先輩と旅立ちの唄
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#551 [あかり]
「そういえば、もうすぐクリスマスだね。
私、未央姉に竜樹くんのこと紹介したいな!」
「えっ!悪く思われたら、どうしよう!
でも、クリスマスは先輩と、都会の綺麗なイルミネーションを見て歩きたいな。」
「うん!行こうね!」
オーストラリアから帰った後も、私たちの仲は順調だった。
:08/11/22 01:56
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#552 [あかり]
ある日の休み時間―
「見て見てーいのちゃん。
日本に帰る前の空港で、こんなへんてこなの見つけた。」
私はあの時買ったキーホルダーを、いのちゃんに見せた。
「これ、カモノハシじゃない?
癖になるかわいさやね。」
「カモノ…ハシ?
タクロウ先輩へのお土産にしようかなって思ってるよ!」
:08/11/22 02:02
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#553 [あかり]
「このカモノハシのアホな感じが、塩見先輩のイメージにぴったりやね(笑)。」
私はこの日一日、キーホルダーをクラスの子に見せて回ったり、
いのちゃんと遊んだりしてた。
タクロウ先輩にどうやって渡すかは、あまり考えてなかった。
しばらく、かばんの中に入れておく日々が続いた。
:08/11/22 02:07
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#554 [あかり]
二学期も、終盤に差し迫った頃―
夜、翔馬の家に、借りてた漫画を返しに行った。
翔馬の家は、私の家と近所だ。
彼の部屋で、二人でお喋りをしていた。
「なあ、お前、学校の掲示板見てる?」
翔馬が私に尋ねてきた。
:08/11/22 02:11
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#555 [あかり]
「ネットの掲示板?
あるのは知ってるけど、見たことはないなあ。」
「じゃあ、これちょっと見てみろよ。」
翔馬が自分の携帯を、私に差し出してきた。
画面は、話に出ているサイトに、接続されてある。
:08/11/22 02:14
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#556 [あかり]
『しおみんとエドコハちゃん、別れたらしいな!』
『まじで?仲良さそうやったのにー。』
『今度は俺が、小春を頂くゼ!(笑)』
『何で別れたんやろ。』
『エドコハの周りに対して無頓着な所が、
ねちっこいタクローと合わなかったんやない?』
掲示板には、匿名同士でこんなやり取りが、交わされていた。
:08/11/22 02:22
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#557 [あかり]
「う、嘘…。本当に…?」
私は目を見開いて、ひどく動揺した。
携帯を持つ手も、震えてきた。
私の頭の中で、初めて先輩を見た時の光景が映った。
:08/11/22 02:26
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#558 [あかり]
「先輩には幸せになって欲しかったのに、残念だ。
今、どんな気持ちでいるんだろ。」
「さあ…。
まあ、学校での様子で分かるんじゃね。」
「タクロウ先輩…。」
:08/11/22 02:34
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#559 [あかり]
家に帰ってからも―
さっき知った事実が、頭から離れられなかった。
もし、竜樹くんと出会っていなかったら、
私は今頃、どうなっていたのだろうか…―?
布団の中、ついこんなことを考えてしまった。
:08/11/22 02:38
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#560 [あかり]
それからの学校で見かける先輩は、いつもと変わらないようにも見えたし、空元気な風にも見えた。
翔馬から掲示板のURLを送ってもらって、時々サイトをチェックするようになったが、
あれ以来、それ関連の書き込みは見受けられなかった。
そして、終業式の日となった―
私は結局、タクロウ先輩にお土産を渡せないままでいた。
:08/11/22 02:44
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