先輩と旅立ちの唄
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#121 [あかり]
「塩見先輩に近づこうとしとんのか。目敏い女やな。」
放課後、亜矢子を囲って、教室で数人で話している。
私は遠くの方で、黙々と課題のやり直しをしていたが、
自分の言われていることが気になって全く集中できなかった。
今すぐにでもその場を飛び出したかったが、
私のいない所でもっと陰口を言われる方が嫌で、
聞こえていないフリをして小さな牽制を送っていた。
:08/10/29 12:02
:SH705i
:Ttf/sAA6
#122 [あかり]
亜矢子が関わっている時は、私の高校生活は、一気にどんよりとした面持ちになった。
体育の少人数サッカーの授業で、私にパスが回って来た瞬間、その場が一気に沈黙になる。
「プッ!サザエさん(笑)」
亜矢子は陰で、私に変なあだ名をつけていたみたいだった。
:08/10/29 12:09
:SH705i
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#123 [あかり]
私はその頃はもう、早く一年生が終わって欲しくて欲しくて仕方がなかった。
亜矢子やそのグループの子を見る度、ひやひやと怯えていた。
こんな自分を情けないと思う余裕もないほど、私は彼女たちに恐怖を感じていた。
:08/10/29 12:13
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#124 [あかり]
一年生最後のクラスマッチの日―
私は後期の体育委員だったため、係を色々とやらなければいけなかった。
しかし、その日ちょうど熱を出してしまい、それは立っていられないほどだった。
:08/10/29 12:17
:SH705i
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#125 [あかり]
私は早めの段階で、よろよろとグラウンドを後にする。
亜矢子たちにまた後で何か悪口を言われるだろうなと思うと、体調不良とは言え、非を作ってしまった自分が悔しかった。
目頭を熱くし、保健室へと向かう所だった。
:08/10/29 12:25
:SH705i
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#126 [あかり]
玄関の前で、今学校を来たばかりの
他のクラスの城山藍美ちゃんという子と鉢合わせになった。
「あ、藍美ちゃん。おはよう。」
彼女と数回、顔を合わせたことのある私は声を掛けた。
「おはよ。どうしたの?熱っぽいね。」
怪訝そうな顔で、彼女は私に言った。
:08/10/29 12:34
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#127 [あかり]
「うん。熱があって。
クラスマッチだけど早退しようと思って。」
「そっかあ。気をつけて帰ってね。」
「藍美ちゃんは今来たみたいだけど、どこか悪かったとか?」
:08/10/29 12:36
:SH705i
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#128 [あかり]
「ううん。
私、しょっちゅうこんなんだから〜。
欠席・早退もよくするし。」
笑顔でそう藍美ちゃんは言っていたが、
彼女の瞳の奥の悲しげな表情を、私は見逃さなかった。
「そっかあ。
じゃあ、私の分までクラスマッチ、頑張ってね。」
あまり深く話を掘らない方がよいと察知し、
私は彼女とそこでさよならを言った。
:08/10/29 12:41
:SH705i
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#129 [あかり]
「うん。じゃあね。」
彼女は手を振りながら、体育館へと向かった。
彼女の明るい栗色の毛を、日射しが照らした。
「藍美ちゃんって、どこか不思議なオーラを漂わせている存在だよなあ。」
彼女を見る度いつも感じていたことを、私は心の中で再度確認した。
:08/10/29 12:45
:SH705i
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#130 [あかり]
そんなこんなで、
私の高校一年間は終了した。
亜矢子たちのいびりが始まってから、私にはクラスで心から仲が良いと感じる子はいなかった。
やっとの思いで三学期は過ごしていた。
:08/10/29 13:37
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