先輩と旅立ちの唄
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#501 [あかり]
次の日の学校―
「克っちゃんにねー、修学旅行終わった後、Wデートしたいって言ったらいいよ、ってー。」
放課後、教室で課題のやり直しをしながら、藍美とお洒落をしていた。
「本当に?楽しみだなー。竜樹くんにも言っておくね。」
「そういえば土曜のデートどうだった?」
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#502 [あかり]
「え?ああ、いつものように楽しかったよ。」
「進展なしかー!(笑)
でも私も、意外と地味にコツコツいってるから、大丈夫よ。」
藍美は奥手な私を何かと気にかけているようだった。
彼の家に一晩泊まり、キスをし、胸を揉まれたことは、内緒にしておこうと思った。
:08/11/16 02:36 :SH705i :qd3N09Qw
#503 [あかり]
「あかりちゃんっ。遅くなってごめんね。はい、これ。」
私たちの所に、同じクラスの下田さんという子がやって来た。
下田さんの実家はカメラ屋で、私は彼女に、文化祭の時に撮った写真の現像をお願いしていた。
「下田さんー。ありがとう。」
「ううん、全然。お金は明日でもいいから。」
:08/11/16 02:40 :SH705i :qd3N09Qw
#504 [あかり]
私はさっそく、出来上がった写真を見ることにした。
藍美やいのちゃん、たくさんの友達と、笑顔で映ってる写真で溢れていた。
「ソーラン節、本当頑張ったよねー。」
クラス全員で、本番後に撮った写真を二人で見ながら、藍美が言った。
:08/11/16 02:44 :SH705i :qd3N09Qw
#505 [あかり]
「あ…。」
私は一枚の写真に、目をやった。
はにかみ過ぎて顔の表情がおかしくなってる私と、
ニッコリ微笑んでるタクロウ先輩のツーショット写真。
体育祭の放課後、名美佳に協力してもらって、撮った写真だった。
「タクロウ先輩、笑ってくれてる…。」
:08/11/16 02:51 :SH705i :qd3N09Qw
#506 [あかり]
先輩は、怠そうに映ってるだろうと想像してたから、何だか余計に嬉しかった。
「藍美、私、タクロウ先輩にも、修学旅行のお土産買いたいな。変かな…?」
「んー?もう恋愛感情ないんでしょ?」
「あ、そういう意味じゃなくて…日頃のお礼したいなって。」
:08/11/16 02:57 :SH705i :qd3N09Qw
#507 [あかり]
「まあね。タクロウ先輩を思ってる時のあかり、輝いてたもんねっ。
あっ、今ももちろんそうだけど。
せっかくこうして出会ったんだしね〜。」
「うん!先輩に『ありがとう』って。
今年で卒業だしさ。」
:08/11/16 07:36 :SH705i :qd3N09Qw
#508 [あかり]
そして、修学旅行が始まった―
早朝5時半に港に集合と、ハードスケジュールであった。
私は前日に、お母さんと一緒に学校の近くのホテルに宿泊していた。
そこから港まで、二人でタクシーで向かった。
:08/11/16 07:41 :SH705i :qd3N09Qw
#509 [あかり]
既に港には、クラス分のバスが並んでいた。
私は母に別れを告げ、三組のバスに乗り込んだ。
クラスの半分くらいの人が、ぽつぽつと座っていた。
「あーかりっ。おはよっ。」
藍美に声をかけられた。
私は彼女の隣の席に座った。
私はよく寝坊をして学校を休む、翔馬のことが気になった。
まだ来ていない。
まあ、さすがの翔馬も、修学旅行には遅れず来るよね。
:08/11/16 19:48 :SH705i :qd3N09Qw
#510 [あかり]
バスが走り出す―
先生が、出席を確認する。
クラス全員いるみたいだ。
バスの後ろからは、翔馬の笑い声が聞こえてくる。
バスは空港へと走っていった。
これから、長い旅が始まる―
:08/11/16 19:56 :SH705i :qd3N09Qw
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