俺が一番と思った女2
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#981 [しゅん]
「ヒロもね、多分どうしていいかわからんやったんと思うん。
初めてのことで、体調が悪いあたしを目の前にして感じることもたくさんあったと思うし。
辛かったと思う。
そのときはヒロをめっちゃ責めたい気持ちが大きかったけど、時間がたって色々考えたら自分も悪いっち思った。」

「お前、どんだけいいやつなん。
現に、きつい思いしたんはお前なんぞ?傷ついたのも。
病院一緒行ったり、傍におることも、金払うことも当たり前のことやろ。
何でお前一人がそんな負担を背負わないけんのかちゃ!」

『でも、好きやったん。
そんなヒロでも好きやったと。
やけん、それでもいいっち思ったと。』

「二人の問題やろ。
お前一人が決めて、一人で行動して。
何かそれ。」

『そーやね。
そう言われてみればあたしばっかなんかな』

⏰:09/03/11 15:35 📱:PC 🆔:z/vkc/9M


#982 [しゅん]
そんなことがあって、今更戻りたいっち電話があって。
何でもっと強く言えんの?
何で泣いたん?

俺の心の声。

言いたかったけど、未来がおろした時の気持ちとか考えると俺には言えるはずがなかった。
俺が思っている以上に未来自身が体験したことは辛かったと思う。
誰かに助けを求めてぇで。
浅田さんにすら言えんやったこともあったんやし。
そうしなかったのは浅田さんに心配かけたくなかったからだと思う。
昔から未来は人に心配をかけまいと、自分ひとりで何でも解決しようとする。
それが未来のいいところで悪いとこや。

⏰:09/03/11 15:35 📱:PC 🆔:z/vkc/9M


#983 [しゅん]
素直に言えばいいんに。

辛いっち。
そう浅田さんに伝えればよかったんに。
人は行動に移したり、言葉に出さんと気づかんこともわからんこともある。
そんな辛いときこそ伝えることが大切で、隠そうとしたらいけん。
相手の気持ちを考えるばっかやねぇで、もっと自分に素直になって欲しかった。

⏰:09/03/11 15:38 📱:PC 🆔:z/vkc/9M


#984 [しゅん]
「それで今更戻りてぇとか自分勝手なんもいいとこやな。」

『うん…』

「お前の気持ちどー思っとんやろ」

『たまにね、ヒロのこと好きとかやなくて、
そんなことがあったけ別れきらんやったんやないかなっち思ったりするん。
気持ちが切れんのはそのせいやったかもしれんっち。』

「それもあるやろーな」

『うん…あたしっちヒロにとってどんな存在やったんかな。』

ぼそっと言ったが、未来の本音や。
浅田さんは未来のことをどう思っていたのか。
たとえ、申し訳ないっち思っとったとしてもそれは未来に伝わってねぇ。
それが未来の一言でわかった。

⏰:09/03/11 15:45 📱:PC 🆔:z/vkc/9M


#985 [しゅん]
「お前さ、もうちょっとよく考えろ。
相手に心配かけたくなかった気持ちはわかる。
でも、状況が状況やろ?
辛いときは辛いっち口に出さんとわからんときだってあるんぞ?
何でそんな自分ひとりで背負おうとするんかちゃ。」

「相手にこう言ったらどう思うやっか?っち。
そう考えるときも必要と思う。
でも時と場合を考えろよ。
素直になることがお前がとるべき行動やったんやね?」

黙って俺の話を聞く未来。

⏰:09/03/12 15:58 📱:PC 🆔:DUhZHse6


#986 [しゅん]
「今更そんなん言っても何も変わらんけどな。
まぁそんなん言ったって俺は、たとえ浅田さんでもお前のことをそうやって傷つけたことは許せん。
浅田さんやからこそ、真剣に考えるべきや!
自分の女が自分の子どもをおろすんばい?
そんなバイトとか言う場合やねぇやろ。
ちゅーかおろすっち前提で物を言うのはおかしいし。
これからをどうするか、お互いが自分の意見を言い合って話し合って決めた結果やろ。
それでおろすことにお互いが納得したんならそれは仕方ねぇ。
でも、それやけっちいってらっしゃいで済まされることやねぇやん。
どうしていいかわからんくても、せめて隣におることだけでも出来るやろ。
そうしたいっち思うのが普通やねんか?
お前がどう言おうと浅田さんの行動は間違っとると思う。」

⏰:09/03/12 15:59 📱:PC 🆔:DUhZHse6


#987 [しゅん]
「お前もわかっとんやろ?
それを認めたくねぇだけなんやねん?
浅田さんはそんな人やなかったっち。そう思っときたいだけやろ?」

そう言うと泣きながら俺に抱きついてきた。

図星を言われたのか、未来は何も言わない。
声を押し殺し、体がヒクヒクなっていた。

「辛かったな。」

そう言うと、抱きついた手はより一層力を入れた。

「俺の腕ん中やったら、こんなん素直になれるんにな。アホ」

「俺はお前にそんな思いぜってぇさせんけ。」

黙って頷いた未来。

⏰:09/03/12 16:00 📱:PC 🆔:DUhZHse6


#988 [しゅん]
俺は、浅田さんを未来にとって悪い思い出にしたかったわけやねぇ。
ただ、事実を受け入れてほしかった。
認めてほしかった。
人間は、嘘でも自分がこやった!っち思い込むと、いつの間にかほんとのように思えてくる。
やから。

いい思い出として残るものはそっと胸ん中に閉まっとっていい。
俺はそれを消そうとしたりせん。
消して欲しいとも思わん。
そりゃー嫉妬もあるけど。
いずれ、浅田さんとの思い出よりも俺との思い出が濃くなればそれはそれでいいことやし。

⏰:09/03/12 16:01 📱:PC 🆔:DUhZHse6


#989 [しゅん]
「思っとることあったら、全部出せ。
楽になるちゃ。」

そう言うと
黙っていた未来が口を開いた。

『一緒におってほしかった。検査薬するときもどうしようっち手が震えた。
病院も一緒に来てほしかった。
がんばったなっちだけでもいいけ言ってほしかった…』

「そうやな」

『遠距離してる間、喧嘩するといっつもあたしの頭ん中におろしたことが浮かんでヒロを責めたくなるん。
こんな思いさせたくせにそんな言い方していん?っち。
そんなん思う自分がめっちゃ嫌で、言ったらダメっち思えば思うほど
ほんとに伝えたいことやない、どーでもいいことを並べて文句にしたりして…』

「うん」

⏰:09/03/12 16:02 📱:PC 🆔:DUhZHse6


#990 [しゅん]
『好きなのに…うまく伝わらんくて
好きやないんかなっち、色々あったから繋がってたいだけなんやかっち。』

「うん」

『毎日泣いてばっかで楽しくなかった。
毎日が辛かった。』

「うん」

『ヒロが久しぶりにこっち帰ってくるときも、あたしは後回し。
送り迎えして、やって、またねっち。
あたしが会えることをどんだけ楽しみにしてたんかとか、絶対わかってない。』

「うん」

『あたしはただ前の二人のままいたかっただけなんに。』

「浅田さんはわかってくれんやったな」

『うん…』

⏰:09/03/12 16:03 📱:PC 🆔:DUhZHse6


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