俺がホストじゃなかったら
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#45 [ゆう]
俺はエリコさんの職業が気になった


初めて会った時エリコさんはOLみたいな制服だった

けどOLからこんな金が出てくるとは思えなかった

だけどなんとなくエリコさんには聞けなかった

聞いたら終わってしまいそうだったから

俺は汚い人間だ

⏰:07/07/04 03:38 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#46 [あい]
気になる―
ずっと読んでるよ
頑張ってね

⏰:07/07/04 03:53 📱:N703iD 🆔:☆☆☆


#47 [ゆう]
あいちゃんありがとう
がんばります

⏰:07/07/04 04:11 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#48 [ゆう]
それからまた変わらずの生活で月日は流れてた

そんな中、俺の誕生日がやってきた

店では俺のバースデーイベントが開かれた

ちょっと前から営業かけといたかいあって、たくさんの人が来てくれた

もちろんエリコさんも来てくれた

レナはドンペリの白だけ入れて10分で帰った。

この日はシャンパンが飛ぶように入った

そんな中エリコさんは

リシャールとロマネを入れて、ルイ13世を入れようとした





もう俺は聞くしかなかった

⏰:07/07/04 04:12 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#49 [ゆう]
「エリコさん、ボトル入れる前に聞いて?」

「なに?今日はゆーちゃんのバースデーだよ楽しまなきゃ

「エリコさん、何の仕事してるの?」

もう予想はついていた


エリコさんは黙った
でも笑顔のままだった


「ゆーちゃん、あんたそれでもホストなの?」

エリコさんは俺と目を合わせて言った

「客がどんな仕事してようと、ゆーちゃんのためになれば同じでしょ」

⏰:07/07/04 04:17 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#50 [ゆう]
「ホストを好きになって、会いたいからお店に通って、喜ぶ顔が見たいからボトル入れて、ゆーちゃんの一番のお客さんになりたいからいっぱいお金稼いで‥別にいいじゃない」

エリコさんは小さな声で言った

「だから、なにして働いてるの?」

俺の問いにエリコさんはしばらく沈黙してから


「ソープで働いてる」

そう言った

⏰:07/07/04 04:22 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#51 [ゆう]
俺は目の前が真っ暗になった気がした

俺のせいでエリコさんの人生を狂わせてしまった

ただその思いだった

その日はもうチェックをしてもらう気にもなれず、半ば強引に俺にツケて帰ってもらった

その後も俺のバースデーは続いた

俺はうまく笑えていただろうか?

⏰:07/07/04 04:25 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#52 [ゆう]
閉店後のソファーで少し眠った俺を起こしたのはトウヤだった

「元気ないねー忙しかったもんな。あ、誕生日おめでとう」

俺は力なく笑った

「なぁ、ソープってどれくらい稼げるの?」

「そりゃピンキリだろ、俺の知ってる子なら500は稼いでる。なんで?ユウ、ソープ嬢にでもなるつもり?笑」

トウヤの冗談にもうまく笑えず俺は「バカか」とだけ言った

⏰:07/07/04 04:31 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#53 [ゆう]
「まぁ500なんて少ない方じゃね?だってソープなんてあんなん、最終手段だろ」

トウヤはそういうとスタッフルームに消えていった

最終手段‥


俺はいつからエリコさんをそこまで追いつめた?


他人事だと思ってた
まさか俺が人をここまで変えてしまうとは思いもしなかった

⏰:07/07/04 04:37 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#54 [ゆう]
俺は家に帰って今日来てくれた人全員にお礼のメールを入れた

合間合間電話をかけてくる子もいたから、送りきるのに2時間かかった

なんだか眠れそうになかった

そんな時玄関のインターフォンが鳴った

レナだった

⏰:07/07/04 04:54 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#55 [ゆう]
「ハッピーバースデー

玄関のドアをあけるとレナがケーキの箱とプーさんのぬいぐるみを持って立っていた

素直にホッとした自分に気づいた

「ごめんねーあんなショボいボトルしか入れれなくて。ほさ、ケーキ買って来たから一緒に食べよ

レナは俺の部屋に上がり込むとテレビの上にプーさんを飾ってくれた

⏰:07/07/04 04:59 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#56 [ゆう]
「元気ないねー。疲れた?なんかあった?」

俺はレナに全部話した

一年前にエリコさんに出会ってから今日さっきまでのことを


レナには何でも喋ってしまう自分が怖かった

レナは黙って話しを聞いてくれた

⏰:07/07/04 05:02 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#57 [虎]
ぉもろい俺も夜の世界で働いてたからちょっと気持ちわかるし頑張って更新してな

⏰:07/07/04 08:44 📱:P902iS 🆔:☆☆☆


#58 [ゆう]
虎さんありがとうこれからも見てやってください

⏰:07/07/04 09:22 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#59 [ゆう]
俺は全部を話した

別に綺麗事じゃない、ただ自分のお客さんでそういう人を出したくなかった

それに、俺に貢ぐためにそこまでする人がいるとは思わなかった

レナは「わかるわぁー」

と言った

「ホストに恋する、なんてそんなもんでしょ。ユウが喜ぶ顔が見たかったんだよ。ユウのお客さんの中で一番になりたかったんだよ。ユウは悪くないよ。仕方ないんだよ」


そんなもん?
俺には分からなかった

俺のせいで体を売ったエリコさん


分からなかった

⏰:07/07/04 09:24 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#60 [すぅな]
最初からずッと読んでるょ

頑張って

続き待ってるネ

⏰:07/07/04 09:29 📱:SH904i 🆔:☆☆☆


#61 [ゆう]
俺はエリコさんにお礼のメールをした

「今日は来てくれてありがとうハタチの誕生日、エリコさんに祝ってもらって嬉しかったよでももう、お店には来ないでね。良かったら、店の外で会いたい。連絡してくれればいつでも行くから

俺は普通を装って送った

もうエリコさんにお金を出させたくなかった

エリコさんのお金が、どこから出ているのか知ってしまったから

⏰:07/07/04 09:32 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#62 [ゆう]
すぅなちゃんありがとうこれからもよろしくね

⏰:07/07/04 09:43 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#63 [ゆう]
エリコさんとはもう、それっきりだった

俺の知らないうちに、店まで未収を払いに来たと幹部に聞いた


200万


俺はこの仕事が怖くなった

しばらくの間は、太客逃がして残念だなとも言われた

後でレナから聞いた話し、ホスラブには

「ユウのホンカノはソープ嬢」とか「ユウは太客にソープさせてる」とかいう噂が書き込まれていたらしい

俺は知らず知らずエリコさんの心と体を傷つけた

ピルを飲んで客と生でヤって‥

エリコさんはその仕事をどんな気持ちでやったのかな

⏰:07/07/04 09:44 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#64 [ゆう]
それからまた月日が経った

俺は仕事を続けていた

その頃俺の一番の太客は女社長だった

俺の営業の仕方は少し変わり始めていた

そしてがむしゃらにナンバー入りを目指すようになった

この時の俺に、エリコさんが投資していた価値はなかった

心の冷めた人間になっていた

この時エリコさんと出会っていたら、エリコさんはきっとソープ嬢になってまで俺に貢がなかっただろう

そう考えると、今の俺の方がいいとさえ思った

俺が魅力をなくせば、本当に傷つく人は減る

頭のどこかでそう考えた

⏰:07/07/04 15:08 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#65 [ゆう]
変わっていく俺をレナは何も言わずに見ていた

ただ、たまに真面目な話しをする時は

「エリコさんのことはもう気にしちゃだめだよ。夜の仕事ではよくあることだしさ」

と言った

俺はレナに

「本命ホストにハマるのはいいけど、頼むからそいつのためだけに風俗に流れるのはやめて」

何度も言った

レナはそのたびに

「わかってる」

と言っていた

⏰:07/07/04 16:29 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#66 [唯]
更新頑張れ〜


まいんち
読んでるぜ

⏰:07/07/04 16:57 📱:P702iD 🆔:☆☆☆


#67 []
読んどるよっ
続き気になリます
頑張って〜

⏰:07/07/04 21:09 📱:SH902i 🆔:☆☆☆


#68 [我輩は匿名である]
感想やめてくれへん?

⏰:07/07/04 21:31 📱:SH902iS 🆔:☆☆☆


#69 [ゆう]
唯ちゃんちゃんありがとう

感想スレ立てちゃいましたよかったらそっちもよろしく

⏰:07/07/05 01:15 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#70 [ゆう]
俺の太客の女社長はホストに狂ってる人間だった

飲み屋街ほとんどのホストクラブにボトルをキープしているような女だった

気に入ったホストには惜しみなく金を使う女だった

特に気に入ったホストは家に連れ込んで寝るような女だった

俺もそんなホストの一人だった

ごくたまに、女社長のマンションで違うクラブのプレイヤーにはち合わせることもあった

⏰:07/07/05 01:15 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#71 [ゆう]
この女から金を絞り取ることに罪悪感は感じなかった


ある日俺は女社長に呼ばれマンションへ来ていた

慣れた手つきで908号室のドアをあける

すると別のホストが玄関にいた

「あ、ごめん今帰るから」

そう言うとそのホストは靴をはいてさっさと外へ出た

俺はただそいつを見ていた

どっかで見た顔‥

どっかの店の売れっ子だろうな

としか思わなかった

その日はいつも通り女社長を抱いて、俺の店へ行った

⏰:07/07/05 01:22 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#72 [ゆう]
この日の夜はアフターも女社長だった

もう正直うんざりだった

俺たちはバーにいた

すると向こうの方からレナが歩いて来るのが見えた

俺の気分はなぜか上がった

けどすぐに、話しかけようとした自分にストップをかけた






レナが一緒にいた相手は、今日俺が女社長のマンションの玄関で会ったホストだった

⏰:07/07/05 01:28 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#73 [ゆう]
俺は言い表せない気持ちになった

なんとなく、だけどすごく嫌な気持ちになった


俺と寝た女社長

女社長と寝たあのホスト

レナが貢いでるホスト




そんなことばかりが頭を回った

俺は平然を装っていた
女社長は俺の様子に気づいた

「あの子はいいプレイヤーだわ」

⏰:07/07/05 09:32 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#74 [ゆう]
「売り上げのためならどんな手段だって使う子よ」

女社長は、レナが貢いでるホスト「セイヤ」のことを俺に話した


セイヤは元スカウトマン。

つまり、女の子にキャバや風俗の仕事を紹介して、店から報酬を受ける。今でもその仕事を副職にしているらしい。

「あの子にうまく騙されてキャバクラや風俗に流れる子は沢山いるわ。今一緒にいる子も確かそうね。金のためなら女を利用する‥あたしはあの子のそういう残酷な所が好きよ。」

俺は微笑んで女社長の話しを聞いていた

本心は、今すぐにでもセイヤって奴を殴りたかった

⏰:07/07/05 09:44 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#75 [ゆう]
この時からかな

俺の中でレナは特別な存在だと気付き始めたのは

けど別に何をするわけでもなかった

普通にお互いの店に行ったり普段遊んだりもした



だけど嫌なことは続くものだった


それは系列店に引き抜かれて手伝いに行った時のこと

⏰:07/07/05 12:06 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#76 [ゆう]
「ユウくん助かるよー」

愛想のいい笑顔で俺に喋りかけて来たのはこの店の代表。

「使えないと思った人間はすぐ切っちゃうから、今日のイベントまでに間に合わなくて。でも1週間前から店のHPにユウくん達が来るって告知はしといたから、今日は楽しみにしてるよ」

そういうと代表はまた、他店からヘルプに来た別のホストに喋りかけていた


この店はまだオープンしたばかりの、俺が働いてるクラブの系列店。

この仕事を最低3時までには切り上げて、閉店までには自分のクラブへ戻るつもりだった

⏰:07/07/05 19:59 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#77 [ゆう]
この日は主にフリーや新規のテーブルにつくことになった

何席かまわった所で


「ユウ?ユウって○○のユウ?」

そう言ったのは、27歳くらいのOL風の女


その女は俺のクラブと名前を知っていた

「そうです、ゆうっていいます」

俺はニコッと答えた


「‥あたし、エリコの友達」



さすがの俺もその時の笑顔はきっとひきつっていた

⏰:07/07/05 20:43 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#78 [ゆう]
「そうなんですか、エリコさん、元気ですか?」

俺は冷静に女に尋ねた


「‥はぁ?元気だとでも思う?」

明らかに女は俺を嫌っていた

だって俺は、この女の友達をソープ嬢にまでさせてしまったホスト

いい人、なんて要素ひとつもない


薄れかけていた痛みみたいな感覚が蘇る

⏰:07/07/05 20:49 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#79 [ゆう]
「ふざけないでよ。エリコはあんたのせいで仕事もやめて、風俗で働いたのよ」

「今は‥エリコさん、何のお仕事されてるんですか?」

「あんたに関係あんの?もしエリコがまだ風俗してたら、また金づるにでもする気?」

「そういうつもりじゃなくてただ、最近連絡とれないから気になって」

「はぁ!?マジでふざけんな!あんたがもう店に来るなって言ってエリコを切り捨てたくせに!」

女は大声を上げた

奥にいる代表と目が合う


「店出て。ファミレスかどっかで話そう」

女は静かにそういうと、先に店を出た

⏰:07/07/05 20:56 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#80 [§まいこ§]
がんばれぇ

超ぉもろ

⏰:07/07/05 22:59 📱:P904i 🆔:☆☆☆


#81 [ゆう]
まいこちゃんありがとう

⏰:07/07/06 01:35 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#82 [ゆう]
俺は近寄ってきた代表に

「アフター行ってきます」

とだけ言って店を出た
代表は了解してくれた


ファミレスに向かうタクシーの中は無言だった

俺は、少しの間逃げていたことに今直面している


窓の外を見ながらそう思った

⏰:07/07/06 01:36 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#83 [ゆう]
「エリコは今普通に事務で働いてる」

すこし人が少ないこの時間のファミレス、俺たちは奥の喫煙席に座った

先に口を開いたのは女だった

落ち着いた様子だった


「あたしも結構、ホストクラブには行くの。サイトの掲示板も見てる。あんたのことは知ってたし、エリコからも話しは聞いてた」

⏰:07/07/06 01:43 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#84 [ゆう]
「エリコ、ずっと前はホストなんか大嫌いだった。あたしが行ってても、やめときなよって言う子だった。でもあんたに出会って変わった」

俺は黙って話しを聞いていた

「キャッチされたホストに手袋もらっちゃったって嬉しそうに言ってた。今でも持ってるよ」

うつむいてた視線を少し上げてみた
女は喋り続けた

「ホスラブとかで見てみたらさ、エリコが言ってるホストまだ18歳って言うじゃん。店にも行きだして。ほんと、止めれば良かった」

⏰:07/07/06 01:52 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


#85 [ゆう]
「それからだいぶ経って、ユウってホストを好きになったって報告された。あんたに高いボトル入れだした頃からヘルスで働きだしてた。あたしも最初は知らなかったんだけど‥掲示板見ててもさ、あんたはイロマクホストとかみんな言ってたしいいイメージなんてなかった」

俺は迷っていた

「それが俺の仕事だから関係ない」って最低な人間として終わらすか

「俺も後悔してる、直接謝りたい」と弁解するか

⏰:07/07/06 02:01 📱:D902iS 🆔:☆☆☆


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