルカが理解できないなら俺ら一緒にはいれないよ」

俺はそう言った

ハルカの表情が変わる

⏰:07/07/11 02:28 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#126 [ゆう]
「別れるなら死ぬから!!」

ハルカはそう叫ぶとキッチンまで走っていった

俺は嫌な予感がしてすぐ追いかけた

ハルカがキッチンにおいてある包丁に手をかけた

「ここで死んでやる!」

ハルカは包丁を自分にむける

「やめろよ」

俺が近寄った瞬間ハルカは思いっきり包丁を振り降ろした

⏰:07/07/11 02:32 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#127 [ゆう]
その時の状況は、よくわからなかった

ただ、ハルカは無傷

俺の左腕には包丁がざっくり深く入った


俺はハルカを止めようとして抱きついた

多分その時に刺さったんだと思う

俺はホッとしたからか、すごい疲れて息が切れてた

冷や汗もいっぱい出た

⏰:07/07/11 02:36 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#128 [ゆう]
ハルカは何が何だか分かんないみたいに泣いてた

俺はとりあえずハルカを落ち着かせて、タクシーを呼んでハルカを家に帰らせてから病院に行った

何針か縫ったけど別に平気だったし、腕で良かったって何回も思った

ハルカが無事で良かったって何回も思った

⏰:07/07/11 02:41 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#129 [ゆう]
それからハルカはすんなり別れてくれた

何度も何度も謝られたけど、別に俺はこれで良かったんだと思っていた

ハルカの腕を切らせたのは俺

そう思う気持ちがあったから、何も言えなかったし何も言うこともなかった

ハルカの真剣な気持ちを甘く見た俺が悪かった


それからもハルカはたまに店に来た

その時は前みたいに喋れる二人だった

⏰:07/07/11 02:55 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#130 [ゆう]
それから季節は冬になった

俺は少し冬が嫌いになっていた

クリスマス
正月
俺の誕生日

クラブではイベントが沢山あった

一夜で動く金は桁が増えたりする

女に金を使わすのに少しトラウマを覚えていた

だからと言ってホストは辞めなかったし営業だってした

このままじゃホストとして使い物にならない

そう自分に言い聞かせた


俺は矛盾してたんだ

⏰:07/07/11 10:07 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#131 [ゆう]
月日は流れ、いくつかイベントが終わり、俺はいつの間にか21歳になっていた

店ではナンバー2か3あたりをウロウロしていた

きっとナンバー1を目指すこともできたけど、ナンバー1になるには何か抵抗があった

この頃は可もなく不可もない毎日だった

レナに失恋してからずっとこんな感じだった

トウヤには「女々しすぎる」と何度も言われた

それは俺も思うことだった

⏰:07/07/11 12:07 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#132 [ゆう]
「ユウ?」
「うわー!ユウくん!」

出勤前に店の通りを歩いていると後ろから誰かに名前を呼ばれた

振り向くと

「うわ!タツミさんとユキちゃん!」


タツミさんってのは俺が中学卒業してからすぐメンズバーで働いてた時にすごくお世話になった人

ユキちゃんは毎日飲みに来てたお客さん。

俺はこの二人が大好きだった

⏰:07/07/11 12:21 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#133 [ゆう]
「めちゃくちゃ久しぶりっすね!」

「ほんとだよ、ユウが全然店に顔見せに来ないからな」

何気ない会話がすごく懐かしくて不思議と癒された

「ユウくんかっこよくなったねー!今○○でホストしてるらしいじゃん、結構ユウくんの名前出てるよ」

ユキちゃんが俺をペタペタと触りながらうれしそうに言った

「お前、俺んとこで働きだした時ってまだ16歳だったもんな。立派になったなぁ」

そう言ったタツミさんが目を細めて俺を見た

⏰:07/07/12 00:28 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#134 [ゆう]
親がいない俺にとってこの二人は、メンズバーで働いてた当時、親みたいな存在だった

また店に顔を出すと約束して、その日は別れた

俺は煙草を買うためにコンビニに寄った

出勤前の知り合いのキャバ嬢やホストが沢山いた

適当に声をかけ合ってレジに並んだ

⏰:07/07/14 13:15 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#135 [ゆう]
「ナオキ‥?」

俺は、認識してから振り向くまでに少し時間がかかった

でも確かに俺のことだって分かった

この夜の街で俺の本当の名前を知ってるのはタツミさんとユキちゃん、あとはレナくらいしかいない

『ナオキ』

俺の本名だった

⏰:07/07/14 13:19 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#136 [ゆう]
「‥誰?」

俺を『ナオキ』と呼んだのは、どっかのクラブのママみたいなオバサンだった

けどやっぱりすぐ分かってしまう




俺の母親だった

⏰:07/07/14 13:22 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#137 [ゆう]
この女は、俺が中学生になると同時に家を出た

その前からあまり家にはいなかった

小学生だった俺には分からなかったけど、今なら分かる

この女はホストに狂っていた

息子と旦那を置いて、ホストを選んだ人だった

⏰:07/07/14 13:30 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#138 [ゆう]
俺は煙草を買ってコンビニを出た

俺を『ナオキ』と呼んだオバサンもついてきた


「どう?息子がホストになって」

俺はオバサンに聞いた

「‥少し前から知ってたわ‥会いたいと思ってたの」

「ふーん。こんな所にいるってことは、まだホストクラブとか通っちゃってんだ」

「‥お母さんね、悪いことしたと思ってる。ごめんね」

俺はイライラした

なんか、生理的に無理だった

⏰:07/07/14 13:37 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#139 [ゆう]
話すことなんかないと思った俺はオバサンを無視して歩きだした

オバサンは追いかけてくることはなかった

ただ後ろの方で

「お母さん今お金に困ってるの‥!」

そう言っていた

今更俺なんかには、こんな用事しかないらしい

少し悲しくなったけど振り向くこともせず、それからどこかで会うこともなかった

⏰:07/07/14 13:40 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#140 [ゆう]
会いたくない人に会ってしまった俺は少し機嫌が悪かった

そんな夜、最も会いたくない女が店に来た


その女は俺を指名した

その女は一番奥のテーブルに座っていた



レナだった

⏰:07/07/14 18:37 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#141 [ゆう]
「‥ひさしぶり」

レナは気まずそうに、ちょこんと座っていた

あぁ、やっぱり俺、この女好きだなぁ‥

そう思った


「すげー久しぶりじゃん!元気だった?」

俺は普通に接した

このテーブルにつく前にトウヤに

「レナちゃんはユウを裏切ったんだから‥もうあんま深入りすんなよ」

と釘を差してきた

それは俺も分かってた

でも、レナに会ってしまうとそんなことどうでもよくなってしまう

⏰:07/07/14 20:21 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#142 [ゆう]
久しぶりに会うレナは少し変わっていた

雰囲気が柔らかくなって、落ち着いてた

「あたしね、キャバ辞めたの」

レナが突然切り出した

「そうなんだ‥何で?」

「貢がなきゃいけない相手もいなくなったし、やっぱshop店員好きだからさ」

「セイヤさんは?」

「あの人はもういいや」

俺は素直にうれしかった

⏰:07/07/15 01:38 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#143 [ゆう]
「あの夜の電話、聞いてたんだよね?」

レナが気まずそうに切り出した

俺は、うん。とだけ言った

「あの電話の相手ね、ユウのお客さんだったの」

「え?」

「あたしと本気で付き合ってるって噂が流れててさ‥ユウのお客さんが、レナがいるならもう指名するの辞めようかな〜って言ってたから、気がないフリしたの」

⏰:07/07/15 02:52 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#144 [ゆう]
俺はなにも言わなかった

レナは話しを続けた

「ほんとはあんなこと思ってなかったよ。ただ、ユウのお客さんをあたしのせいで減らすのが嫌だったから‥あたしがああやって、ユウに気がないようなこと言えば大丈夫かなって思ったの」


信じていいのか?

そんな疑問はすぐ消えた

好きな女を信じないで誰を信じる?もうレナの悪い噂とかもどうでもよかった。俺はレナを信じる

きっと女に騙される奴はみんなこう思うんだろうなと思った

⏰:07/07/15 02:56 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#145 [ゆう]
「帰って来る?」

俺はレナに聞いた

レナは驚いた顔で

「いいの?」

って言った

「嫌ならいわねーよ笑」


俺はレナが大好きだった

何故かは分かんないけど、本当に大好きだった

⏰:07/07/15 03:09 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#146 [ゆう]
この日からまたレナと俺は一緒に暮らし始めた

トウヤは、やれやれって顔しながらでも応援してくれた

レナが夜の世界から足を洗ったから、俺たちの生活は真逆だった

レナが起きる頃に俺は仕事終わるし、レナが仕事終わる頃に俺は仕事に行く時間だった

けど楽しい毎日だった

⏰:07/07/15 03:15 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#147 [ゆう]
「ユウ最近元気よな」

営業が終わって、家に帰ろうとしていた俺にトウヤが言った

「そう?俺そんな分かりやすい?」

「うん。ユウ恋愛とか下手そうだし」

アフターがない日とか通常営業で終わる日は、レナが起きる時間に帰ってレナを起こすのが日課になっていたから、早く帰りたかった

⏰:07/07/15 04:51 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#148 [ゆう]
「俺さ、ホスト辞めるわ」



トウヤは確かにそう言った

「そうなんだ、何で?」

俺は別になにも思わなかった

トウヤは「夜の世界って怖いわ。もうこんな汚いこと続けていく自信ない」と言った

俺は、辞めれるトウヤがすごいなと思った

⏰:07/07/15 04:57 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#149 [ゆう]
確かに夜の世界は怖い


会いたくなったら金がいる

好きになったら金がいる

好きな人の一番になりたいならもっともっと金がいる

俺も夜の世界は怖いと思う

だけど俺にはこの仕事しかない

だから、

辞めて別の道を選べたトウヤがすごく羨ましかった

⏰:07/07/15 05:01 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#150 [ゆう]
「また俺の家ふつーに遊びに来いよ」

俺がそう言うとトウヤは

「やだよ、使用済みゴムとか普通に落ちてそうだし笑」

って冗談っぽく言った

「あ、俺、レナとやったことないよ」

俺の言葉にトウヤは少しびっくりした後、笑ってこう言った

「あはは、マジで?すげぇ、ユウが?ユウは本当にレナちゃんが好きなんだなー。がんばれよ、応援してる」


まぁこれからトウヤに会うことはなかったけど。

⏰:07/07/15 15:13 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#151 [ゆう]
「もしもし?リエ?今仕事終わったー、またメールするね」

「もしもーし、アヤカ?ごめん仕事だったー。昨日はありがとね」

「あ、ユカ?さっきありがとう楽しかった。また来てね」

「ナツミ〜最近会えないじゃんー。また飯でも行こうよ」

「キョウコ?忙しくて電話でれなかったーごめんね。またメールするね」

俺がこんな電話を立て続けにしていると、横からレナが

「あんた彼女何人いんのよ」

と言って来た

この日俺は早く店を上がって帰って来た日だった

⏰:07/07/17 03:19 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#152 [ゆう]
「うっせ、仕事なんだよ。つかれたーめんどくせー」

俺はそう言うと携帯を放り出した

「売れっ子は大変だね、色カノの世話とかしなきゃいけないから」

レナひ皮肉たっぷりに言った

前までは自分もこういう営業してたくせに

と思ったけど言わなかった

⏰:07/07/17 03:22 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#153 [ゆう]
「ねぇ、ユウにとってあたしってどんな存在?」

俺はびっくりして思いっきり振り向いた

「どんなって‥あれだよ、レナって感じ」

「なにそれー意味わかんない笑」

「悪いけど俺‥大切とか特別と思った人にしか本名教えないよ」


俺は勇気を出して言った
こんなこと言うのにいちいち緊張してたらホスト失格だなと思う程緊張した

部屋が静かになった

「‥ナオキ」

レナが呟いた

⏰:07/07/17 03:29 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#154 [ゆう]
「‥はい」

俺は返事してみた

レナは少し笑って

「あたしユウが好き」

確かにそう言った

「俺も、好き」

俺はそう言った


多分この日から俺らは付き合い始めた

俺はしばらく浮かれてたっけ

⏰:07/07/17 03:34 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#155 [ゆう]
その日からレナは俺のこと『ナオキ』って呼ぶようになった

それから、あんまり会えないからと言って、店に顔出すようになった

俺は金かかるからやめろって言ったけど、レナは

「最低チェックで帰るから」って言って聞かなかった

俺はそれならいいかと思った




それがいけなかった

⏰:07/07/17 03:39 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#156 [ゆう]
それからしばらくしてレナはキャバ嬢に戻った

「あたしやっぱりキャバの仕事の方が好きかも。ナオキとも時間合うしね。それに、お金貯めてやりたい夢があるんだ」

俺は最初「は?」と思ったけど、時間合うのは正直嬉しかったし、夢のために夜をやってる子は結構好きだった

だから反対しなかった

キャバならいいかと思った

⏰:07/07/17 14:34 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#157 [ゆう]
安易に了解したことが、この先の俺の、最大の後悔になる

俺はまだ知らずに幸せだった

レナは幸せだった?


俺はまだ分からないままだよ

⏰:07/07/17 15:08 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#158 [ゆう]
ある日の営業時間

「ユウくん、レナって子と付き合ってるの?」

そう聞いて来たのは俺の客のキャバ嬢だった

「なんでー?」

俺は水割りを作りグラスを拭きながら聞き返した

「よく店来てるし、なんとなく。レナって子、あたしの店に体入来たよ」

「そうなんだ。あ、今日お酒薄目にしといたよ」

「ありがと‥って話し反らさないでよ笑」

最近どの客もこんな話しばっかりだった

⏰:07/07/18 09:27 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#159 [ゆう]
そういえばまだレナの新しい店聞いてないや

また今度ボトルでも入れに行くかな

そんなことを考えたその日の朝。

営業時間が終わって家に帰るとレナがリビングでテレビを見てた


「ナオキおかえりー」

「ただいま。ね、レナ新しい店教えてよ」

「えぇ、やだよ」

「なんでー!教えてくれないと俺すねるからな」

「すねてれば?笑」

「教えてよー」

⏰:07/07/18 19:36 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#160 [ゆう]
「○○だよ。ビルの三階の」

やっと教えてくれた店の名前は、キャバクラに疎い俺も聞いたことある高級クラブだった

「おー、いい店で働いてんね」

「でしょ。他よりバック率高いしお給料いいよ」



確か俺の客にこの店の女の子いたっけ

そう思ったけどレナには言わなかった

レナの前で違う女の話しはしたくなかったから

⏰:07/07/18 19:41 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#161 [ゆう]
それから一度、レナが働く店に後輩を連れて行ってみた

でもその日レナは出勤じゃないみたいでいなかった

レナいますか?なんて聞ける雰囲気でもなく、その日は場内で適当に指名入れて飲んだ

また今度ちゃんといる日確認してから来ようと思った

後から聞いた話し、レナはその日違う店にヘルプに行ってたらしい

そう言ってた

⏰:07/07/18 23:31 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#162 [ゆう]
そのうちレナは俺の店で軽くチェックが10万になることが増えた

「最低チェックで飲むって約束だったじゃん」

俺がそう怒るとレナは

「だって今のクラブお給料いいからお金あるんだもん」

の一点張りだった

「だからって調子のんなよ。出禁にするよ」

「何も問題起こしてないのに出禁になるわけないじゃん笑」

まぁ確かにあのクラブにいれば稼げるだろうな

そう気にもとめなかった

⏰:07/07/18 23:38 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#163 [ゆう]
「ユウくーん!会いに来ちゃった!」

俺がテーブルにつくなり抱きついて来た女はマリナ。

俺の客
高級クラブのキャバ嬢

「マリナねー今のお店でナンバー3になったの!だからユウくんにドンペリ入れに来たの」

「すげーじゃん!今度俺も行くからね」

⏰:07/07/19 01:00 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#164 [ゆう]
「そういえばマリナの店って○○だよね?」

「そうだよぉ、この前ユウくんたちが来たって店の女の子が言ってた!」

マリナの店はレナが働いてる店だった

じゃあレナのこと知ってるかな

そんな軽い気持ちで聞いた

「レナって子いる?」

⏰:07/07/19 01:05 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#165 [ゆう]
「レナ?誰それ?うちにはいないなぁ」

「うっそ、そんな影薄い?笑」

俺は笑った

でもマリナは真剣に

「え、ほんとにいないよー?」


俺は笑ったままだった

ただ複雑な気持ちだった

⏰:07/07/19 01:12 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#166 [ゆう]
あれから何度も複雑な気持ちで、レナの

「いってきます」

を見送った

本当にあの店で働いてるの?

本当はどこで働いてるの?

その疑問がどうしても聞き出せなかった

レナが離れて行くのが怖かったんだ

⏰:07/07/22 14:45 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#167 [ゆう]
「離れてかないで」

それはある日の夜
同じベッドで寝てる時だった

レナは俺に抱きついて小さい声でそう言った

俺はレナの頭を撫でることしかできなかった

この時ちゃんと聞けば良かった

離れないって約束すれば良かった

きっとこの頃からレナの人生は変わり始めてたんだから

⏰:07/07/27 15:28 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#168 [ゆう]
「さっきユウさんの彼女さんファミマで見たっす」

そう喋りかけてきたのは後輩のルイ

「あーまじで。よくわかったね」

「出勤前かな、めっちゃ綺麗っすね、彼女さん。あっち系のキャバで働いてるとか勿体ないっす」
は?
俺は嫌な予感がした

⏰:07/07/27 22:29 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#169 [ゆう]
「ルイ、あいつの店知ってんの?」

「あ、えっと、言っちゃマズかったっすか!俺もホスラブで見た程度なんであんまハッキリわかんないんすけど、○○のセクキャバで働いてるみたいっす」


まじかよ

俺また嘘つかれてたんだ‥

⏰:07/07/27 22:36 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#170 [ゆう]
「どいつもこいつもホスラブかよ笑」

俺はショックを隠してそう言った

「ユウさんホスラブ見ないんすか?ユウさんのスレとかチェックした方がいいっすよ」

ルイはそう言って俺にホスラブのURLを送ってきた

俺は強がって

「絶対こんなん見ないし笑」

とか言った

⏰:07/07/27 22:47 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#171 [ゆう]
けどその日の夜、俺はレナのことが気になってホスラブに行ってみた

俺のスレには頻繁にすごい数の書き込みがあって少し驚いた

『ユウ最近枕しないね』

『色営もちょっと減ったかな』

『本命できたからね』

『それレナ?』

『あいつまだユウにまとわりついてんの?うざいし』

『レナと早く別れないかな』

『あんなんただの風俗嬢じゃん』

『セクキャバでしょ?』

『箱ヘルじゃない?』

『何でもいいけどとりあえず汚い』

⏰:07/07/27 22:53 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#172 [ゆう]
俺はしばらくボーッとしてた

俺の彼女が汚いって言われたから?

レナに嘘つかれたから?

レナが体を売りにしてるから?


よく分かんないけど、ずっとそんなことを考えた

⏰:07/07/28 01:49 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#173 [ゆう]
それから数日後

「もしもしレナ?今からレナのクラブ飲みに行くから」

「えっ、今日はやめときな、忙しいし」

「別にいいよ、待つから」

「今度にしよ、今度」

レナは俺が店に行くことをすごく拒んだ

当たり前だよね、ほんとはあのクラブじゃなくて、セクキャバで働いてんだもんね

⏰:07/07/28 02:25 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#174 [ゆう]
「なに?行かれて困ることでもあんの?」

「ないけど‥」

レナの態度にじれったさを感じた俺は

「おまえ今待機?店の前まで出て来いよ」

それだけ言って電話を切った

俺はルイから聞いた店の場所まで行ってレナが出てくるのを待った

⏰:07/07/28 02:27 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#175 [ゆう]
レナを待ってる間俺は落ち着かなくて立ったりしゃがんだりした

煙草も沢山吸った

30分くらいしてレナが気まずそうに店から出てきた

俺は

「おつかれ、とりあえずどっか店入ろ」

そう言った

⏰:07/07/28 02:31 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#176 [ゆう]
「なんでお店知ってたの?」

深夜のファミレス、席につくとレナはボソッと俺に聞いた

「なんで?じゃねーよ」

俺は完全にキレてた

それを押さえるのに必死だった

別に体を売る仕事に偏見はない

仕事だから

俺の客や友達にもヘルスの子は沢山いる

だけど俺と出会ってから体を売るようになるのはすごく悲しい

それがましてやレナだから‥

すごく悲しかった

⏰:07/07/29 09:37 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#177 [ゆう]
「いつから?」

俺は灰皿に煙草を押しつけながら聞いた

「夜に戻った時から‥」

あぁ、最近始めたんじゃないんだ‥

「なんで嘘ついたの?なんでセクキャバなん?」

「ごめん‥ナオキの店行きたかったし‥お金ほしかったから」

⏰:07/07/29 09:40 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#178 [ゆう]
俺のせい?

また俺は誰かを傷つけたの?

もう夜の仕事は嫌だ‥

そう思った

「もう店来ないでいいから‥店辞めて。普通のキャバにして」

それが俺に言える精一杯だった

それからレナは店を辞めた

ちょっとの間いい店を探して、クラブに入店した

⏰:07/07/29 09:46 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#179 [ゆう]
「辞めたいんですけど」
俺は閉店後、たまたま顔を出しに来たオーナーにそう言った

「なんで?ユウくん先月も先々月も売り上げと客動員数トップなのに」

「でも辞めたいですね」

「ユウくんに辞められたら困るよ。今さ、もう一つ系列店を出店する話しがあってさ、その店長をユウくんにやってもらいたいんだけど」

⏰:07/07/29 14:06 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#180 [ゆう]
正直嬉しい話しだった

だけど今は

「考えさせてください」

としか言えなかった


レナに体を売らせた俺

俺がホストじゃなかったら良かったのに

何度もそう思った

⏰:07/07/29 14:08 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#181 [ゆう]
だけどこの時の俺はまだ幸せだった

レナはどう思ってた?

これからあることなんか全く知らずに、俺はレナを愛してたよ

レナは、どう思ってた?

⏰:07/07/29 20:16 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#182 [ゆう]
それからレナとは普通に今まで通り過ごした

新しく出す系列店の店長を任されることを話すと自分のことのように喜んでくれた

レナも、今働いてるクラブは働きやすくていいと話してくれた

後輩を連れて2、3回飲みにも行った

全てが上手く行ってた

⏰:07/07/29 20:24 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#183 [ゆう]
それからレナは店には来なくなった

だけどイベントには必ず来て、シャンパンタワーをやりたがった

俺が「金は使うな」

と言うとレナは決まって

「ユウっていうナンバー1ホストの彼女がボトル一本とかだけなんて、あたしのプライドが許さない」

とか何とか言って聞かなかった

⏰:07/07/29 20:51 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#184 [ゆう]
それから月日が経った

相変わらず俺とレナの関係は順調だった

俺は真剣にレナとの結婚を考えていた

ホストを辞めても困らないように勉強もし始め、取れる資格は片っ端から取れるだけ取った

レナも料理を覚えだした

毎晩、ふたりの将来や結婚生活、子供は男がいいか女がいいか、なんて話しをするのが楽しかった

⏰:07/07/29 20:59 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#185 [ゆう]
毎日ゆっくりと時間が流れている気がした

だけどそんな幸せは長くは続かなかった


それは俺の22歳のバースデーイベントの日

たくさんの人が来てくれた

ひとつのテーブルに5分いれたらいい方だった

同業周りで他店からもナンバー入りのホストや知り合いのホストが顔を出してくれた

⏰:07/07/29 21:05 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#186 [ゆう]
俺が一人の客の送りを終わらせ店に戻ろうとした時、後ろから声をかけられた

「誕生日おめでとう」

振り返った俺は驚いた

声の主は、以前レナの担当ホストだったセイヤだった

⏰:07/07/29 21:07 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#187 [ゆう]
「ありがとうございます。じゃあ、俺、客待たせてるんで」

俺はそう言ってその場を立ち去ろうとした

俺はこの男が大嫌いだ

レナにキャバクラを紹介して夜の世界に連れ込んだ男

レナに貢がせた男

レナが貢いだ男

ただの嫉妬かもしれない

でも俺はこの男が大嫌いだった

⏰:07/07/29 21:12 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#188 [ゆう]
「ユウくん忙しいみたいだし、今日はゆっくり喋れそうにないね。教えたいことがあるから、また来るよ」

そう言ってセイヤは帰って行った

俺はすぐレナのことだと分かった

気になりつつも仕事に戻ってなんとかいつもより長い営業時間を終わらせた

⏰:07/07/29 21:15 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#189 [ゆう]
どこがそっくりですか?ホストの話しだから似てるってだけじゃなくて話し自体が一緒なんですか?

今まで俺にあったことを書いてるんで、話しがそっくりとか言われてもよくわかんないです

俺が全部書き終わってから、その話しに似てたなら何言われても仕方ないけど、まだ途中なのにパクリとかそっくりとか言われたら、この先何を書いても信じてもらえなくなるから困るんですけど

⏰:07/07/30 14:54 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#190 [ゆう]
bbs1.ryne.jp/r.php/novel/2463/

⏰:07/07/30 14:55 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#191 [ゆう]
みんなありがとう今からまた書きます

------------------

それからセイヤがまた店に来たのは一週間が経ってからだった

「ちょっと待っててね」

俺はそう言うとテーブルにグラスを残し、ついていた客をヘルプに任せセイヤが待つ奥のテーブルへ行った

「こんばんは〜」

セイヤが俺を見るなり、のんきにそう言った

⏰:07/07/31 02:54 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#192 [ゆう]
「教えたいことって何すか」

俺は無愛想に言った

「その感じからすると、もう大体分かってんじゃない?」

‥こいつの言い方むかつく

そう思ったのをぐっと我慢して

「レナのことですか?」

と言った

⏰:07/07/31 02:58 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#193 [ゆう]
「レナ、ねぇ」

そう言ったセイヤは俺を見下したように笑った

「あいつどこで働いてるか知ってんの?」

セイヤの問い掛けに俺は

「どこって‥○○ってクラブですけど」

と言った

⏰:07/07/31 03:00 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#194 [ゆう]
「じゃあ俺がスカウトもしてるってことは知ってる?」

は?何こいつ

「自分の客とかにヘルスとか紹介して金稼いでるんですよね」

俺はそう言った

「あはは、そうだね。じゃあ、レナが俺の客だったことと、俺がレナにキャバクラを紹介したのは知ってた?」

⏰:07/07/31 03:04 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#195 [ゆう]
「だから、全部知ってますけど」

セイヤのじれったい問いかけに我慢の限界で、イライラした口調でそう言った

「そうなんだ。じゃあ、レナにセクキャバ紹介したのも俺ってのは、もう知ってたかな?」

セイヤがあり得ないことを言った

レナとはとっくに切れてるはず

信じられなかった

⏰:07/07/31 03:08 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#196 [ゆう]
俺はびっくりして、多分少しの間喋れなかったんだろう

その間にセイヤが続けた

「じゃあ、今働いてるクラブ、実は週1回しか出勤してなくて、本業として○○っていうヘルスで働いてるのも知ってるかな?それも俺の紹介って知ってた?レナは沢山働く子だから、レナの給料から俺に回るバック料も結構良くてね」

⏰:07/07/31 03:14 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#197 [ゆう]
「は?お前ふざけんなよ」

俺は静かにそう言った

「あんまり怒らないで。レナから俺に言って来たんだから。仕事紹介してって」

「そんなわけないだろ」

「ユウくんは何も知らないで騙されてるんだ、可哀想に」

セイヤは余裕で俺の言葉を交わしていく

『騙されてる』

その言葉が頭に響いた

確か昔も言われたっけ

俺がレナに騙されてるって‥

⏰:07/07/31 03:20 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#198 [ゆう]
「レナはそんな女じゃねーよ」

俺がそう言うと

「そっか、まぁ信じる信じないはユウくんの勝手だよね。ごめんね、忙しい中お邪魔して。ユウくんの作った水割り美味しかったよ、ごちそうさま」

そう言ってセイヤはチェックを済ませて店を出ていった

⏰:07/07/31 03:24 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#199 [ゆう]
「いいんすか?追いかけて殴った方がいいっすよ」

近くのテーブルで話しを聞いていたルイが俺に近寄ってきた

「いいよ、あんな男信じてないし俺はレナを信じるし、客待たせてあるし」

そう言って客が待つテーブルに戻った

なんで仕事を優先したんだろう

追いかけて殴れば良かった


俺が仕事を優先するような奴じゃなかったら今でもレナは俺の隣にいましたか?

⏰:07/07/31 03:28 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#200 [ゆう]
「いってきまーす」

玄関からレナの声が聞こえる

もうすぐ18時
レナが出勤する時間だった

「はーい、いってらっしゃい」

俺は必ず毎日玄関まで行ってレナを見送る

昨日のセイヤの話しが気になったけど、俺はあんな奴は信じてなかった

レナが俺に嘘ついてヘルスで働いてるわけがない

⏰:07/07/31 11:06 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


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