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#101 [花]
続きが気になる!!
頑張って!!
:09/02/22 22:23 :SH904i :4IaOL396
#102 [あい]
>>101 花さん
ありがとうございます
頑張ります。
:09/02/22 22:37 :F706i :☆☆☆
#103 [あい]
それからしゅうは、週に3回くらい家に遊びに来るようになった。
しゅう専用のお皿、コップ。
泊まり来た時に使う歯ブラシや、しゅうが着るスウェットやパンツ。
何もかもが初めての事で、全部があたしの幸せを表していた。
春になり、しゅうは高校2年生になった。
あたしも1つ変わった事が。
:09/02/22 22:44 :F706i :☆☆☆
#104 [あい]
それは就職。
ボランティアとして通っていた施設から、本格的に働かないかと声がかかり、働く事にした。
朝の9時から夕方の5時まで。
休みは土日。
職場のみんないい人だし、しゅうと会う時間は前と変わらないし、何の問題もなかった。
「「お前の施設ってどんな所なの?」」
ある日しゅうが聞いてきた。
:09/02/22 22:53 :F706i :☆☆☆
#105 [あい]
あたしがいる階は、ほとんど耳が聞こえない人がいる。
職員で耳が聞こえないのはあたしだけ。
他の階には老人や、体が不自由な人が集まっている。
あたしは耳が聞こえない人達と話をしたり、紙芝居を読んだり、時々ゲームをやったり過ごしている事をしゅうに教えた。
「「すごいんだな。」」
しゅうが言った。
:09/02/22 22:57 :F706i :☆☆☆
#106 [あい]
「「みんなといろんな話できるし、いい仕事だと思ってるよ。」」
「「いいな。」」
「「しゅうはやりたい仕事とかないの?」」
するとしゅうは、自分の頭に指さした。
あたしは首を傾げた。
頭?髪?…髪?
「「美容師!?」」
「「正解!」
しゅうはニコッと笑った。
:09/02/22 23:06 :F706i :☆☆☆
#107 [あい]
「「俺、髪いじんの好きでさ。友達のとかも時々切ってあげてんだぜ。」」
こうやって、あたしはまたしゅうの事を知っている。
あたしとしゅうの付き合いは順調だった。
順調だった……。
ある日の事だった。
千尋から連絡がきた。
:09/02/22 23:24 :F706i :☆☆☆
#108 [あい]
【しゅう君とはラブラブ?】
ごく普通のメールだった。
【仲良くやってるよ。また3人で遊ぼうね】
千尋から会って話したいと言われ、あたしは千尋と会う事に。
千尋は3年生になり、学校もちゃんと行ってるみたい。
「「あたし、前より学校楽しくなったの」」
嬉しそうに言う千尋。
:09/02/23 00:23 :F706i :☆☆☆
#109 [あい]
「「イジメね、前よりは全然ヒドくなくて。あたしが何か言われてる時、かばってくれる友達もできたんだ。」」
その話を聞いて、あたしも嬉しくなった。
「「もう全部しゅう君のおかげ。」」
よかったと思ってる。
でも今、しゅうのおかげって言ったよね。
…どうゆう事?
:09/02/23 00:26 :F706i :☆☆☆
#110 [あい]
「「結構しゅう君にメールで相談とかのってもらってるんだ。」」
あぁ。そうなんだ。
全然知らなかった。
あたしはちょっとショックだったな。
しゅう、何も教えてくれなかった。
あたしに千尋は何も相談してくれなかった。
「「本当しゅう君っていい人だよね。」」
なんだろう…
この先を聞くのが嫌だった。
:09/02/23 00:30 :F706i :☆☆☆
#111 [あい]
「「また3人で遊ぼうね。」」
…あたしは少しホッとした。
「「しゅう君の事が好き」」って言うのかと思ってたから。
「「早くしろよー。」」
この日はしゅうと出かける日。
:09/02/23 10:59 :F706i :☆☆☆
#112 [あい]
場所は動物園。
しゅうが行った事ないって言うから行く事に。
休みの日だから
親子、カップルなど多かった。
あたし達は手を繋いで歩いた。
何か話す時は手話をするため、繋いだ手を離す。
「「ライオンでかくね?」」
「「しゅう、はしゃぎすぎ。」」
しゅうは子供みたいにはしゃいでいた。
:09/02/23 11:03 :F706i :☆☆☆
#113 [あい]
あたしは気づいた。
手話で話すあたし達をみんなが見ている。
何?動物見なよ…
そんなに手話おかしい?
みんながジロジロ見ている事にしゅうは気づいてない。
「「あのサル、お前みたいだな。」」
しゅう…みんなが見てる。
見ながら何か言ってるよ。
何を言ってるのかわかんない。
:09/02/23 11:07 :F706i :☆☆☆
#114 [あい]
「「どうした?具合でも…」」
あたしはしゅうの手を止めた。
あたしはノートを取り出し、【みんな見てる。】って書いた。
「「だからなんだよ。」」
【みんなにジロジロ見られるの嫌だよ。】
だって嫌じゃん。
変な感じだよ…。
:09/02/23 11:12 :F706i :☆☆☆
#115 [あい]
「「あのな、気にする事ねぇんだよ。お前バカか?」」
頭をくしゃくしゃにしてきたしゅう。
「「手話でしか話せないんだからしょうがないじゃん。周り気になるなら、一言も話さないで今日過ごすか?」」
「「それは嫌だ。」」
しゅうは笑って手を握ってきた。
それから周りの事なんか気にしないで手話で話した。
しゅう…ありがとう。
:09/02/23 11:18 :F706i :☆☆☆
#116 [あい]
夜ご飯は家で食べる事になり、家に向かってる時だった。
しゅうが携帯を見て、
「「ごめん。電話。」」
しゅうは誰かと話している。
「「千尋からだった。」」
千尋……
いつの間にか呼び捨てになってた。
いつから呼び捨てで呼ぶようになったんだろ。
「「何だって?」」
:09/02/24 00:50 :F706i :☆☆☆
#117 [あい]
「「学校の事で相談したい事があるって。でも今はあいと一緒だから、またメールするって言っといた。」」
「「千尋ちゃん、最近友達出来たって言ってたよ。何を相談するの?」」
「「いろいろあるんじゃない?」」
何でしゅうなの?
あたしはこの時、ヤキモチを妬いた。
それと、あたしには相談してくれないんだと、少しだけ寂しく思った。
:09/02/24 00:55 :F706i :☆☆☆
#118 [あい]
「「ちょっと今から千尋と話してくる。」」
そうしゅうが言ったのは、ご飯を食べ終わり、のんびりしてる時だった。
「「何で今から?」」
「「今学校の事で話したい事があるらしいんだ。」」
何であたしといる時に、しゅうは行こうとするの?
「「…わかった。」」
あたしが言うと、頭をポンとやって、「「お前も行くか?」」って…。
:09/02/24 08:37 :F706i :☆☆☆
#119 [あい]
あたしは首を振った。
「「あいも千尋の事知ってるんだし、来ても問題ないだろ。てか、あいも話聞いてやれよ。」」
いいのかなと思いながら、あたしはしゅうに付いて行った。
駅前のマック。
千尋は1人で座っている。
あたしがいるのを見て、一瞬顔が引きつった感じがしたが、すぐにいつもの笑顔に戻った千尋。
「「あいちゃんも来てくれたんだ。」」
:09/02/24 08:51 :F706i :☆☆☆
#120 [ゆきな]
前匿名だったもの
です(´・ω・`)
続き気になります♪
がんばってください
:09/02/24 11:10 :P903iX :J92CECtc
#121 [あい]
>>120 ゆきなさん
また夜更新します
読んでくれててありがとうございます
:09/02/24 15:11 :F706i :☆☆☆
#122 [あい]
「「あのさ〜あいと2人でいる時はなるべく呼ばないでくれない?」」
しゅうが千尋に言うと、千尋は謝っていた。
「「あのね、友達出来たけど、またイジメがひどくなってきたの。」」
千尋からの言葉。
またイジメ…
千尋の何が気にくわないの?
どうしていじめるの?
お母さんが耳聞こえないのがおかしいの?
千尋の暗い性格が原因?
:09/02/24 21:53 :F706i :☆☆☆
#123 [あい]
でも千尋と最初会った時と比べれば、千尋はだいぶ変わったと思う。
自分から話をしたり、遊びに誘ってくれたり、すごい明るくなったと、あたしは思う。
「「どうしようかな…」」
悩む千尋。
「「そんなくだらない事してる人達の事なんかほっといた方がいいよ。友達が出来たなら、その人達とずっといて、無視してるのが1番いいと思う。」」
あたしは千尋に言った。
:09/02/24 21:56 :F706i :☆☆☆
#124 [あい]
「「そうだよね…。でも無視したら、またどんどん悪くなっていく気がするの。」」
あたしは何て言ってあげればいいんだろう。
そう思ってる時だった。
「「あいの言うとおりだよ。ほっとけよ。そんな奴ら。悪くなっても、また悪くなっても、無視してけばいいんだよ。」」
手話を始めたのはしゅうだった。
「「その前に、俺達じゃなくて、その友達に相談しなよ。」」
「「何で?」」
千尋がしゅうに聞く。
:09/02/24 22:00 :F706i :☆☆☆
#125 [みさ]
読んでます頑張って〜
:09/02/24 22:05 :N905i :.B361Vec
#126 [あい]
>>125 みささん
ありがとうございます
頑張ります
:09/02/24 22:11 :F706i :☆☆☆
#127 [あい]
「「だって、せっかく出来た友達だろ?しかも同じ学校なんだし、そっちに相談した方がいいだろ。」」
「「相談して、迷惑だったかな?」」
ちょっと悲しそうな顔をする千尋。
「「そんな事言ってねぇだろ。別に俺らに相談してもいいけどさ〜俺とあいは同じ学校にいる訳じゃないし、何かあった時、助けに行ける訳じゃねぇだろ。だったら、近くにいる友達に相談した方がもっていいんじゃないかっていう意味。」」
返事を返さない千尋。
:09/02/24 22:15 :F706i :☆☆☆
#128 [あい]
「「千尋ちゃん、あたし達は迷惑とか思ってないよ。いつでも相談して。でも、学校の友達に相談するのも、ありだと思うよ。」」
「「そうする。ごめん。」」
ジュースを飲み、千尋はあたしを見た。
でもすぐにしゅうの方を向く。
「「あたし、しゅう君が好きだよ。」」
突然の千尋の手話にあたしはびっくりした。
えっ?何を言ってんの?
しゅうが好き…?
:09/02/24 22:19 :F706i :☆☆☆
#129 []し―汰[]
、
あいさん
はじめまして(´・ω・`)
小説読ませて貰ってマス
こんなに読みやすい小説
c-boxでは珍しいです
゚
久々にハラハラしました
続きめちゃくちゃ気にな
りますッ
つか千尋が
怖い((゚Д゚ll))
お身体に障らないように
あいさんのペースで更新
お願いします
いきな
りレス失礼しました
!
、
:09/02/24 23:56 :SH706i :QMbsdjKM
#130 [あい]
「「何言ってんの?」」
しゅうが千尋に言った。
「「あたし、しゅう君が好きだよ。だからしゅう君に相談してるの。会うために…」」
しゅうはかなり焦った様子。
それはそうだろう。
いきなりそんな事言われるんだもん。
しかも彼女である、あたしがいるのに。
何かの冗談?
あたしはそう思ったけど、そんな訳ないよね。
だって、千尋顔赤いもん。
:09/02/24 23:58 :F706i :☆☆☆
#131 [あい]
>>129 しー汰さん
読みやすいですか?
ありがとうございます
更新遅くなる時もあるかもですが、今後も読んでくれたら嬉しいです
:09/02/25 00:02 :F706i :☆☆☆
#132 [あい]
「「こんな時に言うなよ。別の時に言われても困るけど。あいいるんだぜ?」」
千尋はあたしわ見た。
「「あいちゃん、ごめんね。あたし、しゅう君に話聞いてもらいたくて、いっぱいメールもしたし、話すために誘ったりもした。しゅう君に会いたい気持ちもあったんだ。」」
あたしは何も言えなかった。
あたしは1人で店を出た。
ただ歩いてた。
:09/02/25 00:12 :F706i :☆☆☆
#133 [あい]
腕を掴まれて、振り向くとしゅうがいた。
何か、泣きそうになった。
「「しゅう君っていい人だよね。」」
千尋が言ってた事。
あの時、何か嫌な予感はしてたんだ。
でも、あたしの前で好きって言うなんて。
あんな形で千尋の気持ちを知るなんて。
あたしは泣いてしまい、下を向く。
しゅうは頭を撫でてきた。
:09/02/25 00:20 :F706i :☆☆☆
#134 [あい]
しゅうは今、何か言ってるかな?
手見なきゃ。しゅうの口を見なきゃ。
でも、今見たらもっと泣いちゃいそうな感じがする。
しゅうはあたしを抱きしめてくれた。
抱きしめて、泣き止むまでずっとずっと、頭を撫でてくれてた。
「「落ち着いた?」」
泣き止み、あたしはしゅうの手を見た。
「「ごめんね。」」
あたしは謝った。
:09/02/25 00:23 :F706i :☆☆☆
#135 [あい]
「「何でお前が謝んの?」」
あたしはしゅうを見た。
「「俺、千尋と会ってたの、あいに言ってなかったし。しかも、何か好きとか言われたし。」」
「「千尋ちゃんと会ってる時、しゅうの事好きになっちゃう様な事とか言ってたんじゃないの?」」
何言ってんの…あたし…
「「そんな事言ってねぇよ。」」
「「じゃあ何で千尋ちゃん、しゅうの事好きになるの?」」
言っちゃダメ…
:09/02/25 00:34 :F706i :☆☆☆
#136 [あい]
「「しゅうは優しいから。相談のってほしいなんて言われたら、断れないよね。だから毎回誘われたら会っちゃうんだ。あたしといる時にでも、行こうとしちゃうんだよね。」」
言いたい事はこんな事じゃないのに…
「「だから、会ってた事は謝るよ。本当に俺、相談のってただけだよ?好かれるような事は何もしてない。」」
「「相談にのってる時点でもう、好かれるような事だよ!!」」
余計な事を言ってしまう…
:09/02/25 00:39 :F706i :☆☆☆
#137 [あい]
「「お前、俺の事信じてないんだ。」」
そんなんじゃない…
そうじゃないよ…しゅう。
目の前で千尋がしゅうに告白をしてて、あたしは頭が混乱してた。
こんな風になるとは思ってなかった。
しゅうの事を信じてない訳じゃない。
あたし、八つ当たりしてる。
「「ごめん。あたしただ…」」
不安なんだよ…
そう言おうと思った時、しゅうがキスしてきた。
:09/02/25 00:45 :F706i :☆☆☆
#138 [あい]
「「ごめんな、あい。お前にそこまで言われるとは思ってなかった。不安に思わせてたら、もっとごめん。」」
あたしは首を振る。
「「あたしこそごめん。何か八つ当たりしてた。」」
「「千尋の事は本当悪いと思ってる。でも信じて?俺は、お前だけだよ。」」
千尋はそれから、しゅうに相談をする事はなかった。
しゅうが千尋に何を言ったのかはわからない。
:09/02/25 00:49 :F706i :☆☆☆
#139 [あい]
あたしの前で千尋がしゅうに好きと言った事、しゅうにだけ相談してた事、千尋はあたしに謝ってきた。
それから千尋は、学校に彼氏が出来た。
イジメもなくなった。
あたしとしゅうとも、仲のいい友達をやっている。
あたしとしゅうも上手くいっていた。
季節は秋。
しゅうの高校はもうすぐで文化祭。
:09/02/25 00:54 :F706i :☆☆☆
#140 [あい]
しゅうは毎日文化祭の準備で大忙し。
クラスの代表者になり、仕事がいっぱいらしい。
「「俺らのクラス、焼きそばなんだぜ。格好かっこいいから、絶対来いよな。あいには特別うまいもん食わしてやるから。」」
すごく嬉しそうに言うしゅう。
文化祭だもんね。
気合いも入るよね。
「「あとダンスもやるからよ。13時から。それも絶対見に来い。」」
しゅうはHIPHOPをやっていて、学校で組んでるグループで披露するらしい。
あたしもすごく楽しみだった。
:09/02/25 07:51 :F706i :☆☆☆
#141 [あい]
「「あいちゃん、久しぶり。」」
文化祭で会ったのは、しゅうの友達こうすけだった。
「「何で手話?」」
あたしがこうすけに聞いたら、笑いながらこうすけはしゅうの方を見た。
「「あいと話すために、こいつにも手話ちょっと教えてたんだ。」」
そっか。しゅう、そんな事もしてくれてたんだ。
:09/02/25 07:58 :F706i :☆☆☆
#142 [あい]
「「その子彼女?」」
こうすけの隣にいる女の子。
こうすけは頷いた。
「初めまして。かなです。」
これがあたしとかなの出会い。
あたしはかなと、文化祭を回る事に。
かなは手話が出来ないから、あたしはノートに。
かなは携帯のメール作成で返事を返す。
【こうすけのクラス、もう行ってみようよ。】
あたしとかなは、しゅうとこうすけのクラスに行った。
:09/02/25 09:46 :F706i :☆☆☆
#143 [あい]
しゅうのクラスの焼きそばは、すごく行列ができていた。
かなと並び、やっとあたし達。
しゅうがあたしに気付いた。
「「テントの中入れよ。」」
あたしとかなはテントの中に入った。
しゅうがあたしの所に来て、焼きそばをくれた。
「「これ俺が作ったやつ。うまいぞ。」」
「「おいしい!」」
「「本当?よかったー」」
:09/02/25 21:15 :F706i :☆☆☆
#144 [あい]
「「こいつ、あいちゃんに褒めてもらうために、超練習してんの。」」
こうすけが言う。
頭をかきながら、
「てめぇ、言うなよ。」
ってしゅうはこうすけに言ってた。
料理全然できないって言ってたもんね。
あたしには特別おいしい物食べさせてくれるって、言ってたもんね。
だから練習してくれてたんだ。
しゅうのそうゆう所大好きだよ。
あたしのために、すごい努力してくれるとこ。
本当嬉しいんだから。
:09/02/25 21:21 :F706i :☆☆☆
#145 [あい]
もうすぐで13時。
しゅうのダンスの時間が迫る。
しゅうは仕事を止め、あたしを引っ張って走り出した。
着いたのは、舞台裏。
衣装に着替えると、しゅうは仲間と行ってしまい、あたしは1人で待つ。
着替えが終わったしゅう。
「「まじ緊張してる。」」
そう言って、あたしの手を握ってきた。
あたしは口パクで、「頑張って」と言った。
そしたらしゅうは、顔を近づけてきて、キスしようとしてきた。
:09/02/25 23:56 :F706i :☆☆☆
#146 [あい]
あたしは軽くしゅうのほっぺを叩いた。
あたしが後ろに指を指し、しゅうも後ろを向く。
メンバーのみんなが見ていた。
笑いながら、
「「ごめんな。」」
そろそろスタンバイする頃だろう。
あたしも舞台裏から、見える所に移動しようと思っていた時だった。
「「お願いがあるんだけど…。」」
しゅうが言ってきた。
:09/02/26 00:00 :F706i :☆☆☆
#147 [あい]
「「途中で俺のソロがあるんだけど、失敗しなかったら、何かご褒美ちょうだい。」」
「「何?」」
「「ちゅ〜。しかもあいから。」」
大好きな笑顔で言うしゅう。
普段は口悪いし、態度でかいけど、たま〜に可愛い事言ったりしてくるんだよね。
「「失敗しなかったらね。」」
あたしがそう言うと、しゅう達の番がきたのか、しゅうは舞台の方に走って行った。
あたしも急いで舞台裏から移動した。
:09/02/26 21:42 :F706i :☆☆☆
#148 [あい]
1番前にこうすけとかながいて、あたしは2人の所に行き、しゅう達のダンスを見た。
練習は見に来るなって言うから、この時初めてだった。しゅうのダンスを見るのは。
他のメンバーも踊ってたけど、あたしはしゅうにばっか目がいってた。
しゅうが頭に付けてたバンダナを取り、あたしに投げてきた。
それから、しゅうが言ってたソロが始まった。
最初は順調だった。
でも動きがどんどん早くなってきた時、しゅうが転倒した。
:09/02/26 21:58 :F706i :☆☆☆
#149 [あい]
しゅうは悔しそうな顔をし、すぐに立って続きを踊った。
ダンスが終わり、あたしはしゅうの所に行った。
するとしゅうとグループの人達は、いろんな人達と写真を撮っていた。
あたしは少し待ち、しゅうがあたしの所に来た。
「「お疲れさま。」」
あたしが言うと、しゅうはあたしの手を握り、歩き出した。
歩き、着いたのは3年教室。
「「いいの?入って。」」
「「3年は全クラス外で店出してるから平気。」」
:09/02/26 22:32 :F706i :☆☆☆
#150 [あい]
あたしは席に座った。
「「焼きそばうまかった?」」
「「すごいおいしかった。」」
しゅうは頭を撫でてくれた。
「「ソロ失敗しちゃった。あそこ、いつも失敗してたとこなんだ。」」
あれ?もしかして、しゅう落ちてる?
それはそうだよね…。
会う時間削ってまで練習したのにね。
「「でも、すごかったよダンス。かっこよかった。」」
:09/02/27 00:01 :F706i :☆☆☆
#151 [あい]
下を向いてたしゅうが上目使いであたしを見る。
……可愛い〜!!!笑
「「でもさ、ご褒美ないな。」」
さっき言ってたやつか。
しゅうの携帯がなったのかな?
しゅうは携帯を取り、誰かと話してる。
「「こうすけだ。店手伝えって。かなもいるから、行くか。」」
今しかないよね。
:09/02/27 00:04 :F706i :☆☆☆
#152 [あい]
しゅうが立とうとした時、あたしはしゅうにキスをした。
しゅうはかなり驚いた表情。
「「ご褒美。」」
あたしはしゅうに言った。
あたしからキスをするのは初めての事。
すごい恥ずかしかった。
「「何のご褒美?俺、ソロ間違えたけど。」」
「「頑張ったご褒美。失敗しちゃったけど、ダンスしてるしゅう、本当かっこよかった。」」
しゅうは嬉しそうに笑ってた。
「バカか。」って言いながら。
:09/02/27 00:19 :F706i :☆☆☆
#153 [あい]
文化祭は無事終わり、後夜祭は出ないで、しゅうとこうすけとかなでご飯を食べに行った。
かなとは文化祭の1日ですごく仲良くなって、遊ぶ約束なんかもした。
2人と別れ、あたしはしゅうの家に行った。
その日はしゅうの家に初お泊まり。
何回か遊びに行った事があったけど、その時しゅうのお母さんに会った事はなかった。
でもその日は、しゅうの家、電気付いてた。
「「親いるかも。」」
ちょっと恐い顔をしたしゅう。
あたし達は家の中に入った。
:09/02/27 00:27 :F706i :☆☆☆
#154 [あい]
リビングに入ると、煙草を吸う女の人。
しゅうのお母さんだろう。
机には封筒が。
中はお金だろう。
遊びに来た時も同じような封筒が置いてあり、中はお金だった。
「誰その子。」
しゅうのお母さんがあたしを見て言う。
しゅうは話し返す。
でも何を言ってるかはわからない。
しゅうが口を動かせば、あたしはしゅうを見る。
しゅうのお母さんが口を動かせば、あたしはお母さんを見る。
:09/02/27 00:40 :F706i :☆☆☆
#155 [あい]
しゅうのお母さんと目が合い、あたしは頭を下げた。
「耳聞こえないの?」
あたしは頷いた。
またしゅうと話し出すお母さん。
そして、封筒をしゅうに渡し、家を出ていった。
「「ごめん。何か変な雰囲気にしちまったな。」」
あたしは首を振る。
「「お母さん、何て?」」
あたしはしゅうに聞いた。
「「適当にやりなさいだってよ。」」
:09/02/27 16:06 :F706i :☆☆☆
#156 [あい]
「「お母さんは男の人の所に行ったの?」」
しゅうはあたしと目を合わせないで頷いた。
「「また金渡しにくるから大丈夫。自分の事は自分でできるし。」」
しゅうは笑って言ってたけど、作り笑いってわかった。
わかりすぎて、胸が痛いよ。
あたし達はしゅうの部屋に移動した。
一緒に撮った写真が壁に貼ってあり、あたしはそれを見てた。
:09/02/27 16:12 :F706i :☆☆☆
#157 [あい]
「「この変顔やばいよな。」」
しゅうも一緒に見て、言ってきた。
「「これからもいっぱい写真撮ろうね。しゅうともっと、もっと思い出いっぱい作りたい。」」
あたしがそう言うと、しゅうはキスしてきた。
ベッドに倒され、続くキス。
しゅうは
「怖い?」って聞いてきた。
正直怖かった。
初めてだし。
:09/02/27 21:12 :F706i :☆☆☆
#158 [あい]
でもしゅうだから大丈夫。
あたしは首を振った。
「「優しくするから。」」
しゅうはあたしを優しく抱きしめてくれた。
痛い。でも幸せだった。
あたしは自然と涙も出た。
この時初めてしゅうと一つになった。
「「あたし変な声出してなかった?」」
隣にいるしゅうに聞く。
「「出してないよ。」」
:09/02/27 21:18 :F706i :☆☆☆
#159 [あい]
頭を撫でるしゅう。
あたしはいつの間にか眠っていた。
目が覚めた時、部屋は真っ暗だった。
しゅうが消したのか。
あれ?隣にいたしゅうがいない。
あたしは起き上がり、部屋の電気を付けた。
やっぱりいない。
夜中だった。
ちょっとした時だった。
部屋に入ってきたしゅう。
頭にはタオル。お風呂入ってたのか〜。
:09/02/27 22:49 :F706i :☆☆☆
#160 [あい]
あたしもお風呂に入り、また部屋に戻った。
「「髪乾かしてやるよ。」」
しゅうがあたしの髪を乾かしてる間、あたしはずっとしゅうの事を見てた。
あたししゅうと付き合ってるんだな〜
たまたま道でぶつかって、たまたま再会して
仲良くなって、嘘もつかれた。
言い合いもしたし、笑いあったりもした。
しゅうからの告白で付き合い、それからもいろいろあった。
:09/02/28 01:13 :F706i :☆☆☆
#161 [あい]
しゅうは沢山苦労してると思う。
あたしは耳が聞こえないから、こんな付き合い初めてだろうし。
手話での会話。
周りが気になった時もあった。
でも気にしないで堂々といれるのも、しゅうのおかげ。
あたしはいろんなしゅうを見るたびに、どんどん惹かれていった。
この幸せずっとって思ってた。
あたしは全然思っていなかった。
しゅうが離れるという事。
:09/02/28 01:23 :F706i :☆☆☆
#162 [あい]
しゅうが離れるという事…
いや、しゅうを離してしまう事を…。
全然思ってなかった。
:09/02/28 01:47 :F706i :☆☆☆
#163 [あい]
季節はあっという間に冬。
その日はたくみとしゅうの家に行く日だった。
たくみは1人でも、遊びに行く事がある。
そして2人でゲームしたり、買い物なんかも一緒に行くぐらい仲よくなって。
お兄ちゃんと弟って感じだったな。
合い鍵を渡されてたから、あたしは鍵を開け中に入った。
玄関には、ブーツと大きな靴。
:09/02/28 01:58 :F706i :☆☆☆
#164 [あい]
リビングにいたのは、しゅうとしゅうのお母さん。
と、知らない男の人。
あたしとたくみに気付き、しゅうがあたしの所に来た。
「「ごめん。いきなり母さん来てさ。連絡すればよかったな。」」
「「帰るよ。」」
あたしがそう言うと、しゅうがお母さんの方を向く。
何かしゅうに言ったんだろう。
あたしはたくみを見る。
「「待ってだってよ。」」
:09/02/28 20:40 :F706i :☆☆☆
#165 [あい]
お母さんがあたしの所に来た。
紙を渡してきた。
そこには【しゅうと別れて】と書いてあった。
しゅうがその紙をあたしから奪い、見る。
お母さんに何か言ってる。
怒鳴ってる感じだった。
あたしは話がよく掴めなくて、ただ立ったままだった。
たくみに腕を掴まれ
「今日は帰ろう。」
そう言われ、そのまま玄関に引っ張られた。
:09/02/28 20:44 :F706i :☆☆☆
#166 [あい]
【しゅうと別れて】
しゅうのお母さんから言われた事。
あたしはたくみの後ろを、ゆっくり歩いていた。
すると手を掴まれ、振り向いたらしゅうがいた。
それを見たたくみは1人で帰っていった。
「「母さんと男の人帰ったから、来いよ。」」
あたしはしゅうの手を握り、家に向かった。
:09/03/01 02:00 :F706i :☆☆☆
#167 [あい]
テーブルの上には、あの紙が。
それを見たしゅうはぐしゃぐしゃにして、ゴミ箱に捨てた。
「「気にすんなよ。母さんが言った事なんて。」」
「「気にしちゃうに決まってんじゃん。」」
しゅうは困ったような顔をする。
テーブルには封筒。
またお金置いていったんだ。
「「あの2人、結婚すんだと。」」
しゅうからの言葉は、とても悲しい事だった。
:09/03/01 02:06 :F706i :☆☆☆
#168 [あい]
しゅうのお父さんと離婚した後、新しい男ができ、家にずっと帰ってなかった。
しゅうは渡されるお金だけでずっと1人だった。
結婚したら2人はこの家に戻ってくるらしい。
2人で住むには丁度いい広さだから。
そのかわり、しゅうは別のアパートを借り、1人暮らしをしろと言われたらしい。
家賃も生活費も払うからと。
そんな……。
何か勝手すぎるよ。
しゅうは家から追い出される。
:09/03/01 02:13 :F706i :☆☆☆
#169 [あい]
「「参ったよな。てか追い出すなら、家賃とか生活費とかいいし。離すなら、親やんないでほしい…。生活費俺じゃまだ稼げねぇし、ないと困るけどさ。でも離すならって…感じ。」」
しゅうを抱きしめたかった。
「「俺、この家しかなかったのに。ずっと母さんの事待ってたのに。いつ帰ってきてもいいように、待ってたのに…。」」
そう言ってしゅうは涙を流した。
しゅうが泣くとこなんて、初めてだ。
あたしはしゅうを抱きしめた。
:09/03/01 12:57 :F706i :☆☆☆
#170 [あい]
あたしはしゅうが泣き止むまで、ずっと抱きしめた。
しゅうは長い間泣いていた。
泣き止んだ時、しゅうの目は真っ赤だった。
1人で泣いてた事もあったのかな?
「「大丈夫?」」
しゅうは微笑んで頷いた。
「「もうこうなったら、仕方ねぇよ。俺、新しいアパートで暮らすよ。」」
そう…しゅうは言った。
:09/03/01 13:02 :F706i :☆☆☆
#171 [あい]
「「3人で暮らす事はできないの?」」
あたしはしゅうに聞いた。
「「できねぇよ。加藤さんは、俺の事嫌ってるしよ。俺も嫌だし。」」
でも…1人は寂しいよ。
「「それに俺もう高2だし、1人慣れてるし。」」
1人は寂しいよ…
しゅう、無理に笑わないでよ。
:09/03/02 00:50 :F706i :☆☆☆
#172 [あい]
「「もう高2って…。まだ高2だよ!!慣れてるって、嘘つかないでよ。」」
「「嘘なんかついてねぇよ。」」
「「じゃあ何で悲しい顔するの?無理して笑うの?1人は寂しいに決まってるよ。」」
するとしゅうは、あたしをその場で倒してきた。
手を動かさないよう、力強く抑えるしゅう。
「何も言うな。」
しゅうがそう言った。
わかるよう、ゆっくり喋るしゅう。
:09/03/02 00:55 :F706i :☆☆☆
#173 [あい]
「どうしようもない事だってあんだよ。お前に何がわかんだよ。」
手が痛い。
初めてかもしれない。
こんなしゅうを見たのは。
口は悪いけど、優しいしゅう。
今のしゅうは…恐いよ。
「お前んちと俺んちは違うんだよ。無理して笑ってなきゃなんねぇんだよ。」
そう言うと、突然キスしてきたしゅう。
いつもとは違う。
苦しいよ…。
:09/03/02 01:05 :F706i :☆☆☆
#174 [あい]
服に手が入り、あたしは抵抗した。
嫌だっ。
いつものしゅうじゃない。
あたしは泣き出してしまった。
しゅうは手を止め、あたしを起こした。
優しく抱きしめてきた。
涙が止まらず、泣き続けた。
手話をしていない。
聞こえない。
でも、ごめんってしゅうが言ってる気がした。
:09/03/02 01:11 :F706i :☆☆☆
#175 [あい]
しゅうが泣いたり、あたしが泣いたり、忙しい2人だよね。
あたしが泣き止み、しゅうが手話を始めた。
「「嫌だったよな?」」
あたしは下を向いた。
「「ちょっと恐かったよ。」」
しゅうはごめんって…。
「「俺、最低だな。あいが嫌がる事して。しかも恐がるような事。家族の事でムシャクシャしてるからって…本当ごめん。」」
あたしは首を振る。
:09/03/02 01:20 :F706i :☆☆☆
#176 [あい]
「「こうなったからには、本当もう仕方ないんだ。正直、やっぱ1人はきついし寂しいよ。でも、仕方ないんだって。だから、わかって?」」
しゅうはそう言った。
お母さんに自分の気持ち言わないで、暮らすって覚悟してるんだ。
あたしは、わからなかった。
離婚…再婚…
そんな事家にはなかったから。
しゅうがお母さんに気持ち言えば、一緒に暮らせるんじゃないか。
そう思ってた。
でも違うんだね。
:09/03/02 01:35 :F706i :☆☆☆
#177 [あい]
しゅうのお母さんは、一緒に暮らす事を望んでない。
一緒に暮らしたいと望んでるのは、再婚相手。
しゅうがいくら言っても、わかってくれないかもしれない。
そうしゅうは、思ってたんだよね。
だから、苦しい想いして悩んで悩んで出した結果なんだよね。
離れて暮らすって。
:09/03/02 01:39 :F706i :☆☆☆
#178 [あい]
またクリスマスが近づいてきた。
その日、仕事が終わり、しゅうと会う約束をしていたから、急いで待ち合わせ場所に向かおうとしていた。
施設を出て、歩いている時だった。
あたしは足を止めた。
前にいたのは、しゅうのお母さんだった。
「どうも。しゅうから、あなたの事いろいろ聞いて、会いに来ました。言ってる事わかる?」
あたしは頷いた。
なんだろう…
まさか会いにくるなんて。
思ってもなかった。
:09/03/02 01:50 :F706i :☆☆☆
#179 [あい]
ポケットに入ってる携帯がブーッブーッと鳴っている。
あたしは携帯を見た。
【仕事終わった?】
しゅうからのメールだった。
あたしはお母さんを見る。
すると「しゅう?」って聞いてきた。
あたしから携帯を取り、電源を切る。
「しゅうが来たら、うるさいから。」
そう言い、あたしに携帯を返してきた。
:09/03/02 01:54 :F706i :☆☆☆
#180 [あい]
「話したいの。」
しゅうのとこ行かなきゃ。
でも話って…何?
ベンチに座り、煙草に火を付けるしゅうのお母さん。
【あの、しゅうにメールしていいですか?一緒にいる事は言わないんで。今日会う約束してるんです。】
あたしはノートを見せる。
「どうぞ。」
あたしは携帯を開いた。
:09/03/02 11:50 :F706i :☆☆☆
#181 [あい]
電源を付け、しゅうにメールを打つ。
【ごめん。仕事長引きそうだから、家で待ってて。】
何?
あたし何でこんな手震えてんの?
しゅうにメールを送り、お母さんの方を向く。
「あなた凄いわね。耳聞こえないのに仕事して。しゅうと同い年でしょ?若いのに、あたしより偉いわ。」
あたしはじっと口の動きを見る。
:09/03/02 12:20 :F706i :☆☆☆
#182 [!]
続けて
:09/03/02 18:16 :F902iS :☆☆☆
#183 [あい]
:09/03/02 19:59 :F706i :☆☆☆
#184 [あい]
「しゅうは何で、あなたの事好きになったんだろうね?」
ちょっと笑った表情。
【何でそんな事思うんですか?】
あたしはノートに書いた。
吸ってた煙草を地面に捨て、ブーツで消すしゅうのお母さん。
「だって、しゅうが前付き合ってた子は耳聞こえたから。」
しゅうの元カノ。
1年半付き合ってた子だ。
:09/03/02 20:04 :F706i :☆☆☆
#185 [あい]
「あたしが家行くと、その子絶対いてね。住みついてるの?って思った。」
…………。
「あたしんちなのに。勝手な事してくれるわ。」
あたしは、えっ?って思った。
何でそう思うかな。
「「全然帰ってないのに、あたしんち?」」
あたしは手話で言ってしまった。
戸惑った顔をするから、間違えた事に気づき、ノートに書いた。
【全然帰ってないのに、あたしんちですか?】って。
:09/03/02 20:32 :F706i :☆☆☆
#186 [あい]
「はい?」
そう言われ、あたしはまたノートに書いた。
【お金渡す時しか帰ってきてないのに、あたしんちって。しゅうはずっと1人だったんですよ?】
あたしは顔を見た。
ノートを見て笑うお母さん。
「1人じゃないよ。彼女がいたもん。」
【彼女は家族じゃないです。しゅうはお母さんがいなくて、寂しかったはずです。】
しゅうは泣いてたから。
あたしはわかる。
:09/03/02 20:43 :F706i :☆☆☆
#187 [あい]
「ずっと1人だったから、慣れてるから平気だよ。これからも。」
本当にそんな事思ってんの?
ノートに書くのも嫌だ。
話せたら…耳が聞こえれば…
あたしはそう思った。
【慣れるわけないですよ。しゅうは、お母さんの子なんですよ?男だからって、高校生だからって、家族が離れ離れは辛すぎますよ。これ以上、しゅうに辛い想いさせないで下さい。】
早く書いたから、字ぐちゃぐちゃだった。
:09/03/02 20:52 :F706i :☆☆☆
#188 [あい]
ノートを見て笑うお母さん。
あたしの前に立ち、顔を近づけてきた。
「結構言う子だね。」
ブーッ…
鳴っている携帯が気になる。
「あたしはね、新しい生活のためにしゅうを手放すの。子には変わりない。でも一緒には住まない。」
そう言い、帰ってしまった。
あたしはちょっとの間その場にいて、しゅうの家に向かった。
:09/03/02 22:37 :F706i :☆☆☆
#189 [あい]
新しい生活のために、しゅうを手放す。
あたしは泣きそうになりながら、しゅうの家まで歩いた。
家の前には、しゅうが座っていた。
あたしに気付き、歩いてくるしゅう。
「「何やってんの?」」
「「遅いからさ。待ってた。」」
手を握ると、すごく冷たい。
:09/03/02 22:40 :F706i :☆☆☆
#190 [あい]
家で待っててって言ったのに。
もしかして、ずっと外にいたの?
あたしは耐えきれず、泣いてしまった。
何も知らないしゅうは、驚くはず。
何をどうしたらいいのか、わかんなかっただろうな。
「「ごめんね。本当ごめん。」」
「「どうしたんだよ?」」
家に入り、しゅうはココアを出してくれた。
:09/03/02 22:44 :F706i :☆☆☆
#191 [あい]
「「母さん来たの?」」
あたしは頷いた。
「「前の彼女は耳が聞こえた。何でしゅうは、あたしを好きになったんだろうって。」」
しゅうはあたしの頭を撫でた。
あの事は言えなかった。
生活のために、しゅうを手放す事。
それは絶対言わない…
「「母さんが言ってた事は気にすんなよ。言ったろ?俺は、耳が聞こえないお前を珍しいと思って好きになったんじゃないって。」」
:09/03/02 22:51 :F706i :☆☆☆
#192 [かおたん]
:09/03/02 23:39 :SH903i :SP5e9SLE
#193 [あい]
>>192 かおたんさん
ありがとうございます
またあとで更新します☆
:09/03/03 00:30 :F706i :☆☆☆
#194 [あい]
帰る時、あたしは段ボールに気付いた。
「「引っ越しの?」」
「「うん。明後日には引っ越すんだ。」」
明後日か。
明後日からお母さんと再婚相手が、ここに住む。
「「しゅう、何か困った事とかあったら言ってね?」」
「「別に大丈夫だよ。料理結構得意だし、洗濯物とか1人分だし楽だよ。」」
ニコッと笑うしゅう。
「「1人でいたくない時とか…呼んでいいんだからね?あたし、行くからね?」」
:09/03/03 07:50 :F706i :☆☆☆
#195 [あい]
「「ありがとう。」」
クリスマス。
夜、しゅうの家に行った。
しゅうと過ごす2回目のクリスマス。
もうすぐ付き合って1年にもなる。
慣れない料理。
あたしは料理がちょっと苦手。
でもしゅうにどうしても作りたくて…。
パンっとしゅうに頭を叩かれた。
「「バカっ!!それはこうだよ。」」
:09/03/03 11:38 :F706i :☆☆☆
#196 [あい]
しゅうに怒られ、怒られ料理をした。
「「あとは俺がやるよ。」」
「「でも…」」
えぇー!?あたしが作ろうと思ったのにー!!
「「料理作ってる俺の姿、やべーよ。惚れ直すなよ。」」
バカみたいな事を言うしゅう。
冗談だよって、後から言ったけど、あたしはもうガン見だった。
あたしとは全然違う。
手際よく、ちゃくちゃくと料理をするしゅう。
……かっこいい。
:09/03/03 11:43 :F706i :☆☆☆
#197 [あい]
食べてみたら、めちゃくちゃおいしいし。
「「あたしも料理うまくなりたいよ〜。」」
「「そんなんだったら、俺が教えてやるよ。」」
そんな話をしながら、あたし達は完食。
次はお楽しみのケーキだ。
しゅうと一緒に買ってきた、イチゴいっぱいのったケーキ。
切ろうとするしゅうの手を止めた。
「「このチョコ、食べたいから切んないで。」」
Merry Christmasと書いてあるチョコ。
それを、あたしはどうしても食べたかった。
:09/03/03 22:17 :F706i :☆☆☆
#198 [!]
読んでるからねぃ
:09/03/04 08:42 :F902iS :☆☆☆
#199 [ぐみ]
続き気になる
:09/03/04 08:44 :F904i :3AiVl0H2
#200 [あい]
>>198 !さん
また書き込みくれた
ありがとうございます
:09/03/04 11:18 :F706i :☆☆☆
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