俺がホストじゃなかったら
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#165 [ゆう]
「レナ?誰それ?うちにはいないなぁ」

「うっそ、そんな影薄い?笑」

俺は笑った

でもマリナは真剣に

「え、ほんとにいないよー?」


俺は笑ったままだった

ただ複雑な気持ちだった

⏰:07/07/19 01:12 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#166 [ゆう]
あれから何度も複雑な気持ちで、レナの

「いってきます」

を見送った

本当にあの店で働いてるの?

本当はどこで働いてるの?

その疑問がどうしても聞き出せなかった

レナが離れて行くのが怖かったんだ

⏰:07/07/22 14:45 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#167 [ゆう]
「離れてかないで」

それはある日の夜
同じベッドで寝てる時だった

レナは俺に抱きついて小さい声でそう言った

俺はレナの頭を撫でることしかできなかった

この時ちゃんと聞けば良かった

離れないって約束すれば良かった

きっとこの頃からレナの人生は変わり始めてたんだから

⏰:07/07/27 15:28 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#168 [ゆう]
「さっきユウさんの彼女さんファミマで見たっす」

そう喋りかけてきたのは後輩のルイ

「あーまじで。よくわかったね」

「出勤前かな、めっちゃ綺麗っすね、彼女さん。あっち系のキャバで働いてるとか勿体ないっす」
は?
俺は嫌な予感がした

⏰:07/07/27 22:29 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#169 [ゆう]
「ルイ、あいつの店知ってんの?」

「あ、えっと、言っちゃマズかったっすか!俺もホスラブで見た程度なんであんまハッキリわかんないんすけど、○○のセクキャバで働いてるみたいっす」


まじかよ

俺また嘘つかれてたんだ‥

⏰:07/07/27 22:36 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#170 [ゆう]
「どいつもこいつもホスラブかよ笑」

俺はショックを隠してそう言った

「ユウさんホスラブ見ないんすか?ユウさんのスレとかチェックした方がいいっすよ」

ルイはそう言って俺にホスラブのURLを送ってきた

俺は強がって

「絶対こんなん見ないし笑」

とか言った

⏰:07/07/27 22:47 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#171 [ゆう]
けどその日の夜、俺はレナのことが気になってホスラブに行ってみた

俺のスレには頻繁にすごい数の書き込みがあって少し驚いた

『ユウ最近枕しないね』

『色営もちょっと減ったかな』

『本命できたからね』

『それレナ?』

『あいつまだユウにまとわりついてんの?うざいし』

『レナと早く別れないかな』

『あんなんただの風俗嬢じゃん』

『セクキャバでしょ?』

『箱ヘルじゃない?』

『何でもいいけどとりあえず汚い』

⏰:07/07/27 22:53 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#172 [ゆう]
俺はしばらくボーッとしてた

俺の彼女が汚いって言われたから?

レナに嘘つかれたから?

レナが体を売りにしてるから?


よく分かんないけど、ずっとそんなことを考えた

⏰:07/07/28 01:49 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#173 [ゆう]
それから数日後

「もしもしレナ?今からレナのクラブ飲みに行くから」

「えっ、今日はやめときな、忙しいし」

「別にいいよ、待つから」

「今度にしよ、今度」

レナは俺が店に行くことをすごく拒んだ

当たり前だよね、ほんとはあのクラブじゃなくて、セクキャバで働いてんだもんね

⏰:07/07/28 02:25 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#174 [ゆう]
「なに?行かれて困ることでもあんの?」

「ないけど‥」

レナの態度にじれったさを感じた俺は

「おまえ今待機?店の前まで出て来いよ」

それだけ言って電話を切った

俺はルイから聞いた店の場所まで行ってレナが出てくるのを待った

⏰:07/07/28 02:27 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#175 [ゆう]
レナを待ってる間俺は落ち着かなくて立ったりしゃがんだりした

煙草も沢山吸った

30分くらいしてレナが気まずそうに店から出てきた

俺は

「おつかれ、とりあえずどっか店入ろ」

そう言った

⏰:07/07/28 02:31 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#176 [ゆう]
「なんでお店知ってたの?」

深夜のファミレス、席につくとレナはボソッと俺に聞いた

「なんで?じゃねーよ」

俺は完全にキレてた

それを押さえるのに必死だった

別に体を売る仕事に偏見はない

仕事だから

俺の客や友達にもヘルスの子は沢山いる

だけど俺と出会ってから体を売るようになるのはすごく悲しい

それがましてやレナだから‥

すごく悲しかった

⏰:07/07/29 09:37 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#177 [ゆう]
「いつから?」

俺は灰皿に煙草を押しつけながら聞いた

「夜に戻った時から‥」

あぁ、最近始めたんじゃないんだ‥

「なんで嘘ついたの?なんでセクキャバなん?」

「ごめん‥ナオキの店行きたかったし‥お金ほしかったから」

⏰:07/07/29 09:40 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#178 [ゆう]
俺のせい?

また俺は誰かを傷つけたの?

もう夜の仕事は嫌だ‥

そう思った

「もう店来ないでいいから‥店辞めて。普通のキャバにして」

それが俺に言える精一杯だった

それからレナは店を辞めた

ちょっとの間いい店を探して、クラブに入店した

⏰:07/07/29 09:46 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#179 [ゆう]
「辞めたいんですけど」
俺は閉店後、たまたま顔を出しに来たオーナーにそう言った

「なんで?ユウくん先月も先々月も売り上げと客動員数トップなのに」

「でも辞めたいですね」

「ユウくんに辞められたら困るよ。今さ、もう一つ系列店を出店する話しがあってさ、その店長をユウくんにやってもらいたいんだけど」

⏰:07/07/29 14:06 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#180 [ゆう]
正直嬉しい話しだった

だけど今は

「考えさせてください」

としか言えなかった


レナに体を売らせた俺

俺がホストじゃなかったら良かったのに

何度もそう思った

⏰:07/07/29 14:08 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#181 [ゆう]
だけどこの時の俺はまだ幸せだった

レナはどう思ってた?

これからあることなんか全く知らずに、俺はレナを愛してたよ

レナは、どう思ってた?

⏰:07/07/29 20:16 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#182 [ゆう]
それからレナとは普通に今まで通り過ごした

新しく出す系列店の店長を任されることを話すと自分のことのように喜んでくれた

レナも、今働いてるクラブは働きやすくていいと話してくれた

後輩を連れて2、3回飲みにも行った

全てが上手く行ってた

⏰:07/07/29 20:24 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#183 [ゆう]
それからレナは店には来なくなった

だけどイベントには必ず来て、シャンパンタワーをやりたがった

俺が「金は使うな」

と言うとレナは決まって

「ユウっていうナンバー1ホストの彼女がボトル一本とかだけなんて、あたしのプライドが許さない」

とか何とか言って聞かなかった

⏰:07/07/29 20:51 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#184 [ゆう]
それから月日が経った

相変わらず俺とレナの関係は順調だった

俺は真剣にレナとの結婚を考えていた

ホストを辞めても困らないように勉強もし始め、取れる資格は片っ端から取れるだけ取った

レナも料理を覚えだした

毎晩、ふたりの将来や結婚生活、子供は男がいいか女がいいか、なんて話しをするのが楽しかった

⏰:07/07/29 20:59 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#185 [ゆう]
毎日ゆっくりと時間が流れている気がした

だけどそんな幸せは長くは続かなかった


それは俺の22歳のバースデーイベントの日

たくさんの人が来てくれた

ひとつのテーブルに5分いれたらいい方だった

同業周りで他店からもナンバー入りのホストや知り合いのホストが顔を出してくれた

⏰:07/07/29 21:05 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#186 [ゆう]
俺が一人の客の送りを終わらせ店に戻ろうとした時、後ろから声をかけられた

「誕生日おめでとう」

振り返った俺は驚いた

声の主は、以前レナの担当ホストだったセイヤだった

⏰:07/07/29 21:07 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#187 [ゆう]
「ありがとうございます。じゃあ、俺、客待たせてるんで」

俺はそう言ってその場を立ち去ろうとした

俺はこの男が大嫌いだ

レナにキャバクラを紹介して夜の世界に連れ込んだ男

レナに貢がせた男

レナが貢いだ男

ただの嫉妬かもしれない

でも俺はこの男が大嫌いだった

⏰:07/07/29 21:12 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#188 [ゆう]
「ユウくん忙しいみたいだし、今日はゆっくり喋れそうにないね。教えたいことがあるから、また来るよ」

そう言ってセイヤは帰って行った

俺はすぐレナのことだと分かった

気になりつつも仕事に戻ってなんとかいつもより長い営業時間を終わらせた

⏰:07/07/29 21:15 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#189 [ゆう]
どこがそっくりですか?ホストの話しだから似てるってだけじゃなくて話し自体が一緒なんですか?

今まで俺にあったことを書いてるんで、話しがそっくりとか言われてもよくわかんないです

俺が全部書き終わってから、その話しに似てたなら何言われても仕方ないけど、まだ途中なのにパクリとかそっくりとか言われたら、この先何を書いても信じてもらえなくなるから困るんですけど

⏰:07/07/30 14:54 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#190 [ゆう]
bbs1.ryne.jp/r.php/novel/2463/

⏰:07/07/30 14:55 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#191 [ゆう]
みんなありがとう今からまた書きます

------------------

それからセイヤがまた店に来たのは一週間が経ってからだった

「ちょっと待っててね」

俺はそう言うとテーブルにグラスを残し、ついていた客をヘルプに任せセイヤが待つ奥のテーブルへ行った

「こんばんは〜」

セイヤが俺を見るなり、のんきにそう言った

⏰:07/07/31 02:54 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#192 [ゆう]
「教えたいことって何すか」

俺は無愛想に言った

「その感じからすると、もう大体分かってんじゃない?」

‥こいつの言い方むかつく

そう思ったのをぐっと我慢して

「レナのことですか?」

と言った

⏰:07/07/31 02:58 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#193 [ゆう]
「レナ、ねぇ」

そう言ったセイヤは俺を見下したように笑った

「あいつどこで働いてるか知ってんの?」

セイヤの問い掛けに俺は

「どこって‥○○ってクラブですけど」

と言った

⏰:07/07/31 03:00 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#194 [ゆう]
「じゃあ俺がスカウトもしてるってことは知ってる?」

は?何こいつ

「自分の客とかにヘルスとか紹介して金稼いでるんですよね」

俺はそう言った

「あはは、そうだね。じゃあ、レナが俺の客だったことと、俺がレナにキャバクラを紹介したのは知ってた?」

⏰:07/07/31 03:04 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#195 [ゆう]
「だから、全部知ってますけど」

セイヤのじれったい問いかけに我慢の限界で、イライラした口調でそう言った

「そうなんだ。じゃあ、レナにセクキャバ紹介したのも俺ってのは、もう知ってたかな?」

セイヤがあり得ないことを言った

レナとはとっくに切れてるはず

信じられなかった

⏰:07/07/31 03:08 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#196 [ゆう]
俺はびっくりして、多分少しの間喋れなかったんだろう

その間にセイヤが続けた

「じゃあ、今働いてるクラブ、実は週1回しか出勤してなくて、本業として○○っていうヘルスで働いてるのも知ってるかな?それも俺の紹介って知ってた?レナは沢山働く子だから、レナの給料から俺に回るバック料も結構良くてね」

⏰:07/07/31 03:14 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#197 [ゆう]
「は?お前ふざけんなよ」

俺は静かにそう言った

「あんまり怒らないで。レナから俺に言って来たんだから。仕事紹介してって」

「そんなわけないだろ」

「ユウくんは何も知らないで騙されてるんだ、可哀想に」

セイヤは余裕で俺の言葉を交わしていく

『騙されてる』

その言葉が頭に響いた

確か昔も言われたっけ

俺がレナに騙されてるって‥

⏰:07/07/31 03:20 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#198 [ゆう]
「レナはそんな女じゃねーよ」

俺がそう言うと

「そっか、まぁ信じる信じないはユウくんの勝手だよね。ごめんね、忙しい中お邪魔して。ユウくんの作った水割り美味しかったよ、ごちそうさま」

そう言ってセイヤはチェックを済ませて店を出ていった

⏰:07/07/31 03:24 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#199 [ゆう]
「いいんすか?追いかけて殴った方がいいっすよ」

近くのテーブルで話しを聞いていたルイが俺に近寄ってきた

「いいよ、あんな男信じてないし俺はレナを信じるし、客待たせてあるし」

そう言って客が待つテーブルに戻った

なんで仕事を優先したんだろう

追いかけて殴れば良かった


俺が仕事を優先するような奴じゃなかったら今でもレナは俺の隣にいましたか?

⏰:07/07/31 03:28 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#200 [ゆう]
「いってきまーす」

玄関からレナの声が聞こえる

もうすぐ18時
レナが出勤する時間だった

「はーい、いってらっしゃい」

俺は必ず毎日玄関まで行ってレナを見送る

昨日のセイヤの話しが気になったけど、俺はあんな奴は信じてなかった

レナが俺に嘘ついてヘルスで働いてるわけがない

⏰:07/07/31 11:06 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#201 [ゆう]
俺はレナを信じてる

レナはそんな女じゃない

セイヤとはとっくに関係を切ったはず

セイヤのくだらない嘘なんかに付き合ってる暇なんかねーよ

そう思いながら、俺はいつもより早く出勤の用意をし始めた

⏰:07/07/31 11:12 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#202 [ゆう]
その週の休日の昼


「ユウさん買い物付き合ってくださいよー!」


ルイのこの一言で俺たちはデパートに来ていた

「すいませんなんか休みの日まで付き合ってもらって」

「いいよ俺暇だしさ」


腹が減った俺たちは適当に飲食店に入って昼飯を食った

⏰:07/08/01 02:18 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#203 [ゆう]
俺らが座った横の席に、まだ2歳か3歳くらいの子供とその母親が座っていた

「あの子めっちゃユウさんのこと見てますよ」

ルイが小さい子を指さす

「うわ‥めっちゃかわいー」

俺はそう言って子供に手を振った

⏰:07/08/01 02:23 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#204 [ゆう]
「えええええぇぇぇ!」

急にルイが驚いたような声を出した

「なんだよ」

「ユウさん子供好きなんすか!?」

「めっちゃ好き。早く子供ほしい」

「えええええぇぇぇ!意外すぎ!子供とか嫌いそう!どけよガキ!とか言って蹴りそうっすよ!」

⏰:07/08/01 02:26 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#205 [ゆう]
「俺どんなイメージだよ!笑」

「いやーとても好きそうには見えないっすね笑」


母親と父親からあまり愛された記憶がないからか、俺は子供が大好きだった


絶対俺なら自分の子を大切にする

そう昔からずっと思っていた

⏰:07/08/01 02:32 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


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