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#151 [あい]
下を向いてたしゅうが上目使いであたしを見る。


……可愛い〜!!!笑


「「でもさ、ご褒美ないな。」」

さっき言ってたやつか。

しゅうの携帯がなったのかな?
しゅうは携帯を取り、誰かと話してる。


「「こうすけだ。店手伝えって。かなもいるから、行くか。」」


今しかないよね。

⏰:09/02/27 00:04 📱:F706i 🆔:☆☆☆


#152 [あい]
しゅうが立とうとした時、あたしはしゅうにキスをした。

しゅうはかなり驚いた表情。

「「ご褒美。」」

あたしはしゅうに言った。
あたしからキスをするのは初めての事。
すごい恥ずかしかった。


「「何のご褒美?俺、ソロ間違えたけど。」」

「「頑張ったご褒美。失敗しちゃったけど、ダンスしてるしゅう、本当かっこよかった。」」


しゅうは嬉しそうに笑ってた。
「バカか。」って言いながら。

⏰:09/02/27 00:19 📱:F706i 🆔:☆☆☆


#153 [あい]
文化祭は無事終わり、後夜祭は出ないで、しゅうとこうすけとかなでご飯を食べに行った。

かなとは文化祭の1日ですごく仲良くなって、遊ぶ約束なんかもした。


2人と別れ、あたしはしゅうの家に行った。
その日はしゅうの家に初お泊まり。

何回か遊びに行った事があったけど、その時しゅうのお母さんに会った事はなかった。



でもその日は、しゅうの家、電気付いてた。

「「親いるかも。」」

ちょっと恐い顔をしたしゅう。
あたし達は家の中に入った。

⏰:09/02/27 00:27 📱:F706i 🆔:☆☆☆


#154 [あい]
リビングに入ると、煙草を吸う女の人。

しゅうのお母さんだろう。


机には封筒が。
中はお金だろう。

遊びに来た時も同じような封筒が置いてあり、中はお金だった。


「誰その子。」

しゅうのお母さんがあたしを見て言う。

しゅうは話し返す。
でも何を言ってるかはわからない。

しゅうが口を動かせば、あたしはしゅうを見る。

しゅうのお母さんが口を動かせば、あたしはお母さんを見る。

⏰:09/02/27 00:40 📱:F706i 🆔:☆☆☆


#155 [あい]
しゅうのお母さんと目が合い、あたしは頭を下げた。

「耳聞こえないの?」

あたしは頷いた。


またしゅうと話し出すお母さん。
そして、封筒をしゅうに渡し、家を出ていった。

「「ごめん。何か変な雰囲気にしちまったな。」」


あたしは首を振る。


「「お母さん、何て?」」

あたしはしゅうに聞いた。

「「適当にやりなさいだってよ。」」

⏰:09/02/27 16:06 📱:F706i 🆔:☆☆☆


#156 [あい]
「「お母さんは男の人の所に行ったの?」」

しゅうはあたしと目を合わせないで頷いた。


「「また金渡しにくるから大丈夫。自分の事は自分でできるし。」」



しゅうは笑って言ってたけど、作り笑いってわかった。
わかりすぎて、胸が痛いよ。

あたし達はしゅうの部屋に移動した。
一緒に撮った写真が壁に貼ってあり、あたしはそれを見てた。

⏰:09/02/27 16:12 📱:F706i 🆔:☆☆☆


#157 [あい]
「「この変顔やばいよな。」」

しゅうも一緒に見て、言ってきた。

「「これからもいっぱい写真撮ろうね。しゅうともっと、もっと思い出いっぱい作りたい。」」


あたしがそう言うと、しゅうはキスしてきた。
ベッドに倒され、続くキス。

しゅうは
「怖い?」って聞いてきた。


正直怖かった。
初めてだし。

⏰:09/02/27 21:12 📱:F706i 🆔:☆☆☆


#158 [あい]
でもしゅうだから大丈夫。
あたしは首を振った。


「「優しくするから。」」

しゅうはあたしを優しく抱きしめてくれた。
痛い。でも幸せだった。
あたしは自然と涙も出た。

この時初めてしゅうと一つになった。



「「あたし変な声出してなかった?」」

隣にいるしゅうに聞く。

「「出してないよ。」」

⏰:09/02/27 21:18 📱:F706i 🆔:☆☆☆


#159 [あい]
頭を撫でるしゅう。
あたしはいつの間にか眠っていた。

目が覚めた時、部屋は真っ暗だった。
しゅうが消したのか。


あれ?隣にいたしゅうがいない。


あたしは起き上がり、部屋の電気を付けた。
やっぱりいない。
夜中だった。



ちょっとした時だった。
部屋に入ってきたしゅう。
頭にはタオル。お風呂入ってたのか〜。

⏰:09/02/27 22:49 📱:F706i 🆔:☆☆☆


#160 [あい]
あたしもお風呂に入り、また部屋に戻った。

「「髪乾かしてやるよ。」」

しゅうがあたしの髪を乾かしてる間、あたしはずっとしゅうの事を見てた。

あたししゅうと付き合ってるんだな〜

たまたま道でぶつかって、たまたま再会して
仲良くなって、嘘もつかれた。

言い合いもしたし、笑いあったりもした。


しゅうからの告白で付き合い、それからもいろいろあった。

⏰:09/02/28 01:13 📱:F706i 🆔:☆☆☆


#161 [あい]
しゅうは沢山苦労してると思う。
あたしは耳が聞こえないから、こんな付き合い初めてだろうし。


手話での会話。
周りが気になった時もあった。
でも気にしないで堂々といれるのも、しゅうのおかげ。


あたしはいろんなしゅうを見るたびに、どんどん惹かれていった。

この幸せずっとって思ってた。


あたしは全然思っていなかった。
しゅうが離れるという事。

⏰:09/02/28 01:23 📱:F706i 🆔:☆☆☆


#162 [あい]
しゅうが離れるという事…

いや、しゅうを離してしまう事を…。
全然思ってなかった。

⏰:09/02/28 01:47 📱:F706i 🆔:☆☆☆


#163 [あい]
季節はあっという間に冬。
その日はたくみとしゅうの家に行く日だった。


たくみは1人でも、遊びに行く事がある。
そして2人でゲームしたり、買い物なんかも一緒に行くぐらい仲よくなって。

お兄ちゃんと弟って感じだったな。


合い鍵を渡されてたから、あたしは鍵を開け中に入った。



玄関には、ブーツと大きな靴。

⏰:09/02/28 01:58 📱:F706i 🆔:☆☆☆


#164 [あい]
リビングにいたのは、しゅうとしゅうのお母さん。

と、知らない男の人。

あたしとたくみに気付き、しゅうがあたしの所に来た。


「「ごめん。いきなり母さん来てさ。連絡すればよかったな。」」

「「帰るよ。」」

あたしがそう言うと、しゅうがお母さんの方を向く。
何かしゅうに言ったんだろう。
あたしはたくみを見る。


「「待ってだってよ。」」

⏰:09/02/28 20:40 📱:F706i 🆔:☆☆☆


#165 [あい]
お母さんがあたしの所に来た。
紙を渡してきた。
そこには【しゅうと別れて】と書いてあった。

しゅうがその紙をあたしから奪い、見る。


お母さんに何か言ってる。
怒鳴ってる感じだった。

あたしは話がよく掴めなくて、ただ立ったままだった。


たくみに腕を掴まれ
「今日は帰ろう。」
そう言われ、そのまま玄関に引っ張られた。

⏰:09/02/28 20:44 📱:F706i 🆔:☆☆☆


#166 [あい]
【しゅうと別れて】

しゅうのお母さんから言われた事。

あたしはたくみの後ろを、ゆっくり歩いていた。


すると手を掴まれ、振り向いたらしゅうがいた。

それを見たたくみは1人で帰っていった。



「「母さんと男の人帰ったから、来いよ。」」

あたしはしゅうの手を握り、家に向かった。

⏰:09/03/01 02:00 📱:F706i 🆔:☆☆☆


#167 [あい]
テーブルの上には、あの紙が。
それを見たしゅうはぐしゃぐしゃにして、ゴミ箱に捨てた。


「「気にすんなよ。母さんが言った事なんて。」」


「「気にしちゃうに決まってんじゃん。」」

しゅうは困ったような顔をする。
テーブルには封筒。
またお金置いていったんだ。

「「あの2人、結婚すんだと。」」

しゅうからの言葉は、とても悲しい事だった。

⏰:09/03/01 02:06 📱:F706i 🆔:☆☆☆


#168 [あい]
しゅうのお父さんと離婚した後、新しい男ができ、家にずっと帰ってなかった。
しゅうは渡されるお金だけでずっと1人だった。

結婚したら2人はこの家に戻ってくるらしい。
2人で住むには丁度いい広さだから。


そのかわり、しゅうは別のアパートを借り、1人暮らしをしろと言われたらしい。

家賃も生活費も払うからと。



そんな……。
何か勝手すぎるよ。
しゅうは家から追い出される。

⏰:09/03/01 02:13 📱:F706i 🆔:☆☆☆


#169 [あい]
「「参ったよな。てか追い出すなら、家賃とか生活費とかいいし。離すなら、親やんないでほしい…。生活費俺じゃまだ稼げねぇし、ないと困るけどさ。でも離すならって…感じ。」」

しゅうを抱きしめたかった。

「「俺、この家しかなかったのに。ずっと母さんの事待ってたのに。いつ帰ってきてもいいように、待ってたのに…。」」


そう言ってしゅうは涙を流した。
しゅうが泣くとこなんて、初めてだ。

あたしはしゅうを抱きしめた。

⏰:09/03/01 12:57 📱:F706i 🆔:☆☆☆


#170 [あい]
あたしはしゅうが泣き止むまで、ずっと抱きしめた。
しゅうは長い間泣いていた。


泣き止んだ時、しゅうの目は真っ赤だった。

1人で泣いてた事もあったのかな?

「「大丈夫?」」

しゅうは微笑んで頷いた。


「「もうこうなったら、仕方ねぇよ。俺、新しいアパートで暮らすよ。」」

そう…しゅうは言った。

⏰:09/03/01 13:02 📱:F706i 🆔:☆☆☆


#171 [あい]
「「3人で暮らす事はできないの?」」

あたしはしゅうに聞いた。

「「できねぇよ。加藤さんは、俺の事嫌ってるしよ。俺も嫌だし。」」


でも…1人は寂しいよ。

「「それに俺もう高2だし、1人慣れてるし。」」




1人は寂しいよ…
しゅう、無理に笑わないでよ。

⏰:09/03/02 00:50 📱:F706i 🆔:☆☆☆


#172 [あい]
「「もう高2って…。まだ高2だよ!!慣れてるって、嘘つかないでよ。」」


「「嘘なんかついてねぇよ。」」


「「じゃあ何で悲しい顔するの?無理して笑うの?1人は寂しいに決まってるよ。」」


するとしゅうは、あたしをその場で倒してきた。
手を動かさないよう、力強く抑えるしゅう。

「何も言うな。」

しゅうがそう言った。
わかるよう、ゆっくり喋るしゅう。

⏰:09/03/02 00:55 📱:F706i 🆔:☆☆☆


#173 [あい]
「どうしようもない事だってあんだよ。お前に何がわかんだよ。」

手が痛い。
初めてかもしれない。
こんなしゅうを見たのは。
口は悪いけど、優しいしゅう。
今のしゅうは…恐いよ。


「お前んちと俺んちは違うんだよ。無理して笑ってなきゃなんねぇんだよ。」

そう言うと、突然キスしてきたしゅう。
いつもとは違う。
苦しいよ…。

⏰:09/03/02 01:05 📱:F706i 🆔:☆☆☆


#174 [あい]
服に手が入り、あたしは抵抗した。

嫌だっ。
いつものしゅうじゃない。


あたしは泣き出してしまった。
しゅうは手を止め、あたしを起こした。

優しく抱きしめてきた。
涙が止まらず、泣き続けた。


手話をしていない。
聞こえない。
でも、ごめんってしゅうが言ってる気がした。

⏰:09/03/02 01:11 📱:F706i 🆔:☆☆☆


#175 [あい]
しゅうが泣いたり、あたしが泣いたり、忙しい2人だよね。

あたしが泣き止み、しゅうが手話を始めた。

「「嫌だったよな?」」

あたしは下を向いた。


「「ちょっと恐かったよ。」」

しゅうはごめんって…。

「「俺、最低だな。あいが嫌がる事して。しかも恐がるような事。家族の事でムシャクシャしてるからって…本当ごめん。」」

あたしは首を振る。

⏰:09/03/02 01:20 📱:F706i 🆔:☆☆☆


#176 [あい]
「「こうなったからには、本当もう仕方ないんだ。正直、やっぱ1人はきついし寂しいよ。でも、仕方ないんだって。だから、わかって?」」

しゅうはそう言った。
お母さんに自分の気持ち言わないで、暮らすって覚悟してるんだ。

あたしは、わからなかった。
離婚…再婚…
そんな事家にはなかったから。


しゅうがお母さんに気持ち言えば、一緒に暮らせるんじゃないか。
そう思ってた。

でも違うんだね。

⏰:09/03/02 01:35 📱:F706i 🆔:☆☆☆


#177 [あい]
しゅうのお母さんは、一緒に暮らす事を望んでない。

一緒に暮らしたいと望んでるのは、再婚相手。


しゅうがいくら言っても、わかってくれないかもしれない。
そうしゅうは、思ってたんだよね。


だから、苦しい想いして悩んで悩んで出した結果なんだよね。

離れて暮らすって。

⏰:09/03/02 01:39 📱:F706i 🆔:☆☆☆


#178 [あい]
またクリスマスが近づいてきた。
その日、仕事が終わり、しゅうと会う約束をしていたから、急いで待ち合わせ場所に向かおうとしていた。


施設を出て、歩いている時だった。
あたしは足を止めた。

前にいたのは、しゅうのお母さんだった。


「どうも。しゅうから、あなたの事いろいろ聞いて、会いに来ました。言ってる事わかる?」

あたしは頷いた。
なんだろう…
まさか会いにくるなんて。
思ってもなかった。

⏰:09/03/02 01:50 📱:F706i 🆔:☆☆☆


#179 [あい]
ポケットに入ってる携帯がブーッブーッと鳴っている。
あたしは携帯を見た。

【仕事終わった?】

しゅうからのメールだった。


あたしはお母さんを見る。
すると「しゅう?」って聞いてきた。
あたしから携帯を取り、電源を切る。

「しゅうが来たら、うるさいから。」


そう言い、あたしに携帯を返してきた。

⏰:09/03/02 01:54 📱:F706i 🆔:☆☆☆


#180 [あい]
「話したいの。」

しゅうのとこ行かなきゃ。
でも話って…何?


ベンチに座り、煙草に火を付けるしゅうのお母さん。

【あの、しゅうにメールしていいですか?一緒にいる事は言わないんで。今日会う約束してるんです。】


あたしはノートを見せる。

「どうぞ。」

あたしは携帯を開いた。

⏰:09/03/02 11:50 📱:F706i 🆔:☆☆☆


#181 [あい]
電源を付け、しゅうにメールを打つ。

【ごめん。仕事長引きそうだから、家で待ってて。】

何?
あたし何でこんな手震えてんの?


しゅうにメールを送り、お母さんの方を向く。


「あなた凄いわね。耳聞こえないのに仕事して。しゅうと同い年でしょ?若いのに、あたしより偉いわ。」



あたしはじっと口の動きを見る。

⏰:09/03/02 12:20 📱:F706i 🆔:☆☆☆


#182 [!]
続けて

⏰:09/03/02 18:16 📱:F902iS 🆔:☆☆☆


#183 [あい]
>>182 !さん

今から更新します

⏰:09/03/02 19:59 📱:F706i 🆔:☆☆☆


#184 [あい]
「しゅうは何で、あなたの事好きになったんだろうね?」


ちょっと笑った表情。

【何でそんな事思うんですか?】

あたしはノートに書いた。

吸ってた煙草を地面に捨て、ブーツで消すしゅうのお母さん。


「だって、しゅうが前付き合ってた子は耳聞こえたから。」


しゅうの元カノ。
1年半付き合ってた子だ。

⏰:09/03/02 20:04 📱:F706i 🆔:☆☆☆


#185 [あい]
「あたしが家行くと、その子絶対いてね。住みついてるの?って思った。」

…………。

「あたしんちなのに。勝手な事してくれるわ。」


あたしは、えっ?って思った。
何でそう思うかな。

「「全然帰ってないのに、あたしんち?」」


あたしは手話で言ってしまった。
戸惑った顔をするから、間違えた事に気づき、ノートに書いた。

【全然帰ってないのに、あたしんちですか?】って。

⏰:09/03/02 20:32 📱:F706i 🆔:☆☆☆


#186 [あい]
「はい?」

そう言われ、あたしはまたノートに書いた。


【お金渡す時しか帰ってきてないのに、あたしんちって。しゅうはずっと1人だったんですよ?】


あたしは顔を見た。
ノートを見て笑うお母さん。

「1人じゃないよ。彼女がいたもん。」


【彼女は家族じゃないです。しゅうはお母さんがいなくて、寂しかったはずです。】


しゅうは泣いてたから。
あたしはわかる。

⏰:09/03/02 20:43 📱:F706i 🆔:☆☆☆


#187 [あい]
「ずっと1人だったから、慣れてるから平気だよ。これからも。」


本当にそんな事思ってんの?
ノートに書くのも嫌だ。
話せたら…耳が聞こえれば…

あたしはそう思った。


【慣れるわけないですよ。しゅうは、お母さんの子なんですよ?男だからって、高校生だからって、家族が離れ離れは辛すぎますよ。これ以上、しゅうに辛い想いさせないで下さい。】

早く書いたから、字ぐちゃぐちゃだった。

⏰:09/03/02 20:52 📱:F706i 🆔:☆☆☆


#188 [あい]
ノートを見て笑うお母さん。
あたしの前に立ち、顔を近づけてきた。

「結構言う子だね。」


ブーッ…
鳴っている携帯が気になる。


「あたしはね、新しい生活のためにしゅうを手放すの。子には変わりない。でも一緒には住まない。」

そう言い、帰ってしまった。

あたしはちょっとの間その場にいて、しゅうの家に向かった。

⏰:09/03/02 22:37 📱:F706i 🆔:☆☆☆


#189 [あい]
新しい生活のために、しゅうを手放す。

あたしは泣きそうになりながら、しゅうの家まで歩いた。


家の前には、しゅうが座っていた。
あたしに気付き、歩いてくるしゅう。



「「何やってんの?」」

「「遅いからさ。待ってた。」」


手を握ると、すごく冷たい。

⏰:09/03/02 22:40 📱:F706i 🆔:☆☆☆


#190 [あい]
家で待っててって言ったのに。
もしかして、ずっと外にいたの?


あたしは耐えきれず、泣いてしまった。
何も知らないしゅうは、驚くはず。

何をどうしたらいいのか、わかんなかっただろうな。


「「ごめんね。本当ごめん。」」

「「どうしたんだよ?」」



家に入り、しゅうはココアを出してくれた。

⏰:09/03/02 22:44 📱:F706i 🆔:☆☆☆


#191 [あい]
「「母さん来たの?」」

あたしは頷いた。

「「前の彼女は耳が聞こえた。何でしゅうは、あたしを好きになったんだろうって。」」


しゅうはあたしの頭を撫でた。


あの事は言えなかった。
生活のために、しゅうを手放す事。


それは絶対言わない…


「「母さんが言ってた事は気にすんなよ。言ったろ?俺は、耳が聞こえないお前を珍しいと思って好きになったんじゃないって。」」

⏰:09/03/02 22:51 📱:F706i 🆔:☆☆☆


#192 [かおたん]
頑張って下さい
いつも見てます

⏰:09/03/02 23:39 📱:SH903i 🆔:SP5e9SLE


#193 [あい]
>>192 かおたんさん

ありがとうございます
またあとで更新します☆

⏰:09/03/03 00:30 📱:F706i 🆔:☆☆☆


#194 [あい]
帰る時、あたしは段ボールに気付いた。

「「引っ越しの?」」

「「うん。明後日には引っ越すんだ。」」


明後日か。
明後日からお母さんと再婚相手が、ここに住む。

「「しゅう、何か困った事とかあったら言ってね?」」


「「別に大丈夫だよ。料理結構得意だし、洗濯物とか1人分だし楽だよ。」」

ニコッと笑うしゅう。

「「1人でいたくない時とか…呼んでいいんだからね?あたし、行くからね?」」

⏰:09/03/03 07:50 📱:F706i 🆔:☆☆☆


#195 [あい]
「「ありがとう。」」



クリスマス。
夜、しゅうの家に行った。
しゅうと過ごす2回目のクリスマス。

もうすぐ付き合って1年にもなる。


慣れない料理。
あたしは料理がちょっと苦手。
でもしゅうにどうしても作りたくて…。

パンっとしゅうに頭を叩かれた。

「「バカっ!!それはこうだよ。」」

⏰:09/03/03 11:38 📱:F706i 🆔:☆☆☆


#196 [あい]
しゅうに怒られ、怒られ料理をした。

「「あとは俺がやるよ。」」

「「でも…」」


えぇー!?あたしが作ろうと思ったのにー!!


「「料理作ってる俺の姿、やべーよ。惚れ直すなよ。」」

バカみたいな事を言うしゅう。
冗談だよって、後から言ったけど、あたしはもうガン見だった。

あたしとは全然違う。
手際よく、ちゃくちゃくと料理をするしゅう。


……かっこいい。

⏰:09/03/03 11:43 📱:F706i 🆔:☆☆☆


#197 [あい]
食べてみたら、めちゃくちゃおいしいし。

「「あたしも料理うまくなりたいよ〜。」」

「「そんなんだったら、俺が教えてやるよ。」」

そんな話をしながら、あたし達は完食。
次はお楽しみのケーキだ。


しゅうと一緒に買ってきた、イチゴいっぱいのったケーキ。
切ろうとするしゅうの手を止めた。

「「このチョコ、食べたいから切んないで。」」

Merry Christmasと書いてあるチョコ。
それを、あたしはどうしても食べたかった。

⏰:09/03/03 22:17 📱:F706i 🆔:☆☆☆


#198 [!]
読んでるからねぃ

⏰:09/03/04 08:42 📱:F902iS 🆔:☆☆☆


#199 [ぐみ]
続き気になる

⏰:09/03/04 08:44 📱:F904i 🆔:3AiVl0H2


#200 [あい]
>>198 !さん

また書き込みくれた
ありがとうございます

⏰:09/03/04 11:18 📱:F706i 🆔:☆☆☆


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