先輩と旅立ちの唄
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#201 [あかり]
小春。
小さな春かあ。
150センチに満たない彼女の身長と
愛らしい顔なのに、おとなしくて物静かな性格。
名は体を表すとは、こういうことなのか。
「確か、小春先輩には彼氏はいないんだよね。
不思議だあ。一体どんな人が好みなんだろ。」
私は担当の先生にも少し上の空で、そんなことを考えていた。
:08/10/31 08:50 :SH705i :XycnrOFk
#202 [あかり]
その日の帰りの船の中―
一通のメールが届く。
「んっ?
日下部先生からじゃん!」
久しぶりの名前に少し驚く。
「こないだタクロウと偶然に会った時、お前のことを話しておいたよ。
向こうは笑顔で嬉しそうにしてたぞ! ―日下部―」
「ま、ま、まじぃ〜!?」
:08/10/31 08:58 :SH705i :XycnrOFk
#203 [あかり]
私はイスから飛び上がり、胸を高鳴らせながら返信をする。
「先生ありがとう!かなり嬉しい! ―あかり―」
「学校でも気軽に話しかけてごらんよ。 ―日下部―」
「えー!無理だよー!(>_<)
先輩、いつも友達と一緒にいるもん。 ―あかり―」
:08/10/31 09:03 :SH705i :XycnrOFk
#204 [あかり]
「先生、その時あいつとアドレス交換したから、
お前ともメールするように頼んでやろうか? ―日下部―」
「えぇー!?いいの〜?是非お願いしまーす!(ノ><)ノ ―あかり―」
携帯電話を閉じ、座ってた長イスにゴロンと寝転ぶ私。
「キャァァー!どうしよう!
話は一気に急展開だあっ!」
:08/10/31 09:09 :SH705i :XycnrOFk
#205 [あかり]
その日の夜―
日下部先生から、タクロウ先輩のアドレスが載せてあるメールが届く。
「二年の木村あかりです☆私のこと分かりますか?(>_<) ―あかり―」
何度もためらいながら、やっとの思いで送信ボタンを押す。
心臓はバクバクである。
20分くらい経った後―
先輩からの返信がきた。
:08/10/31 09:18 :SH705i :XycnrOFk
#206 [あかり]
「ぅん。分かるよぉ↑↑
ょろしくぅ〜(^_-)-☆ ―タクロウ―」
先輩からのメールは、中高生の女の子がよく使っている、小文字混じりの文体であった。
「先輩ってメールではこんな感じなんだぁ〜!」
その一つ一つが新発見であった。
:08/10/31 09:24 :SH705i :XycnrOFk
#207 [あかり]
それと、私が「木村あかり」という人物であることを、先輩の中できちんとインプットされている。
たったそれだけのことに、非常に幸せを感じた。
その後のメールのやり取りから、私は先輩からCDを借りることになった。
『0318』の先輩の靴箱に入れておくから、勝手に取っておいても構わないとのこと。
:08/10/31 09:33 :SH705i :XycnrOFk
#208 [あかり]
先輩の靴箱…
そこで行われる、
誰も知らない、私と先輩のやり取り…
その日の夜はとても嬉しくて嬉しくて、
布団の中で、早く明日の朝になることを待ちわびた。
:08/10/31 09:37 :SH705i :XycnrOFk
#209 [優]
:08/10/31 09:39 :SH904i :oFFOA4zI
#210 [あかり]
次の日―
午前のホームルームが終わって、私は足早に玄関へと階段を下り、
『0318』の靴箱を探し、見つけたと同時にパカッと開けた。
「あれぇ?まだCD入ってないやぁ。」
そこには先輩の靴が一足分、入ってるだけだった。
でも、今日も一日先輩が学校にいるということが
この中身から読み取れただけで、私には十分だった。
:08/10/31 09:46 :SH705i :XycnrOFk
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