俺が一番と思った女2
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#900 [しゅん]
未来に付き合ってやろうと思って
「お前もなんちゃって大学生やんな!!やろ?俺、この授業休んだことねぇけね。」
『めっちゃ懐かしい!!また、暇な日あったら一緒受けていい?』
「いいで!おもろい授業まだいっぱいあるけん、時間合ったら受けさしちゃーよ」
『ありがと』
そう言って、また講義に集中する未来。
隣にいる未来を直接見ることは出来んけん、わざと後ろに持たれ横目で未来を見ると
真剣に耳をすまし目がキラキラしとってまた違った一面を見た。
:09/02/16 16:44 :PC :nZS.U4oQ
#901 [しゅん]
講義が終わり、みんなバラバラに帰っていく中、仲いい奴らが俺に近づいてきた。
一番に話しかけてきたのは、悟。
高校の時から知っとる奴で、学校の先生になるという一緒の夢を持っている。
背は低いけど、結構なイケメン。
おもろい奴で女男共に友達が多い。
未来とも何回か面識があった。
:09/02/17 15:53 :PC :GtlayqJg
#902 [しゅん]
【お前さー彼女いつの間に出来たんかちゃ!】
「おーまぁ色々あってな」
【ふつーに講義連れてきとーし。
何か、お前当たり前!みたいな顔しとーけん、全然違和感ねかったけど。
ここの学生やねーよな?】
「ちげーちげー。ちゅーかお前、未来のこと覚えてねぇ?」
『こんにちは。しゅんがいつもお世話になってます』
未来はにこっと笑い、挨拶した。
未来の知らん奴らも結構おったし、とっさにこんな言葉が出る未来に
やるやん!と心の中で感心した。
:09/02/17 15:53 :PC :GtlayqJg
#903 [しゅん]
【は?未来??】
「そう!覚えとるやろ?」
【はぁ〜??ありえんし!!
めっちゃきれいになっとーやんけ!】
「やろー。」
『やろー。』
未来は俺のマネをして笑っていた。
:09/02/17 15:54 :PC :GtlayqJg
#904 [しゅん]
【戻ったん?】
「まぁ今度会ったとき、詳しく話すわ!」
【おう!ちゅーか、お前この前までフリーやったんに。
いつの間にっち感じやけなー。
結構聞くで〜?お前のこと狙っとるっち奴。
後輩にもタメにも。
別れたっち話知って、俺何人か聞かれたもんねーお前のアドレス。
教えてねぇけど。
まぁー未来連れとったら、手出らんっち思うけどね!】
:09/02/17 15:55 :PC :GtlayqJg
#905 [しゅん]
{ちゅーか、俺も聞かれたことあるでー??}
「まじー?お前も?
ちょっとは遊んだ方がよかったやっか?」
【未来ちゃんこんなこと言わせていん?】
『全然いいー。ちょっと遊んだ方が良かったんやない?』
「はいはいちゃ〜。」
【めっちゃいい感じやんけ!!何か腹立つし】
:09/02/17 15:55 :PC :GtlayqJg
#906 [しゅん]
「ちゅーか、何ち聞かれたん?」
【小彩先輩と仲良しですよね!!とか言われてからさー。
アドレス交換できんか聞いてもらえませんか?とかー。
色々!
あいつ、そんなんしてくる奴嫌いやし、ストライクゾーンえっらい狭いけん、ぜってー無理ばい!っち断ったけど。】
「何かそれ!!俺、そーとーわりぃ奴みたいになっとるやんけ!」
【実際そうやん】
「いやいや!かわいかった?」
【可愛かった!!俺代わりにしよーか?っち感じやったもんね】
「まじーーー」
:09/02/17 15:56 :PC :GtlayqJg
#907 [しゅん]
【お前、未来ちゃん前にしてそんなん言うのありえんやろ!】
『言うだけやけ大丈夫。』
「はぁ〜?本気でしたらどーするん?」
『そうなったら、奪い返す!』
【はいはいちゃ〜どんだけ仲良しなの見せつけよん!】
{まじちゃ!未来〜俺に誰か紹介して?}
そう言い出したのは、同じ野球部のすぎ。
こいつは、未来と小・中が一緒で顔見知り。
俺とは大学で仲良くなった。
:09/02/17 15:56 :PC :GtlayqJg
#908 [しゅん]
『すぎーーー久しぶり!!相変わらず変わらんね』
{うるせーちゃ!!お前が変わりすぎなんちゃ!!
何かしゅんと一緒おったら無敵っち感じがこえーんやけど}
『何それーーー』
{いや。誰もが羨ましいっち思うカップルやろ!お前ら}
『なーんだ。そっち?』
「仲良しやもんねーーー」
そう言って未来の肩を抱くと、未来もノリ良く、俺の方に首を傾る。
{まじうぜーーー}
【ほんとうぜーーー】
周りの奴らも、ありえんしとか言いながら笑っていた。
:09/02/17 15:57 :PC :GtlayqJg
#909 [しゅん]
{そんなんする暇があったら、誰か女の子紹介しろちゃ!!
お前の友達ならぜってー可愛い子がおるはず!!}
『紹介?』
{可愛い子お前なら知っとるやろー。}
『すぎ学生やんー。友達みんな社会人やし。学生の時点でなしやもん』
{はぁ〜?もうすぐ卒業やけん!!何とかしろ!}
「お前、誰にそんな命令しよんかちゃ!
俺の大事な未来にそんな言い方していいと思っとん?
ボケ!!
ちゅーか、俺ら今からデートなんちゃ!!
邪魔せんでくれん?
行くぞ!未来。こいつらと話しよったら、きりねぇけん。」
:09/02/17 15:58 :PC :GtlayqJg
#910 [しゅん]
『じゃあ、探してみるね。
どんな子がいいか、メールしとってー?』
そう未来が言うと
【お前、どんだけいい子なん!
俺もどんな子でもいいけんよろしく!!】
別れ際に、悟も真剣に未来に頼んでいた。
:09/02/17 15:58 :PC :GtlayqJg
#911 [しゅん]
『みんな必死やね!』
「やな!すぎは就活終わって毎日暇なんやね?」
『そっかー。すぎに合った子紹介できたらいいけど…』
「まっ、あいつやけんそんな真剣に頑張らんでいーやろ!」
『しゅん最悪やねー。人のことになったらどーでもいんや』
「いやいや…すぎばい?
あいつに可愛い彼女とか出来たら、ネタやん」
そんな話をしながら学校を後にした。
:09/02/17 15:59 :PC :GtlayqJg
#912 [しゅん]
その日、一日買い物デートして未来を実家まで送るつもりだった。
未来は高速バスで帰るっち言いよったんやけど、どうしても俺が送りてぇで。
福岡から北九まで話をしよったらあっという間に着いた。
別れ際、未来がいつ会えるかを聞いてくる。
:09/02/18 15:11 :PC :hQ900H/o
#913 [しゅん]
『次はいつ会えるー?』
「んー。お前金曜の夜からいんやんな?」
『うん。」
「金曜の夜はバイトやけど土曜休みやけん、金曜の夜泊まりくる?」
『行く!!いいと??』
「おう!」
『じゃあバイト終わりそうな時間に連絡してね!!
時間見計らって高速バス乗るけん。』
「迎え行くけど」
『ううん。自分で行く!!』
:09/02/18 15:12 :PC :hQ900H/o
#914 [しゅん]
「じゃあ、土曜はどっか遠出しよっかね!行きてぇとこあったら考えとけ!」
『わかった!!でも、しゅん勉強はいいと?』
「土曜遊ぶために、平日頑張るけん!!
再来週はバイトびっしり入っとるし、土日は悟と予備校行く予定やけさ。
来週会っとかんと、2週連続会えんし。
俺、できる男やけ!」
『何それー。無理せんでいいよ?』
「してねぇし。俺も会いてぇんやけ!お前だけっち思うなよ!」
:09/02/18 15:13 :PC :hQ900H/o
#915 [しゅん]
『うん!!じゃあ、帰ったらメールしてね。気をつけて帰ってよ!』
「はいはい!ちゃんと安全運転で帰るけん!」
『送ってくれてありがと!』
「いいえ!ちゅーか、これ持っとって!」
『何〜〜?』
そう言って渡したのは、俺の家の合鍵。
嵐に会ったとき、嵐に渡しとるのをこっそり貰っていた。
:09/02/18 15:13 :PC :hQ900H/o
#916 [しゅん]
『鍵??』
「金曜、これ使って入とっていーけん。
いたらんこと、家捜しすんなよ!」
『…いい。』
未来は悲しそうに断ってくる。
「何で?いらんの?」
『うん。』
「どしたん?」
『何か、嫌やもん』
「は?何で?」
:09/02/18 15:14 :PC :hQ900H/o
#917 [しゅん]
『それ、優歌ちゃんが持ってたやつやろ?』
「はぁ〜?ちげーちゃ!優歌には合鍵とか渡したことねぇし。
嵐しか持ってねぇ」
『そーなん?』
「何勘違いしとん?
もし、優歌に渡しとったとしても、それをお前に直接回したりせんし。
新しく作るわ!ボケ!」
『だって…』
「それは嵐のやけどな!作る暇ねかったし、嵐にとりあえず貰っとったんちゃ!
また、お前の分できたら渡すけん!
それは、とりあえず仮な」
照れくさそうに笑いながら、合鍵を受け取る未来。
俺が未来のキーケースに通した。
:09/02/18 15:14 :PC :hQ900H/o
#918 [しゅん]
「未来ー。」
『ん?』
「いや、何もねぇ。」
『何なんー』
「やっぱ、優歌のこと気になる?」
『うん』
「よな。」
『しゅんの家行ったときも、優歌ちゃんがここにいたんやなーっちちょっと思った。
でも、それは仕方ないし。
今からはあたしの思い出でいっぱいにしていくけん
大丈夫!!』
:09/02/18 15:15 :PC :hQ900H/o
#919 [しゅん]
仕方ないのはわかっとる。
過去を消すことなんかできんし、優歌と付き合ったことは事実。
俺が未来と浅田さんのことを考えるだけで嫌なように、未来も俺と同じと思う。
いずれこの気持ちは消えるんやろーけど、考えれば考えるほど自分を追い詰めている気がした。
俺は未来の手を見るたびに薬指を見てしまい、あの日グッチの指輪をはめていた未来を思い出してしまう。
もうその指輪ははめてねぇけど、どーしても未来の指に目が行ってしまう。
お揃いの指輪をかおーや。
たった一言なんに
それを言う勇気もなかった。
:09/02/18 15:18 :PC :hQ900H/o
#920 [しゅん]
「未来。」
『ん?』
「今日泊まれん?」
『今日??』
「明日そんまま会社行くのきちぃ?」
『どしたん?』
「いや、今日何か帰したくねぇ」
『どしたと?何かあった?』
:09/02/19 16:21 :PC :6iJB9jiI
#921 [しゅん]
「いや。」
『いいよ!明日会社やけん、朝までしかおれんけどいい?』
「朝、会社まで送る」
『わかった。じゃあ、お母さんに連絡してくるね』
「ごめん!やっぱ無理やんな!やめよ!!」
『あたしもしゅんとおりたいけん!ちょっと待っとって』
そう言って車を降りた。
:09/02/19 16:21 :PC :6iJB9jiI
#922 [しゅん]
前にもこういうことがあった気がする。
俺は気持ちが不安になると、未来を自分の手の中において安心しようとする。
それは未来もわかっているはず。
この日も、俺のわがままで未来を泊めさせることになった。
『大丈夫やったよー!!まだしゅんといっぱいおれるね!』
満面の笑顔でそう言う未来は俺に気を使わせないようにしているのが伝わった。
悪いと思っとるんに、帰せん俺。
この日はどうしても一緒におりたかった。
:09/02/19 16:23 :PC :6iJB9jiI
#923 [しゅん]
コンビニでお菓子やビールを買い、ホテルに泊まる。
未来に部屋を選ばせ、何年かぶりのホテルに入った。
そして別々に風呂に入る。
何となく、久しぶりでお互い緊張し一緒に入れなかった。
風呂から上がり、俺はビールを飲みながら未来があがってくるのを待っていた。
:09/02/19 16:24 :PC :6iJB9jiI
#924 [しゅん]
風呂から上がってきた未来は髪を乾かしながらしゃべる。
『しゅん家で洗濯しとってよかったー』
「やな。泊まる道具も持ってきとったしな!」
『うん!準備いいよねーあたし。
明日も会社休みたいなー』
「明日は無理やりでも連れてく!
その分今日は離さん」
そう言うと、照れて笑っていた。
:09/02/19 16:26 :PC :6iJB9jiI
#925 [しゅん]
乾かし終わった未来は俺の隣に座る。
前付き合っていたときの未来と変わらん行動。
未来から手を繋いできて、肩に頭を乗せてきたり。
昔もドキドキしていたが、それは月日が経った今でも同じだった。
まったりした時間が流れていた。
そのとき、未来の携帯が鳴った。
未来が携帯を開けると、知らん番号から。
俺は浅田さん?
っち思ったけど、未来は着信拒否するっち言ったし。
してねぇんやっかっち疑いながらも未来の反応を見る。
:09/02/19 16:27 :PC :6iJB9jiI
#926 [しゅん]
『誰やか…』
携帯を見て未来の動きは止まっている。
「出らんの?」
『えぇ…』
「浅田さんやねん?」
『ううん。番号が違う。着信拒否しとるけんかかってこんはずやし。』
「じゃあ出たらいいやん。
俺がおらんところでまたかかってきたら何か嫌やし」
『うん…』
そう言いながら、通話ボタンを押す未来。
:09/02/20 15:51 :PC :rhdIVDWc
#927 [しゅん]
『もしもし?』
受話器の声は聞こえないが、未来の表情を見て浅田さんとすぐわかった。
『何?』
そう未来が聞く。
それに対して相手は何と返したのか。
『何で?』
未来は同じ言葉を繰り返す。
:09/02/20 15:52 :PC :rhdIVDWc
#928 [しゅん]
未来の言う通りや。
何で今更?
どの面を下げて未来に電話をかけてきたのか。
そんなこと俺にはわからん。
:09/02/20 15:53 :PC :rhdIVDWc
#929 [しゅん]
未来は俺を見ながら、顔を横に振った。
その顔は今にも涙が出そうなくらい泣きそうな表情。
俺は未来の手を握り、頭をポンポンとたたいてその場を離れた。
部屋を出て、洗面所に入る。
未来の声は聞こえない。
何を話しよるんか気になったけど、俺はわざと聞かないようにした。
:09/02/20 15:54 :PC :rhdIVDWc
#930 [しゅん]
試すわけやねぇけど、未来の意思で動いてほしかったけん。
未来の気持ちが変わって浅田さんに向かってしまうかも。
考えるのはそんなことばっか。
嫌やけど。
でも、それは仕方ない。
止めるけど。
仕方ねぇ。
責めると思うけど。
それでも、未来の本当の気持ちが知りてかった。
これを試すっちゅーんかな。
未来は俺のことを好きと言った。
その言葉を俺は必死で信じる。
:09/02/20 15:54 :PC :rhdIVDWc
#931 [しゅん]
20分ぐらいして。
未来が洗面所に入ってきた。
顔は涙でぐちゃぐちゃになっとって、まだ涙が次々と溢れている。
『しゅん…ごめん』
未来はそう一言言った。
俺は一気に体に鳥肌が立ち、嘘やろ…その言葉しか出てこない。
俺の予想が的中した瞬間やった。
さっきまで、絶対責めるっち思っとったのに出た言葉は
「仕方ねぇ。お前は悪くねぇよ」
その一言だった。
:09/02/20 15:58 :PC :rhdIVDWc
#932 [しゅん]
今まで過ごした時間は夢のようなとき。
やっぱ俺らは繋がる運命やねぇんや。
また未来と同じ道を歩けると思ったんに、それはたった一本の電話で崩れ落ちた。
浅田博基。
浅田さんは未来にとって本当に大切な存在なんや。
:09/02/25 15:53 :PC :EZF1V7ZI
#933 [しゅん]
俺のがぜってーカッコイイし、未来を思う気持ちは負けてねぇ。
それは100%の自信がある。
でも、この思いは未来に伝わらなかった。
伝わらなかったと言うよりも
その二つよりも一番大切な未来を守ることに対して自信がねかったけん、身を引いてしまったんかもしれん。
:09/02/25 15:56 :PC :EZF1V7ZI
#934 [しゅん]
浅田さんとやり直す。
それが未来が出した答え。
身を引く。
未来が心から幸せと思えるならそれでいい。
それが俺が出した答え。
:09/02/25 15:56 :PC :EZF1V7ZI
#935 [しゅん]
そりゃー何言われたんか知らんけど、
たった電話がかかってきがぐらいで気持ちが揺れるんなら、俺に対する気持ちを言ってくんなっち感じやけど。
未来が俺に言ったあの時の気持ちは嘘やねかったと思う。
浅田さんの存在がでかすぎて俺の気持ちよりもまさったっちこと。
浅田さんから連絡が来るとか誰も予想してねかったことやし。
俺より浅田さんを選んだ未来はずっと泣いていた。
:09/02/25 15:57 :PC :EZF1V7ZI
#936 [しゅん]
泣き崩れる未来を支えると
『しゅんーーーー』
と言いながら未来は俺に抱きついてきて、胸に顔を押し付けて泣く。
俺は抱きしめ返しながら、こうできるのも最後なんやと漠然に思っていた。
:09/03/03 15:23 :PC :aJsFF0uU
#937 [しゅん]
『ヒロやった。』
「うん」
『戻ってっち。』
「うん」
『んあらりはあっぱりゆんがふき』
胸に押さえつけているけか、何ち言いよんのかわからん。
もう一回聞き返す。
:09/03/03 15:23 :PC :aJsFF0uU
#938 [しゅん]
「ん?」
『あたしはやっぱしゅんが好き』
「そっか」
?????
「は?」
『あたしはしゅんが好きやけ嫌っち言ったー。
なんに、何で涙が出るんやろ』
動転しとったんに、一瞬で勘違いと気づき慌てる俺。
:09/03/03 15:24 :PC :aJsFF0uU
#939 [しゅん]
「お前、勘違いするような言い方すんなちゃ!!」
『ん?』
「泣きながらごめんっちゅーけん、俺と無理なんかと思った。」
『違うーーーー!!!』
「まじ泣きそうなったし…」
:09/03/03 15:24 :PC :aJsFF0uU
#940 [しゅん]
『ごめん。ちゃんとね、しゅんが好きやから戻れんっち言った』
「ボケ!紛らわしいわ!」
『ごめん』
「浅田さん何ち?」
:09/03/03 15:25 :PC :aJsFF0uU
#941 [しゅん]
『納得してなさそうやったけど、でもちゃんと言ったもん。
ヒロと別れていっぱい辛い思いして、それでもヒロのことがずっと忘れられんやったけど
それを乗り越えて、今はしゅんが好きなんっち。
やっとヒロとのことをやっと思い出に出来たん。
もう、辛い思いしたくない。
ヒロとは戻れん。そう言った』
未来の言葉に俺は何も返せない。
浅田さん本人に言ってくれたのも嬉しかったし、何より未来の気持ちは本当に俺にあるということがわかって安心した。
:09/03/03 15:34 :PC :aJsFF0uU
#942 [しゅん]
『しゅんーー』
俺の胸から顔を離し、見上げながら俺にそう言った。
たまらなく可愛い未来がいとしくて仕方ない。
何で俺は浅田さんのことが引っかかっていたんかっち思うぐらい、未来の気持ちが真っ直ぐなのがわかった。
しょうもねぇことで悩んで無理やり納得しようとしていた自分が情けねぇ。
:09/03/03 15:39 :PC :aJsFF0uU
#943 [しゅん]
「俺もお前がめっちゃ好きや」
そう言うと、未来は俺の脇から手を離し首に回した。
お互いのほっぺたをくっ付けてくる。
目をつぶっていると未来がしゃべった。
:09/03/03 15:40 :PC :aJsFF0uU
#944 [しゅん]
『しゅん。不安な思いさせてごめんね』
「してねぇけど」
『嘘やん。さっき、手握ってくれて頭ポンポンしたとき、しゅん悲しそうやったもん』
「うるせーちゃ」
『でも、そういうとこが好きー。素直やないけど、しゅんの行動を見てたらわかるもん』
:09/03/03 15:41 :PC :aJsFF0uU
#945 [しゅん]
「お前えらい上から目線やな」
『あたししかわからんことやもん』
「はいはいちゃー」
『ホントのことやもん!!』
「お姫様。ベットまでお連れいたしましょうか?」
『うん!!』
素直に頷いた未来。
いつもならぜってー嫌っちゅーくせに。
抱えると痩せているせいか、軽くすっとあがった。
:09/03/03 15:42 :PC :aJsFF0uU
#946 [しゅん]
「お前意外にかりぃやん!」
『どんな想像してたん?いっつも重いみたいな言い方せんでー』
笑いながらベットに移動し、時計を見ると10時半だった。
「まだ10時半やって。」
『12時なっとるっち思ったんに』
:09/03/03 15:42 :PC :aJsFF0uU
#947 [しゅん]
「明日仕事やし、寝る?
お前ぜってぇ明日目がパンパンやな」
『絶対そーなるー。冷やす』
「お姫様、氷を用意いたします」
ふざけてそう言うと未来は笑っていた。
:09/03/03 15:43 :PC :aJsFF0uU
#948 [しゅん]
『眠たくなるまで話そー!』
「そやな!ちゅーか俺、お前に聞きてぇことがあるんやけど」
『じゃあしゅんからね!何〜〜〜?』
「今日さ、お前俺に気持ち言う為にこっち来た?」
『えぇーーーー何でわかったん?』
「いや、何となくやけど・・・海の中道連れてけっち言ったけんさ。
あっこ、思い出の場所やん?
何か話すんかなーっち思いよった」
:09/03/03 15:45 :PC :aJsFF0uU
#949 [しゅん]
『決めて来たんやけどね。ずっと言うか迷って。』
「そーなん」
『色々思い出したらねしゅんのこと好きっち言ってたん』
「めっちゃ急にやったけん、ビックリしたし」
『でもしゅんと接して、やっぱしゅんっち思ったけん。
それで自然に出たんかも』
:09/03/03 15:46 :PC :aJsFF0uU
#950 [しゅん]
「例えば??」
『待ち合わせしたとき、いつもんんとこな!っち言ったやん?
あれとかー
ふつーに焼肉連れて行くとことかー
しゅんの行動一つ一つがかっこいいなーっち思ったし』
「ふーん。」
『しゅんとおったら楽。
素でおれるもん。』
「そっか」
:09/03/03 15:48 :PC :aJsFF0uU
#951 [しゅん]
『しゅんはあたしと戻りたいとか思ってなかった?』
「お前は俺を見てねぇっち思っとったけんね。
それでも、俺はお前を好きやったけど。
やっぱお前しか俺は見れれんなっち思った。」
『そーなん?』
「お前さ、コンビニ寄った時に水買とったやん?
昔を思い出して何かじーんっちきたし。
お前と付き合いよるときは、あーゆーのが普通っち思っとったけど。
やっぱ当たり前やねかったしな。」
:09/03/03 15:48 :PC :aJsFF0uU
#952 [しゅん]
『えぇーーそんなこと?』
「お前は当たり前っち思ってしよるけん、そーでもねぇかもしれんけど。
ちょっとのことやけど、結構そういうのでけぇんちゃ」
『ふーん。』
「手洗ったあと、サッっちタオルくれたりな!
お前の鼻水付やけど。」
『今日は付いてなかった!!』
「そーなん?わからんちゃ!」
:09/03/03 15:50 :PC :aJsFF0uU
#953 [しゅん]
『ねね、しゅんー。
優歌ちゃんのこと聞いてもいい?』
「いいで」
『何で別れたん?』
聞いていいっち言ったのはいいものの、話すか迷った。
聞くことによって未来はどう思うんやろう。
でも、正直に話した。
黙って聞く未来はただ、頷いているだけだった。
一通り話し終わると未来は口を開いた。
:09/03/03 15:52 :PC :aJsFF0uU
#954 [しゅん]
『しゅん。あたしはそんなこと絶対せんけ』
「わかっとーちゃ」
『もう優歌ちゃんから電話かかってきたりせんの?』
「知らん。俺、登録外の番号は出らんし。
前はそれらしき番号からかかってきよったけど、最近はねぇね。
それが優歌かもわからんけど。
もし、あまりに同じ番号からかかってくるようなら、番号変える」
:09/03/03 15:52 :PC :aJsFF0uU
#955 [しゅん]
『そこまでせんでいいよ!!しゅんのこと信じてるもん』
「いや、俺がしてぇけする。嫌やん。
前の女からしょっちゅう電話かかってくるのとか」
『うん…』
:09/03/03 15:53 :PC :aJsFF0uU
#956 [しゅん]
「もしお前に浅田さんからまた電話かかってきたら、俺ブチギレると思うよ?
それと一緒や。
相手の気持ち何も考えてねぇやん。
結局は自分の気持ちを最優先して、自分勝手な行動しかとってねぇ。
未来のことを思うなら、お前が一番傷つかんようにするんが当たり前やね?
今回の電話は俺と戻ったことを浅田さんは知らんやったと思うし、仕方ねぇけど。
次かかってきたら、どの面下げでかけてきよんか?っち俺言うと思うよ?
そう言う俺が一番お前の気持ちを考えてねんかもしれんけど。
嫌やん。そのせいでゴタゴタするの。」
『ごめん』
「いやいや、お前は悪くねぇけん」
:09/03/03 15:54 :PC :aJsFF0uU
#957 [しゅん]
『かかってきたら、言って?
もうあたし話したくないもん』
「あんだけ言ったし、かかってこんとは思うけどな。」
『うん』
「でもごめんな今日。俺のわがままやんな」
『いいよーあたしもしゅんと一緒おりたかったっち言ったやん!
でも、しゅんがわがまま言うときは不安なときやもん。
あたしはしゅんしか見えてないけん安心してね。』
:09/03/03 15:55 :PC :aJsFF0uU
#958 [しゅん]
「浅田さんから電話かかってきたとき泣きよったけどな!」
『それは…』
「わかっとーちゃ」
そう言って未来を抱き寄せた。
キスをし、前と同じように体を重ねる。
でも未来の体は震えていて、前の未来とは違っていた。
:09/03/03 15:56 :PC :aJsFF0uU
#959 [しゅん]
「どした?」
そう聞いても、首を振る。
俺の手を力いっぱい握っている。
やっぱ、おかしいと思ってもう一度聞いた。
「やめよっか」
首を振りながら抱きついて来る未来。
そして未来の口から出た言葉は
『ごめん』
だった。
:09/03/06 15:56 :PC :rsOyeBZY
#960 [しゅん]
手を出すのがはえかったやっかっち思い、一旦未来から離れた。
すると未来から抱きついてくる。
「どしたん?」
『何もない。』
そう言う未来は今にも泣きそうな顔。
「やりたくねぇんやねん?」
『ううん。違う』
「じゃあどしたん?」
:09/03/06 15:56 :PC :rsOyeBZY
#961 [しゅん]
『しゅん。ゴ…ム…』
「ゴム??つけとーちゃ!
当たりめぇやろ。俺がつけてねぇときとかねぇし!
お前、何かあったんか?」
『しゅん。ごめん』
そう言った途端、未来の目から涙が一気にあふれた。
:09/03/06 15:57 :PC :rsOyeBZY
#962 [しゅん]
「何かあったんか?」
『…』
「どしたん?正直言え。」
『あたしね。赤ちゃんおろした。』
「は?」
『ヒロとの赤ちゃん』
「ほんとに?」
『うん…』
:09/03/06 15:57 :PC :rsOyeBZY
#963 [しゅん]
「いつ?」
『ヒロと付き合って3ヶ月ぐらいして』
「短大の時か?」
『うん』
「嘘やろ…」
俺はショックを隠しきれず、言葉が詰まった。
:09/03/06 15:58 :PC :rsOyeBZY
#964 [しゅん]
『黙っててごめん。』
「いや、そんな簡単に口に出せるようなことやねぇし。
謝らんでいい。
それより体やろ。大丈夫なんか?」
『うん。今は大丈夫。ごめんね…』
「だけ、謝らんでいいやちゃ!!
ほんま大丈夫なんやな??」
静かに頷く未来。
「何でおろしたん?」
泣きまくっている未来はもう話せる状態やねかった。
泣いて何ち言いよるかわからん未来を落ち着かせる。
どれくらいやったやろう。
俺の腕の中で未来は徐々に落ち着きを取り戻し、やっと話せる状態になった。
:09/03/06 16:00 :PC :rsOyeBZY
#965 [しゅん]
「結婚したいっち思っとったんやろ?」
『お互い学生やったし。
でも、それは理由かな。
あたし産みたいっち思わんやったん。
薄情よね。
普通、みんな赤ちゃん出来たっちわかったら産みたいっち思うっちゅーのに
あたしは思わんやった。
お母さんに怒られるっちバレたらどうしようっち思うだけで。
どうしたらいいかわからんくて、誰にも相談できんくて…
産んだらどうなるんやろうっち想像しても怖いだけで…』
:09/03/06 16:02 :PC :rsOyeBZY
#966 [しゅん]
「もういい。
お前は薄情なんかやねぇ。
不安のがおっきかったんちゃ。
浅田さんと遠距離なるのわかっとって、その先の不安が大きかったけや。
それだけお前が先のことを見れとったっちことやって。
みんながみんな産みてぇっち思うっちゅーのは間違っとる。
お前にはお前の状況っちゅーもんがあるんやけ。
そんな自分を責めんな」
:09/03/06 16:02 :PC :rsOyeBZY
#967 [しゅん]
『だって。
あたし赤ちゃん殺したん。
あたしが悪いと』
「それは違げぇやろ?
そんな言い方すんなよ。
お前が産んだ後に、やっぱり産まんければよかったっちそう後悔する方がよくねぇ。
お前も赤ちゃんも幸せやねぇっちことなんぞ?」
自分を責めたって何も変わらんのやけ」
:09/03/06 16:08 :PC :rsOyeBZY
#968 [しゅん]
『でも…』
「避妊は?してねかったん?」
『ううん。でも、ゴムがちょっとだけ破れとったときがあって。
多分そのときと思う。』
「何破れとったときがあったっち。
その後、お前それほったらかしにしとったんか?
もしかしたらっち気持ちはねかったんか?」
『すぐ病院行ったけっちすぐ結果がでるわけやないん。
ちゃんとした計算があってその日を過ぎんとわからんの』
:09/03/10 17:25 :PC :tHtfc/SA
#969 [しゅん]
俺は避妊ぜず、やったことはない。
そりゃーゴムが100%の避妊になるわけやねぇけど。
それでもつけてねぇのとつけるのとは全然違う。
未来だけに限らず、今までやった女は全員つけてきた。
ゴムがねかったら、そういう雰囲気になってもやってねぇ。
責任取れんし。
もし、っち気持ちがよぎる。
一瞬の快楽を楽しんで一生罪を背負うぐらいなら、やらんほうがマシ。
俺はそういう考え。
:09/03/10 17:26 :PC :tHtfc/SA
#970 [しゅん]
「危険日とか計算は?」
『ヒロと付き合ってからずっと不順やったけん。計算出来てなかった』
「じゃあ何で不順やけっち病院行ってねん?
不順なままほったらかしとったっちことやろ?
お前はもともと不順やねかったやん」
『それは…』
「いつわかったん?」
:09/03/10 17:27 :PC :tHtfc/SA
#971 [しゅん]
『ヒロに相談したら、大丈夫っちゅーし。
でもやっぱ何か体がおかしくて、検査薬したら線が入っとって。
体調が日に日に悪くなるし、ずっと下腹が張っとって。
お腹がずっと痛いし、ご飯も食べたくないし。
それでも、もしかしたら勘違いかもっち言い聞かせて。
病院行ったらやっぱり出来てて、エコー見せてもらって。
もう起きる出来事が早すぎていっぱいいっぱいやったん。』
「…浅田さんは何ち言いよったん?」
『何も。ただごめんっち。
どうする?っち聞いても黙ったままやった。
何ち言ったらいいんかわからんやったんやろうね』
:09/03/10 17:28 :PC :tHtfc/SA
#972 [しゅん]
「お前が一人で決めたんか?」
『あたしが一人で決めたっちゅーか…もうおろす選択しかなかったもん。
大阪で暮らすこととか想像も出来んやったし、何よりも自分のお腹の中に赤ちゃんがおるっちことが怖かった。』
「金は?」
『ヒロ、大阪に引越しとかでお金なくて
あたしが出した』
「はぁ?」
『お金とかどーでもよかったん。
あたしはただ、隣にヒロがおってほしかっただけ。』
:09/03/10 17:29 :PC :tHtfc/SA
#973 [しゅん]
「一緒病院行ったんやねん?」
『ううん。
最初見てもらった時もおろした時も送り迎えはしてくれたけど、病院には一人で行ったよ。
ヒロはそのときの派遣のバイトしとって、あたしを病院に送ってくれた後それに行ったん。
終わってから迎えに来ただけ。』
:09/03/10 17:30 :PC :tHtfc/SA
#974 [しゅん]
「は?バイト?ありえんやろ」
『バイト休めんやったと。
それはヒロのせいやないもん。』
「いや、おかしいやろ!
何で一人で行かせれるん?
それがありえんやろ!!」
『ヒロはしょうがなかったと!』
そうむきになる未来に腹が立った。
何で浅田さんのことになったら、そんな風にかばうんか。
:09/03/10 17:31 :PC :tHtfc/SA
#975 [しゅん]
「そんな浅田さんを悪者にしたくねぇんかちゃ!」
『そうやないもん。』
「俺にはそう聞こえる」
『もう話したくない!!』
そう言い、そっぽを向く未来を見て、今はそんな言い争いをしよる場合やねぇと思い、未来の話の続きを聞いた。
:09/03/11 15:24 :PC :z/vkc/9M
#976 [しゅん]
「ごめん。
話ちゃんと聞きてぇけん、向こうむかんで」
無理矢理こっちを向けて抱きしめると未来はまた泣いた。
:09/03/11 15:27 :PC :z/vkc/9M
#977 [しゅん]
『ヒロの味方してるんやないと。
あたしにも非があって、ヒロだけが悪いやけやない。
ヒロは休もうか?っち言ってくれたのに、素直になれんくて一人で大丈夫っち言ってしまったあたしも悪いと。』
泣く未来を目の前にしてこんなこと言えなかったが
未来が大丈夫っち言ったうんぬんよりも、休もうか?っち聞く時点で俺は間違っていると思う。
休むけ!っちゅーのが普通やろ。
そんな言われ方したら、未来の答えになるのも当たり前や。
:09/03/11 15:28 :PC :z/vkc/9M
#978 [しゅん]
『でもね実際行ったら、怖くなって。
どうしていいかわからんくて、不安がいっぱいのまま冷たいで固いベットの上に寝させられて、手術したん。
麻酔入れられるとき凄い痛いで、でもいつの間にか意識なかって
気がついたら別室のベットの上やったん。
お腹めっちゃ痛くてヒロの声聞きたくなって、ヒロに電話したのに言ってほしい言葉言ってくれんし。
痛み止めの薬飲んで一時したら、個室出らんないけんくて。
受付まで行ったら、赤ちゃん抱いてるお母さんとか検診に来た夫婦とかおって、自分何しよんやろうっち。
一人でお金払って、薬貰って病院出て。
外で待ってたヒロの車に乗って。
ヒロはバイトの続きするし、あたしはお腹痛くて帰りたいし。
高速代出すけんお家まで送ってっち言っても、バイト中っちゅーし。
電車で帰ろうと思って、駅まで送ってっち言ってもあぶねぇっちゅって送ってくれんし。
後ろの座席倒して、寝とけっち』
:09/03/11 15:29 :PC :z/vkc/9M
#979 [しゅん]
「お前どしたん?」
『もうほんとに耐えぐらい体調が悪かったけん
無理やり自分で帰るっち降りようとしたら送ってくれた。』
「お前大丈夫やったんか?」
『うん。そん時はめっちゃきつかったけどね。』
「そっか。
きつい思いしたんやな。」
そう言って未来を抱きしめると体は小さく震えていた。
:09/03/11 15:31 :PC :z/vkc/9M
#980 [しゅん]
「一人で頑張ったな」
返事はなかったが、未来が言ってほしかった言葉はごめんじゃねぇでこれだったと思う。
「病気もそれが原因なんやねん?」
『どーなんやろ。』
「ぜってーそうやろ。
積み重なって、そうなったんちゃ。ぜってぇ。」
:09/03/11 15:33 :PC :z/vkc/9M
#981 [しゅん]
「ヒロもね、多分どうしていいかわからんやったんと思うん。
初めてのことで、体調が悪いあたしを目の前にして感じることもたくさんあったと思うし。
辛かったと思う。
そのときはヒロをめっちゃ責めたい気持ちが大きかったけど、時間がたって色々考えたら自分も悪いっち思った。」
「お前、どんだけいいやつなん。
現に、きつい思いしたんはお前なんぞ?傷ついたのも。
病院一緒行ったり、傍におることも、金払うことも当たり前のことやろ。
何でお前一人がそんな負担を背負わないけんのかちゃ!」
『でも、好きやったん。
そんなヒロでも好きやったと。
やけん、それでもいいっち思ったと。』
「二人の問題やろ。
お前一人が決めて、一人で行動して。
何かそれ。」
『そーやね。
そう言われてみればあたしばっかなんかな』
:09/03/11 15:35 :PC :z/vkc/9M
#982 [しゅん]
そんなことがあって、今更戻りたいっち電話があって。
何でもっと強く言えんの?
何で泣いたん?
俺の心の声。
言いたかったけど、未来がおろした時の気持ちとか考えると俺には言えるはずがなかった。
俺が思っている以上に未来自身が体験したことは辛かったと思う。
誰かに助けを求めてぇで。
浅田さんにすら言えんやったこともあったんやし。
そうしなかったのは浅田さんに心配かけたくなかったからだと思う。
昔から未来は人に心配をかけまいと、自分ひとりで何でも解決しようとする。
それが未来のいいところで悪いとこや。
:09/03/11 15:35 :PC :z/vkc/9M
#983 [しゅん]
素直に言えばいいんに。
辛いっち。
そう浅田さんに伝えればよかったんに。
人は行動に移したり、言葉に出さんと気づかんこともわからんこともある。
そんな辛いときこそ伝えることが大切で、隠そうとしたらいけん。
相手の気持ちを考えるばっかやねぇで、もっと自分に素直になって欲しかった。
:09/03/11 15:38 :PC :z/vkc/9M
#984 [しゅん]
「それで今更戻りてぇとか自分勝手なんもいいとこやな。」
『うん…』
「お前の気持ちどー思っとんやろ」
『たまにね、ヒロのこと好きとかやなくて、
そんなことがあったけ別れきらんやったんやないかなっち思ったりするん。
気持ちが切れんのはそのせいやったかもしれんっち。』
「それもあるやろーな」
『うん…あたしっちヒロにとってどんな存在やったんかな。』
ぼそっと言ったが、未来の本音や。
浅田さんは未来のことをどう思っていたのか。
たとえ、申し訳ないっち思っとったとしてもそれは未来に伝わってねぇ。
それが未来の一言でわかった。
:09/03/11 15:45 :PC :z/vkc/9M
#985 [しゅん]
「お前さ、もうちょっとよく考えろ。
相手に心配かけたくなかった気持ちはわかる。
でも、状況が状況やろ?
辛いときは辛いっち口に出さんとわからんときだってあるんぞ?
何でそんな自分ひとりで背負おうとするんかちゃ。」
「相手にこう言ったらどう思うやっか?っち。
そう考えるときも必要と思う。
でも時と場合を考えろよ。
素直になることがお前がとるべき行動やったんやね?」
黙って俺の話を聞く未来。
:09/03/12 15:58 :PC :DUhZHse6
#986 [しゅん]
「今更そんなん言っても何も変わらんけどな。
まぁそんなん言ったって俺は、たとえ浅田さんでもお前のことをそうやって傷つけたことは許せん。
浅田さんやからこそ、真剣に考えるべきや!
自分の女が自分の子どもをおろすんばい?
そんなバイトとか言う場合やねぇやろ。
ちゅーかおろすっち前提で物を言うのはおかしいし。
これからをどうするか、お互いが自分の意見を言い合って話し合って決めた結果やろ。
それでおろすことにお互いが納得したんならそれは仕方ねぇ。
でも、それやけっちいってらっしゃいで済まされることやねぇやん。
どうしていいかわからんくても、せめて隣におることだけでも出来るやろ。
そうしたいっち思うのが普通やねんか?
お前がどう言おうと浅田さんの行動は間違っとると思う。」
:09/03/12 15:59 :PC :DUhZHse6
#987 [しゅん]
「お前もわかっとんやろ?
それを認めたくねぇだけなんやねん?
浅田さんはそんな人やなかったっち。そう思っときたいだけやろ?」
そう言うと泣きながら俺に抱きついてきた。
図星を言われたのか、未来は何も言わない。
声を押し殺し、体がヒクヒクなっていた。
「辛かったな。」
そう言うと、抱きついた手はより一層力を入れた。
「俺の腕ん中やったら、こんなん素直になれるんにな。アホ」
「俺はお前にそんな思いぜってぇさせんけ。」
黙って頷いた未来。
:09/03/12 16:00 :PC :DUhZHse6
#988 [しゅん]
俺は、浅田さんを未来にとって悪い思い出にしたかったわけやねぇ。
ただ、事実を受け入れてほしかった。
認めてほしかった。
人間は、嘘でも自分がこやった!っち思い込むと、いつの間にかほんとのように思えてくる。
やから。
いい思い出として残るものはそっと胸ん中に閉まっとっていい。
俺はそれを消そうとしたりせん。
消して欲しいとも思わん。
そりゃー嫉妬もあるけど。
いずれ、浅田さんとの思い出よりも俺との思い出が濃くなればそれはそれでいいことやし。
:09/03/12 16:01 :PC :DUhZHse6
#989 [しゅん]
「思っとることあったら、全部出せ。
楽になるちゃ。」
そう言うと
黙っていた未来が口を開いた。
『一緒におってほしかった。検査薬するときもどうしようっち手が震えた。
病院も一緒に来てほしかった。
がんばったなっちだけでもいいけ言ってほしかった…』
「そうやな」
『遠距離してる間、喧嘩するといっつもあたしの頭ん中におろしたことが浮かんでヒロを責めたくなるん。
こんな思いさせたくせにそんな言い方していん?っち。
そんなん思う自分がめっちゃ嫌で、言ったらダメっち思えば思うほど
ほんとに伝えたいことやない、どーでもいいことを並べて文句にしたりして…』
「うん」
:09/03/12 16:02 :PC :DUhZHse6
#990 [しゅん]
『好きなのに…うまく伝わらんくて
好きやないんかなっち、色々あったから繋がってたいだけなんやかっち。』
「うん」
『毎日泣いてばっかで楽しくなかった。
毎日が辛かった。』
「うん」
『ヒロが久しぶりにこっち帰ってくるときも、あたしは後回し。
送り迎えして、やって、またねっち。
あたしが会えることをどんだけ楽しみにしてたんかとか、絶対わかってない。』
「うん」
『あたしはただ前の二人のままいたかっただけなんに。』
「浅田さんはわかってくれんやったな」
『うん…』
:09/03/12 16:03 :PC :DUhZHse6
#991 [しゅん]
『でもね、さっき電話かかってきて思ったん。
今好きなのはしゅんやけど、本気でヒロのこと好きやったんやなっち。
ヒロから戻ってっち言われて、色んな思い出がよみがえってきたけど、
やっぱ辛かったことよりも楽しかったことの方が多いし、付き合ってよかったんかなっち思った。
それっちヒロを本気で好きやったっち証拠よね?』
「おう。それで今のお前がおるんやけ。
いろんなことを思い出に出来たっちことなんやね?」
『うん』
「今は俺しか見てねぇよな?」
『しゅんだけ』
「ならもういい。辛い話させてごめんな」
『いつ話したらいいかわからんくて、ごめんね』
「もういいちゃ。」
『しゅんとやりたくないんやないん。
ただ、同じことを繰り返したらっち考えたら怖いと。
ごめんね』
:09/03/12 16:05 :PC :DUhZHse6
#992 [しゅん]
「謝らんでいい。そう思うのは当たり前や。
別に俺はやらんでもいーし。
こうやって俺の腕ん中にお前がおってくれるだけで満たされる。
怖い思いさせてごめんな。
一つ言っとくけど、俺はお前にそんな思いさせるようなことは絶対せんけ。
それだけは理解しとってな。」
『嫌だ。』
「は?」
『やるもん』
「無理せんでいーし」
『嫌!!』
「何でかちゃ?」
『だって。』
「ん?」
『しゅんに抱きしめてもらいたいんやもん』
泣きながらそう言う未来がたまらなく愛しい。
:09/03/12 16:05 :PC :DUhZHse6
#993 [しゅん]
俺の知らない間に色んなことが起きて、未来は乗り越えてきた。
俺だって同じや。
お互い知らん時間が流れて、今がある。
縁があってこうやって二人がまた同じ前を見れるようになった。
それは変わらない事実。
やからこそ過去の未来を俺自身も受け入れ、そんなんも全部含めて未来という一人の人間と向き合いたい。
今は何よりも、未来の気持ちに答える事が俺の役目だと思った。
:09/03/12 16:06 :PC :DUhZHse6
#994 [しゅん]
「抱きしめるぐらいならなんぼでもしちゃーわ。
寝よっか?」
そう言うと未来は首を振り自分から抱きついてきた。
そのまま体を重ねる。
未来の反応を思い出すと戸惑ったが、未来の表情はさっきと全然違って重ねるうちに薄れていた。
:09/03/12 16:07 :PC :DUhZHse6
#995 [しゅん]
未来は俺の腕枕で安心したように寝ている。
寝ると時間がもったいねぇ気がして寝れん俺。
起きんように、顔にかかった髪の毛をよけると少し動いた。
そのタイミングでぐっと引き寄せる。
未来の肌は相変わらず透明に透き通っていて思わず触りたくなり、軽く摘んで伸ばした。
ぷにぷにした感触が懐かしく、変な顔になった未来が可愛いで、一人笑ってしまった。
:09/03/12 16:09 :PC :DUhZHse6
#996 [しゅん]
時計を見ると12時を回っとって、未来とおれる時間はあと7時間。
もう7時間しかないと思うとたまらなく寂しくなった。
このとき、初めて「一緒住みてぇ」
そう思った。
:09/03/12 16:10 :PC :DUhZHse6
#997 [しゅん]
この小説を読んでくれている皆さん。
感想の方に書き込みくれた皆さん。
ありがとう。
ずっと待たせてごめんな。
一時は、こんな書いたり書かんやったりの小説なんか辞めようかとか思ったけど
やっぱここまで書いたんやけ、最後までやり切ろうっち決心した!!
それが俺らしいけん。
:09/04/11 09:30 :PC :bxuvmjbQ
#998 [しゅん]
この1ヶ月、色々あったんやけど、やっと落ち着いた。
また一回り大きくなったと思う。
自分の中で整理も出来たし、後は自分が思う方向に進むだけや!!
また一気に更新するから、みんなついてきてな!!
よろしく!!
:09/04/11 09:33 :PC :bxuvmjbQ
#999 [馬鹿]
あげー
:09/04/11 09:39 :SH903iTV :x8rXm47Y
#1000 [馬鹿]
1000やー
:09/04/11 09:39 :SH903iTV :x8rXm47Y
★コメント★
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