言葉
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#201 [あい]
:09/03/04 11:19 :F706i :☆☆☆
#202 [あい]
チョコをあたしにくれて、しゅうはケーキを切った。
あたしは物凄くワクワクしていて、ケーキをずっと見ていた。
「「いただきます。」」
さっき料理をあんなに食べたのに、まだ入る。
さすが別腹。
チョコも1人で食べてしまった。
「「俺にも少し残しとけよ。」」
しゅうに怒られ、…ちょっと失敗したな〜。笑
しゅうがいきなり顔を近づけてきた。
えっ…?何?
:09/03/04 11:23 :F706i :☆☆☆
#203 [あい]
口に生クリームが付いてたみたいで、指で取ってくれたしゅう。
そのままペロンと舐めるしゅう。
「「お前、興奮しすぎ。ケーキぐらいでバカかっ。」」
「「だって、クリスマス大好きだもん。ケーキおいしいし。」」
微笑むしゅう。
「お前、そうゆう餓鬼っぽいとこかわいいよな。」
そう言ったしゅう。
あたしは恥ずかしくなって、下を向く。
頭を撫でてきて、あたしはしゅうに抱きついた。
:09/03/04 11:29 :F706i :☆☆☆
#204 [あい]
最高のクリスマスだった。
元旦、1年記念日。
しゅうは家に泊まって、あたしと、あたしの家族みんなと過ごした。
しゅうは冬休み。
冬休みはほとんど家に泊まっていた。
本当毎日が幸せだった。
本当にうまくいってたんだよ?
あたしは仕事。しゅうは学校始まり、あたしのいつもの生活が始まった。
その日はしゅうと会う約束もしてなくて、仕事が終わったらまっすぐ家に帰った。
:09/03/04 22:44 :F706i :☆☆☆
#205 [あい]
「「あい、話があるの。」」
家に着いて、そう言ってきたのはママだった。
あたしは部屋に行き、着替えてリビングに行く。
たくみもいて、椅子に座っている。
何か変な雰囲気。
そんな事を思いながら、あたしも椅子に座る。
「「パパが帰ってきたらにしようと思ったけど、早い方がいいから。」」
ママが手話を始める。
机には、何かの資料みたいな物が置いてある。
「「あい、耳の手術しない?」」
手術…?
:09/03/04 22:50 :F706i :☆☆☆
#206 [あい]
突然の話。
「「何で急に?」」
あたしはママに聞く。
するとママは資料を開いて、あたしの前に差し出してきた。
「「ここの先生といろいろ話してね。あいの耳はね、手術すれば聞こえるようになるみたい。」」
ちょっと待って…。
「「ハッキリではないけど、聞こえないよりはいいでしょ。もう17歳だし、手術受けても平気だって。小さい時は無理だったけど。」」
そんな急に言われても。
手術って…。
:09/03/05 01:44 :F706i :☆☆☆
#207 [あい]
「「聞こえるようになるのは絶対なの?」」
横のたくみがママに聞く。
「「あたし達みたいにハッキリではないよ。でも聞こえるようになるのは確かだって。今よりも全然生活しやすいと思うをだけど…。」」
ママがあたしを見る。
そりゃあ、聞こえないよりは聞こえる方がいい。
でもあたしは、ちょっと恐かった。
手術だもん。
不安は持つ。
「「お前迷ってんの?」」
たくみがあたしに聞く。
:09/03/05 01:50 :F706i :☆☆☆
#208 [あい]
「「聞こえないままの可能性もあるって言うならわかるけど、聞こえるようになるのは確かなんだよ?悩む必要なくね?」」
たくみはあたしに言う。
しゅうもそう言うんだろうな。
しゅうとたくみは、口悪い所が似てる。
何か、しゅうに言われてるみたいだった。
「「あたしも、聞こえるようになりたいよ。でもちょっと恐いよ。」」
「バカじゃねぇの。そんな事言ってたら、何も出来ねぇじゃねぇかよ。」
手話をしないで言ってくるたくみ。
:09/03/05 02:11 :F706i :☆☆☆
#209 [あい]
あたしはたくみを睨む。
「「手術するのは、あんたじゃない。あたしなの。恐いに決まってんでしょ!!」」
あたしはそのまま、部屋に行った。
恐がって…まるで子供だ。
夜、しゅうが家に来た。
パパも帰ってきて、5人で話す事に。
たくみはイライラした様子で座っていた。
「「手術の事、お母さんに聞いたよ。どうすんの?」」
しゅうが言う。
「「ビビってんだよ、こいつ。餓鬼かよ。」」
たくみも手話をする。
:09/03/05 02:17 :F706i :☆☆☆
#210 [あい]
「「そんな事言うなよ。普通ビビるって。」」
しゅうがたくみに言う。
あたしは何も言えず、しゅうとたくみの手話を見ていた。
「「だって聞こえるようになるんだよ?何をビビるの?」」
「「聞こえるようになる事はわかってるよ。あいはちゃんと。でも手術って言葉だけでも、不安は持つって。お前にはわかんねぇ事だけどさ。」」
「「じゃあ、しゅう君にはわかんのかよ。」」
:09/03/06 13:27 :F706i :☆☆☆
#211 [あい]
そうたくみが言うと、しゅうはあたしを見る。
「「わかんないけどさ、あいの顔見たら、不安なのかな?って思うよ。」」
しゅう…。
あたしは決めた。
「「手術する。」」
聞こえるようになるならやる。
「「そう。大丈夫。みんな付いてるから。」」
ママがそう言ったあと、たくみの背中を叩いた。
「「仲直りしなさい。」」
:09/03/06 20:28 :F706i :☆☆☆
#212 [あい]
「「ごめんな。言い過ぎた。」」
目はあたしに向いてなかったけど、たくみは謝ってきてくれた。
「「手術の日は、俺も病院行くからな。」」
大好きな笑顔で言うしゅう。
家族がいるのにも関わらず、あたしはしゅうに抱きついた。
手術は6月。
すぐではなかった。
4月。
しゅうは3年生になった。
:09/03/06 20:34 :F706i :☆☆☆
#213 [ゆきな]
待ってました
!
いい家族ですね
更新がんばって(^-^)v
:09/03/06 21:33 :P903iX :☆☆☆
#214 [あい]
>>213 ゆきなさん
待ってたとか嬉しい
ありがとうございます
今からまた更新します
:09/03/07 01:52 :F706i :☆☆☆
#215 [あい]
しゅうの夢は美容師。
3年生になると進路の事でいっぱい。
しゅうは、専門学校に行く予定だった。
あたしは変わらず施設で仕事をしていた。
5月になり、手術1ヶ月前。
この5月だった。
あたしがしゅうから離れていったのは。
休みの事だった。
あたしはしゅうの家に遊びに行った。
もうすぐで着くって時に、しゅうからメールがきた。
【母さん来たんだけど、もう着いちゃう?】
:09/03/07 01:59 :F706i :☆☆☆
#216 [あい]
どうしよう。
もう目の前だよ…。
【まだ着かないよ。】
あたしは嘘をついた。
何か話でもあんのかな?
あたしは、どこかで時間を潰そうと思ってた時、しゅうが家から出てきた。
あたしの所に来た。
「「いるじゃん。嘘付かなくていいのに。入れよ。」」
「「お母さんと話してるんじゃないの?」」
しゅうは微笑んで言った。
「いい話。」
あたし達は家に入った。
:09/03/07 02:04 :F706i :☆☆☆
#217 [あい]
しゅうのお母さんが座っている。
「「いい話って何?」」
「「母さんが、一緒に暮らさないかって。」」
何で突然そう言ってきたのかはわからない。
でも再婚相手の人もそう言ってるみたいで、それを伝えに来たらしい。
新しい生活のために手放す。
そうしゅうのお母さんは言ってたのに、やっぱ一緒に暮らしたいんだね。
あたしはそう思っていた。
嬉しそうに説明をしてるしゅう。
:09/03/07 02:22 :F706i :☆☆☆
#218 [あい]
何かしゅう、可愛いな。
あんなに1人で大丈夫とか、強がってた事言ってたのに。
嬉しいに決まってるよ。
お母さんを見た時、紙に何か書いている。
その時、あたしの中で嫌な事を思い出していた。
【しゅうと別れて】
前に書かれた事がある。
そして渡された。
嫌な予感がした。
紙を渡された時、あたしはショックだった。
:09/03/07 02:34 :F706i :☆☆☆
#219 [あい]
【しゅうと別れてください。】
またこの言葉だった。
あたしは紙を見たあと、しゅうのお母さんを見た。
「いい?」
しゅうのお母さんが聞いてきた。
「「おい、何だよそれ!」」
しゅうが言う。
「しゅうは、受験生になったの。負担になりたくないでしょ?」
「「別にあいは負担になんかなってねぇよ。」」
あたしは泣きそうになった。
:09/03/08 12:36 :F706i :☆☆☆
#220 [あい]
「あんた、耳が聞こえない子とずっと付き合う気?大変よ。あたしだって、耳聞こえない子と接するのは難しいし、上手くもやっていけない。」
お母さんの口の動きを見るのが辛かった。
「別れないなら、一緒に住むのも無しね。」
「「何だよそれ。じゃあ住む話は無しでいいよ。あいと別れるのはやだ。」」
あたしはしゅうを見た。
「「何言ってんの。それはダメだよ。」」
あたしはしゅうに言う。
:09/03/08 12:41 :F706i :☆☆☆
#221 [あい]
「「しゅうはずっと1人で辛い想いいっぱいしたじゃん。お母さんから住もうって言われたんでしょ?ずっと望んでた事じゃないの?」」
「「でもそれでお前と別れろなんて、おかしいだろ。」」
でも、しゅうは嬉しそうにしてた。
お母さん勝手だなって思ったけど、やっぱ自分の子だもん。
しゅう…嬉しそうにしてたじゃん。
「「いいよ。母さん。」」
ダメだよ……。
:09/03/08 12:46 :F706i :☆☆☆
#222 [あい]
「「てか、勝手すぎるよ。ずっと俺の事なんかほったらかしにしてたくせに、1人で住めって離したくせに。急になんなんだよ。」」
「今までの事は謝るよ。しゅうには本当に悪い事した。これから、一緒に居なかった分、一緒に暮らして家族に戻ろうよ。」
あたしは家に帰り、ずっと考え事をしてた。
しゅうは負担にならないって言ってたけど、これかもずっとあたしといるのは、ダメなんじゃないか。
別れるのは嫌だよ。
でもしゅうとは、お母さんと暮らしてほしい。
:09/03/08 12:52 :F706i :☆☆☆
#223 [あい]
【俺、あいとは別れないから。母さんが何を言っても。全然住まなくてもいいしさ。今悩んでるんだったら、変な事考えるのやめろよ。】
しゅうから届いたメール。
【それと、ずっと俺の事気にしててくれてありがとう。話された時は本当に嬉しかったよ。一緒に住もう。あの言葉だけで、俺はもう充分だったからさ。】
あたしは決めた。
辛いけど、いいんだ。
数日後仕事が終わり、あたしはしゅうと会う事にした。
手を振るしゅうがいる。
:09/03/08 13:01 :F706i :☆☆☆
#224 [あい]
ダメだ…
泣きそうになっちゃう。
「「どっかご飯食べ行くか?」」
いつものしゅう。
あたしは裾を掴み、首を振る。
何かを感じとったのか、しゅうは掴むあたしの手を離し、歩き始めた。
あたしは手を掴み、しゅうは振り向く。
「「話ある。」」
「やだ。」
でも話さなきゃ。
あたしはしゅうの言葉を無視して、手話を始める。
:09/03/08 21:03 :F706i :☆☆☆
#225 [あい]
「「あたし、考えたの。」」
これでいいんだよね。
「「しゅうは、お母さんと暮らして。あたしとは別れよ。」」
しゅうは、悲しそうな顔をした。
あたしは手話を続ける。
「「しゅうのお母さんが一緒に住もうって言ったの、あたしもすごい嬉しい。すごいしゅうが辛かったの知ってるから。」」
泣いちゃダメだ。
あたしが泣いたら、しゅうが困っちゃうから。
:09/03/08 21:14 :F706i :☆☆☆
#226 [あい]
お母さんに離された時、しゅうは泣いてたから。
あたしが初めて見たしゅう。
辛かったの知ってるから。
寂しかったのも、ずっと溜めてきて出てきた涙だから。
あの時、しゅうを見るのが辛かった。
そして、一緒に住もう。
しゅうのお母さんが言いに来た時のしゅう。
すごい喜んでた。
あたしはあの時、嬉しそうなしゅうを見るのが…嬉しかったよ。
:09/03/09 01:09 :F706i :☆☆☆
#227 [あい]
「「これから専門行って、美容師になって、あたしなんかより全然いい人見つかるよ。」」
「「ちょっと待てよ…」」
「「あたしの事で一緒に住む事無しにしちゃダメ。お母さんが別れる事を望んでるなら、あたしはそうする。」」
しゅうの手話を無視し、あたしは一方的に話を進めた。
「「一緒に暮らして?」」
しゅうは下を向く。
これ以上の手話を見たくなかったのかな。
:09/03/09 01:33 :F706i :☆☆☆
#228 [あい]
「「お前、泣かないんだな。」」
しゅうが言ってきた。
「「悲しくないの?」」
悲しいよ。
だって嫌いになったわけじゃないのに。
でも……
「「悲しくない。」」
あたしはそう言った。
「「そっか。じゃあいいよ。お前と別れたくないのも、母さんと暮らしたいのも、どっちも望んでる。でもお前がそう言うなら別れる。」」
:09/03/09 19:34 :F706i :☆☆☆
#229 [あい]
しゅうは笑ってた。
悲しそうな感じで。
「「お前なら、こんな事になっても離れないって思ってたのに…。もういい…。」」
何かが刺さるような
そんな感じで胸が痛くなった。
あたしの言葉で…
しゅうの言葉で…
あたし達は終わった。
:09/03/09 19:40 :F706i :☆☆☆
#230 [あい]
その後何も話さず、しゅうは行ってしまった。
あたしは、歩いていくしゅうの背中を見えなくなるまで見ていた。
しゅうは1度も振り向かなかった。
終わった…。
あたしは家に帰り泣いた。
さっきまで我慢してた涙が一気に溢れ出してきて、ずっと泣いてた。
するとしゅうからメールがきた。
【お前の家にある俺の物全部捨てていいから。】
しゅうの物を全部集めた時、あたしは思った。
:09/03/09 19:47 :F706i :☆☆☆
#231 [あい]
あれ?
しゅうの荷物こんなに多かったっけ?
しゅうはそのまま置いてく事が多かったから、いつの間にかこんなに増えてたんだね。
家にあるもの。
あたしの幸せを表してた。
また涙が出てきた。
しゅう…本当にごめんね。
許してなんて言えないけど、本当に本当にごめんね…
:09/03/09 21:02 :F706i :☆☆☆
#232 [あい]
これでよかったんだよね?
しゅうはお母さんとまた暮らせる。
ずっと願って事じゃん。
これでよかったんだよね。
あたしはそう自分に言い聞かせながら、しゅうの荷物を片付けた。
:09/03/09 21:03 :F706i :☆☆☆
#233 [我輩は匿名である]
:09/03/10 00:32 :N703iD :ht..WoaI
#234 [ゆきな]
大丈夫ですかー?
更新楽しみに
待ってます(^-^)v
:09/03/12 16:37 :P903iX :☆☆☆
#235 [あい]
:09/03/12 19:29 :F706i :☆☆☆
#236 [あい]
手術が近づいてきた。
病院で手術の説明や、聞こえるようになってからの話。
「「聞こえるようになったら、話す練習もしなきゃね。」」
そうママが言った。
話す…。
小さい時に聞こえなくなり、それまであたしは普通に話せてた。
でも、聞こえるようになって上手く話せるだろうか。
変な感じじゃないか。
不安はあった。
そして、手術当日。
:09/03/12 19:36 :F706i :☆☆☆
#237 [あい]
その日は運悪く雨だった。
パパ、ママ、たくみ。
そしてこうすけとかなも来てくれた。
この2人が来てくれたって事は、もしかしたら…なんて。
しゅう…
来るわけないっか。
あたしになんか会いたくないよね。
「「頑張ってね。」」
みんなに言われ、かなからお守りも貰った。
:09/03/12 21:50 :F706i :☆☆☆
#238 [らぃあ]
主サンの小説すごく感動します
ゆっくりでもイィので最後まで書いてくださぃね
:09/03/13 00:30 :N701i :lexcE7k.
#239 [あい]
>>238 らぃあさん
そんな事言ってもらえて嬉しいです
今は無理なんでまた夜に更新します
:09/03/13 08:49 :F706i :☆☆☆
#240 [あい]
手術室に入る時、あたしは目を閉じた。
耳が聞こえるようになる。
みんなの声が聞きたいよ。
【何か聞こえたらボタンを押してください。】
この日は確認の日。
手術は無事に成功した。
目を覚ました時、みんなが声をかけていたが、そんなすぐに聞こえるようになるわけがない。
:09/03/13 21:20 :F706i :☆☆☆
#241 [あい]
あたしの耳にはイヤホン?何て言えばいいんだろう。
まぁ、耳に何かをはめた。
先生の手元には、いくつかのスイッチ。
あたしの手にはボタン。
先生がスイッチを押し、音が聞こえたらボタンを押す。
簡単な事だった。
先生がいろんなボタンを押す。
………聞こえない。
………聞こえない。
:09/03/13 21:24 :F706i :☆☆☆
#242 [あい]
聞こえないよ。
先生の手は確かに動いてる。
スイッチ押してるはずなのに…
聞こえない………
聞こえない……
えっ?今何か聞こえた。
かすかにだけど、ピーピーって聞こえた。
あたしはボタンを押す。
あっ!また聞こえた。
ボタンを押す。
:09/03/13 21:26 :F706i :☆☆☆
#243 [☆匿名☆]
あいさんの小説すごく読みやすいです!
それにあいさんの心が綺麗で感動しました(;_;)
応援してますヾ(≧▽≦)ノ♪♪
:09/03/14 01:41 :W52SH :9vaq2utc
#244 [あい]
>>243 匿名さん
嬉しいです
ありがとうございます
:09/03/14 02:45 :F706i :☆☆☆
#245 [あい]
「「本当に小さい音は聞こえないし、聞きづらいですね。でも普通の話声や、車の音、音楽、いろんな音が聞こえるようになる。」」
先生が話す事をママが通訳する。
それからあたしの生活は変わった。
前から怖くて乗れなかった自転車。
自転車に乗って、施設に行くようになった。
車が横を通る音。
クラクションの音。
小さい子達のじゃれあいの声。
かすかだったけど、聞こえる。
聞こえるんだ。
:09/03/14 02:55 :F706i :☆☆☆
#246 [あい]
「おはようございます。」
手話を使わないで、仕事場の人があいさつしてくる。
本当に聞こえるようになって、あたしの生活は変わった。
変わってない事は…
「「おはようございます。」」
あたしはまだ手話をやっていた。
最初の方は仕方ないと、ママ達も言っていた。
でも、月日がたっても、あたしは手話をやってた。
:09/03/14 03:02 :F706i :☆☆☆
#247 [我輩は匿名である]
やっぱこの小説好きです!楽しみにしてます(´∀`)
:09/03/14 11:31 :SH903i :KF/Qr/Zw
#248 [あい]
>>247 我輩は匿名であるさん
すごい嬉しいです
ありがとうございます
:09/03/14 17:41 :F706i :☆☆☆
#249 [あい]
「お前何で手話なの?」
家にいた時、たくみが聞いてきた。
家族もみんな手話無しで話をかけるようになった。
手話をしているのは、あたしだけ。
「小さい時喋れたんだから、喋れんだろ。」
たくみが言葉使い悪いのは、聞こえない時から知ってた。
聞こえるようになってから、本当に悪いんだなっていうの、知ったよ。
:09/03/14 17:52 :F706i :☆☆☆
#250 [あい]
「やめなさい。たくみ。」
ママは少し高くて、優しい声。
パパはママとは違って低い声。
みんなの声を知っていったよ。
「そんなすぐに喋れるわけないでしょ。」
ママがたくみに言う。
「でもこいつ、練習もしようとしないじゃん。何で?」
たくみがあたしを見る。
確かに、あたしは喋る練習をしていない。
:09/03/14 17:56 :F706i :☆☆☆
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