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#601 [t]
『…いや、着崩してるわけじゃないし顔そのものがチャラ顔なんだきっと!(笑)フフフ、しょうがないわそれわ!後は会話さえしっかりクリア出来れば問題ないよっ!♪ね?』
うん(´・ω・`)しょぼーん
と言った表情でどんよりと座り込んだ
『あかんかったら嫌やなー』
:09/06/22 01:35 :F906i :FwQcJX9c
#602 [t]
結局、タンスの奥から引っ張り出した無地に近い黒Tシャツに白のパンツにジャケットと言うファッションにした
俺『よし行くか!』
『うん行こっ…か』
『んー?なに腹痛い?』
『違う、大丈夫かなって…もし認めてもらえなかったら…け、結婚できないのかな?』
『大丈夫や!!1回で認めてもらおうなんて思っとらん俺は。ダメやったら認めてもらうまで変わり続けるしかないやろ、もう俺に選択肢は無いでな!さやかしか好きになれんから。力抜いて行こう!な?さやかにとっては実家に帰るんやから安心した気持ちでいろ』
。
:09/06/22 01:42 :F906i :FwQcJX9c
#603 [t]
っと言うとさやかはすぐに安心してくれた
『ゔん…わ゙がった』
『泣いたら鼻水でんでー!!』
『タクぢゃん゙が吹い゙て』
『甘ったれんなボケ!』
わしゃわしゃとタオルで吹いてやるとこれタオルだよぉー汚いぃーって文句言っとった
吹いてもらっといて何様やねんさやかわ
:09/06/22 01:44 :F906i :FwQcJX9c
#604 [t]
車の中では自己紹介の練習しとった
あ、言い忘れとったけどさやかの実家は埼玉
あ、別に言わんでもいいか(笑)
『さやか高速乗る前になんか食べる?』
『うんヨーグルト食べる』
『ヨーグルト?いらんそんなもん、ご飯の話や』
『え〜だってヨーグルトがいいんだもん』
。
:09/06/22 01:47 :F906i :FwQcJX9c
#605 [t]
『なんでちゃんと食わんのー?んな俺ステーキ食ってもさやかヨーグルトな?ええのけ?』
『それは嫌だあ!タクちゃんはコーヒー飲んで!』
『アホかお前わ!オムライス食ったらいんちゃん?好きやろ?』
『うんじゃあそうする!後ケーキもね!』
俺『はいはい、ケーキもねーはいよー』
『ねぇチョコのケーキある所ね?ね?』
『はいはいはいチョコケーキね、待ってな店探すから』
『うん★!』
:09/06/22 01:48 :F906i :FwQcJX9c
#606 [t]
さやかはデブのくせにケーキケーキ言うてんの
んまー普通にどこがデブなんか分からんけどな(笑)
俺もからかっとるだけやけど(´・ω・`)
だって痩せたいとか言うてるくせに
チョコケーキやと
痩せる気ゼロですこのコブタちゃん
あ、ごめんさやか
:09/06/22 01:53 :F906i :FwQcJX9c
#607 [t]
『…っさやか!さーやか!!』
ちゃっかり高速の間に眠ったさやかを叩き起こす
『家このへんやんな?』
『…ほえ(´・ω・`)あ、うんそぅ。2個先の信号右に曲がったらすぐさやかん家!てか、あれ早いね』
『そらー寝とる奴にとったら早いわなー』
『う〜んごめんん』
(´・ω・`)←こんな顔のさやか
可愛いやろ?(笑)
:09/06/22 01:55 :F906i :FwQcJX9c
#608 [t]
『ちゅーしてさやか
』
『え、なにゆってんの信号だよ今』
『いいやん早く!一人で運転したんやで俺』
『え〜でも』
さやかはバックミラーで一度後ろを覗きこんでから
俺にキスをした。
:09/06/22 01:57 :F906i :FwQcJX9c
#609 [t]
ほんの一瞬だけ
触れたか触れへんかぐらいのキス
そんなんありえーん
っと。
さやかの頭を撫でながら一回だけ舌をいれてやめてやった
それからさやかは家の前でもう一回だけキスをせがんだ
いやんエッチ
それからインターフォンに手をかけた
:09/06/22 01:59 :F906i :FwQcJX9c
#610 [t]
眠さばいやー
リアルタイムで読んどった人おる
?
おったらもう寝なさい
んじゃ
:09/06/22 02:01 :F906i :FwQcJX9c
#611 [あ―ちん]
またまた続き
楽しみです(、∀`)
:09/06/22 02:38 :W61CA :OPj.YEPc
#612 [t]
:09/06/22 13:56 :F906i :FwQcJX9c
#613 [t]
>>609続き☆
さやかが俺より少し前に立ってドアが開くのを待た
俺の手をしっかりと握ったまま…
母『はいは〜い』
さ『お母さんあのね今日っこないだいっ…』
俺『…あ、お久しぶりです。突然お邪魔してすいません、今日はお話しがあってきました。今日はお話しできるお時間ありますか?』
こんな事をきっと時間をかけて話したはず。
:09/06/22 13:59 :F906i :FwQcJX9c
#614 [t]
母『…あら、?大丈夫よちょっと前にさやかからあなた達が来る話を聞いているわ。どうぞ上がっていって』
俺『はい…すんませんありがとうございます』
さ『タクちゃんっ』
さやかはギュッと俺の後ろから抱きついて
『ぜったい好印象だよっファイト!!』
て言ってくれた。
:09/06/22 14:01 :F906i :FwQcJX9c
#615 [t]
『本間に?よかった〜』
とわざとさやかの耳元で小声で伝えると
さやかはくすぐったいと言った顔で俺を玄関の中へ押し込んだ
とりあえず最初の挨拶は★3つやな!(笑)
きっと…きっと…。
:09/06/22 14:03 :F906i :FwQcJX9c
#616 [t]
母『お父さんまだいないのよ後1時間ぐらいで帰って来ると思うわ』
『あっはい分かりました。すんません本間に…。
突然来て色々気使わせてしまって…』
母『いいのよ〜そう言えばきちんと話した事ないわね〜さやかったら紹介もろくにしないし、実家に顔だしもしないから。なんにも分からなくて。ご実家はどこなの?関西なのかしら?ご両親はどんな方なの?』
さやかのママはちょっとパキパキとしたザマスお母さんを想像してくれ。
:09/06/22 14:07 :F906i :FwQcJX9c
#617 [t]
(お、おかあさんはどんな人?あぁ、母親か…)
『いえ、生まれは北海道なんですけど物心付いた時期は丁度関西に住んどったんです。オレ、いや…あの…僕の家は僕が9歳の時に離婚してます
本間に恥ずかしい理由で母親はいません
それと親父は今入院しとるんです
ですからその、僕の両親を紹介するのはとても難しくて…すんませんこんな話
俺はマイナスの面も最初から出したろうと思っとったからすべてを語る事にした。
:09/06/22 14:10 :F906i :FwQcJX9c
#618 [t]
さやかのお母さんの表情が曇ったのが分かった
ああ、やっぱりな
こんな話せんときゃよかったかな
『…そう、そんなご両親では大変だったでしょうね。辛かったでしょう』
と俺に投げかけた。
両親を馬鹿にされた気がして正直俺は複雑な気持ちになった
:09/06/22 14:13 :F906i :FwQcJX9c
#619 [t]
気まずくなった空気を破って話したのはさやかママやった
母『そうだ、お父さんに電話しておかなきゃね。婚約者になった彼氏さんなんか急に見たらびっくりしちゃうものね』
俺はさやかパパとは、
去年の正月とお盆に2回しかあった事あらへん
こんなんでいいんかいな。
:09/06/22 14:19 :F906i :FwQcJX9c
#620 [t]
沈黙が続いて15分が経った頃やった
『ただいま〜』
っと
ど渋い声が聞こえてた
さやかパパや!!
ドドドドドドドドド!
俺の心臓はピークに達そうとしとった
心臓『ひ、ひひぇ〜俺らはぇえ!動きはぇー』
。
:09/06/22 14:21 :F906i :FwQcJX9c
#621 [t]
オレは急いで立った。
俺『…お邪魔してます。突然訪ねてしまってすいません』
父『ああ、久しぶりだな。まあまあ、座って座って』
さやかのお母さんはさっき俺が打ち明けた事実を丁寧にお父さんに伝えてくれとった
オレはさやかママの静かな声に耳を傾けながら
静かにアメの缶を見つめて待った
:09/06/22 14:25 :F906i :FwQcJX9c
#622 [t]
さやかパパは話を全部聞いた後に体制を整えて口を開いた
『…そうか、…いきなりだが結婚の理由は子供か?』
俺『いえ、違います』
『そうか、なら純粋にさやかとの結婚を望んでるんだな?』
単刀直入に質問が飛んでくるもんやから
俺はドギマギしながら答えた。
:09/06/22 14:27 :F906i :FwQcJX9c
#623 [t]
『もちろんです』
さやかパパは表情をぴくりとも変えずにまた口を開いた
『仕事は変えるんだろうな?』
『はい、今月で歌舞伎町から足を洗います』
『…次はなんの仕事に着く予定なんだ?きちんとした仕事が出来るのか?』
『はい、現場の仕事に着こうと思っています』
『そうか、まだ若いからな。…お前はさやかの事は大事に出来る自信あるのか?』
。
:09/06/22 14:36 :F906i :FwQcJX9c
#624 [t]
…俺はさやかパパに向かって話を始めた
さやかさんとは、今付き合って3年目になります。
今までを振り返ってもさやかの事はすごく大事で俺には必要です。
僕はお父さんからさやかを取りたいとかそんな気持ちは一切ありません。
でも僕の力でもさやかを幸せにしてやりたいです。
これから先も1番近くにいてやりたいです。
:09/06/22 14:40 :F906i :FwQcJX9c
#625 [t]
せやからさやかさんと結婚させてください…。
数回しかお会いした事ない僕なんかにさやかさんを任せるのは不安なのは承知の上です。
でも俺は今日認めてもらえんかったらまた来ます!
本間に結婚したいんです…さやかが好きやから。お願いします
俺は人生で初めて土下座で人に頭をさげた
:09/06/22 14:41 :F906i :FwQcJX9c
#626 [t]
頭を下げる俺に向かって
さやかのお父さんはゆっくりと口を開いてくれた…。
……お母さん、俺は
さやかをタクマくんに任せようと思う。
どうだ?
。
:09/06/22 14:50 :F906i :FwQcJX9c
#627 [t]
すると、さやかママは綺麗な顔で口を開いた
お父さん…、
お父さんが言う事に間違えわないと思うわ。
私はさやかとお父さん、それからさやかとお父さんに認められたタクマくんを信じて…
賛成するわ、お互い今以上に幸せになりましょう?
ね、さやか
と
さやかのお母さんは静かに綺麗な涙を流して返してくれた。
:09/06/22 14:53 :F906i :FwQcJX9c
#628 [t]
俺はさやかを
その瞬間にさやかを
一生懸命大事にしたい
俺が生きとる限りさやかを
不幸にはさせやん
そう誓った
:09/06/22 14:55 :F906i :FwQcJX9c
#629 [t]
そう誓った
そう神様に心から誓った
…はずなのに。
けっきょく俺は…
さやかを幸せに出来たんやろか?
:09/06/22 14:56 :F906i :FwQcJX9c
#630 [t]
なあ。天の神様
もう一度だけ
俺が天にお願いしていいのなら
さやかをまた
両親の隣に戻してほしいんだ。
:09/06/22 14:57 :F906i :FwQcJX9c
#631 [t]
乱れた顔と座布団を直してから無事にさやかの家を出た
さやかパパは俺を見て
『また近いうちに顔を見せに来なさい、今度一杯やらないか?』
と誘った
俺『はい、やりましょう!本間に今日は突然すんませんでした。ありがとうございました。じゃあ、おやすみなさい』
車を走らせるにつれて
ぼやける家に向かってさやかはいつまでも手をふっとった。
:09/06/22 15:04 :F906i :FwQcJX9c
#632 [t]
『タクちゃんよかったね!』
『なー本間によかった、いやー緊張したわ』
『フフ♪タクチャン、すっごい真剣だった。はじめてみたよあんなタクちゃん☆』
『俺な?ドラマとかでよく娘さんを下さいとか土下座しとったりとか、あんなん本間にするんかい!って思っとったんやけど』
『うんうん』
『せなあかんねんな。てかそれぐらい当たり前にする気持ちになんねん親父さんの前に立ったら』。
:09/06/24 00:36 :F906i :caTu45VE
#633 [t]
『…そっかあ!なんかすごい感動しちゃった…かっこよかったなぁ』
『かっこいいのはいつもやろー?(笑)』
『はいはい確かにそうですねタクマ様だもんね
』
←なんやねんこの顔は
と、まぁこんな感じで挨拶は終わりましたとさ。
:09/06/24 00:37 :F906i :caTu45VE
#634 [t]
▼オレパパに報告
さやか両親の挨拶が終わって4日後
俺とさやかは北海道に旅立った
もちろん親父の元へ
親父と会うのは1年半振りやった
そしてさやかは何と初めてやった
さやかは緊張しすぎて、心臓がでちゃいそぅ!!
と恐ろしい事を口にしながら
俺の車に乗り込んで空港に向かった
:09/06/24 00:41 :F906i :caTu45VE
#635 [t]
成田空港に着いてからの空の旅はあっという間でちょっと寝とる間に北海道に着いた
そしてレンタカーを借りて親父の病院へ向かった
さ『あぁやばいー緊張で心臓が…ry』
『はいはい大丈夫そんなんありえんから』
『うんだよね!よし行こうか!』
―ガラガラガラガラ―
ドアを開けてすぐ見える右手奥に親父の姿があった
すっかり小さくなった体でふとんをすっぽりかぶって
イヤホンを付けて横になっとった
:09/06/24 00:46 :F906i :caTu45VE
#636 [t]
『…よう、親父元気か?』
『…んお!?なんだどうしたんだねタクマ、久しぶりだな、っと…あれ可愛いお嬢ちゃんだね』
『初めまして川崎さやかと申します』
さやかは俺の親父に丁寧に頭を下げた
俺はさやかが顔を上げた瞬間に口を開いた
『…親父、俺なこの子と結婚したいんよ』
すると親父は笑顔で言った
『…ほぉ。本当か?よかったなこんな可愛いらしい女の子がお嫁さんになってくれるなんて…いやーべっぴんさんだねぇ』。
:09/06/24 00:51 :F906i :caTu45VE
#637 [t]
『せやろ?俺が選んだ女やぞ、間違いないから安心しろ!…親父は賛成よな?』
親父は寂しい顔で言った
『当たり前だ、俺はなんも親父らしい事してやれてないからな、結婚相手を見せに来てくれただけで嬉しいよ。』
それからさやかは俺の親父に向かって自己紹介したり、
俺との思い出を話したりと親父に触れながらゆっくり話してくれた
俺もさやかとの出逢いさやかのいい所、最近の俺
どうでもいいような事も話続けた
:09/06/24 00:54 :F906i :caTu45VE
#638 [t]
親父は嬉しそうやった そして元気そうやった
細くなった親父の手を握ったり、散らかった雑誌を重ねたり
脱ぎ捨ててあったパジャマをさりげなく畳んでくれとる姿を見て
俺はこいつを選んでよかったと
世界一出来た嫁やと
心から思った
ありがとうなって
こんな女を親父に紹介できて本間によかったと
さやかはやっぱりいい女やね
:09/06/24 00:55 :F906i :caTu45VE
#639 [t]
親父にまた近いうちに来ると話をして後にした
道代おばちゃんには電話で報告する事にした
道代おばちゃんは自分の事のように喜んでくれた
道代おばちゃんがさやかと電話したい言うて騒いどるから
さやかに話させた
さやかと道代おばちゃんは仲良くなったみたいやった
道代おばちゃん
さやかおばちゃん(笑)
―
:09/06/24 01:00 :F906i :caTu45VE
#640 [t]
▼さやかの妊娠?
その日は荒らしのように風の吹き荒れた日やった。
『うをぉサミイーな今日』
あまりの寒さに窓をガラガラと閉めた時やった
『…タクちゃん』
『おー?どした』
『あのさぁ、さやか最近食欲ないの…』
『…ふうーん、いつも食い過ぎとるで丁度いんちゃあん?』
。
:09/06/24 13:29 :F906i :caTu45VE
#641 [t]
ソファーに腰を下ろした俺の横にさやかも座った
『違うの
なんか食べてる時に気持ち悪くなったりすんの…吐き気とか!!』
語尾を荒げるさやかに俺はようやく耳を傾けた
『…ん、気持ち悪いん?今は?』
『うん。今、大丈夫』
『なんでやろ風邪か?』
『わかんないんだぁ』
『病院行くか?』
『…うん連れて行って、ごめんね』
。
:09/06/24 13:32 :F906i :caTu45VE
#642 [t]
(なんやろ大丈夫かな…)
さやかは着替えようとしとった
『病院やからジャージのままでいんちゃう?』
『…わかったそうする』
言われてみればやけど
確かにさやかは様子が変やったかもしれん
いつもだるそうに寝とる事が最近多かったし、
飯もあんま食べとらんかもしれん
よくよく考えると心配やったからとりあえず病院に行く事にした。
:09/06/24 13:34 :F906i :caTu45VE
#643 [t]
(きっとまた変なダイエットでもしたんやろ…)
こんな事を考えとる時やった
『…あの、タクちゃん?』
『なんや気持ち悪いか?』
『…違うの、産婦人科に連れて行って?』
『は!?産婦人科?』
。
:09/06/24 13:36 :F906i :caTu45VE
#644 [t]
さやかは一瞬黙った後に口を開いた
『…もしかしたら…って思って…生理も来てないから。ちょっと遅れてるだけって思ってたけどもしかしたら妊娠のせいかも!って思って』
『…本間に?!それやったら絶対産んでな!!』
『え、うん…いいの?』
『当たり前やろが!!俺の子やろ産んで欲しいに決まっとる!!』
『いやっまだ決まった訳じゃないからさ、でもよかった☆そう言ってくれて…』
と
さやかは嬉しそうに笑った
俺も具合悪いんやなかったんやとホッして笑った
:09/06/24 13:39 :F906i :caTu45VE
#645 [t]
俺はもしかしたら…
なんて考え始めたら
わくわくと緊張で耐えれん気持ちやった
そして俺は産婦人科に車を軽快に猛スピードで走らせた。
さやかは俺の腕を掴んだまま真っ直ぐな目で前を見とった
『なに、さやか緊張しとんの?』
『う、うんちょっとね…』
『なんでやねん、力抜いとけ筋肉痛なるで(笑)』
。
:09/06/24 13:42 :F906i :caTu45VE
#646 [t]
確かその日は、やけに混んどる日で渋滞にはまった
でもこの日は絶対に煙草は吸わんかった
さやかに赤ちゃんがおるかも知れんから
強い突風と嵐の中、車は産婦人科に着いた。
:09/06/24 13:43 :F906i :caTu45VE
#647 [t]
病院独特のあの、いや〜な病院臭を嗅ぎながら待った
『なんか飲むもん買ってくるわ、さやか飲む?』
『うん、でも全部飲めないからタクちゃんの飲む』
『わかった、待っててな』
っと
自販機からソファーまでほんの数分離れた間に
さやかは呼ばれたようやった。
:09/06/24 13:46 :F906i :caTu45VE
#648 [t]
俺は中には入らんで置こうと思ったんやけど、
さやかは俺も一緒にと引っ張った
そこには白髪のおっさんと若い看護婦、ベテランであろう看護婦がおった
医『今日はどうしました?』
『……。』
さやかは訴えるような目で俺を見とった。
:09/06/24 13:48 :F906i :caTu45VE
#649 [t]
『さやか、どこがどうなんか自分でいいな』
さやかは食べると気持ち悪いとか、寝てて体が重いとかいつも眠いとか、そんな事を話しとった
医『ほぅほう。妊娠の初期症状に似てますので
検査をしてみましょうか、でわお連れ様は外でお待ち下さい』
っと
俺は愛しのハニーハントを置いて仕方なく外で結果待ちとなった
:09/06/24 13:49 :F906i :caTu45VE
#650 [我輩は匿名である]
頑張って下さい
:09/06/24 13:54 :F02A :Qvn13NNo
#651 [t]
>>650ありがと
また夜更新するで
見てやって下さい
:09/06/24 20:54 :F906i :caTu45VE
#652 [ゆか]
はじめまして。
リアルタイムで読みました。
最後まで読みたいので
頑張って下さい
:09/06/24 21:20 :SH903i :☆☆☆
#653 [t]
>>652コメントありがとう
最後まで飽きずに読んでやって下さい
:09/06/24 23:30 :F906i :caTu45VE
#654 [t]
>>649続き☆
それから落ち着かん俺は喫煙室を探したがさすがに産婦人科には見当たらんかって
外は雨やし諦める事にした
『&*@#£%¢』
っ?
女の声が聞こえたドアを振り返るとさっきの部屋から看護婦が俺を呼んどった
:09/06/24 23:41 :F906i :caTu45VE
#655 [t]
真っ白な部屋に入るとそこには
大きなテレビ?と横になっとるさやかがおった
『さやか大丈夫か?』
医『どおぞ座ってください。結果が出ました。妊娠してますよ』
『本間ですか?!』
『はい、よくモニターを見てくたざい、ほらね分かるかな』
そこには、
黒い影のようなもんが動いとるのが見えた
:09/06/24 23:46 :F906i :caTu45VE
#656 [t]
『うわ、すげー!!やべーよかったな!さやか』
『…うん★よかったぁ、ほっとしたよぉ』
さやかは俺の手を触って涙ぐんだ顔でそう話した
看護婦さんはおめでとうございますと俺とさやかを見た
無事に妊娠しとった事も分かって
また来週病院に来る事も決まって、今日はとりあえず帰る事となった。
:09/06/24 23:49 :F906i :caTu45VE
#657 [t]
俺は赤ちゃんができるという事はこんなに
体が震えるほど嬉しいものなんやって
初めてわかった
さやかが教えてくれた
俺はさやかとこの小さな赤ちゃんを一生守りたいってそう思った
:09/06/24 23:50 :F906i :caTu45VE
#658 [t]
"守りたい"
なんてキザな台詞、
絶対言わんて思っとったけど…
この日はさやかと赤ちゃんは俺が守るから
"絶対"幸せにしたるから
っと
なんかいもなんかいも伝えた
:09/06/24 23:52 :F906i :caTu45VE
#659 [t]
本間に守りたいって気持ちは
言葉にしたいもんなんやって
事もその日分かった
言葉がそれしか出てこんのやで
不思議やね
:09/06/24 23:53 :F906i :caTu45VE
#660 [t]
『なあ、さやかそう言えば…あれよな?!』
『へ?あれ?』
『あれわあれやっ!!あの…できちゃった結婚とかになるん?婚約中も!!』
『あぁ。なんだと思ったぁ〜!大丈夫よぉ、赤ちゃんがいるって分かったのは後の話でしょ?』
。
:09/06/24 23:56 :F906i :caTu45VE
#661 [t]
『…やんなー、んな大丈夫かぁきっと』
『大丈夫大丈夫♪でも、お腹目立たない内に式やりたくないー?』
『そやなーまず、親にも言わな話はじまらんよな』
『うん!明日いこっかぁ?』
『ああ、とりあえず連絡だけいれといてや、明日遊び行くって。詳しい事は明日のがいいやろーから』
。
:09/06/24 23:57 :F906i :caTu45VE
#662 [t]
この日は天気が悪いのもあって
真っ直ぐ帰るのが1番やったけど腹が減っとったのもあって
ファミレスに寄ってから帰る事にした
"俺は"
頭が悪いで専門的な事はなんもわからんけど、
さやかに何かさせたらいかんと思って
この日から俺は何でも屋さんになった
:09/06/24 23:59 :F906i :caTu45VE
#663 [t]
何でも屋さんとは、さやかに頼まれたら何でもやるお仕事。
さやかはケチやから時給も日給も出ないんやって
まぁそれでもええわ
さやかが元気な赤ちゃん産んでくれるんやったら
この日から俺は働き者になったとさ
チャンチャン。
:09/06/25 00:00 :F906i :mfnOAAlg
#664 [t]
どおもです。何でも屋の新パパです
新パパってなんか気に入らんなー
まるで古パパがおるみたいやわー
…とまぁ、どぉでもええ話。
俺『ぁ゙あーさやか!!やらんでいいって、ほっとけそんな茶碗、俺がやるんやから寝とって』
『いいよぉ!これから仕事なんだからダメだよ疲れちゃうよぉ〜これぐらい大丈夫だから!!ね?』
俺『あ゙ーかーんーってぇ、もぅなんでやー?なんで言う事聞かんのやーぁ?』
『心配性なんだよぉ。タクちゃんはー、ばかぁー。適度な運動なら問題無いんだよ?むしろ体少し動かした方がいいんだから(´・ω・`)』
。
:09/06/25 00:03 :F906i :mfnOAAlg
#665 [t]
(なるほどなるほど〜
)
俺『…そうなんや!!なんやねん最初から言えやー、んなやってやって?』
『あ〜あ、急に優しさ無くなったしね』
俺『な、なんやそのふて顔は!んな俺がやるわやっぱり』
『ウーSO!だよ★いいよありがとぉね?』
とこんな1日を過ごしとる…
:09/06/25 00:05 :F906i :mfnOAAlg
#666 [t]
▼"報告"
雲一つない綺麗な青い空の日やった
『さやー!!用意できた?』
『うぅ〜んまだぁ』
(全くなんでこんな女って遅いんやろ
化粧か?服か?髪か?)
『はーい、タクちゃん終わりましたぁ!!』
俺『よし、よし、よし、可愛い行くぞ』
っと
さやかをチェックして準備完了。
:09/06/25 00:11 :F906i :mfnOAAlg
#667 [t]
家出る前に緊張マンが俺の体にへばりついとった
けど。
気にしやん
俺は運転しながら紹介する言葉を探した
えっと赤ちゃんがいます…さやかの中に赤ちゃんがいや、さやかさんのお腹には赤ちゃんが、いや赤ちゃんはさやかのお腹に、いやいや、違うか。
さやかは赤ちゃんの中に…
違う違う。これはおかしい(笑)
と何度も妄想を繰り広げた
:09/06/25 00:13 :F906i :mfnOAAlg
#668 [t]
『喜んでくれるかなぁ?』
俺『当たり前やろ、喜ばん親なんかおらんよきっと』
『え〜…きっと
?』
(カット?)w
俺『…いや、絶対』
この日は緊張しとったせいか距離が遠く感じた
それと
さやかが一段と可愛く見える
なんでかね?
:09/06/25 00:17 :F906i :mfnOAAlg
#669 [t]
俺『なんか買ってった方がええよなー?』
『うーん、どうなんだろ?まんじゅうとか?』
俺『おーそれいいやん』
っと結局。
まんじゅうとドラ焼きを持ってく事にした。
:09/06/25 00:20 :F906i :mfnOAAlg
#670 [t]
なが〜いながい道を抜けて20分が経った頃さやかの実家が見えた
俺は緊張感でいっぱいやった
できちゃった結婚とは思われないやろか?
もし思われたらど突かれるやろな
いや、どうやろ?
:09/06/25 00:23 :F906i :mfnOAAlg
#671 [t]
何回シュミレーションしてもさやかパパの答えが予想出来やん
『おーい緊張してんの?(´・ω・`)』
とさやかが肩を揺らした
俺『いや、しとらん(`3`)』
『…(´・ω・`)』
。
:09/06/25 00:26 :F906i :mfnOAAlg
#672 [t]
今回はさやかの鍵でスムーズに開けた
『あら、だあーれー?』
っと。
玄関の音に気づいたさやかママは、キッチンから手を拭きながら現れた
さやかママは、俺とさやかの姿を見て
『あら、早かったわね』
と言った。
:09/06/25 00:29 :F906i :mfnOAAlg
#673 [t]
さやかママは不思議そうに俺らを見た
『そう言えば今日はどうしたの?急に遊びに来るなんて言うもんだから、びっくりしちゃった』
『あ、あの今日は嬉しい報告があって来ました
』
と
俺は震えた声で言った。
:09/06/25 00:34 :F906i :mfnOAAlg
#674 [t]
さやかママはすぐに察してくれた様子で
『あら、(*´д`*)とりあえず中にどうぞ?』
と笑顔をくれた
俺はその瞬間のホッとした気持ちを今でも忘れられへん。
:09/06/25 00:36 :F906i :mfnOAAlg
#675 [t]
リアルで読んどってくれた人おったらありがと
また明日更新するでチェックしてな
:09/06/25 00:53 :F906i :mfnOAAlg
#676 [CHI-]
めっちゃ爆笑´∀
この小説本間好きです♪
さやかちゃん
めっちゃ可愛い-´З
:09/06/25 02:56 :W61SH :☆☆☆
#677 [t]
>>676いつもありがとー
さやかもきっと喜んどるはずやわー
いや調子こんどるかもしれん
:09/06/25 17:49 :F906i :mfnOAAlg
#678 [t]
あげとくー
ごめん疲れたで今日は更新無し
:09/06/26 01:07 :F906i :dMTIZ.AI
#679 [お匿名]
:09/06/26 15:16 :F01A :qcjRPrqk
#680 [愛莉]
ほんまにおもろい
!
頑張って更新してなあ
★
:09/06/27 18:14 :D904i :tuWjrCPA
#681 [ゆき]
所々泣けちゃいます!!
なんて素敵な二人なんでしょうっ!!
:09/06/28 18:16 :921SH :jbLoydnE
#682 [シーサー]
主、生きてるか
:09/06/30 12:50 :F905i :yqQ8ybkQ
#683 [我輩は匿名である]
続きみたい。
忙しいんかな?
また見るから、暇ある時書いて下さいね
楽しみにしとります!
:09/06/30 16:56 :F02A :V0gM97D6
#684 [t]
>>679-683たくさんのコメントありがとうございます
書きためとったの一気に更新してもうて、今まとめるのにいっぱいいっぱいやったんです
夜中辺り更新再開するで飽きないで最後まで読んで下さい
:09/06/30 21:16 :F906i :YRAF3M.Q
#685 [t]
今日やっと話がまとまって来たで明日大量にまた更新再開するわ
それに今日は息子が中々寝えへんの
パパよく分からんし疲れた
ほな、また明日ー
:09/07/01 00:54 :F906i :ANEuTz1w
#686 [あかり]
上がってる!!
読んでます
子育て?とかで大変
だと思いますので
無理せず負担にならない程度で構わないので
更新頑張ってくださいね
:09/07/01 07:30 :F01A :tjYnhCdg
#687 [t]
>>686おーありがとう
やる気でたわ
またコメント下さいな
んじゃ更新します
:09/07/01 23:34 :F906i :ANEuTz1w
#688 [t]
>>674続き☆
中に入ると今日はリビングにさやかパパの姿があった
静かに中に入った
『お邪魔しま…す』
『おうおう、よく来たね』
と
さやかパパは俺を見て笑った
…( ´∀`)
おっと
デレデレしとる場合やないw
:09/07/01 23:36 :F906i :ANEuTz1w
#689 [t]
俺は言われるがままに出された座布団に座って
さやかママがお茶を入れ終わるのを待った
『…はい、どおぞ』
俺『あ、すんませんいただきます』
出されたお茶は熱くて俺は一瞬、"うっ"っとなった
:09/07/01 23:37 :F906i :ANEuTz1w
#690 [t]
それを見てさやかは吹き出した
『熱かったぁ?』
俺『うん、痛い(´・ω・`)』
おっと。
和んどる場合やなかった
ピシッと姿勢を正した後、さやかパパとママを見て話した
『…あの、実は今日も報告があって来たんです。お邪魔させてもらってから数日後さやかの様子がおかしくて病院に行ったんです、そしたら…妊娠してる事が分かりました』
パ&マ『妊娠?!』
:09/07/01 23:48 :F906i :ANEuTz1w
#691 [t]
『…うん☆本当に数日後に病院に行って分かった事なの』
と。
さやかが自分の口で説明した
マ『さやか☆よかったわね、生まれたら可愛いくてしょうがないわよ?』
パ『おめでとう!もうおじいちゃんになるのか俺は?』
え?
思いがけないさやかの両親の言葉やった
:09/07/01 23:54 :F906i :ANEuTz1w
#692 [t]
『……できちゃった結婚とかそんな風に思ったりしない?』
さやかは気になっとった一言を自分の言葉で投げかけた
俺も答えが返ってくるまで緊張の一瞬やった
『例えそうでもあなた達はお互いを選んで結婚したんだと信じてるわよ
』
さやかのママは俺とさやかを力強い目で見て話した
その瞬間。
さやかママの強い愛情を感じてさやかは幸せな家庭に生まれたんやなと思った
:09/07/01 23:55 :F906i :ANEuTz1w
#693 [t]
『じゃあ…早めに式を挙げるようになるのか?』
そうさやかパパは口を開いた
『うん、出来ればお腹が目立たないうちに…ね』
さやかはパパの顔色を伺うように話した
『そうか、そうだな。』
さやかパパは壁にかかった時計に目をやって話した
(どんな気持ちやったんやろか)
:09/07/01 23:58 :F906i :ANEuTz1w
#694 [t]
後々、できちゃった結婚やと騒がれたとしても
騒がれやんくても
もうそんなん関係あらへん
子供がおってもおらんくても俺はさやかとしか結婚せんのやから
今しても後しても変わらん
そして俺らの式は2カ月後となった
:09/07/01 23:59 :F906i :ANEuTz1w
#695 [t]
▼ウエディングドレス
結婚式を1ヶ月半後に迎えた俺らは
さやかのウエディングドレスを見に行った
確かこの日も晴れた天気やった
『もー出んで用事できとる?』
『あとちょっとぉ!!』
相変わらずさやかは用意に時間がかかっとる
何を用意しとるんか知らんけどもやたらとかかる
:09/07/02 00:01 :F906i :Sh9KAGmM
#696 [t]
やっとこ完璧な姿になって出てきたさやかを車に乗せて走った
『ウエディングドレスどんなのがいいかなー☆?』
っと。
さやかはわくわくしとる様子やった
さやかのウエディングドレスを想像しながら車を走らせた
おっと危ない
ぶつかるとこやった
:09/07/02 00:03 :F906i :Sh9KAGmM
#697 [t]
さやかはどうしても、桂由美でウエディングドレスを借りたいと言っとった
高いのにしゃあないなといいながらもさやかのウエディングドレスを想像すると
やっぱり行かずにはいられんかった
……
店に入ると真っ白なウエディングドレスが右側にあって
左側にはピンクやら青やらのドレスが並んどった
:09/07/02 00:06 :F906i :Sh9KAGmM
#698 [t]
そんな両側に並ぶドレスを見て
『…すごいね』
と言ったきり無言でさやかはドレスを順番に触って見とった
『いらっしゃいませ、お客様よろしければドレスのご相談に乗りますよ』
っと
声をかけてきたのはお団子頭の店員さんやった
デザイン、色、形
さやかの思い通りのドレスが見つかるまでそこで2時間が経った
:09/07/02 00:09 :F906i :Sh9KAGmM
#699 [t]
ようやくコレにしたいと決めたドレスは
大きなリボンの付いた淡いピンク色
大きな華が肩に着いたふわふわの真っ白なドレス
ラメの入ったブラックのドレスの三着やった
試着して見ると言う事でさやかが着替え終わるのを今か今かと待った
カーテンのサッと言う音で振り返ると、とびっきり可愛いさやかが立っとった
:09/07/02 00:16 :F906i :Sh9KAGmM
#700 [t]
『とってもよくお似合いですよ!本当にお美しいですよね』
団子頭は俺に向かって話しかけた
団子頭の営業コメントかも知れんけども俺には本心にしか聞こえんかった
いやー可愛いかった
本間にかわいかった
んまぁ。
キャバクラの姉ちゃんを想像してくれ
おっと上品なパターンの奴やで
:09/07/02 00:37 :F906i :Sh9KAGmM
#701 [t]
結局合計のお買い上げはとんでも無い事になった
んまぁ想像しやすく致しますとリシャールと同じ
おっと
分かんない?
分かんなくてオッケー
ちなみに俺はスーツ15万一着で済んだ
お色直しなんかせーへん
:09/07/02 00:38 :F906i :Sh9KAGmM
#702 [t]
っとまぁ後は結婚式の日を待つだけやった
なにもかも準備は整っとるはず
それより心配なんは披露宴の人数やった
結構、急にやったでハガキは一応出したんやけど
来られへん人かってたくさんいるはずやから
親父は来れるやろか?
道代ばあちゃんは来るやろな?
きっと。
:09/07/02 00:39 :F906i :Sh9KAGmM
#703 [t]
あれよあれよと言う間に結婚式前日を迎えた
この日はさやかと竜さんとかいで花火をやった
こうやってみんなで集まるのも無くなってまうんかな?
なんて考えると寂しくなった
海に行ったり、プールに行ったり、鍋パーしたり、ドライブしたり
もうこういう生活は無くなるんかな
結婚てすごい事やな
子供が生まれるってすごい事やね
この日改めて実感した
:09/07/02 00:42 :F906i :Sh9KAGmM
#704 [t]
▼結婚式の話
式場にはさやかは両親と俺は一人で向かった
かいと竜さんは式が始まるまでに来てくれると言っとった
そわそわしながらホテルの玄関で待った
…
そろそろ時間かと確認した後フロントに行くかとタバコを灰皿に押し付けた時やった
携帯が鳴った
『道代』
画面には道代おばちゃんの名前がでとった
:09/07/02 00:45 :F906i :Sh9KAGmM
#705 [t]
俺『もしもーし』
『おばちゃんよ、道代おばちゃんやけど今父さんとそっち向かうでね』
相変わらずの道代おばちゃんの声に安心した
俺『おお、分かるで!そうか、親父体は大丈夫なんか?電話変われる?』
『大丈夫よ、ちょっと待ってね』
:09/07/02 00:48 :F906i :Sh9KAGmM
#706 [t]
変わると言われてから数分後、ガサガサと風のような音の中にかすかに聞こえた声があった
それが親父の声やった
俺『親父か?体は大丈夫か?』
『…タクマ、タクマ』
俺『親父?聞こえとる?今日は来てくれてありがとーな!』
俺『…はいよ、タクマ、俺は大丈夫だいがったなー』
:09/07/02 00:50 :F906i :Sh9KAGmM
#707 [t]
親父はなんだかうまく話せやんくなっとった
ちょっとトンチンカンな返答をされながら親父とゆっくり話した
『じゃあ親父、道代おばちゃんもまた会場でな!』
切りのない親父の話にそう言って電話を切った
ポケットにしまったその携帯が鳴った
今度はさやかやった
:09/07/02 00:52 :F906i :Sh9KAGmM
#708 [t]
俺『あいあ〜い』
『…あ、もしもしタクちゃん?やっと繋がったぁ、どこにいるの?もうフロントの前にいるよー?』
ちょっと慌てとるような不安そうなさやかの声やった
『あーごめんごめん!親父と話とった、近くにいるですぐ行くわ待っとって』
そう言って電話を切った
自動ドアを開けるとすぐさやかの姿が見えた
:09/07/02 13:46 :F906i :Sh9KAGmM
#709 [t]
俺の姿を見つけたさやかはすぐに駆け寄ってきた
『もーどこ行っちゃったんだろと思ったあ』
っと。
俺に向かって言った瞬間にさやかの目が涙でいっぱいになった
:09/07/02 13:48 :F906i :Sh9KAGmM
#710 [t]
『えーwごめん、泣かんといてもう行かんから』
『うん、なんか心配になったしずっと繋がらないから』
『ごめんな?』
思わずさやかの頭を撫でたけど後ろにはパパの姿が見えて
うはwっとなった
:09/07/02 13:50 :F906i :Sh9KAGmM
#711 [t]
そんな気まず〜い状況なんざお構いなしに
フロントからスーツ姿の女の人が『でわこちらへどうぞ』と案内した
細い廊下を抜けてすぐ左側
▼山井家▼
▼川崎家▼
と控え室があった
その隣にメイク室のような部屋があって
さやかとさやかママはそこに案内された
俺は山井家の部屋に腰を降ろした
:09/07/02 13:54 :F906i :Sh9KAGmM
#712 [t]
お茶でもつごうかと一人でポットを触った時やった
『…っ新郎の身内のものです』
ふすまの外からそんな声が聞こえた
???
ザワザワと音がした後スーッとふすまが開いた
そこには、道代おばちゃんと親父の姿があった
:09/07/02 13:56 :F906i :Sh9KAGmM
#713 [t]
『あれータクマここに居たんや!!おめでとなあ!!』
相変わらずの道代おばちゃんのテンションやった
親父は隣でヘラヘラしとるだけやった
なんだかこないだ会ったばっかりやのに親父はまたボケてしまったようなそんな気がして少し寂しくなった
でもとりあえず今日来れてよかったな
いや
来てくれてよかった
:09/07/02 13:58 :F906i :Sh9KAGmM
#714 [t]
そんな事を思っとる時やった
『タクマ様こちらのお屋へどうぞ』
さっき渡した俺のスーツを丁寧に持った女性がふすまを開けて言った
『綺麗にやってもらってきなさい!!』
道代おばちゃんの押しと同時に立ち上がって
その女の人に着いて行くと大きな化粧台のある部屋に着いた
『こちらでお着替えなさって下さい、お色直し等もこちらのお部屋をご利用下さい』
そう女の人は残して部屋を出た
:09/07/02 14:00 :F906i :Sh9KAGmM
#715 [t]
久しぶりにスーツに腕を通すと新鮮な気がした
引き締まるような緊張感が増すようなそんないっぱいいっぱいの気持ちになった
いつもより丁寧に髪はセットした
今日は盛男になってやる
男の用意なんざ対して時間かからんくてまたさやかを待つ形になった
どのぐらい待ったやろ?
:09/07/02 14:02 :F906i :Sh9KAGmM
#716 [t]
自販機で買ったコーヒーをクルクルと投げてキャッチする
そんなわけのわからん遊びをしとる時やった
手招きするさやかママに気づいた俺は足早に駆け寄った
『さやか用意出来たわよ』
その一言で中に目をやった
:09/07/02 14:04 :F906i :Sh9KAGmM
#717 [t]
鏡の前で真っ白なウエディングドレスを着た
バービーチャンのような女の子がおった
『…かわいい、可愛い、お人形さんみたいや本間に』
こんな当たり前の言葉しか思いつかんほどに見とれた
いつもより少し濃い目のメイクやったんやけど
本間に可愛くて俺は改めて惚れ直した
:09/07/02 14:06 :F906i :Sh9KAGmM
#718 [t]
『…本間に綺麗やでさやか(´・ω・`)』
俺はこんなに可愛い子が嫁になるのかと思うと
嬉しさと変な緊張感で押しつぶされそうやった
『タクちゃんも本当っかっこいい☆やっぱりホストなんだねスーツ着ると(笑)』
さやかはそう言って俺の髪を触った
俺『え、そう?変?』
『ううん超ー格好いい( ´∀`)』
え…(*´д`*)デレデレ
:09/07/02 14:08 :F906i :Sh9KAGmM
#719 [t]
いよいよ式開始まで30分を切った
竜さんやかいからは着いたと連絡がきた
廊下に出るとザワザワした音がして緊張感が増した
そう先から俺は緊張感が増しまくりで胸が破裂しそうな状態やった
さやかに落ち着いてと言われてもさやかを見ると”興奮”してまう
おっと、危ない。
さやかは化粧が崩れたらあかんからと
汗をかかないようみんなにウチワで煽られとった
:09/07/02 14:12 :F906i :Sh9KAGmM
#720 [t]
いよいよ扉の前で入場の準備となった
大きな羽の付いた扉は重そうな扉やった
そんな扉を開けるとみんな一斉に目があっとるんやないかと思うぐらいの視線を浴びた
無事、新郎新婦の席に座って司会が進めてくれるのを待った
親父は俺を見てカメラを構えた
俺はこっそり下の方でピースした
:09/07/02 14:15 :F906i :Sh9KAGmM
#721 [t]
結婚式はさやかの見たこと無い友達や話によく出て来とった友達がたくさん来てくれとった
俺は地方から出てきとるし、人集まらんかと思われたんやけど
北海道と大阪からわざわざ東京まで顔出しに来てくれた奴もおって
式は結構な大人数で出来た
式の途中に読んださやかの手紙に涙が止まらんくてヒクヒクして泣いた
さやかが読み終わった後、さやかパパが一言だけ口を開いた
『さやかをよろしく』
:09/07/02 14:17 :F906i :Sh9KAGmM
#722 [t]
さやかのお色直しの時は余興で
かいが歌ってくれたり、さやかの友達がEXILEを踊ってくれたりと盛り上げてくれとった
あ、親戚?かも分からんようなおっさんも、ね(笑)
なんて思っとる間に
あっという間に時間が過ぎとって二次会の準備せなあかん時間になっとった
て事で
二次会、三次会はご想像にお任せします
正直酔っとってよく覚えとらんのです
:09/07/02 14:18 :F906i :Sh9KAGmM
#723 [t]
ベロベロに酔ったと思われる俺は気付けばカラオケにおった
時刻は午前2時を回っとった
隣で寝とるさやかを起こしてさやかの家に戻る事にした
おっと言い忘れとったけど
新婚生活が落ち着くまでは、さやかの家が住まいとなった
:09/07/02 14:19 :F906i :Sh9KAGmM
#724 [t]
次の日、親父と道代おばちゃんを空港まで送った
『いっぱい写真撮ったで現像したら送るわ』
道代おばちゃんは俺に向かってカメラを見せながら言った
『うん、ほなよろしく頼むわ。ありがとな二人共、また落ち着いたら近いうち顔出しに行くわ』
『約束やで、待ってるでね、またね』
親父の腰を支えながら道代おばちゃんは人混みに消えていった
:09/07/02 14:21 :F906i :Sh9KAGmM
#725 [t]
▼新婚
生活
『…っ起きて〜起きて〜早く〜行っちゃうよ〜』
(なんやなんや?)
聞き心地の良い声に気付いて俺は目を開けた
さやかが俺の上に乗って俺を無理矢理起こそうとしとった
:09/07/02 14:24 :F906i :Sh9KAGmM
#726 [t]
『あぁ、今何時?』
『9時30分だよ!!タクちゃん早くお出かけしよーよ』
『…いやだ』
『嫌じゃないでしょホラー早く着替えて!!』
さやかは俺の上にまたがって座ってお構いなしにジャンプする
:09/07/02 14:26 :F906i :Sh9KAGmM
#727 [t]
『いだい、痛いいたい、どこ行くんや?こんな朝早くから』
『昨日約束したでしょ〜明日赤ちゃんの服買うって、忘れたの
?』
『…あぁ、忘れてへんよけど、こんな急がんでもいいやんかー』
『ウソツキ!今、あぁって言った、忘れてたんだ絶対』
『わーがったわかった、忘れて無いって用意します、すぐにしますハイ』
:09/07/02 14:28 :F906i :Sh9KAGmM
#728 [t]
ったく、さやかはウザカワイー(笑)
さやかは化粧もし終わっとって完璧な姿で俺を起こしとった
せやからいつもは、さやかが遅いくせに今日に限って俺のが遅いから、
さやかはどや顔しとる
ムカつくやつやわー(笑)
でもまあ、そんなとこも可愛い
とか言って〜
なんて思いながらちゃきちゃきと着替えた
『よっしゃ、んじゃ行くかー』
『うん!!行こう☆』
:09/07/02 14:29 :F906i :Sh9KAGmM
#729 [t]
車を走らせて20分、店の前についた
一番近い場所にと駐車場を三周りしてからやっと空いた場所に停めた
店の中は白がメインに出来とるような綺麗な場所で
ズラーッと壁にかけてある服は小さくて
人形が着る服みたいやった
:09/07/02 14:31 :F906i :Sh9KAGmM
#730 [t]
『かわいーねこれー!!』
最初にさやかが手にしたのは、もこもこしたつなぎのような服やった
『あ、本間やーお洒落やなーそれ子供服やのに』
『ねー、小さいしなんだこれ〜すごいなぁ☆』
どの服を見ても可愛くて柔らかい素材で
ますます早く健康に生まれて来てくれと思った
:09/07/02 14:31 :F906i :Sh9KAGmM
#731 [t]
俺『男の子か女の子か分からんのにまだ服早かったかねー』
『ん〜男の子だと思うよ☆なんかそんな気がする』
俺『へえ〜マジで?男の子やったら将来楽しみやなー』
:09/07/02 14:33 :F906i :Sh9KAGmM
#732 [t]
『女の子だったら、お洒落な可愛いらしい子に育てる♪』
俺『せやなー男やったら俺みたいな優しい男になって欲しいなー』
『え〜タクちゃんに似たらどうなっちゃう事か、生意気になっちゃうよ〜?』
俺『はあ?なにがやし!ほな、女の子でさやかに似たらわがままになるわ』
:09/07/02 14:34 :F906i :Sh9KAGmM
#733 [t]
『うわ〜さいあく〜酷いその言い方〜でも、一個分かるのは女の子でも男の子でも絶対やんちゃだねー♪』
俺『あーそれは間違いないわーほな、このドクロのワッペン着いたパーカー買ってこーや』
『え〜やんちゃだからドクロって発想?変なの〜(笑)』
そんな事言いながらもさやかは結構ドクロのワッペン気にいっとるみたいやった
:09/07/02 14:36 :F906i :Sh9KAGmM
#734 [t]
それから鈴が入ったゆらゆら
よだれかけ
小さいプーさんの食器セット
お昼寝用のタオルケット
小さなハート形の薄い枕
も揃えた
:09/07/02 14:41 :F906i :Sh9KAGmM
#735 [t]
帰り道は、本屋に寄って生まれてくる赤ちゃんのための本を買った
『パパが覚える基礎知識』
よっしゃコレで一人前のパパになれるはずや
さやか健康な赤ちゃん産んでくれな!!
神様、お願いな!!
:09/07/02 14:43 :F906i :Sh9KAGmM
#736 [t]
…
妊娠7ヵ月が過ぎた頃、
やっと男の子やと分かった
『本間に男の子やったなー!』
『ね?だから言ったでしょお?』
『本間にすごいなー、さすがママやわ』
『へっ(`ω`)』
:09/07/02 14:44 :F906i :Sh9KAGmM
#737 [t]
生まれてくる赤ちゃんの名前はなんにしよう
洒落た名前がええよなー今時の子やし
考えて考えた結果、俺が全力で考えた結果これにしたいと言う名前が見つかった
一生のうちにどんな事があっても強く飛んで前に行ける力が付くように
…
:09/07/02 14:48 :F906i :Sh9KAGmM
#738 [t]
『勇飛』
さやかは何て言うかね
?
:09/07/02 14:49 :F906i :Sh9KAGmM
#739 [t]
夜いつものようにリビングでレモンティーを飲むさやかに話しかけた
『なあなあ、子供の名前やけどユウヒってどうや?』
『…ユウヒ?夕日?』
『いや、勇ましく飛ぶって書いて勇飛って』
『カッコイー♪お洒落な名前だねー!!何か強い子になりそうだね☆』
:09/07/02 14:51 :F906i :Sh9KAGmM
#740 [t]
『せやろ?ずっといろんな名前考えとったんやけど、やっぱり勇飛が一番しっくり来たんよ』
『うんうん、勇飛ってカッコイー、明日にでも画数とか調べてもらおうよー!!』
『せやなー明日、昼間お寺行こう』
『うん行こう★!!』
:09/07/02 14:51 :F906i :Sh9KAGmM
#741 [t]
次の日お寺に行って画数と漢字の組み合わせを見てもらった
お坊さんは強い子に生まれ、将来大きな仕事に付く名前です
と言った
どうやら相性の良い画数と組み合わせらしいのだ
よかったよかった
:09/07/02 14:56 :F906i :Sh9KAGmM
#742 [t]
妊娠8ヵ月(31周目)
を過ぎた頃
さやかは産婦人科に入院した
俺は毎日顔を見に行った
ホストを上がってから、まだ若かったで現場の仕事に着いとった
現場はだいたい5時過ぎ6時代に上がりやったから
その後はすぐにさやかのおる産婦人科に急いだ
さやかが寝付けへんとき、俺が寂しい時は泊まったりもしとった
:09/07/02 18:53 :F906i :Sh9KAGmM
#743 [t]
………
俺が仕事中の時やった
さやかママから電話が入った
『予定より早く生まれそうよ!急いで病院に来て』
予定日は一週間やった
急すぎて俺は理解するのに時間がかかった
『え、本間ですか?分かりましたすぐ行きます!!』
:09/07/03 00:10 :F906i :GvWVwCcI
#744 [t]
(なんでこんなに早いのや?)
とりあえず早く来いとの事やったから急いで仕事を抜けて車を出した
(まだ産まれんよな?さやか頑張って頼むまだ待って)
今までで一番早いスピード出しとるはずやのに
中々、産婦人科には辿りつかへんかった
:09/07/03 00:14 :F906i :GvWVwCcI
#745 [t]
長く感じた道のりもようやくゴール地点が見えた
急いで車を停めて玄関に向かうと玄関にはさやかママがおった
『さやかは!?』
ゼーゼーと落ち着き無い呼吸をしながら話しかけた
『今、陣痛が安定して寝ているわ、でもいつ産まれてもおかしくないそうよ』
とさやかママは言った
『そうですか、てか早くないですか?大丈夫なんですかね?』
:09/07/03 17:06 :F906i :GvWVwCcI
#746 [t]
『大丈夫よ、一週間くらいのズレなら珍しくわ無いわよ』
さやかのママはもう経験しとるからかずっと落ち着いとった
一方俺はさやかの顔が早く見たくて
さやかが出てくるのをせかせかしながらひたすら待った
まだかまだかとさやかがいるという部屋の前を行ったり来たりしとった
:09/07/03 17:08 :F906i :GvWVwCcI
#747 [t]
さやかママはこの部屋から産む前に一度出てくると言っとったけど
さやかは2時間が経っても一向に出てこーへんかった
(なんやろ?なんかあったんか?)
俺の不安は募るばかりやった
:09/07/03 17:13 :F906i :GvWVwCcI
#748 [t]
さやかのママも遅いわねと心配の表情に変わっとった
中で何が起こっとるか分からん状態のまま俺は
ただただ神様に祈った
なんにもありませんように
無事さやか出てきますように
って
:09/07/03 17:15 :F906i :GvWVwCcI
#749 [t]
どうしようも無く焦る気持ちは続いた
開けられへんドアの前におるのは本間に辛かった
さやか
なんで
中で何が起きとんの?
なあ、
なんで看護婦さんも出て来んのや?
:09/07/03 17:17 :F906i :GvWVwCcI
#750 [t]
…
…
ドュウイーン
独特な病院のドアの空く音がした
ハッと我に返って出てきた看護婦さんを見る
『産まれましたよ
元気な男の子です、母子共に健康ですよ』
え?
:09/07/03 17:21 :F906i :GvWVwCcI
#751 [t]
(え?産まれた…?もう?)
さやかのママもパパも、へ?と言う表情やった
後でよくよく説明を聞くと安静やったんやけど急に出血?やらなんやらしだして
子宮が通常より広がってすぐ産まれる状況になったらしく中を通って分娩台に入ったと言う説明やった
:09/07/03 17:27 :F906i :GvWVwCcI
#752 [t]
それやったら何で先に言うてくれんのや?
何かあったんちゃうかとか思うやんか普通
あっけなく生まれた事実に嬉しくもあり、ほえ?と言う気持ちにもなったが
一番は母子共に健康
これが嬉しくて涙が出た
生まれたばかりの勇飛の体重は3400グラムやった
:09/07/03 17:38 :F906i :GvWVwCcI
#753 [t]
初めて見た勇飛は真っ赤な顔しとった
生で初めて見る生まれたばかりの赤ちゃんはすっごく小さな体やった
さやかの隣に赤ちゃんは移された
さやかは赤ちゃんを肩に引き寄せて頭を撫でた
:09/07/03 17:42 :F906i :GvWVwCcI
#754 [t]
『先生、ありがとうございました』
さやかパパの声が聞こえた
その後に続いて部屋を出て行こうとする看護婦と先生に向かって
俺もありがとうございましたと言った
さやかは小さな声でタクちゃんよかったね…
って言った
:09/07/03 17:44 :F906i :GvWVwCcI
#755 [t]
一旦、赤ちゃんとはお別れでさやかはまた一般の病室に戻った
さやかはさっきまで痛かったのが嘘のようだと言っとった
『さやか、疲れたやろ?』
『うんすっごいやばかったよ(´・ω・`)』
『せやろ?一緒に居てやりたかったな』
『…だめ、さやかひどい顔してたもん!!絶対NGだよあれわっ』
:09/07/03 17:52 :F906i :GvWVwCcI
#756 [t]
『そんなん関係ないわ〜あほが、てか逆に見てみたかったわ(笑)』
『なにそれどう言うこと〜?
』
しばらくして看護婦さんがやってきた
『そろそろ面会の制限時間がありますので…』
生んだばかりの体は想像以上に疲れとるみたいで
その日長くは一緒におれへんかった
:09/07/03 23:17 :F906i :GvWVwCcI
#757 [t]
『…ほな、さやかまた明日来るでね、おやすみ!』
『ん〜もう帰っちゃうのかあ、』
『さやかも今日は安静にして体休めなあかんのやって』
さやかはゆっくり頷いた
『…わかった、また明日絶対来てね(´・ω・`)』
:09/07/03 23:21 :F906i :GvWVwCcI
#758 [t]
その日の夜は明日また勇飛の顔が見れると思うと嬉しくてなかなか寝付けなかった
(さやかはぐっすり寝とんのかな?)
そんな事を考えながら歯ブラシを加えた時やった
プルルルルルル〜♪
(あ?プルルル?)
それは無設定の着信音やった
:09/07/03 23:39 :F906i :GvWVwCcI
#759 [t]
まだ見てくれとる人おるかな
?
更新ゆっくりやけど最後まで見てやって下さい
あげときます
:09/07/05 22:06 :F906i :Dul/Nocc
#760 []
毎日チェックしてます
頑張って完結してください
:09/07/05 22:20 :SH906i :4fSIMlvY
#761 [我輩は匿名である]
私も毎日チェックしてますよ
続き楽しみに待ってます
☆
:09/07/05 22:39 :N703iD :BGKEbQMI
#762 [さくら]
いつもみてます
:09/07/05 22:53 :P01A :Pk5Om2r.
#763 [h.i]
私も毎日見てます
主サンのペースで頑張って完結して下さい
:09/07/05 23:28 :P905i :.ePRTm36
#764 [あかり]
:09/07/06 07:33 :F01A :ZI4a4a/A
#765 [t]
:09/07/06 22:53 :F906i :Dy.nkvzM
#766 [t]
>>758続き☆
”公衆電話”
画面には公衆電話の文字があった
『…はい』
『もしもし?さやかだよ』
(電話の相手はまさかのさやかからの電話やった)
『え、さやか?…病院の公衆電話か?』
『…うん、お金無かったからテレビカードお金にして電話したの、どうしても眠れなくて…』
:09/07/06 22:57 :F906i :Dy.nkvzM
#767 [t]
『そうやったんか、なに言うてんのさっきまで一緒におったのに、(笑)』
『でもなんか寂しくて眠れない…』
『明日仕事終わったらそのまま行くで待っといて、昼間になったらさやかも寂しくないやろ?寝たら明日なんかすぐ来るでっ!それに近くには勇飛がいるんやで、寂しくないやろ?』
さやかは少し無言になった
:09/07/06 22:59 :F906i :Dy.nkvzM
#768 [t]
『うん!!そうだね声聞いたら安心してきた、あ、あのねテレビカードだから長く話せないのっ今日テレビ見ちゃったから少ししか無くて…
』
『そっか、ほんならまた新しいテレビカードと携帯持ってくな明日わ』
『うん★待ってるからねっ!』
さやかがやっと笑った
:09/07/06 23:00 :F906i :Dy.nkvzM
#769 [t]
次の日仕事終わりにちゃんと約束通りの物を持って
さやかに会いに行った
すっかりさやかは疲れもとれた様子やった
それから六日間、さやかと毎日、こっそり電話をした
:09/07/06 23:05 :F906i :Dy.nkvzM
#770 [t]
今日の勇飛の様子とか今日の病院食とか話題がつきる事は無かった
…
さやかも赤ちゃんも安定したと言う事で一週間の入院が終わった
やっと自宅に帰れる日が来た
:09/07/06 23:05 :F906i :Dy.nkvzM
#771 [t]
その日、俺の朝の正座占いが1位の時やった
こんな日にさやかが退院だなんて本間に今日は1位の日やななんて思った
その時から占いを信じるようになった(笑)
さやかを迎えに行くだけなんやけど俺は久しぶりの完璧なお洒落をした
今日はめでたい日やから
:09/07/06 23:09 :F906i :Dy.nkvzM
#772 [t]
11:30に迎えに来てと連絡があった
俺は9時には用意が終わってまだかまだかと暇しとった
ようやく11時、それ出るかとソファーを離れた
さやかと勇飛がこの家に帰って来ると言う事で
俺は掃除機をかけた
窓を拭いた
初めてこんな事した日やった
俺は軽快な足取りで病院食に向かった
:09/07/06 23:13 :F906i :Dy.nkvzM
#773 [t]
×病院食
○病院
:09/07/07 00:38 :F906i :Nt7uqrrQ
#774 [t]
さやかのために用意したひざかけを手に持ってさやかの待つ部屋に向かった
病室のドアに手をかけた時やった
『あ、タクマー』
?
振り返るとさやがおった
『さやかー、迎えに来たで!』
:09/07/07 00:41 :F906i :Nt7uqrrQ
#775 [t]
さやかはニコニコしながら言った
『ねえ、勇飛を下まで迎えに行こう?』
『せやな、はよ行ってやろ!!』
勇飛がおる部屋に少し足早に向かった
ガラスの向こうにはピンクの腕輪の3番をはめた勇飛がおった
ピンクの腕輪の3番はさやかも付けとる物やった
いわゆる生まれたて時すぐにはめた親子の証やった
:09/07/07 00:51 :F906i :Nt7uqrrQ
#776 [t]
すぐに看護婦さんを呼んだ
看護婦さんは、勇飛を抱かえてさやかにだっこさせた
看護婦さんはピンクの腕輪を記念に持ち帰ってもいいと言った
せやから記念に持ち帰る事にした
:09/07/07 22:59 :F906i :Nt7uqrrQ
#777 [t]
帰り道は、少し遠回りして帰った
TSUTAYAに寄ってDVDを借りる事にした
俺『でも勇飛には、まだ早いんやないの?』
『う〜ん、3歳になるまでは、文字とかわかんなくても話わかんなくても色んな色とか形とか音を聞かせるのが大事なんだよっ☆』
と
さやかはママの顔で言った
:09/07/07 23:03 :F906i :Nt7uqrrQ
#778 [t]
『そうなんや、ほんなら借りていこう』
さやかはちょっと黙った後言った
『ねえ、ねえ最初に勇飛になに見せよっか?』
『…せやなぁ、アンパンマンが定番ちゃう?』
『ん〜そうだね、やっぱそれかな?』
:09/07/08 23:59 :F906i :RF/mMBe.
#779 [t]
『そやろーやっぱそれやろ』
こうして決まったアンパンマンを勇飛に一番最初に見せる事にした
……
家に着くまでがなんだか長く感じた
帰り道、サンクスによってタバコとコーヒーを買った
:09/07/09 00:05 :F906i :vgEuoM9.
#780 [t]
▼山井家族物語
ようやく勇飛が自宅で生活出来る日が来た
さやかは勇飛を抱っこして
俺は、先に家に入ってビデオカメラを構えた。
勇飛が初めて家に入る瞬間をちゃんとビデオに残したかった
:09/07/09 00:09 :F906i :vgEuoM9.
#781 [t]
『さやか、待ってそこから動かんといてまだ!!』
『んもぅ〜またぁ?わかりましたぁ』
しつこいカメラマンはさやかを何回も止めた
『よし、歩いて来ていいで』
その一言を言った後、勇飛とさやかにカメラを向けた
:09/07/09 00:12 :F906i :vgEuoM9.
#782 [t]
『…っしゃうまくとれたはずや!!』
『どれどれ、見せて☆』
俺は満足した顔でカメラを畳んで
用意してあった配線を繋いでテレビに映し出した
???
:09/07/09 00:15 :F906i :vgEuoM9.
#783 [t]
カメラに最初に映ったのは俺の足やった
(笑)
『さやか、今から撮るでちょっと待っとって?なあ、さやか勇飛こっち向かせてなちゃんと、っしゃほな撮るで』
足を映しながらそんな声が録画されとった
それからさやかのお腹が映ってようやく勇飛の顔が映った
:09/07/09 00:18 :F906i :vgEuoM9.
#784 [t]
『勇飛〜こっち向いてー、はい〜いいこやねぇ』
そんなことを声にしながら勇飛の顔とさやかの顔を交互に映してあった
正直言うたら玄関的な物はほとんど映っとらんかった
興奮しすぎて、んもぅ映像はユラユラと揺れた状態やった
ビデオの最後を占めたのは傘立てやった(笑)
そげな感じで勇飛の初自宅の1日が終わりました
:09/07/09 00:23 :F906i :vgEuoM9.
#785 [t]
その日はダブルベットで右にさやか左に俺、そして真ん中に勇飛で
川の字で寝ることにした
せやけど俺もさやかも勇飛を寝返りで潰してしまいそうで
なかなか眠れへんかった
…
次の日から勇飛は木で出来た小さなベッドで寝せる事にした(笑)
:09/07/09 00:27 :F906i :vgEuoM9.
#786 [t]
朝、目が覚めると俺の隣に勇飛がいた
勇飛はお昼寝のタオルケットにすっぽり包まれた状態やった
さやかはおらんかった
数分後、キッチンからお湯が沸いた音がした
:09/07/09 00:30 :F906i :vgEuoM9.
#787 [t]
勇飛をもう一度、丁寧にタオルケットで包んだ後キッチンに向かった
『ー…おはよ。』
『あれ、おはよう!!よく起きれたね☆今起こしに行こうかと思ってた所だったんだよっ』
無愛想な朝の俺とは反対にさやかは朝からいつも元気に返してくれる
時刻は7時15分ちょっと前やった
テーブルにはすでに綺麗におかずの入った弁当があった
(…さやかは何時に起きたんやろ?)
:09/07/09 00:35 :F906i :vgEuoM9.
#788 [t]
『……これ弁当、うまそうやな』
こんな言い方しか出来ひんのにさやかは嬉しそうに返事をしてくれた
『本当に?よかった☆いつも食べてくれてありがとうっ!!嬉しいよっ』
さやかはいつもありがとうを言う子やった
俺がありがとうを言わないけんのに…
さやかがいっつも先にありがとうと言ってくれた
:09/07/09 00:39 :F906i :vgEuoM9.
#789 [t]
そんな事を思っとる間に朝の時間はせかせかと進んどって気付けば家を出ないかん時間になりそうやった
さやかが作ってくれたフレンチトーストを急いで完食した
俺『ごちそう様でした!!』
『あ〜あ〜あ、そんなに慌てたら良いこと無いよ〜?』
そんなさやかの一言が気になってゆっくり歯を磨きはじめた
:09/07/09 00:45 :F906i :vgEuoM9.
#790 [t]
『それじゃあ、パパ行ってきます』
まだスヤスヤと寝る勇飛に向かって一声かけてから玄関を出た
さやかはいつも通りに
マンションの下に降りていくのをいつまでも手を振って見送ってくれた
:09/07/09 00:48 :F906i :vgEuoM9.
#791 [t]
愛しいさやかが手を振る姿に
いつも現場に行きたくなくなった
当時、夜型から昼型にするのは結構、いやかなりキツい物があったんやけど
俺はさやかと勇飛の為に稼ぐ
そう思えばなんてこた無かった
:09/07/09 00:51 :F906i :vgEuoM9.
#792 [t]
▼初めてのおでかけ
さやかママと俺と勇飛で初めて千葉県にあるショッピングモールに買い物しに行く事になった
初の3人の遠出やった
チャイルドシートを使う時がきた!!
チャイルドシートを設置するだけでもなんだか嬉しかった
楽しかった
:09/07/09 00:57 :F906i :vgEuoM9.
#793 [t]
(よし、よし、よし、)
さやかと勇飛を確認してから車を走らせた
初めての3人遠出ドライブの音楽はあゆにした
さやかはあゆが大好きで遠くに行く時はあゆが聞きたいといつも言っとった
勇飛をバックミラーで確認しながら歌を歌う
心無しか俺が大きな声で歌うと勇飛が手を叩いた
:09/07/09 01:01 :F906i :vgEuoM9.
#794 [t]
だら〜んと好き放題、車をよだれ車にする勇飛もこれまたたまらん可愛さやった
やっと少し大きくなった目をパチリパチリと動かしとる様子を見るだけで心が癒された
さやかは勇飛が心配のようでシートを倒した状態で勇飛を見守っとった
:09/07/09 01:04 :F906i :vgEuoM9.
#795 [t]
俺『あ、ベビーカー持ってきた?』
『もっちろん☆後ろにつんだよ〜ちゃんと』
俺『おー、さすがやな
』
…
そして
やっぱりさやかは倒したシートの上で爆睡した
:09/07/09 01:09 :F906i :vgEuoM9.
#796 [t]
カーナビ通りに来たのにエラい時間がかかった
『さやか着いたでー』
さやかのほっぺをムニムニした
『…』無反応
『さーやーか!!置いてくで?はよ降りんと』
ようやくさやかは目を開けた
:09/07/09 01:12 :F906i :vgEuoM9.
#797 [t]
『あれぇ?もう着いたのぉ?』
『着いたわアホ、てかむっちゃ遠かったで(笑)』
…
とぼけた事言うさやかはほっといて勇飛を初ベビーカーデビューさせた
:09/07/09 01:15 :F906i :vgEuoM9.
#798 [t]
さやかの目が冷めるように自販機でジュースを買った
俺は離れて一服した
さやかの目が覚めた所でようやくショッピングモールの中に入った
:09/07/09 01:18 :F906i :vgEuoM9.
#799 [t]
今日はさやかの洋服を見に来た
さやかはマーズとリップサービスとマウジーが好きやった
この日はリップサービスを見て回った
女の子はいっぱいブランドがあってよく分からん
てか、似たような服なんやから同じ店にしたらええのに
そんな事を思いながら一緒に選んだ(笑)
:09/07/09 01:24 :F906i :vgEuoM9.
#800 [t]
ちなみに俺の好きなブランドは
FUGA
LAGUST
midaS
X frm
あ、どうでもええか
あーいとゅいまてえん
:09/07/09 01:29 :F906i :vgEuoM9.
★コメント★
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