先輩と旅立ちの唄
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#51 [あかり]
家から帰って―
夕飯や宿題、お風呂を済ませ、
先輩に手紙を書くため、机に向かう。
あれこれ迷んで、ハローキティのレターセットにすることにした。
少しでも乙女心を演出したかったのだ。
:08/10/28 07:48
:SH705i
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#52 [あかり]
「Dear タクロウ先輩、っと…」
色つきボールペンで、カラフルに仕上げる。
文の終わりには絵文字や顔文字を書き、精一杯かわいらしくする。
:08/10/28 07:52
:SH705i
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#53 [あかり]
学校の帰り、電車や船の中で携帯の新規メール機能を使って
作成しておいた手紙の内容を書き込む。
「先輩は私の憧れです」
「これからも、体調などには気をつけてください」
私の思いは、一枚半にぎっしり詰まった。
長すぎず、短すぎず、ほどよいと思った。
:08/10/28 07:58
:SH705i
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#54 [あかり]
「遂に、憧れの先輩に
私の存在が知られるんだあ…。」
布団の中で、
手紙が渡った後のことを考える。
「ああ、でも
なんて思われるかなあ…。
もしかしたら、
不快な思いさせるかも知れないや…。」
:08/10/28 08:03
:SH705i
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#55 [あかり]
手紙の内容には、
あの作文を読んだことを書いてある。
これこそが私が先輩に憧れを抱いた第一歩だから、
書かざるを得なかった。
知らぬ間に、自分の家庭内の事情と、病気の原因を知っている者がいる。
嫌な思いをさせないだろうか。
眠りに就く前で、心配になった。
:08/10/28 08:07
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#56 [あかり]
「でも、私が先輩の存在で勇気を貰ったから、
今度は私が先輩の力になれたらなあ。」
ベッドから起き上がり、
明かりをつけ、机に置いていた手紙をかばんの中に入れた。
「先輩がこの手紙を読んで、何か励みになれたらいいな。」
:08/10/28 08:11
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#57 [あかり]
次の日―
休み時間の合間に、隣のクラスに行き、雪依ちゃんに昨日書いた手紙を渡した。
「じゃあ、これを和臣先輩に渡してもらうように頼んでおくね。」
:08/10/28 08:14
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#58 [あかり]
ドキドキドキドキ…
授業中も緊張の波は鎮まらなかった。
「ああ、どうしよう。
今時ラブレターなんて、馬鹿にされるかな。」
昨日の決意も、いざ実践となると
膨らんだ風船を針で突いたように、一瞬でパンッと割れた。
:08/10/28 08:19
:SH705i
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#59 [あかり]
学校から帰って―
まだ緊張はおさまらなかった。
むしろ、今まで以上に大きくなった。
「手紙、もう先輩に渡ったのかな…。」
その時、メールの着信音が鳴った。
「あっ、雪依ちゃんだ。」
:08/10/28 08:22
:SH705i
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#60 [あかり]
「ごめぇん!
やっぱり和臣先輩をいざ前にすると渡せなかったよぉ(;_;)
ごめんねっ ―雪依―」
「ううん、全然気にしないで!
むしろ、やっぱり渡さなくて良かった。
やっぱり手紙なんて、恥ずかしいや〜(>_<) ―あかり―」
:08/10/28 08:26
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